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テントとタープ

ゴールデンウィークの前半でキャンプをしに行った。福岡の人がキャンプをしに行く場所といえば阿蘇・久住方面が人気だが、自分が阿蘇出身ということもあって実家の方に行くのにテントで寝泊まりするのは違和感があって久住でキャンプしたことは一度しかない。どちらかというと佐賀方面に惹かれる。車で一時間ちょいで行けて、森や海や温泉があって、キャンプ場はそこまで混雑しておらずまぁ快適だ。高速料金が安く済むのもいい。久住阿蘇方面だと 3000 円近く高速代がかかるが、佐賀方面だとうちからの場合 200 円くらいしか高速代がかからない(西九州自動車は全線開通していないため無料で通行できる)。今回は佐賀ではないが、佐賀県伊万里市の沖合にある長崎県松浦市の福島という島の初崎キャンプ場に行った。

今回のキャンプでは新しい道具をいくつか使ってみた。

Evernew HD.ALU Pan 20

エバニューのアルミフライパン。ゴールデンウィーク前に突如販売が始まったやつで一瞬で売り切れていた。登山用のコーティングしてあるクッカーは直火にかけるのが心配で、直火にかけても問題ないフライパンが欲しかった。去年秋に買ったエバニューの Backcountry Almi Pot がなかなか良くて、直火で炊飯してもコーティングが剥がれるのを気にせずに済むところが気に入っている。同じ使い勝手を期待して買ってみたところよい感じだった。スパゲティーを作ったり、目玉焼き焼いたり、カレーを作ったりと大活躍だった。

スパゲティ

目玉焼き

カレーを調理中

カレーライス

今回は一番大きいサイズの 20cm を買ったが、テント泊登山(自分の場合はハンモック泊)用に 16cm あたりも買ってもよいなと思った。

Igloo Marine Breeze Ultra 28L

悪天候により一泊に変えたが、当初は二泊三日でキャンプする予定だったのでクーラーボックスを買った。

これまでコストコのショッピングバッグなどを簡易的にクーラーボックス代わりに使っていたが、食材の保温効果は限定的だった。クーラーボックスは 50L くらい必要、みたいな記事が多いが、 50L 以上のクーラーボックスは数万円もして高い。自分は Amazon で Igloo の 28L のやつを買ったがこれで十分だった。肉やビールなど、低温を維持したいものはクーラーボックスに入れ、少々温度が上がっても平気なものはショッピングバッグに入れることにしたところ作成成功だった。

Igloo のクーラーボックス Marine Breeze Ultra 28L

うちの子どもは牛乳が好きなのでキャンプのときにも牛乳を飲ませているが、キャンプ場に着いた日に飲むだけで翌朝の分がなく可哀想だった。ちゃんとしたクーラーボックスを買ったことで牛乳も大きなパックを買うことができるようになり、翌朝も牛乳を飲めて満足そうだった。

うちの車は小型の SUV で荷物がめっちゃ載せられるタイプではないのだが、それでも普通のセダンやコンパクトカーに比べたら荷物を載せられる方だと思う。それでもクーラーボックスのサイズはこれくらいが限界だと感じた。 50L 以上のクーラーボックスを載せられるような車はランクルなどの巨大なやつかピックアップトラック(軽トラ)ではないかと思う。

なお、保冷剤はロゴスの倍速凍結・氷点下パック L を買った。 Amazon のレビューで XL がちょうど良いとあるので買ったところ底の大きさが合わず返品してしまった。 L だとちょうど底に収まる。

DOD ローローバーチェア

キャンプ直前の Amazon タイムセールで DOD のローローバーチェアが安くなっていたので衝動買いした。

キャンプ椅子はこれまで DOD のスワルスエックスだった。小さくて持ち運びしやすいが、生地が伸びやすいのとナイロンなので火に弱く、焚き火がはぜて穴が開いている。座る前の組み立てや撤収時の折りたたみもわずかに面倒くさい。ローローバーチェアは生地が綿なので燃えにくいし、座るときはひょいと広げるだけで良いので楽だ。その分、持ち運び時にかさばる。うちの車にはギリギリ載せられた。 4 人家族だったら運べないだろう。ランドローバーとかチャレンジャーに乗ってる人でないと本当は買ってはいけないものだったのかも知れない。見た目がカッチョイイのでキャンプのほか、自宅バーベキューで活用しようと思う。


