| @雑談

GRiPS

福岡の宗像市に GRiPS というアウトドアショップがある。

このブログでも何度か触れているし、ウルトラライト( UL )な登山ギア愛好家の中ではかなり有名な店だ。仕事で何か新しい事業に取り組まなければならないとき、 GRiPS のやり方は参考になると思うので GRiPS の何がすごいのかを言語化してみた。

GRiPS との出会い

最初 GRiPS に行ったのは登山を始めたばかりの頃で、山と道製品を取り扱ってるってことで通りがかりにちょろっと冷やかしで行ってみた。そしたら店の入口の張り紙に「冷やかしお断り」とか「子どもの入店お断り」と書いてあってビビった。店内にも「触って傷つけたら買い取り」と注意書きがあって怖いし、その頃は子どもが幼稚園に行っていてとにかく金がなく、高いギアとか買う余裕はなくて、「なんか高いのが多いし怖いなぁ」くらいにしか思ってなかった。

頻繁に買い物するようになったのはコロナ禍になって給付金出た頃くらいで、この頃くらいからハンモックが欲しくてたまらなくなったのと軽量な荷物で泊まりで山に行きたいと思うようになってきて、軽くて機能性の高い製品は GRiPS にある、ということでよく GRiPS のサイトを見るようになった。いまは多分 Twitter やはてブと同じ頻度で見てると思う。

GRiPS のサイトを頻繁に見る理由

ただの一地方のアウトドアショップのホームページをそんなに見る必要があるのか? ある。めっちゃ商品の入荷が早く、売れるのも早い。 GRiPS の店主がブログや Instagram で商品を紹介すると一瞬で売り切れる。自分は悩んでいるうちに売り切れてしまって結局他店舗で購入するということがたびたびあった。

GRiPS のすごさ

GRiPS のすごさをまとめるとこうだ。

  1. 実際に店主が使って良いと思ったものだけを販売している
  2. 入荷してから商品の掲載までが早い
  3. 発送が早い

UL ギアを扱ってるオンラインショップは沢山あり、 GRiPS でしか扱っていないものはそんなに多くない( AXESQUIN 別注製品とかハンモック関連の一部は AXESQUIN と GRiPS でしか買えないものがある)。なので商品力で他社を圧倒しているわけではない。総合力でとにかくすごい。

実際に店主が使って良いと思ったものだけを販売している(情報の信頼性、使い方の提案、発信力)

GRiPS はメーカーから来る商品画像や情報をそのまま載せるだけでなく(メーカー提供の画像や文章そのままのものもある)、写真を撮影して追加の画像を掲載したり、スペックがカタログ値と異なる場合は細かい注意書きが書いてあったりするし、アパレルの場合は店主永松さんの身長体重でどのサイズがちょうど良かったかが記載してあるのでとても助かる。 GRiPS のサイトの説明が Amazon や楽天のページ、もっと言うとメーカーの公式ページよりも信頼できるということがある。

さらにはお店のブログで実際に山で使っている様子や、使ったあとの感想が確認できる。無味乾燥な商品紹介という感じではなく、山で楽しんでる様子が伝わってくる。そういうのを見てると買いたくなってくるのだ。自分がハンモック欲しくなったのは完全に GRiPS のブログのせいだ。

入荷してから商品の掲載までが早い

家族だけで運営しているにもかかわらず(最近はアルバイトの人もいるみたい)、入荷した商品がウェブサイトに掲載されるまでがめっちゃ早い。ギア類は他社と同じ流通ルートを通って GRiPS に入るはずなので、ウェブサイトに掲載されるまでの速さは完全にお店の頑張りによると思われる。

GRiPS のウェブサイトには結構タイポがあるのだが、少々タイポがあったとしてもギア愛好家としては速く新商品の情報を確認できる方がうれしいはずだ。ガレージブランドのギアは買い逃すと来年まで入荷がなかったりする。なので入荷を知ったら一刻でも早く購入して安心したいのだ。

