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熊本城マラソン 2024

2 月に熊本城マラソンに出場した。昨年の福岡マラソンでもうちょいで 4 時間切り(サブフォー)できそうだったので、今回はサブフォー達成しようと意気込んで挑戦したが、記録更新どころか前回よりも遅くなってしまった。

熊本城マラソン 2024 ( 4 時間 12 分)

ラップ 距離 タイム ペース GAP 心拍数
1 4.99 km 33:50 6:46 /km 6:46 /km 151 bpm
2 5.02 km 29:15 5:49 /km 5:45 /km 160 bpm
3 5.03 km 28:07 5:35 /km 5:36 /km 160 bpm
4 5.05 km 28:04 5:33 /km 5:33 /km 161 bpm
5 5.03 km 28:02 5:34 /km 5:34 /km 166 bpm
6 5.06 km 29:15 5:47 /km 5:47 /km 166 bpm
7 4.98 km 29:43 5:58 /km 5:54 /km 169 bpm
8 4.97 km 30:40 6:10 /km 6:08 /km 169 bpm
9 2.22 km 15:07 6:48 /km 6:32 /km 166 bpm

福岡マラソン 2023 ( 4 時間 5 分)

ラップ 距離 タイム ペース GAP 心拍数
1 5.09 km 31:56 6:16 /km 6:14 /km 145 bpm
2 5.04 km 29:06 5:46 /km 5:45 /km 156 bpm
3 5.04 km 28:48 5:43 /km 5:43 /km 159 bpm
4 5.02 km 28:48 5:44 /km 5:41 /km 159 bpm
5 5.01 km 28:21 5:39 /km 5:40 /km 161 bpm
6 5.01 km 29:37 5:55 /km 5:53 /km 161 bpm
7 5.01 km 29:17 5:50 /km 5:48 /km 162 bpm
8 5.03 km 27:33 5:28 /km 5:27 /km 167 bpm
9 2.19 km 11:45 5:21 /km 5:21 /km 168 bpm

敗因① 少ない練習量

実は福岡マラソン後、練習量が急激に落ちてしまってあまり走れていなかった。福岡マラソン前は 30km 走を 2 回やっていたが、今回はレース一週間前に大濠公園を 15 周しただけだった。ロング練習だけでなく絶対的な練習量も不足していて、 2023 年 12 月の走行距離は 132km 、 2024 年 1 月は 134km で、福岡マラソン前の 2023 年 9 月の 174km 、 10 月 の 238km と比べるべくもなかった。

2023年12月のランニング 2024年1月のランニング
レース前 2 ヶ月のランニング量

福岡マラソン後にちょっと体調を崩してしまって 12 月上旬は全然走れなかった。 1 月も出張や泊まり込みでの仕事があって走る機会を逸した。

敗因② 無為な散財

練習不足を補うためなのか、無為に散財してしまった。

Maurten の完走セット

福岡マラソンのときに補給食のジェルを使って効果があったと感じた Maurten の完走セットを買った。完走セットの内訳は前日夕方と当日朝に飲むドリンクミックスとレース中にとる補給食ジェル二つ(一つはカフェイン入りのタイプ)のセットだ。 Amazon で個別に買うと 5000 円以上するのだが、佐賀のランニングショップ KOIKE SPORTS で買うと 3300 円で買える。しかもジェルが一個おまけで付いてくるのでめっちゃお得。福岡マラソンのときは Mag-on 1 個と Maurten のジェル 2 個という構成で望んだが、今回は前日のカーボローディング(体に炭水化物を溜め込む儀式)からレース中の補給食まで全部 Maurten というサブスリー目指す人みたいな感じの構成で望んだ。

Maurten の説明通りに前日と当日朝にドリンクミックスを飲み、レース後は 20km を過ぎるまでジェルをとらない作戦だったが、これが微妙に失敗だったように思う。 18km 手前のところで空腹感を感じ始めたためこのタイミングで一つ目のジェルをとったが、一個目のジェル摂取が遅すぎたと思う。おそらくハンガーノック気味になっていた。ジェルの補給は距離ではなく時間ベースで行うべきで、サブスリーランナーであれば 4:15/km ペースで走るので 20km の地点は走り始めて 1 時間 25 分くらいだが、サブフォーペースだと 5:40/km なので 20km 地点に達するのは走り始めてから 1 時間 53 分後になる。多分これでは補給のタイミングとして遅すぎる。サブフォーを目指すなら 10km 、 20km 、 28km 、 36km くらいでジェルをとって行くと良さそうだ。 30km の壁の直前の 28km 地点でカフェイン入りのよいやつを使い、それ以外は普通のジェルとかで良いだろう。

ASICS Magic Speed 2

福岡マラソンは ALTRA の Escalante 3 で走った。足幅広々族の自分には ALTRA の靴は合っているし不満はなかったのだが、カーボンプレート入りのシューズを使えばより記録更新が確実になるだろうと、リストカット感覚で ASICS のお手頃カーボンプレートシューズの Magic Speed に手を出すことにした。カーボンプレート入りシューズは 3 万円弱するのが当たり前だが、 Magic Speed は 16500 円で買えて良心的。しかし Magic Speed は 2023 年に 3 が出ているのだがどうもデザイン(配色)が好きになれなかった。 Amazon で見てみると Magic Speed 2 の東京マラソン 2023 限定モデルが売られていて結構かっちょ良かったのでこちらを購入した。

ASICS のシューズは日本人の足に合うとよく言われるが、やはり自分の足には少し狭いようだった。豆予防のテーピングを貼っていたが、やっぱり豆ができてしまった。自分の足には ALTRA が合っているようだった。カーボンプレートの効果は正直よくわからない。直前の 30km 走のときには楽に 5:30/km ペースで走れたような気がしたが、結局あとから足に疲労が来てしまって後半は 6:30/km ペースくらいに落ちてしまった。ある程度の土台となる走力、筋力がないとカーボンシューズは履きこなせないのかもしれない。