実はこれ以外にも細々したものを買っている( Ledlenser の LED ランタン、 ZANE ARTS のシェラカップ、 UNIFLAME フィールドラック用のステンレス天板など)。以前書いた通り、キャンプは道具沼だ。毎回キャンプに行くたびに普通にビジネスホテルに泊まるのと同じくらいお金がかかる。

まだキャンプしたことない人にはおすすめしません。家でゲームしたり Netflix 見たりしてる方が楽しいと思います。

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土曜日、午後からスーパーに買い物に行ったが欲しいものがなかったので海まで歩いてみることにした。午前中天気が良くなかったので海にはほとんど人がいなかった。

長垂海岸 長垂海岸

昼飯にお好み焼きを食べ過ぎてお腹が重かったので、ちょっと運動しようと海沿いを歩いて生の松原の方に向かうことにした。

長垂海岸

西福岡病院の前に新しくできた生の松原測候所の脇から砂浜に降りる。生の松原測候所は家具屋とギャラリーとカフェが一体になった建物のようだった。とても景色が良さそうなのでいつかカフェを利用してみたい。

生の松原測候所

生の松原の砂浜を元寇防塁まで歩く。松原は鬱蒼としている。長垂海浜公園の松林に比べると森といった感じで、砂浜を歩いているのにまるで登山に来たかのように森林浴をしながら歩くことができた。歩いている間はずっと Off Topic Podcast を聞いていた。

生の松原

生の松原

元寇防塁に近づくとやたら猫がいた。どうも野良猫のようだ。岩場に生息しているみたい。猫好きの近所の人たちが餌をあげに来ているみたいだ。釣り人もいるので雑魚をもらったりフナムシを捕まえて食べたりしているのかもしれない。

生の松原 元寇防塁

生の松原の端っこまでくると、十郎川の干潟で潮干狩りをしている人たちがいた。おっさんおばさんだけではなく、若者なんかも取りに来ていた。十郎川は結構澱んでいるのでアサリが取れたとしても食べて大丈夫なのかは気になる。

十郎川

壱岐橋は渡らず、下山門の住宅街の中を通り抜けて家に帰ることにした。下山門の住宅街や団地街を通り抜け、いきまつバーガーの前を通りかかった。炭で肉を焼くうまそうな臭いが漂っていたが、売り切れ終いで閉店していた。いきまつバーガーの自動販売機でコカコーラゼロを買って飲んだ。

下山門の住宅街 生の松原の住宅街

住宅街を通り抜け、 202 バイパスを目指す。いきなりバイパスに出ずに、下山門西公園に寄ってみることにした。

下山門西公園

下山門西公園には大きなため池があって、釣りをしている人がいた。公園からはいつも西側から見ている叶岳と飯盛山が見えた。今宿側から見ると雄大に見える叶岳は、東側の生の松原側から見るとなぜかちっぽけな低山に見えてしまった。

下山門西公園から生の松原四丁目の住宅街を歩いてみることにした。公園横の坂を登り切ると福岡市内を一望出来た。遠くには脊振山系が見えた。

生の松原四丁目から見る福岡市内

生の松原四丁目の住宅街はなだらかな斜面に住宅が建ち並んでいて、大学生の頃にポスティングのアルバイトで訪れた金沢文庫の住宅街を思い出した。あのときビラを投函して回った住宅街は駅から遠くて、暑い中坂を登ったり下りたりしてビラを投函して回るのはかなり大変だった。こんなに駅から離れたところに一軒家を建てて、駅まで何十分も歩いたあとに満員の電車に乗って大手町や有楽町に通っているのだろうか。かなり大変な暮らしだろうなと思いながらビラを配った。生の松原四丁目の住宅街からも下山門の駅までは歩いて 30 分くらいかかるだろう。まわりに人は沢山住んでいるのになぜかさみしい感じがする。一駅隣でもっと田舎の自分の家に向かって急いで歩いた。生の松原の住宅街からバイパス沿いに今宿を目指すと途中にラブホテルが二軒ある。場末の風情がある。今度は学生時代に当時住んでいた北馬込から自転車で大井埠頭まで行ったときのことを思いだした。言葉に言い表しようのないさみしさを感じる。