発送が早い

商品が発送されるまでのスピードが速い。リアル店舗と同時展開しているオンラインショップだと発送されるまでに 3 ~ 4 日かかることはざらにある。 GRiPS は発送までが極めて早く、午前中に買えば即日発送ということになってるが、経験上、 14 時くらいまでに買っても即日発送されて翌日には届く。ある新製品が発売されたとき GRiPS のウェブサイトに掲載されるのが一番早いのだが、発送も早いので GRiPS 以外で買うという選択肢はなくなる。

ちなみに送料は 11,000 円以上購入で無料になる(北海道除く)。ただし 11,000 円超えるために同時に買うものをどれにするかで悩んでいると買いたいものが売り切れたりするので注意が必要。

GRiPS の活況具合

年末のブログだと発送点数数万件とあった。

11,000 円で送料無料になることから購入単価は 11,000 円くらいではないかと想像する。となると発送一万件だったとして 1 億 1 千万の売上。経産省によると、小売業の従業員一人あたりの売上平均は、中小企業の場合は 1451 万円に過ぎないようだ(2.従業者1人当たりの売上高|商工業実態基本調査|経済産業省)。ファミリービジネスの小売りで、しかも週 3, 4 日くらいの営業で(山でギアのテストをしているので休みが多い) 1 億円超えはすごいのではないだろうか。

まとめ

ブルーオーシャン戦略というマーケティングの本に、市場の境界を引き直すことが大切だと書かれている。 GRiPS は情報発信に努めていること、早く品出しすること、発送をスピーディーに行うことで、商品自体は他社と同じものを扱っていながら、独自の市場を創造しブルーオーシャンを謳歌していると思われる。どれも当たり前で基礎的なことだが、組み合わせることでとても強力になるし独自の強みとなる。飛び道具がないビジネスの参考になるんじゃないかと思う。

| @雑談

銀玉

USB DAC を導入したので 20 年以上前に買った曲を聞いたりしてる。大学近くの新星堂で試聴して買った Brittle Stars というバンドが好きだということは 10 年以上前から何度もブログに書いている。今にして思うと、アメリカのインディーズレーベルのバンドの曲を郊外の住宅街の CD 屋で試聴できてたってのはめっちゃすごいことだった。

最近は天神のタワレコですら棚がスカスカで、いま自分が大学生だったらこういう音楽との出会いはなくて、アルゴリズムにおすすめされるひたすらメジャーな曲を聞くだけの人生になってしまいそう。

アルゴリズムが推薦してくるものには偶然の出会いがないと思う。「このアーティストが好きな人はこのアーティストも好きな傾向があります」ということで、必然の出会いしか起こらなくなる。統計学の前提からはみ出るような偶然の引き合わせみたいなのがないと人生つまらなくなるんじゃないだろうか。

ちなみに自分が学生の頃よく行ってた新星堂は 2014 年に閉店していた。

| @散財

Topping D10s

一つ前の記事で USB DAC を買ってハイレゾ音源を再生できるようになったが違いがわからなかったと書いている。

しかし↑の記事では全然ハイレゾ再生できていなかった。「 Mac 側の設定は不要」などと書いているが、 Mac 側でも設定は必要だった。一つは Music アプリのオーディオ品質設定でハイレゾロスレスを選ぶことだ。

Music アプリのオーディオ品質設定

なお、ドルビーアトモスを「常に」にしていると、ハイレゾに対応した楽曲でも Dolby Atmos を優先してしまってハイレゾで曲を聴くことができない。 Dolby Atmos でハイレゾというのは両立できないようなので、ドルビーアトモスの設定値は「自動」にしておくと良い。

次に、 Audio MIDI 設定アプリのフォーマットのセレクトボックスからハイレゾに対応した周波数を選ぶ必要がある。 D10s だと 2 ch 32 ビット整数 384.0 kHz まで選ぶことができるのでこれにしておく。