敗因③ 尿意

福岡マラソンのときにも課題となったスタート前の尿意問題に熊本城マラソンでも苦しめられた。スタート前、更衣所だった熊本市役所の駐車場で一回おしっこを済ませ、着替えてからスタートブロックに入る前にもトイレに並んだが、並んだトイレが異常に混雑してスタートブロックの締め切りに間に合わないと判断し、用を足さずに列を離れてブロックに入った。おかげでスタート直後から尿意に苦しめられ、スタート後 3km 地点くらいでトイレに並んだ。ここで 5 分くらいタイムロスしている。このロスを取り戻そうと焦ってしまい、ネガティブスプリットで行くべきなのに少々飛ばし気味に前半を走ってしまって 30km 以降失速してしまった。

おしっこ問題は正解がわからない。寒さのせいで膀胱が縮むらしく、薄着でスタートブロックに並ぶとどうしてもトイレに行きたくなってしまう。 F-1 のタイヤ交換のようなものだと思って諦めるしかないのだろうか。理論的には 5:41/km で走ればサブフォーとなるが、おしっこで 5 分程度ロスすることを考慮するなら 5:30/km ペースくらいで走らないとサブフォーは達成できないかもしれない。

今後

福岡マラソンのときの記事では熊本城マラソンでサブフォーを達成して 2024 年の福岡マラソンでサブ 3.5 などと無謀な目標を掲げていたが、現実を直視して 2024 年のマラソンシーズンでサブフォーを目指そう。

対策としてはやはり走る距離を増やすしかない。練習方法云々もあるが、自分の場合は走る距離が足りていない。毎月 200km はなんとしても走りたい。

走ることを阻害するものはいろいろある。天気、仕事や私生活での用事などなど。少しでも走らない理由になるものを遠ざけることが大事だと思う。 Strava を見ていてよく走っている人たちは朝走っていて、しかも雨でない限り毎日走っている。習慣化すると苦なく走れそうだ。自分もよく走れていたときは、仕事が終わっていなかろうが 18:00 になったら着替えて走りに行っていた。鋼のメンタルをもって、仕事や家事をほっぽり出して走りに行くような覚悟が必要だろう

| @雑談

今津

2023 年の出来事

1 月

インターネットについて書いた記事がバズった。

以前から漠然と思っていたこと(ショッピングプラットフォームを使わず、独自のカートシステムで作られているショップのサイトに Google 経由でたどり着けない)を書いたら同意してくれる人がたくさんいた。

自分としては Google だけが問題と言いたかったわけではないが、あとから読み返してみると全部 Google に問題があるように読める。

この記事をきっかけにして Safari のデフォルト検索エンジンを Google から DuckDuckGo に変えた( iPhone 、 Mac とも)。お店の名前で検索したときに検索結果に Google マップが出てこないのが少し不便だが、 Google マップの情報が必要なら Google マップで検索すれば良いだけなのでまぁ慣れてしまった。

ちなみに車で CarPlay 越しに使うカーナビも Google マップから Apple マップに乗り換えた。 CarPlay の便利さについては 4 月に記事を書いている。

2 月

阿蘇草原マラニックに参加した。

中学生の頃に陸上をしていたとき以来のレースっぽいやつ(厳密にはレースではなく、順位を競わないマラニックだった)。これでトレランの面白さに目覚めた。それまでも家の近所を走ったり、たまに山を走ったりしていたが、あくまで登山がメインでランニングは体力向上を目的としていた。阿蘇草原マラニックに参加してから主客が逆転し、ランニングがメインで登山はサブになった。

Running - Saturday, February 4, 2023.jpg

2 月には iPad Air も買っていた。

ハチャメチャ使いにくいと書いているが、ちょっとしたメモ書きには便利。ノートパソコンの代替として使おうとするとやっぱり無理があって、ちゃんとしたフルピッチのキーボードにはかなわない。それよりも図を描いたりしつつ考えをまとめるメモ帳として使うと、紙のメモでは不可能な、一回書いた文字や図をぐるっと囲んで別の位置に移して整理したりといった使い方が可能。これによって新たなアイディアが浮かんでくることもある。 iPad Air 、高かったが買って良かった。ペイディ払いさまさま。

3 月

3 月は五ケ山・脊振クロストレイルというトレランのレースに出場した。マラニックではないちゃんとしたレース。 2 月に一回試走していたが試走でヒザがオワコンになり、ちゃんとゴールできるかとても心配だったがなんとかゴールした。

Running - Sunday, March 12, 2023.jpg

3 月はブログの検索機能を改造して、ショートカットキーから検索窓を開けるようにして、矢印キーで検索結果を選択できるようにした。これがめっちゃ便利。自分のブログで Mac の人気ランチャー Alfred の検索機能を使えるような感じ。

4 月

CarPlay について記事を書いた。

Apple CarPlay は本当によくできている。車の給油ランプが付いたときに「ガソリンスタンドを探しますか?」というプッシュ通知が効いたときには本当に驚いた。とてもよくできている。

4 月にもトレランのレースに出ている。平尾台トレイルランニング。石川弘樹さんと記念撮影させてもらった。

Running - Sunday, April 16, 2023.jpg

5 月

仕事で下関に行ったので朝から下関の街をランニングした。知らない街に行ってランニングすることの面白さを知った。歩きだと時間がかかるし、自転車だと早すぎて通り過ぎてしまうが、ランニングならパッパッと移動できつつ、気になった場所は止まって写真を撮ったりできる。

Running - Monday, May 29, 2023.jpg

ブログでは Apple Watch をトレランに使うための記事を書いた。

純正のワークアウトアプリではトレランに使うのは難しい(ルート案内がない)が、サードパーティーのアプリを使えば Garmin などの専用ウォッチと同等の機能を提供してもらえる。おまけに日常では Apple Pay が使えたり音楽の操作ができたりプッシュ通知を受け取ったりできて専用ウォッチよりも便利な機能も享受できる。 100 マイルレースとなるとさすがにバッテリー切れしてしまいそうだが、そんなに長い距離を走らないのであれば Apple Watch Ultra でトレランできると思う。