家に辿り着くと、家族は出かけていて家の鍵が閉められていた。うかつにも鍵を持たずに家を出たため中に入れない。庭で帰りを待とうとするが、庭は蚊だらけで 3 分くらいで諦めてアスファルトの道路に避難した。ここならば蚊はいないが、歩道におっさんが一人で立ち尽くし異様な光景だったと思う。家族はなかなか帰って来ず、日が沈むまでのあいだ道路脇に立ち尽くしていた。

この日はゼロシューズのペラペラのサンダルで 13km 歩きくたくたに疲れた。舗装路歩きは足へのダメージが大きい。残念なことにカロリー消費は 780kcal だったがワークアウトが 30 分に届かず Apple Watch のリングはすべて閉じられなかった。

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仕事の検証で叶岳に登りに行ったときに見た登山口の桜。ここにこんな風に桜が植えてあったとは知らなかった。

叶岳登山口の桜

糸島の瑞梅寺川川縁の桜。ここは家から比較的近く毎年行く。土日は混んでいるが平日はガラガラなので仕事を少し早めに切り上げて夕方から出かけた。飲食はご遠慮下さいとカンバンが出ていたので車の中から桜を見ながらから揚げ弁当を食べた。肥やしの臭いがきついので臭いが苦手な人はここはダメかもしれない。でも桜は見事だ。

瑞梅寺川の桜 瑞梅寺川の桜 瑞梅寺川の桜

最後に十坊山の下の相思の桜を見に行った。まむしの湯方面から十坊山に登るときにいつも標識を見て気になっていた。どうも鹿家の方から歩ける道があるようだ。車を止めるところがなく、道路脇の路肩が広くなってるところに止めるしかないと思う。木々に囲まれ、少しでも日の光を浴びようと大きく高く成長した二本の大桜は立派だったが、天気が悪かったこと、夕方で日が落ちていたことであまりきれいに見えなかった。

相思の桜

相思の桜の帰りに加布里公園に寄った。ここも例年桜を見に行っている。

加布里公園での著者近影

はやく桜の木の下で飲んだり食べたりできる世の中に戻って欲しい。

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ゼインアーツのテント

最近キャンプの話を何回か書いているけど、 2 週間前にもキャンプに行った。去年のゴールデンウィークに家族で行った別府の志高湖キャンプ場に元同僚の @taketin さん父子と行った。 taketin さんが Weber の高級バーベキューグリルを持ってきてくれてピザを焼いてくれた。

taketin さんが高級バーベキューグリルで焼いたピザ

taketin さんが高級バーベキューグリルで焼いたピザ

自分は最近、 GRiPS のブログを読んだり Twitter で銀座カプセル男 (@twiginza) さんという方のツイートを読んだり、ヒロシキャンプの YouTube 動画を見るようになってアウトドアの食事への考え方が変わってきていて、凝った料理を作るよりインスタント食品などを駆使して楽をして、むしろその状況では食べることができないものを食べることのギャップ(例えば山でほかほかの焼売を食べるとか)を楽しむようになってきた。なので今回はイオンの肉まんとソーセージ、生卵くらいしか持ってきてなくて、恐縮しながら taketin さんに食わせてもらった。食べるだけのキャンプというのは楽だった。

taketin さんが平生ヤクルト感覚で飲んでいる高級クラフトビール

taketin さん父子にテントで寝てもらって自分はハンモックで寝ようかとウキグモ Light とウンカイ Light を持ってきていたけど、志高湖は木へのハンモック取り付け禁止になっていた。ツリーストラップを使わず直接木にロープを巻き付ける人がいたのだろう。残念。それで急遽自分もテントのなかで寝ることにした。エアマットを膨らませ、下にウキグモ Light を敷き、上にウンカイ Light をかぶった。