Audio MIDI 設定アプリ

ここまでしてようやくハイレゾ再生できるようになる。

Topping D10s

Hotel California をハイレゾ再生中

なので一つ前の記事の追記で

何時間か聞き込んでみた。音を大きめにして、ジャズなどのドラムの音を聞き取りやすい曲を再生してみると違いがわかるような気がする。ドラムの音がなまめかしい。なまめかしいという表現が適切なのかわからないが、音に生音感があるといったらいいんだろうか。ギターなどでは違いを感じにくいけど(高音難聴だからかもしれない)、打楽器の聞こえ方で結構な違いがあるような気がする。最初は無駄銭失いかと思ったけどそうでもないかもしれいと思い直している。

などとのたまわっているが、このときは 44.1 kHz でしか楽曲を再生できておらず何の変化もなかったはずだ。設定が必要とわかったあとに設定を変更して聞き比べてもみたが、やっぱり違いがわからなかった。なので自分はハイレゾを聞き分けられる耳を持っていないのだろう。 

なおいろいろ調べていて衝撃の事実がわかった。新しめの Mac ( 2021 年以降の M1 Mac )なら USB DAC 不要でハイレゾ音質で音楽を再生できるようだ1

MacBook Pro (14-inch, 2021) および MacBook Pro (16-inch, 2021) は、高品質のハードウェア DAC (デジタル/アナログコンバータ) を搭載していて、最大 96 kHz のデジタルオーディオをアナログオーディオに変換できます。ヘッドフォンやスピーカーなどのアナログデバイスを Mac のヘッドフォンジャックに直接接続すれば、外付けの DAC がなくてもハイレゾ音源を楽しめます。

新しい MacBook Pro モデルのハイレゾ DAC について - Apple サポート (日本)

自分の Mac は私物も仕事用のものもまだ Intel Mac なので USB DAC 経由でないとハイレゾ再生できないが、 2021 年以降の M1 Mac を持っている人なら USB DAC なしでハイレゾで音楽を聞くことができるということだ。 M1 チップは本当に何でもできてすごい。

USB DAC を買ってみてわかったことをまとめると以下だ。

  1. そもそも自分はハイレゾの音を聞き分けられない
  2. 2021 年以降の M1 Mac は 3.5m ジャックからハイレゾに対応したオーディオ出力が可能

ハイレゾロスレスを聞き分けられる自信があるおっさんは M1 チップを搭載した 2021 年以降の Mac を買いましょう。


  1. ただしサポートしている周波数は 96 kHz までで、 Apple Music のハイレゾロスレスの最高値は 24 ビット 192 kHz のようなのでそれには及ばない。 

| @散財

USB DAC Topping D10s

⚠注意

この記事を書いている時点では設定不足でちゃんと高音質設定で音を聞けていません。詳しくは以下の記事をご覧ください。 Apple Silicon の Mac を使っている人はそもそも USB-DAC なしでもハイレゾ音源を再生できるというオチもあります。

ヒトデさんの日記で Sonos のアンプの話を読んで、急に自分の音楽環境に問題があるように感じられてきて、自分もアンプを買ってみたくなったが値段が高すぎる&パッシブスピーカーを持ってないので意味がないということに気がついた。

自分はいま、 Mac => Bose Computer Music Monitor という流れで音楽を聞いている。 Mac 本体のスピーカーより断然良い音だし、小さいスピーカーなのにめっちゃ良い音が鳴るとは思っているのだが、高校生の頃タワレコの試聴機にソニーのヘッドフォンの組み合わせで聞いていた音がめっちゃ良い記憶で、その後の人生で良いヘッドフォンやスピーカーを買ってもあの頃の音質には及ばない気がしていた。

その漠然とした不満を解消すべく USB DAC なるものに手を出してみることにした。 Amazon で絶賛されていた中国メーカ Topping の D10s という USB DAC がコストパフォーマンスが良くて最高らしい。みんな絶賛してる。