6 月

ブログ書いてない。写真を見返してもあまりパッとしない。仕事では「おつかれ山」の刷新に関わっていた。

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7 月

二つトレランのレースに出た。 7/2 に南阿蘇カルデラトレイル、 7/24 に霧島・えびの高原エクストリームトレイルに参加した。

阿蘇草原マラニックに参加して、普通では立ち入れない牧野を走ることの楽しさを味わったので、南阿蘇カルデラトレイルにも参戦してこのときしか走れない景色を楽しみたいと思った。結構頑張ったつもりだったがタイムは 6 時間超で五ケ山・脊振クロストレイルのときと大差なかった。結構走ってたつもりなのに残念。

Running - Sunday, July 2, 2023.jpg

7/24 に走った霧えびでは獲得標高が少なかったこともあったのか、 6 時間以内でゴールできていた。しかしこのレースは景色が良いところが少なく、ほとんど林道できつかった。それでも一緒に参加した人たちと前日入りで霧島まで移動してピコラナイえびのに泊まったのは修学旅行みたいで楽しかった。えびの高原の雰囲気も阿蘇や久住に似ていて良かった。いつか韓国岳に登りに来たい。

Running - Sunday, July 23, 2023.jpg

7 月はレースのほかに長崎の七高山めぐりトレランもやった。 4 時間くらいで終わるつもりが 5 時間以上かかった。真夏の日中低山トレランはやばかった。七高山めぐりは規定の 1/15 までの間にチャレンジしてみたい。

Running - Sunday, July 16, 2023.jpg

ブログ関係ではサイトがめちゃくちゃ重いことがあるので原因を調べていたら、他サイトの OGP を読み込むための仕組みがスパマーによって悪用されていて、すさまじい数の HTTP リクエストが来ていることが発覚した。クエリパラメーターに URL を渡せば OGP を読み込みに行く機能だったが、 HTML 片を返してその中にオリジナルサイトへのリンクがあるので、足跡を残さずに別サイトへリンクするときの踏み台として乱用されていた。

もしこのブログを AWS などの従量課金系のサーバーで公開していたら多分とんでもない金額を請求されてクラウド破産していた。

8 月

ランニング中に立ち寄った自販機で買ったスコールパイン味がめっちゃうまくてランニングする度に買って飲んでいた。自販機で買うと値段が高いのでスーパーで探すものの、スコールパイン味はケース売りしていないようだった。なのでカルピスのパイン味を買って家で作った炭酸水で割って飲んでいた。パインと乳酸飲料の相性抜群なので良かったらお試しください。

スコールパイン味

下旬に一人で金山に行って野営した。防水の靴を夏に履くと自分の汗がなかなか抜けず逆に足がめっちゃ蒸れることを学んだ。夏は通気性の良い靴の方がよい。渡渉で足が濡れてもすぐ乾くし。

国民宿舎金山

このときの野営では地べたに座ったところ、アリにかまれてめっちゃつらかった。また地面に置いた荷物にも大量にアリが侵入してきて困った。このときの経験からハンモック泊するときはリッジラインを張って荷物は極力吊るすようにした。

9 月

ブログ記事なし。良く走ってはいたようだ。

トレランの用のシューズメーカーの Altra の靴が値上がりしすぎてつらいので 9 月に NIKE のセールでカイガー 9 というトレランシューズを買った。 9500 円くらいだった。 Altra のシューズは安くても 20000 円くらいするのでめっちゃお得。 NIKE のシューズは幅が狭いので足に合わないのだが、カイガーは Altra ほどではないにせよそこそこ幅が広くて 10km 程度のトレランでは問題なかった。

9 月は初めてあたたかい季節に九州脊梁に行った。脊梁はそれまで冬枯れの時期にしか訪れたことがなく、晩夏の脊梁は緑いっぱいで新鮮だった。

Hiking - Saturday, September 9, 2023.jpg

10 月

課金術についての記事を書いて少しバズった。

プログラミングなどの情報に比べて、この手の情報はインターネット上に非常に少ない。やっぱりみんなこの手の情報を必要としていたのだろう。

ちなみに課金手法は正解はない。業種によって様々だ。しかし確実に言えることは、自分がどんな価値を顧客に対して提供して、どういう課金手法だったらお金を払ってもらえるかを突き詰めて考えることだと思う。

10 月は何のレースにも出ていないが、翌月の福岡マラソンに備えてよく走っていた。レースなしで 238km 走っていた。 30km 走を後半に 2 回行っている。キロ 5 分台で 20km 近く走ったのはこれが初めてだったが、これで走りの次元が変わったように思う。キロ 5 分台への恐怖がなくなった。

Running - Monday, October 30, 2023.jpg

11 月

11/12 に福岡マラソンに出場した。初マラソン。もしかしたらサブフォーいけるのではと思っていたが、 6 分オーバーしてしまった。トレランのレースは本番に備えるといっても近所の山を走る位だったが、マラソンは入念に準備をした。インターバル走したり、ロング走したり。準備をして本番に臨む感じは初めての経験で新鮮だった。トレランよりもハイペースで走り続けるのでゴール後の疲労感も異なる。声がかすれるくらいに一生懸命に走ったのは初めてだった。

11 月はトレランのレースにも出た。八幡山岳会カントリーレース。マラソンで完全燃焼したので楽しむつもりで気楽に走ろうと思って出たが、なかなかハードなコースでかなりきつかった。朝、寒かったので厚着してスタートしたところ、昼間は結構気温が上がって厚手の長袖シャツを着ていたため体温調節に苦しんだ。

Running - Sunday, November 26, 2023.jpg

マラソン、トレランレースとイベントが多かったが、子どもから風邪をうつされて 11 月下旬から全然走れなくなってしまった。この体調不良は翌月まで尾を引いた。

12 月

12 月は仕事でグループ位置共有という機能をリリースしたのでいろいろ忙しかった。この機能は残念ながら山をなめるなおじさんクラスターから叩かれて炎上してしまった。「集団行動が前提の登山で離れても良いなどと言うとは何事か、けしからん!」的な反応だった。