ウキグモ Light とウンカイ Light

前回の嬉野広川原キャンプ場での経験から、ハンモック泊は随分寒いだろうと覚悟していたのだけど、予想に反してめっちゃ快眠できて初めてキャンプで 7 時間以上眠れた。ほとんど無風でテント内に風が入ってこなかったのも助かった。 taketin さんの息子殿よりも早く 10 時には一人で勝手に寝てしまって申し訳なかったけど、翌朝は 6 時前に目が覚めて志高湖の写真を撮って回ったりした。

白鳥と志高湖

朝靄がかかる志高湖

白鳥と志高湖

由布岳と鶴見岳

対岸の紅葉とテント

撤収がギリギリになって最後は大慌てだったがエンジョイできた。 taketin さん父子とは志高湖で別れて一人で久住方面に向かい、猪の瀬戸湿原を歩いたり、由布院でだんご汁を食べたり、長者原で温泉に浸かったりした。

Kaizen Platform 時代の上司だった石橋さん(創業 CTO )は冬も毎週末キャンプに行っててキャンプ場からリモートでミーティングしたりしてたのを思い出す。自分は仕事こそしなかったものの、今回キャンプ場からレアジョブのレッスンを受けるということをやってのけた。引き続き戸外活動頑張っていきたい。

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平戸

去年( 2019 年)の年末、今年行ったところアドベントカレンダーに登録したが、いろんなアドベントカレンダーに登録しすぎて記事を書くことができなかった。 11 月に入って 2020 年のアドベントカレンダーの募集が始まったみたいなので、今年のシーズンが始まる前に去年のやり残しを片付けておきたくなった。ということで 11 ヶ月遅れで「今年行ったところ」です。


2019 年に行ったところでは 10 月に訪れた平戸が一番心に残っている。このときは平戸を訪れることが目的だったのではなく、平戸の手前、旧田平町にある中瀬草原キャンプ場1でのキャンプが目的で、キャンプに行ったついでで平戸の街に偶発的に立ち寄った。昼過ぎにテントを片付けて腹が減っていたし、このまま帰るのはもったいない(福岡から平戸までは車で 3 時間近くかかり、一泊キャンプしただけで帰るのはガソリン代や移動時間のコストパフォーマンスが悪い)と思われ、気まぐれで訪れたにもかかわらず、平戸の街は強く印象に残っている。

平戸大橋

平戸は島であり、平戸に入るには平戸大橋を渡る必要がある。平戸大橋の下には田平港があって、昔は船で海を渡っていたようだ。平戸を訪れたあとに読んだ司馬遼太郎の『街道をゆく 肥前の諸街道』では渡し船に乗っていた。

平戸の街に入り、平戸港交流広場に車を停めた。 2 時間までは駐車料金が無料だった。ここは港であると同時に観光案内所(とても綺麗なトイレがある)でもあり、観光スポット情報を集めた。

平戸にはオランダ商館(オランダ商館の跡地に建物が復元され資料館になっている)と松浦歴史資料館(旧平戸藩主まつ2から寄贈された松浦氏の私邸を資料館に改装したもの)、ザビエル記念教会がある。時間的に遅く全部回ることはできなそうだったので、まずはザビエル記念教会、その後オランダ商館に行くことにした。

平戸城

ザビエル記念教会

ザビエル記念教会は丘の上に建っている。おもしろいことにこの教会に辿り着くまでの坂道にはお寺がたくさん建っており、寺町を通り抜けて坂を登り切ると教会が建っているという不思議な空間になっている。教会からは竹林越しに平戸城が見える。

