正直あまり期待していなかった。しかし味のある映画で面白かった。

 この映画はコーヒーと煙草に関する短編フィルムをいくつかつなぎ合わせたものだが、それぞれに脈絡があるわけでもなく、とりとめない話が断続的に続いていく。久しぶりに会う人々や初めて会う人々が、コーヒーと煙草を片手にちょっとおかしな話をする。ひがみ症の女、うざったく思われているのにやたら仲良しになりたがる男、禁煙してるからこそ堂々と煙草を吸えるんだと豪語する男等々、現実世界にもいそうなちょっと頭のねじが緩んでいるような人々の会話が、言い様の無いおかしさを運んできてくれる。退屈と面白さが表裏一体の諸刃の剣的な映画だ。素人にはオススメできない。

 まぁおめぇらド素人はスターウォーズエピソード3でも見てなさいってこった。

 手短に批評すると、『いつか読書する日』は駄作だった。独身の中年女性が、坂の多い街を徒歩で牛乳配達するというシチュエーション(しかも主演は田中裕子!)に惹かれて期待して見に行ったのだが、見事裏切られた。宣伝はシリアスなのに映画は時折コミカルな場面を挟んだりしていて、監督の意図と反対に広告が作られてしまったのではないかと思った。見に来ていた人はいかにも冬のソナタが好きそうなおばさんばかりで、この人たちもきっと純愛物を伺わせる宣伝につられてやってきて見事に期待を裏切られたはずだ。

 そもそもこの映画には構造的な欠陥があると思う。物語に必要とは思えない登場人物が出てきているし、本当は複数の独立したストーリーだったものを、監督が欲張ってくっつけてしまったのではないだろうか。恐らくこの映画は中年の恋と児童虐待と老人の痴呆の三つのテーマをごちゃまぜにしたものである。田中裕子が中年になっても昔の恋人のことを忘れられず独身を貫くという設定にはまり役だっただけに、非常に残念だった。

Continue reading...

 ここ最近本を読んでいなかったのだが、数日前から高村薫の『レディ・ジョーカー』を読んでいる。Wセミナーの講師に、新聞記者の仕事内容が良くわかる本と進められていた本なので手に取ってみたが、『レディ・ジョーカー』、なかなか面白い本だ。

 ただ、設定が若干現実性に乏しいと思うところがある。例えば、自殺する東大生の彼女は同じ東大生よりも品の良い私立の女子大に通っているという設定の方が現実味があると思うし、自殺する東大生が学部卒でビール会社の研究職を受験するというのもちょっと現実味がない。いかに国立大卒の理系であろうと、学部卒では研究職には就けない。他にも探せば現実性に乏しい設定は見つかると思う。

 こういう設定が気になるのは俺が神経質だからかも知れない。しかし設定の現実性というのは重要なことだと思う。設定に現実性が乏しいと、ストーリー自体が面白くても読んでいて物語に集中できずしらけてしまう。

Continue reading...

 共同通信の編集委員がやってるblogがある。署名で書く記者の「ニュース日記」というやつで、定年間近のおぢさまたちが侃々諤々の議論を繰り広げている、わけではなくて、まぁ言っちゃあ悪いがチラシの裏的なことを交代交代で綴っている。コンセプトとしては共同通信として配信できない記者個人の考えを、編集委員のおぢさまたちが実名で書くということだから、まぁチラシの裏的でも良いのかも知れない。

 その共同の編集委員のおぢさまたちのなかの一人に、小池新というおぢさまがいる。この人は去年、若者をかどわかしているとライブドアの堀江もんのblogに難癖をつけ、一躍時の人になったおじさんである。それまでほとんどコメントやトラックバックの無かったこのblogに、それ以後かるく三桁のコメントがつくようになってしまった(笑)

Continue reading...

 BUDDHA BRANDについて検索していたら、<a href="http://nejire.gozaru.jp/" target="_blank" class="ex-ref" title="DEV LARGE VS K DUB SHINE まとめサイト">こんなサイト</a>を発見した。なんと一年前のちょうど今頃、BUDDHA BRANDのリーダーDEV LARGEが、K DUB SHINEを批判する曲をweb上に公開したそうだ。

 この事件は結構物議をかもしたらしく、昨年の夏のジャパニーズヒップホップ界はこの事件で持ち切りだったみたいだ。去年の今頃といえば俺は居酒屋で残飯にまみれて働いたわけだが、わずかなアルバイトの給料と引き換えに一大イベントに乗り遅れてしまったことになる。あの頃はアルバイトに忙しくてSOUL TRAINを聴いたりできなかったから。なんとDEV LARGEがSOUL TRAINに直接出演して事情を語ったりしていたらしい。

 ヒップホップのアーティストが自らの曲で気に食わないアーティストのことを批判したりコケにしたり馬鹿にしたりすること(ちなみにこういった行為をDISというらしい。disrespectの頭三文字をとってDISというとか)はアメリカでは良くあることだが、日本では、それほど盛んではなかったみたいである。DISったとしても、直接的に誰かを批判するというような事例は少なかったそうだ。そんなジャパニーズヒップホップ界にあって、DEV LARGEはK DUB SHINEを直接的かつ熱烈に批判する曲を発表した。これはBUDDHA BRANDのデビューと同じくらいに衝撃的なことだったようだ。

Continue reading...

 九州はすっかり梅雨だ。空は曇っていて、一日に何回か雨が降って、湿気ムンムン。こういうものうげな天気の日に決まって聴きたくなる音楽がいくらかある。そのなかでも一番好きなのが、Brittle StarsというフロリダのギターポップバンドのCD。なんと説明すれば良いか分からないが、曇り空の下、砂浜に体育座りをしていたくなるような音楽なのだ。ジャケット写真も晴れ渡る空っつよりちょっと曇り気味でイカす。

 Brittle StarsとはNYのインディーポップレーベル、shelflifeのアーティストなのだが、五年前に出したCDを最後に、もう活動していないようだ。残念に思いながらshelflifeのホームページを覗いていたら、アルバムには収録されていない彼らの曲を収録したコンピレーションアルバムを発見。買うしか無いでしょ、これは。1999年からのネット人生で初めて、海外サイトからCDを購入してしまった。ついに俺にもe-commerceの時代が到来したわけですなぁ。

 それにしてもアメリカはCDの値段が安い。一枚$10〜$12、高くても$20である。航空便でなく船便を選んだので、CD5枚買っても送料合わせて8000円程度。安い。輸入盤はレコード屋で買うよりもインターネットで直接個人輸入した方が安いかもね。でもカード情報漏れたりするのは嫌だなぁ。船便だと到着まで4週間から6週間もかかるみたいだし、ちゃんと届くかも心配だ!

 先週の金曜日(6月24日)に退院しました。

 CTスキャンを撮った結果、肺に無数にあった影や、首のリンパ節の腫瘍は奇麗に消えていた。しかし、最初にがんが転移した後腹部リンパ節と腎臓の横あたりの腫瘍は消えてはいなかった。ただしある程度小さくなってきているので、恐らくもう活動していないのではないかとのこと。ようするに死んだ細胞のカスが残っているのではないかということらしい。CTスキャンの画像を見比べて、2クール目と3クール目で殆ど違いはないように思う。もう薬が効いてないのだろう。このことが示すのは、がん細胞が死んでしまってカスだけが残っている、あるいはがん細胞が薬に対して耐性を持ち始めている、のどちらかだ。後者でないことを祈るばかりだ。

 ところでasahi.comに以下のような記事があった。

Continue reading...