Hiking - Friday, December 1, 2023.jpg

仕事は忙しかったが、ハッピーハイカーズの法華院ギャザリングというイベントに参加したり、南阿蘇カルデラトレイルの冬大会にも参加した。

法華院ギャザリングのイベント自体は自分は人見知りなこともあって全くダメだった。坊ガツルでの 12 月の野営はとても寒く、外に置いていたエバニューのウォーターキャリーの中の水が凍っていた。

Hiking - Sunday, December 3, 2023.jpg

南阿蘇カルデラトレイルはこれまでで最長となる 50km のコースにエントリーした。 6:00 の暗い時間にスタートし、 16:00 までにゴールしなければならない。これまで自分は持久力があると思っていたが、 30km を過ぎたあたりでシャリバテしてしまい、 30km ~ 45km くらいはずっと歩いていた。このままでは DNF になると焦りながらなんとか各エイドの関門時刻をギリギリ通過していき、最後にちょっと元気が出てきてなんとか制限時間内にゴールできた。本当にきついレースだった。

きついレースではあったが、この日は寒波が到来していて南阿蘇の標高 1000m ちょいの外輪山は雪が積もり、しかも気温が低いため雪がさらさらのままで、非常に幻想的な景色の中を走ることができた。こういうスノーランも楽しい。

Running - Sunday, December 17, 2023.jpg

2024 年の抱負

2023 年はもう 42 歳にもなるのに何者にもなれない人生だった。親孝行もできていない。何のために生きているのかと自問自答する日々だった。もうこの歳になって人生一発逆転できることはないのはわかってはいるが、 2024 年は両親や故郷に対して恩返しとなる何かをやっていきたい。

具体的にはアプリを作りたいと思っている。アプリ開発の技術的なノウハウは皆無だが、どうやったら人々が欲しがるアプリを作れるかはほんのちょびっとだけその辺の人よりは詳しくなった自負がある。 2024 年中にリリースすることを目標にコツコツ勉強していきたい。

| @登山/ランニング
福岡マラソン完走

福岡マラソン 2023 に出場してほぼ歩かず1完走することができた。

ランニングを始めた当初は走ること自体は目標ではなく、登山の際の体力をつけるのが目的で、マラソン大会に出るなんて考えてもいなかった。タイムは 4 時間 5 分だった。マラソンはサブフォー( 4 時間切り)すると「お、やるね」という感じで、サブスリー( 3 時間切り)すると「マジすげー」という感じらしい2

自分は普段、 6'10"/km くらいで走ると結構きついのだが、マラソンのときは何と 5'46"/km ペースで走っていたことになる。ちなみにサブフォーを達成するには 5'41"/km ペースで走る必要がある。「 40km 以上もキロ 5 分台で走るなんて無理だろ」と思ってたが何とできてしまった。ただサブフォーには届かなかった。

良かった点

30キロ過ぎで一番速く走るマラソン サブ4・サブ3を達成する練習法』を読んだこと

直前だったが小出監督の著書をマラソン前々日の金曜夜に Kindle で買って読んで、最初はゆっくり、 30km 以降からスピードを上げる作戦をとった。

サブフォーは 5'41"/km ペースだからと無策にこのペースを維持しようとしたら自分はおそらく途中で歩いてしまっていたと思う。特に福岡マラソンは中間の九大折り返し地点と 30km 付近で結構きつい坂がある。この辺で失速することも見越してペース配分しないといけない。

自分は以下のような感じでペース配分をしていた(左が計画、真ん中が実績、右が計画と実績の差分)。

計画・実績・乖離: ずっと 5'41"/km で走るのではなく、最初はゆっくりめに走って後半からペースを上げる走り方を想定
計画 実績 乖離
地点 ペース ラップ ペース ラップ ペース ラップ
5km 05:50 29:10 06:22 31:52 +00:32 +02:42
10km 05:45 28:45 05:50 29:10 +00:05 +00:25
15km 05:45 28:45 05:46 28:48 +00:01 +00:03
20km 05:45 28:45 05:45 28:45 00:00 00:00
25km 05:45 28:45 05:39 28:14 -00:06 -00:31
30km 05:40 28:20 05:56 29:39 +00:16 +01:19
35km 05:30 27:30 05:52 29:20 +00:22 +01:50
40km 05:25 27:05 05:30 27:29 +00:05 +00:24
42.195km 05:25 11:53 05:21 11:45 -00:04 -00:08
合計 05:40 3:58:58 05:48 4:05:02 +00:09 +06:04

インターネット上の情報源

エンジニアがすごく頑張ってサブスリーしたよって話 - KAYAC engineers' blog は何度も読んだ。

YouTube でいろんな動画も見た。うたランチャンネルは実際になかの人がサブスリーを達成するまでのドキュメンタリーっぽくなっててやる気出た。

YouTube には他にもランニング系の動画がたくさんあるが、いかにフォームを良くして楽に走るか的なやつが多く、説明も観念的なやつが多い(頭を前方から上に引っ張られてるつもりで走れとか)。基本的にそんなに楽に走る方法はないと思ってる。楽に走れるフォームがあるとして、そのフォームで走るためにはある程度の心肺能力と足腰の筋力がないとダメだったりする。なのでまず最初はジョギングで距離を稼ぎ、心肺能力と筋肉をつけてからフォームを改善していくべきだと思う。

ランニング系の動画で見る価値あるやつは科学的に説明してるやつで、なぜそうなのかをきちんと説明してるやつ。「なぜ」の部分が説明されていない動画は見る価値がないと思う。

コースの後半を走る 30km 走を事前に二回行っていてイメージトレーニングができていた

30km 走(試走)により、二見ヶ浦(景色の良い観光地)にさしかかったタイミングで景色に見とれず走りに集中できたし、強風にシャツが煽られて乳首スレすることがわかっていたので当日は乳首スレ対策に乳首を覆うテープを貼って走った。終盤には外れていたけど乳首痛で走れないのはめっちゃしんどいので事前予習しておいて良かった。

身軽作戦

ランニング用ウェストポーチを身につけず、財布も iPhone も持たずに、ジェル三つランパンに突っ込んだだけの身軽作戦で走った。やはり身軽さに勝るものはないと思う。とても走りやすかった。