ザビエル記念教会

ザビエル記念教会

教会のすぐ下はお寺

教会のあとは平戸の街を通り抜け、オランダ商館を訪れた。

アンティークショップ

オランダ商館

オランダ商館

オランダ商館は復元された建物だ。平戸が貿易港として栄えていた頃に商館は作られたが、 1640 年に幕府の意向により貿易はすべて長崎の出島に集約されることになり、商館は破壊された。破風に西暦の年が書かれていることをキリスト教に警戒感の強い幕府から咎められたと言われているが、多分こじつけで、貿易の果実を松浦氏に独占させたくなかったのかもしれない。長崎ならば天領で、貿易の利益を幕府のものにすることができる。

商館には帆船の模型や松浦家が所有していた西洋の甲冑のほか、オランダ商館の家財や、当時貿易されていた品(器や香辛料など)が展示されている。商館の建物自体の構造も解説されていて、木造建築技術しかなかった 400 年前にいかにして貿易品を貯蔵するための巨大な貯蔵庫を建築したのかや、二階の窓から物品を積み下ろしするための巻上機(リフト)の構造を知ることができる。またオランダ人と結婚した日本人や、オランダ人との間に生まれた子どもがインドネシアに追放され、ジャカルタから「日本が恋しい」と綴って日本に送った手紙(ジャガタラ文)の展示もある。

オランダ商館の帆船模型

オランダ商館の帆船模型

松浦家に伝わる西洋の甲冑

荷物をリフトアップするための巻上機

商館は平戸瀬戸を見渡せる町外れにあり、平戸城や平戸の街を一望できる。平戸大橋も綺麗に見える。

オランダ商館から見る平戸城

オランダ商館から平戸瀬戸と平戸大橋

商館近くには荷物の積み下ろしに使われていた埠頭が残っている。埠頭といっても簡易な石造の階段で、こんな小さな石段を介して歴史を動かす交易が行われていたのかと思うと感慨深かった。

写真左下の石段がオランダ埠頭

商館自体は復元された建物だが、商館および商館員たちが暮らした居留地と市街の間には漆喰塗りの壁が現存している。オランダ塀と呼ばれていて、防火や市民の視線を避けるために作られていたものらしい。

オランダ塀

長崎の出島同様、オランダ商館は市街から隔絶されていたのかもしれない。長崎の街もだいぶコンパクトだが、平戸はさらに街が狭く、平戸城はもちろんのこと、町中の至る高台から商館を見ることができる。街がコンパクトなため、壁で隔てられていても完全に隔絶されているわけではない。商館と平戸の街との一体感のようなものを感じた。きっとそれは江戸初期も同じだっただろう。今日訪れてみても、長崎以上に異文化がすぐ隣にあったことを感じとれる街だと思う。

街並み

ちょうどこの日は平戸くんち最終日だったようだ。昼間は少々観光客がいたのかもしれないが、夕方になると街はがらんとしていた。平戸は福岡から遠いため、観光客の引きも早いのだろう。日本海側ということもあって、日が傾くとなんとも言えない寂しさが際立った。

街並みは木造建築を主として歴史的景観を保とうという努力が感じられる。信州の中山道沿いの宿場町のような雰囲気がある。おくんち期間中だったのでどこの家も松浦家の家紋ののれんを掲げていた。長崎も同様におくんちの期間にはのれんを掲げるが、支配者の家紋ではなく自家の家紋入りののれんを掲げる。また長崎は一部木造建築の建物もあるが、大多数は近代的なコンクリート造や鉄骨造の建物3で、歴史的な景観というのはほとんど見られない。その点で長崎生まれの嫁さんは平戸の街の景観に感銘を受けていた。

平戸の街並み

平戸の街並み

平戸の街並み

平戸の街並み

感想

正味の滞在時間が 3 時間くらいしかなく、ほんのちょっとしかいられなかったが、平戸はとても味わい深い街だと思った。オランダ、ポルトガルとの交易の歴史では長崎の陰に隠れがちだが、最初にポルトガル船が往来するようになったのは平戸だし、オランダとの交易を最初に始めたのも平戸だった。その前の時代には松浦党や倭寇の歴史もある。世界史で習う台湾の偉人の鄭成功は平戸生まれで母親は平戸の人だ。隠れキリシタンの歴史もある。キリシタン関係でも長崎市が注目を集めがちだが、江戸期に隠れキリシタンとして信仰を続けたのは五島や平戸の人たちだった。歴史のほかにも、海の美しさが挙げられる。平戸西部にある人津久海水浴場や根獅子の浜海水浴場は沖縄の海と見まごうばかりの美しさだ。