そもそも USB DAC を使うメリットは何か。一つには Apple Music などで配信されているハイレゾ音楽を聴けるようになることがある。普通の 3.5m プラグでスピーカーにつないでもハイレゾ音源は再生できない。もう一つには 3.5m ジャックから出てくる信号はあまり良いものではないらしいく、 USB ポートを介して出てくるデジタルデータを USB DAC でアナログに変換してやる方が音質が良くなるらしい。

自分は抗がん剤の治療のせいで高音難聴になっていて 4K Hz 以上の音が聞き取れないため、こういうのを使って音を聞き分けられるか自信がなかったのだが、上述の通り 20 年以上前にタワレコのナカミチのプレーヤーで聞いた音と近い感じで音を聞きたいという漠然とした願望があったのでリストカット感覚で買ってみることにした。

Windows だとドライバーのインストールなどが必要なようだが、 Mac の場合は USB ケーブルでつなぐだけで Mac がオーディオデバイスと認識してサクッと使い始めることができた。 Topping D10s からの出力は 3.5m ジャックがないので別途 RAC オーディオケーブル(ステレオとかで使う赤白のやつ)が必要。

満を持して Mac => Topping D10s => Bose Computer Music Monitor につないでハイレゾ音源を再生してみたが、正直違いがわからない…。 Amazon であれほど絶賛されているのだからさすがに少しは違いはわかるだろうと思っていたが、まるっきり違いがわからない…。 Amazon で高評価レビューをしていた人達はオーディオ沼の住人たちだったのだろうか…。

そもそも自分はスピーカーもヘッドフォンも Bose で、 Bose のコンシューマー向けの製品はそもそもアンプなどを介さずに利用されることを想定していると思われるので(面倒くさいことをしなくてもほどほどに良い音で聞けるのが Bose のウリなはず)、 USB DAC などを挟んでもメリットを感じにくいのかもしれない。

自宅の机で音楽を聞く環境はここ 15 年くらい変化がなくてマンネリ化していたので何か大きな変化を起こせるかなと思っていたけど、特にそういうことは起こらず無駄遣いになってしまった。悲しい。

追記

何時間か聞き込んでみた。音を大きめにして、ジャズなどのドラムの音を聞き取り安やすい曲を再生してみると違いがわかるような気がする。ドラムの音がなまめかしい。なまめかしいという表現が適切なのかわからないが、音に生音感があるといったらいいんだろうか。ギターなどでは違いを感じにくいけど(高音難聴だからかもしれない)、打楽器の聞こえ方で結構な違いがあるような気がする。最初は無駄銭失いかと思ったけどそうでもないかもしれいと思い直している。

| @旅行/散歩

テントとタープ

ゴールデンウィークの前半でキャンプをしに行った。福岡の人がキャンプをしに行く場所といえば阿蘇・久住方面が人気だが、自分が阿蘇出身ということもあって実家の方に行くのにテントで寝泊まりするのは違和感があって久住でキャンプしたことは一度しかない。どちらかというと佐賀方面に惹かれる。車で一時間ちょいで行けて、森や海や温泉があって、キャンプ場はそこまで混雑しておらずまぁ快適だ。高速料金が安く済むのもいい。久住阿蘇方面だと 3000 円近く高速代がかかるが、佐賀方面だとうちからの場合 200 円くらいしか高速代がかからない(西九州自動車は全線開通していないため無料で通行できる)。今回は佐賀ではないが、佐賀県伊万里市の沖合にある長崎県松浦市の福島という島の初崎キャンプ場に行った。

今回のキャンプでは新しい道具をいくつか使ってみた。

Evernew HD.ALU Pan 20

エバニューのアルミフライパン。ゴールデンウィーク前に突如販売が始まったやつで一瞬で売り切れていた。登山用のコーティングしてあるクッカーは直火にかけるのが心配で、直火にかけても問題ないフライパンが欲しかった。去年秋に買ったエバニューの Backcountry Almi Pot がなかなか良くて、直火で炊飯してもコーティングが剥がれるのを気にせずに済むところが気に入っている。同じ使い勝手を期待して買ってみたところよい感じだった。スパゲティーを作ったり、目玉焼き焼いたり、カレーを作ったりと大活躍だった。