マラソンにあわせて買ったグッズが役立った

  • C3fit のアームスリーブ
    • 腕振りの疲労軽減効果はわからないが防寒効果は確実にあった
  • Altra の Escalante 3
    • 足幅広すぎおじさんなので NIKE などのシュッとした靴ははけない
    • アメリカ Amazon で買って輸入、送料込み 16000 円くらいで買えた。 Altra のシューズは国内正規品で買うと軒並み 20000 円オーバーなので助かった。
  • Inner Fact の AXIO NIKKE 5 本指ソックス
    • 長い距離を走ると自分の汗で足がふやけて靴擦れしたりマメができたりするが、この靴下はドライをキープしてくれてマメもできなかった。
  • 半信半疑で買ったモルテンの高級ジェルがめっちゃ効いて、 30km 以降のエネルギー切れ・集中切れがなかった
    • 35km 付近を最速ラップで走れていた

家族、同僚、友だち、その他見ず知らずの人の応援

  • 知ってる人の応援もありがたいが、知らない人の応援もありがたかった
  • 九大の近くの蔦屋書店前で九大の学生が爆風スランプの "Runner" を演奏していて、正直自分がこの曲で励まされるとは思っていなかったが元気が出た

足が攣りそうでギリギリ攣らなかった

  • もしゴールがあと 1km 先だったら攣ってたと思う
  • アキレス腱からふくらはぎにかけてテーピングをしたあと、トレランのレースでも使うカーフガード(着圧タイツ)を履いていた
  • その他前日に 2 本、当日朝にも 1 本 Mag-on の顆粒を飲んでいた

悪かった点

スタート前の寒さ

  • スタートブロックに入ってから走り始めるまでの待ち時間が 1 時間近くあり、とても寒くて具合が悪くなりそうだった
    • patagonia のフィーディニジャケットを携帯しておくべきだった
    • とはいえ極力荷物を減らす作戦だったので仕方ない面も
    • 使い捨てのゴミ袋ポンチョを着てる人たちが羨ましかった

事前申告タイムの適当さ

  • エントリー時に申告した予測タイムが 5 時間で、後方ブロックからのスタートとなり、スタート後 15km 地点くらいまで混んでいて非常に走りにくかった
    • エントリー時、自分がサブフォーを狙えるとは思っていなかった

ためらわずにおしっこに行くべきだった

  • スタートブロックに入る前におしっこは済ませていたが、寒い中待っている間にまたトイレに行きたくなり、スタートして 2km くらいの地点でトイレに行ってしまった
    • スタートブロックに並んでいる間に列から抜けてトイレに行くべきだった

Teton Bros. のシャツの耐久性の低さ

  • Teton Bros. の Elv1000 Non Sleeve を着て走ったが、安全ピンで穴を開けないために両面テープでゼッケンを貼ったところ、テープを剥がす際に生地にあとが残って最悪だった。まだ 5 回くらいしか着ていないのに 😢

Apple Watch バッテリー切れ寸前

  • Apple Watch Ultra も持っているが重さが気になるので 3 年以上使ってバッテリーが弱ってる Series 6 で走ったところバッテリーがギリギリだった(ゴールしてワークアウトを止めた途端バッテリーが切れた😰)
    • Apple Watch は iPhone とセットで使うと iPhone 側の GPS を使うが、単体で使うと自分の GPS を使うのでバッテリー消耗が激しくなるらしい

総じて

マラソン楽しかった。トレランののんびりした感じもよいが(エイドで休憩したり、まわりの人としゃべったりする感じ)、一秒のロスを惜しんで立ち止まらずひたすら走るマラソンにもマラソンならではの良さがあると思った。

今後

計画と実績の乖離を見てわかる通り、スタート直後の混雑とトイレ、上り坂区間でのロスが響いている。トイレや混雑、上り坂で失速してしまうことは避けられないので、それらも織り込み済みの上でペース配分を考えないといけない。つまり全般的にスピードが足りてなかったと言えそう。普段のランニングのペースをもう少し上げて、 5km を 25 分以内に走るくらいは楽々できるようになってないとサブフォーは難しいのかもしれない。これまでスピード練習と言えばインターバル走がメインだったが、ペース走を取り入れてマラソンで狙うペースよりも速いペースで 10km くらいを走る練習をやっておく必要がありそうだ。

来年 2 月 18 日に熊本城マラソンに出ることになっているので今回の反省を活かしてここでサブフォーを達成したい。めっちゃ田舎の何もないところを走らされるみたいなので糸島の農道を走ってメンタルを鍛えておきたい。

できれば来年の福岡マラソンか青島太平洋マラソンでサブ 3.5 ( 4'58"/km ペース)を達成したい。

必死の形相でゴールに駆け込む著者

  1. スタート直後におしっこがしたくなってトイレに並んだときと、 30km 過ぎのエアーサロンパスステーションでサロンパスをスプレーするときにちょっと止まった 

  2. サブフォー達成はマラソン完走者の上位 28% くらいで、サブスリー達成者は上位 3% くらいらしい。
    https://sub3.blog/sub4/degree-of-difficulty 

| @雑談

Money

個人開発ではないが、課金については仕事で結構やってきてまぁまぁの知見を得た。かつて自分も情報を得ようとネットで探してみたが、極めて情報が少なかった。ソフトウェア開発についてのノウハウは結構ネットに転がってるが、値付けなどについての情報は少ない。エンジニアとマーケッターでは文化が違うのかもしれないが、そもそも値付けに関しては商材(ソフトウェア)によって様々なので定石がなく、結局のところ自分で試してみないと正解がわからないのではないかと思う。そういう前提はあるものの、自分が得た知見をベースに Cside さんの質問に答えてみたいと思う。

寄付募集型か、有料で一部の機能を解放する型か

寄付型ではかなり少人数しかお金を払ってくれない。どんなにヘビーに使ってもお金を払う必要がなければ1円も払わない人の方が圧倒的だと思う。

機能に課金しないのであれば、共感とか支援という文脈でお金を払ってもらうかたちになる。となるとソフトウェアにどんな機能があるかよりも、どんな人が作っているかや、作り手の思想や哲学の方が大事になる。ソフトウェアのファンではなく作り手個人のファンを作る感じに近い。

とういわけで、自分の人間的魅力に自信がある場合を除いて機能解放型(フリーミアム)をおすすめしたい。

価格設定

めちゃくちゃに難しい。これは実験もしづらい。しかしある程度ユーザーを集められているなら、「ヴァン・ウェステンドルプの価格感度メーター」がおすすめ。ユーザーに以下の四つを問い、グラフ上にプロットして最適価格を探る。

  • この商品がいくらなら高すぎて購入に抵抗を感じますか?
  • この商品がいくらなら安くないと感じますか?
  • この商品がいくらなら高くなくて買得だと感じますか?
  • この商品がいくらなら安すぎて品質に不安を感じますか?