九州に住んでいてまだ平戸を訪れたことがない人は是非一度訪ねてみて欲しい。九州の日本海・東シナ海側には南国のイメージと違った、独特の雰囲気がある。 2016 年の「今年行った場所」で書いた唐津とセットで行ってみることをおすすめします。


  1. 去年利用したときは無料だったが、 2020 年の春から有料化されていている。料金は高め。持ち込みテントで 4,500 円、タープも別料金を取られるみたい。これでは利用する人減りそう。 https://nakazekamp.com 

  2. 松浦氏は中世の海賊・水軍松浦党の子孫。海賊が最終的には戦国大名になった。 

  3. 原爆で焼けたからではと思う人もいるかもしれないが、長崎で原爆が投下されたのは市北部の浦上のあたりで、室町時代から幕末にかけて貿易で栄えた長崎の中心部は原爆で大きな被害を受けておらず、歴史的な街並みを残そうと思えば残せたのに残さなかった、というのが長崎の実情。 

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幣の浜

今年は 3 回海水浴に行った。毎年野北海岸というところに行っていたが、今年は芥屋にほど近いにぎの浜というところに行った。福岡の海にしては透明度が高く、晴れた日には水中を魚が泳いでいる様子を見ることができた。

幣の浜から見える火山

幣の浜は無料の駐車場があってサーフィンのメッカのようだった。晴れて波が穏やかな日は海水浴客も多いが、台風前の荒れた夕方なんかはサーファーの人たちでごった返す。

混雑したビーチ

ハワイのノースショアに行ったとき、子どもから大人まで誰もがサーフィンを楽しんでいたのが印象的だった。日本のビーチだと日焼けした茶髪のイケメンしかサーフィンしてはいけない感じがあると思う。ハワイでは中年の太ったおっさんやよぼよぼのじいさん、学校帰りの中学生っぽい子どもまでみんなが自転車や徒歩でサーフボードを運び、サーフィンしに来ていた。海の家や有料の駐車場なんかはなくて、道沿いの空いてるところに縦列駐車して誰もが自由に海で遊べるようになっていた。

塩釜跡

芥屋の幣の浜には日焼けした茶髪のイケメンだけではなく、普通の家族連れのお父さんや色白のお宅っぽい感じの男性、原付バイクで来た近所の大学生風の人など、典型的なサーファーのイメージと異なる人たちがサーフィンをしに来ていた。駐車場も無料で海の家の人からショバ代を取られることもなく自由だった。誰もが気軽に海で遊べる感じがハワイっぽいなと思った。

砂浜 Kindle

ただしハワイと違って弊の浜はゴミが多く、割れたガラス片などもあって危ない。ハワイは砂浜の至るところにゴミ箱が設置してあったし、ゴミを定期的に回収しに来る業者っぽい人もいて砂浜がとても綺麗だった。この点で言えば有料の海水浴場の方がある程度ゴミ拾いがされていて安全かもしれない。

幣の浜の夕暮れ

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クヒオビーチ

マイルを貯めるのは低所得の自分には無理だという記事を書いた。

しかしこの記事を書いたあともセブンイレブンで 100 円のコーヒーを買うときもクレジットカードで払ったり、トイレットペーパーを LOHACO で買うときもポイントサイトを経由したり、通りすがりの自販機の釣り銭受けをまさぐって取り忘れの小銭をあさる中学生のようにちまちまマイルを貯め続け、なんとか家族三人そろって特典航空券(エコノミー)でホノルルまで行ける程度のマイルを貯めることができた。金持ちだと毎年ハワイにビジネスクラスで行けるくらいマイルが貯まるみたいだけど、自分の場合は 3 年かかってエコノミー(ローシーズン、 3 人分で 105,000 マイル)が限界だった。

なぜハワイなのか

2013 年に買った POPEYE がハワイ特集号で、「ハワイには若いうちに行こう」と書いてあった。自分はそのとき 32 歳で、コテコテのリゾート地に興味なかったのだけど POPEYE の特集を読んでみると「確かに良いな」と思えたので、なるべく年を取る前にハワイに行っておきたいなと思っていた。

ここ一年半くらい、身を粉にしながら働くものの大した成果を残すことができず、完全に人間として腐り始めていた。このままでは玄界灘で魚の餌になるくらいしか社会貢献の方法がないと思ったので、休みを取って旅行に行ってみることにした。

旅の準備

福岡から成田へ移動

特典航空券界の常識をわかってなくて、マイルが貯まったらすぐに特典航空券を申し込めるのかと思っていたけどそういうわけではなさそうだった。マイルが貯まったので「来月旅行にでも行くか」とほくほくしながら特典航空券を申し込もうと ANA のサイトを覗いたら全然席が空いてない。ハワイのような人気路線の特典航空券は申し込めるようになった瞬間全部埋まってしまうみたいだった。 ANA の国際線の特典航空券の予約は 355 日前から可能になり、マイレージクラブのランクが高い人(= @t32k さんなどの金持ち)ほど申込みが優遇されるシステムなので、ランクの低いマイレージクラブ会員(=貧民)が特典航空券を申し込もうとしたらほぼ一年後の日付にするしかない。手持ちの一番古いマイルの有効期限が 2019 年の 2 月だったので、この時期に本当に旅行に行けるかどうかもわからないまま 2019 年の 2 月末に 2020 年 2 月のチケットを取った。申し込んだとき、どこに行くかとか何をするかとかどこに泊まるかとか何も考えられていなかった。やっと旅の予定を決め始めたのは 2020 年の正月だった。その後コロナウイルスの話が出てきて一旦は旅行を取りやめようかとも思ったが、先延ばしにすると逆に騒動が広がりそうだと思って予定通り 2 月中旬に出発した。

成田で暇つぶし

ハワイに行ってどうだったか

よかった。

カジュアル

ヨーロッパを旅行するときは結構緊張したが(人種差別とかマナーに気をつけたりで気をつかう)、ハワイは気楽でとてもよかった。

アメリカ人に対する良くないイメージが払拭できたのもよかった。少なくともハワイに住んでたりハワイに旅行に来てるアメリカ人からは、ヨーロッパの安宿で見かけるような声がでかくて何でもアメリカ流を押し通そうとする感じの悪さがなくて、嫌な気持ちになることなく旅行できた。

快適な移動

レンタカーや Uber 、 Lyft で移動したので移動で荷物を抱えて大変な目に遭ったり、タクシーにぼったくられないか心配したりしなくて済んだのが良かった。海外で車を運転するのは初めてだったが、ハワイの道は広くてとても運転しやすかった。

スーパークレジットカード社会

何でもカードで払えるので両替する必要がない。現金はチップを払うときか空港の自販機で飲み物を買うときくらいしか使う機会がない。 ABC ストア(ワイキキに 50m 間隔である旅行者向けのコンビニ)で現金で金払ってるのは日本人旅行者くらいだった。

eSIM 便利

今回は自分の iPhone 11 も嫁さんの iPhone XR も eSIM に対応していたので、香港の 3 というキャリアの eSIM を利用してハワイでも日本にいるとき同様に携帯が使えたのが良かった。 5 年前にギリシャに行ったときはちまちま Pocket WiFi をオンにしてインターネットにつないでいたので不自由極まりなかった。

ホテルの取り方

宿は Hotels.com と HIS で取った。 Hotels.com が最安かというとそういうわけではなく、マリオットなど結構良いホテルのチェーンだと HIS の方が料金安い&朝食付きだったりしてお得だった。