高すぎると高くないの交点が高さの限界点、安くないと安すぎるの交点が安さの限界点、安すぎると高すぎるの交点が最適価格となる。

書籍『Product-Led Growth』より
書籍『Product-Led Growth』より

有料で一部の機能を解放するなら、どこまで有料にするか

これもめちゃくちゃに難しいが、以前書いた以下の記事は正鵠を射ていると思う。

ソフトウェアには売りとなるコア機能があるはずで、この機能を段階性の課金にする。たとえば一定期間内で 5 回までは無料で使えるが、 6 回目からはサブスクリプション登録済みのユーザー限定にする。そしてそのコア機能を使いたくなる魅力的なおまけの機能をたくさん作る。そうするとおまけ機能を使いたいがためにコア機能もじゃんじゃん使って制限に到達し、お金を払うことになる。

おまけ機能自体に課金することはあまり良くなくて、課金の仕組みが複雑になってメンテナンスコストが上がる。課金体系をシンプルにするためにおまけ機能とコア機能をセット販売すると、人によって何に価値を感じるかは様々なので「コア機能だけ使いたいのでコア機能だけの安いプランを作ってほしい」と言われてしまう。なので課金対象はあくまでコア機能の無料枠をはみ出た部分だけにし、おまけ機能は無料化するのが良い。

料金プランはシンプルであればシンプルであるほど良く、開発者自身も楽になるしユーザーの認知的負荷も小さくなる。複雑な料金プランは誰も幸せにならない。

買い切り型か、月額サブスクリプション型か

自分が買い手のときは買い切り型が好みだが、売り手として考えるときは月額サブスクリプションが良い。

ソフトウェアは作っておしまいではなく必ずメンテナンスが発生する。買い切り型では常に新機能を追加した新しいバージョンをリリースしなければ収益を上げられず、メンテナンスに十分な時間を割くことができない。結果としてソフトウェアの品質が低下してしまう。サブスクリプション型であれば毎月定額で収入を得られるので、メンテナンスに時間を割きやすい。

ユーザーとしても海のものとも山のものともつかないソフトにいきなり数千円を払うのには抵抗があるはずなので、試しやすい金額で使い始められるサブスクリプションの方がうれしいはずだ。

サブスクリプションの継続率は作り手にとって示唆に富んだ情報源にもなる。継続率が低下していたらユーザーの満足度が下がってきているというシグナルだし、開発方針の決定に有効活用できる。ソフトウェアはユーザーの満足度が全てだ。満足度を得るために機能開発することさえある。それをせずにサブスクリプションの継続率から満足度を推し量ることができるなら一石二鳥だ。

サブスクリプションのデメリットは開発難易度が上がることだ。 App Store や Google Play の仕組みを使うと Apple や Google にショバ代を取られるし彼らの方針に振り回されて大変な目に遭う。ウェブアプリであれば Stripe を使って自前実装することもできるが、スマートフォンアプリで機能課金をする(有償で機能制限を解除する)場合はアプリ内決済の実装がルール上必須となる(リーダーアプリ除く)。そのほか、ユーザーからの問い合わせも増えるので、サブスクリプションは財務的にはメリットがあるが、肝心の機能開発に割ける時間が減ってしまうというリスクもある。


以上が自分の知見を元にした Cside さんの質問への回答になる。

しかし冒頭にも書いたように価格を含めた課金の設計は売る物によって様々で定石はないと思う。結局のところは実際に自分で試して正解を探り当てていくしかない。

ここに書いてある情報がある日突然マーケティングっぽいことに手を出すことになった門外漢の人の助けとなれば幸いです

| @労働

可也山.jpg

プロダクトマネージャーになって 5 年ちかくが経った。最初の 2 年くらいはエンジニア気分が抜けず、 Vim を開いて何かやったりということがあった。ただ 3 年目くらいからはエンジニアっぽいことは一切やらず、プロダクトマネジメントだけをやるようになってきたと思う。ようやく自己紹介をするときによどみなく「プロダクトマネージャーです」と言えるようになってきた。

現在は登山アプリ・サービスの会社で仕事をしていて、割と頻繁に山に行ってドッグフーディングしている。なのでユーザー(山に登る人)の課題感が大体わかっているつもりだ。

もしいまの環境を変えることになったとして、自分は登山アプリ以外のプロダクトマネジメントができるのだろうかとふと思った。山が好きだから(ドメイン知識があるから)できているのか、それともプロダクトマネジメントのスキルが身についてきているのか。

これまで B2C 、 C2C 、 B2B2C など様々なサービスの開発に関わってきた。正直 ATI (圧倒的な当事者意識)が高い方ではなかった。なのでそんな自分がプロダクトマネジメントできるとは思ってもみなかったが、登山アプリの会社に就職して登山を好きになり、当事者意識が高まってプロダクトマネジメントを生業とするに至った。なのでいまの環境を離れてしまえばプロダクトマネジメントはできない可能性がある。趣味と仕事が重なる領域以外でも自分のプロダクトマネジメントスキルが活かせるのかが気になっていた。

しかしそもそも自分はソフトウェア(デジタルプロダクト)自体が好きなのだということに気がついた。あのプロダクトはこういう戦略で成長したとか、ソフトウェアの背景にある作り手の思想とか、そういうことを考えるのが好きだ。

ベンチャー企業のなかには、そのプロダクトがユーザーのどんな問題を解決しているのか作っている側も分からないまま突っ走っていることがあるのではないかと想像する。いまの職場でも、ユーザーがどの部分に最も価値を感じているのかを理解するまでにはだいぶ時間がかかった。

ある程度のシェアを獲得して、今後さらに規模を拡大したいというフェーズでは、ユーザーがプロダクトのどの部分に最も価値を感じているのか、ユーザーがプロダクトに期待している価値は何かをはっきりと理解する必要がある。ひょっとすると作り手の思い込みでユーザーが必要としていない機能を作っているかもしれない。プロダクトの価値を再定義し、機能を整理する必要性が出てくる。 0 → 1 のプロダクトマネジメントはではなく、 1 → 10 のプロダクトマネジメントだ。自分はこのような役回りが好きだし、こういった仕事もプロダクトマネージャーの気づかれにくい重要な役割の一つだと思う。

| @登山/ランニング

Apple Watch でトレランするならフットパスが便利

Apple Watch でトレラン(ランニング)する人のための記事を以前書いた。アプリを組み合わせれば Apple Watch が Garmin 相当になるという記事だった。

その記事ではトレラン中の地図&アクティビティトラッカーとしては WorkOutdoors が良いと書いていたが、フットパスというアプリを発見してしまってこっちの方が地図が見やすく操作も簡単で高機能だった。 Apple Watch でトレランするならフットパスが激しくおすすめだ。

フットパスは、スマートフォンのアプリを開いて指先で地図上をなぞるといい感じにルート(ウォーキング、ランニング、ハイキング、サイクリング、ドライブなどに対応)を提案してくれるというのがウリだが、正直この機能は日本の道路では使いづらい。きちんと区画整理されている欧米の街だったら使いやすいかもしれないが、ぐねぐね細い道が入り組んだ日本の道路では「そこじゃないんだよな」というルートが提案されることがある。

指なぞりルート作成機能はいまいちなのだが、自分が感心したのは以下だ。

  1. ゴール時刻の予想タイムを出してくれる(フットパス上で計画したルートだけでなく、 GPX を取り込んでも表示してくれる)
  2. 行動中の Turn-by-turn navigation (もうすぐ右ですとか、分岐を直進とか教えてくれる)
  3. Mapbox Outdoor Style の地図のほか、国土地理院地図を選ぶこともできる(国産アプリ以外ではめずらしい)
  4. 行動中に登りが残り何メートルあるか確認できる機能(地形を視覚的に確認できる)
  5. ウェブサイト footpathapp.com の使い勝手

ゴールタイム予測

Footpath App
何時頃ゴール地点に着くかを予測してくれる。

何時頃ゴール地点に着くかを予測してくれる。モーダルウィンドウ内の太字部分(「 15'00"/km 」と書いてあるところ)を左右に短くスワイプするとペースを変更出来て、任意のペースで何時間でゴールできるか確認することができる。

登山用の計画アプリだと「何月何日の何時に登山開始」みたいに日時を入れないと予想時間が表示されないが、これだと日時を指定することなく「いまスタートしたら何時頃下山できるか」がぱっとわかる。

スマートフォンアプリ側で計画を調整して Apple Watch に転送して開始すると、活動中は現在のペースだと何時頃ゴールできるかをリアルタイムで推測してくれる。

ゴールタイム予測

Turn-by-turn navigation

Turn-by-turn navigation

地図を表示しながらの Turn-by-turn navigation

いわゆるカーナビのような機能。 Garmin の Forerunner 9XX シリーズに付いてる機能を Apple Watch で利用できるようになる。 WorkOutdoors ではナビゲーション機能はなく、ルートを外れたときと復帰したときにアラートがなる仕組みだった。正直なところトレイルでカーナビのような機能はいらないのではと思っていたが、実際に使ってみるととても便利だった。ルートを間違ったことを事後的に教えてもらっても便利だが、なるべくならルートを間違うこと自体を予防したい。もうすぐ分岐があることを事前に教えてもらえると、分岐にさしかかったときに注意するのでテキトーに走って間違ったルートに進むということがない。

標高断面図

標高断面図 全体

標高断面図 部分

これからどれくらいの登りが控えているのかを確認できる。これがめっちゃ便利。予定しているコース全体で見ることもできるし、直近のセクションに拡大して確認することも可能。予定している累積獲得標高のうちすでに何メートル登ったか、残りは何メートル登るのかが一目でわかる。これは登山を始めた当初から欲しい情報だったのでスーパー便利だ。

パソコン向けウェブサイト

footpathapp.com

パソコン向けのウェブサイトがまたよくできていて、ルートに任意のポイントを設置することが可能。前回トレランのレースに出たときはエイドステーションにマーキングしておいて関門時刻を書いておいた。こうすることでエイドまであと何キロメートルかがわかり、精神的に楽だった。

もちろんウェブサイトでルートを作成、編集することもできるし、 GPX ファイルを取り込むこともできる。

注意点

自分が知る限り、 Apple Watch でトレランするならフットパスが最高なのだが注意点がいくつかある。

1. 日本語訳が良くない

「他のワークアプリで使用する」というトグルスイッチを有効にしたら、ログが自動的にワークアウトに追加されなかった。この項目の意味はフットパスを地図アプリとしてのみ使い、ワークアウトのログは純正アプリで取るケースを想定していそうだが、この日本語では意味がわからない。

2. GPX インポートしたとき、本来通りたいところではないところにルートが引かれる

地図アプリの定番 SDK に Mapbox というものがある。フットパスも Mapbox をベースにしているが、 Mapbox も独自のルート情報を持っているようで、 GPX ファイルを取り込んだときに勝手にルートが Mapbox 上のルートに置き換えられてしまう。 Mapbox 上のルートは間違っていたり、現在使われていないところが残っていたりするのでちょっとやっかいだ。