旅程

旅程 宿泊
Day 1 家 🚕 福岡 🛩 成田 ✈️ ホノルル 🛩 ヒロ Hilo Hawaiian Hotel
Day 2 ヒロ 🚙 アカカの滝 🚙 MKVIS Hilo Hawaiian Hotel
Day 3 ヒロ 🚙 ワイピオ渓谷 🚙 コナ King Kamehameha's Kona Beach Hotel
Day 4 コナ 🛩 ホノルル Queen Kapiolani Hotel
Day 5 ホノルル 🌴 Queen Kapiolani Hotel
Day 6 ホノルル 🚙 ノースショア Queen Kapiolani Hotel
Day 7 ホノルル ✈️ 成田 🛩 福岡

ハワイ島とオアフ島に三泊ずつした。福岡空港から成田へ行き、成田で 5 時間時間を潰してホノルルへ。ホノルルからハワイアン航空に乗り換えてハワイ島のヒロへ。ヒロに二泊してコナへ移動し、コナで一泊してからコナ空港からまたハワイアン航空でホノルルへ。なおコナではホテルにパスポートを忘れて大騒ぎとなったが、ハワイアン航空の職員の人がめっちゃ親切でスーパー助かった。ギリシャでエーゲ航空に散々な目に合わせられたのとは大違いだった。ホノルルに三泊して成田経由で福岡に戻った。 6 泊 8 日の旅(一泊は飛行機の中)。

ハワイ島

ホテルの部屋から見るマウナケア

ハワイ島ではアカカの滝、マウナケア(中腹まで)、ワイピオ渓谷、コナブリュワリーの工場レストランなどを訪れた。主にレンタカーでドライブしていて、ハワイ島の北半分をぐるっと回った。

アカカの滝

マウナケア

ワイピオ渓谷

ハワイ島はハワイ諸島の中では一番新しい島でまだ火山の荒々しい感じが残ってる。マウナケアは 4200m もある高い山だが、裾野が広がっていて草原が広がり、景色が生まれ故郷の阿蘇に似ていて海外旅行に来てるのに帰省してるみたいな感じで不思議な感覚だった。

ハワイ島の形式

オアフ島

オアフ島ではワイキキに滞在しつつ、ビーチで遊んだり、街をうろついたりした。

ワイキキビーチ

オアフ島でも一日は車で遠出して、ノースショアまで行ってパタゴニアで環境に配慮しながら家族で爆買いしたりした。

ノースショアハレイワ

patagonia で爆買い

ダイアモンドヘッドが見える宿に泊まっていて、できれば登りに行ってみたいと思っていたけどうだうだ無為に時間を過ごしてしまってついぞ登ることができなかった。残念。

ホテルの部屋から見るダイアモンドヘッド

ワイキキは福岡でいうと西通りといった趣でひたすらショッピングするのが好きな人にはよさそうだが少々退屈だった。ライドシェアの Lyft で、カカアコという昔は治安が悪かったけど最近は小洒落た店が増えているエリアに行ってオシャンティなレストランでラム肉を食べたりした。

ラムチョップ

POPEYE で紹介されていた Ray's Cafe という店が安くて巨大なリブアイやロブスターが食べられるようだったが、治安の悪いエリアにある地元民向けのレストランのようで閉店時間が早く、今回は行くことができなかった。

旅行中のツイート


正直、ハワイは一回行けば充分だろうと思っていたが、旅行から帰ってきてからは「またハワイに行きたい」という気持ちが日々募っていく一方だ。酒のやまやに行ってコナビールやフラ印のポテトチップスを買ったり、中公新書のハワイの歴史についての本を読んだり、Amazon Prime ビデオで HAWAII FIVE-0 というドラマを見たりしている。

HAWAII FIVE-0 ではよく主人公が山登りに行っている。ハワイといえば海というイメージあるけど、ダイヤモンドヘッド以外でも登り甲斐のありそうな山がたくさんある。今度は山に登ったり、地元民向けの治安が悪いエリアの店にも乱入してみたりしたい。

ワイキキの夕景

それにつけても金の欲しさよ。