3. Apple Watch Ultra でないとナビゲーション通知が事前に届かない

Apple Watch Ultra であればちゃんと分岐の前で通知が来るので便利なのだが、 Series 6 だと通過後に通知が来ることがあった。

4. UI がもっさりしている

デジタルクラウンを回すことで距離モード、ペースモード、標高モードを切り替えられるが、この切り替えがスムーズに行かずストレスを感じる。

5. ランニング向けの情報が不足

純正のワークアウトアプリであれば、ランニング中に心拍数ゾーンを確認できたり、ケイデンスや上下動を確認できたり、任意の地点でセグメンテーションしたりすることもできるが、フットパスにはそれらの機能がない。フットパスは地図アプリとして使い、ログは純正ワークアウトアプリで取れということかもしれないが、それだと GPS を使うアプリを同時起動することになって電池の持ちが悪くなりそうだ。

6. サブスクリプションに登録する必要がある

年額 2600 円のサブスクリプションに入らないと機能が使えない。自分は全然払う価値があると思うが、サブスクリプションに抵抗がある人は買い切り 1200 円の WorkOutdoors をどうぞ。

まとめ

いくつか注意点がありはするものの、フットパスに出会ってから山を走るのが快適になった。トレランのレースに出るとまわりは Garmin や Polar 、 Sunto などを使っている人ばかりで、「やっぱり Apple Watch で山を走るのはダメなのかな?」と不安になっていたが、いまは全く不安を感じなくなった。

電池持ちのよい Apple Watch Ultra とフットパスがあれば、日常生活では Apple Watch の便利な機能(タッチレス決済、 iPhone や Mac のロック解除、音を鳴らして iPhone を探す、 Apple Music で音楽を聞く)を享受しつつ、ルートを確認しながら安全に山を走ることができる。めっちゃおすすめです。

Footpath app

| @ブログ

嘉穂アルプス 屏山

最近結構走ってるから iOS のフィットネスアプリとか HealthFit でめっちゃログや統計を確認してる。

前月との比較 直近 12 ヶ月間の月ごとの走行距離 日毎の積み上げの前年比
前月との比較、直近 12 ヶ月間の月ごとの走行距離、日毎の積み上げの前年比

いま自分は月間 100km 以上走ることを目標にしている。月間 100km はガチラン勢からしたら大した距離ではないのだが、油断して 3, 4 日走るのをサボったり雨が降ったりすると達成が難しくなるので、前月の同日と比べて進捗はどうかを確認してる。

同じような感じで進捗や達成状況を確認できる機能がブログにも必要なのではないかと思って、自分のブログのアーカイブページで年を選ぶとその年の月ごとの投稿数をグラフで表示するようにした(これまでは年で絞っても年ごとのグラフしか表示されてなかった)。

これで去年の同月に比べてどうかとか、その時期にどんな内容(カテゴリー)の記事をよく書いていたのかがわかるようになった。ランニングと同じように自分の頑張り状況が可視化されるようになった。


そもそもブログを書くことの意義とは何だろうか。大まかに二つあって、以下のように整理されるのではないかと思う。

  1. バズる記事を書いてアクセスを集める
    • 集めたアクセスで自分の認知度を高める
    • 集めたアクセスをマネタイズする(広告)
    • 世の中を変える
  2. 自分の内省のために書く
    • 読書や学習で得た知識を貯めておく
    • 考えを整理する

1 の観点でいうとアクセス数が重要なのだが、いまどきブログで小銭を稼ごうとか世界を変えようとかしてる人はいないはずで、ほとんどのブログは著者自身のために書かれてる(↑の 2 の方)と思う。自分のために文章を書きたい人にとって、書いた内容と密度や頻度、また過去に書いた記事を簡単に振り返ることができることの方が重要なはずだ。

なのに、たいていのブログサービスはアクセス解析機能はあるが、過去の自分の執筆状況を統計的に確認できる機能はない(少なくとも ameblo とはてなブログと livedoor Blog にはなかった)。アクセス数は Twitter で影響力のある人にシェアされたとか外部要因で増えることもあるから、それだけで自分のブログアクティビティを正確に測るのは難しい。

同じような話を以前にもブログに書いている。

振り返りの観点でも既存のブログはあまり良くない。たいていのブログはそもそも自分で書いた過去記事を読むのも大変だったりする。時系列に全文表示されてページネーションして辿らないといけない。

検索機能もいまいちだ。自分の考えたことを貯めておく場としてはちょっと貧相すぎる。

世の中に一般的に出回ってるブログは著者自身のためというより、以下にアクセスを集めて広告でマネタイズするかに主眼が置かれているから、内省や情報の取り出しやすさはあまり考慮されていないのだろう。いかに PV を上げるか、いかに滞在時間を長くするか、いかに回遊させるかが大事になってくる。

しかし先ほども書いた通り、芸能人や著名人を除き、ブログは自分のために書いている人が多いはずで、アクセス数を集めることよりも書き手の体験にフォーカスしたブログがあってもよいのではないだろうか。

ランニングはアプリを使ってログを取ることでいろんなデータが可視化されめっちゃモチベーションが上がる。「今月 100km 走っちゃった〜」とか、「 1km のペースが 6 分切れるようになってきた〜」とか。前年同月との進捗比較も面白い。

ブログでも「今月は 10 記事書けた〜」とか「 1000 文字以上の記事を 5 記事書いた〜」みたいな達成感はあるんじゃないかと思う。つまり、 GitHub の Contribution グラフのブログ版みたいなやつが必要だと思うのだ。

GitHub Contributions Graph

ランニングだと時計だったり Strava などのサービスが走るモチベーションを喚起してくる。一方でブログは誰も書くのを促してくれない。

ブログを書く人が少なくなったのは SNS のせいという面は間違いなくあるけど、ブログ自体の進化が足りないのだと思う。もっと書き手の脳みそをハックして、著者に書きたいと思わせるような仕組みがないとブログは衰退していくばかりなんじゃないだろうか。

突き詰めると、ブログの主なマネタイズ手法が広告しかないのが根っこの問題な気がする。読み手に広告を見せることで収益化するのではなく、書き手の使い勝手や満足度を高めることで収益化できる可能性(書き手に対して機能課金する)はないのだろうか。ランニング系のサービスやアプリは実際そうやって収益化してる(うまく行っているかはわからない)。