スパゲティ

目玉焼き

カレーを調理中

カレーライス

今回は一番大きいサイズの 20cm を買ったが、テント泊登山(自分の場合はハンモック泊)用に 16cm あたりも買ってもよいなと思った。

Igloo Marine Breeze Ultra 28L

悪天候により一泊に変えたが、当初は二泊三日でキャンプする予定だったのでクーラーボックスを買った。

これまでコストコのショッピングバッグなどを簡易的にクーラーボックス代わりに使っていたが、食材の保温効果は限定的だった。クーラーボックスは 50L くらい必要、みたいな記事が多いが、 50L 以上のクーラーボックスは数万円もして高い。自分は Amazon で Igloo の 28L のやつを買ったがこれで十分だった。肉やビールなど、低温を維持したいものはクーラーボックスに入れ、少々温度が上がっても平気なものはショッピングバッグに入れることにしたところ作成成功だった。

Igloo のクーラーボックス Marine Breeze Ultra 28L

うちの子どもは牛乳が好きなのでキャンプのときにも牛乳を飲ませているが、キャンプ場に着いた日に飲むだけで翌朝の分がなく可哀想だった。ちゃんとしたクーラーボックスを買ったことで牛乳も大きなパックを買うことができるようになり、翌朝も牛乳を飲めて満足そうだった。

うちの車は小型の SUV で荷物がめっちゃ載せられるタイプではないのだが、それでも普通のセダンやコンパクトカーに比べたら荷物を載せられる方だと思う。それでもクーラーボックスのサイズはこれくらいが限界だと感じた。 50L 以上のクーラーボックスを載せられるような車はランクルなどの巨大なやつかピックアップトラック(軽トラ)ではないかと思う。

なお、保冷剤はロゴスの倍速凍結・氷点下パック L を買った。 Amazon のレビューで XL がちょうど良いとあるので買ったところ底の大きさが合わず返品してしまった。 L だとちょうど底に収まる。

DOD ローローバーチェア

キャンプ直前の Amazon タイムセールで DOD のローローバーチェアが安くなっていたので衝動買いした。

キャンプ椅子はこれまで DOD のスワルスエックスだった。小さくて持ち運びしやすいが、生地が伸びやすいのとナイロンなので火に弱く、焚き火がはぜて穴が開いている。座る前の組み立てや撤収時の折りたたみもわずかに面倒くさい。ローローバーチェアは生地が綿なので燃えにくいし、座るときはひょいと広げるだけで良いので楽だ。その分、持ち運び時にかさばる。うちの車にはギリギリ載せられた。 4 人家族だったら運べないだろう。ランドローバーとかチャレンジャーに乗ってる人でないと本当は買ってはいけないものだったのかも知れない。見た目がカッチョイイのでキャンプのほか、自宅バーベキューで活用しようと思う。


実はこれ以外にも細々したものを買っている( Ledlenser の LED ランタン、 ZANE ARTS のシェラカップ、 UNIFLAME フィールドラック用のステンレス天板など)。以前書いた通り、キャンプは道具沼だ。毎回キャンプに行くたびに普通にビジネスホテルに泊まるのと同じくらいお金がかかる。

まだキャンプしたことない人にはおすすめしません。家でゲームしたり Netflix 見たりしてる方が楽しいと思います。

| @技術/プログラミング

ブログ過去記事の閲覧 UI にはこだわりがある。これまで何度か記事を書いた。

このブログの維持管理で一番時間を割いているのが Archives ページだ。しかしアクセスログを見ると自分以外はほとんど利用していない。完全に自己満なのだが、過去の自分を振り返ることができてとても自分には有意義なページだ。

過去記事を振り返るときには検索をしたくなる。タイトルのみであればページ内検索で探せるが、やっぱり本文込みで検索したい。 Lokka の検索はあるが、検索結果ページは 7 件ずつ(この値はカスタマイズできる)表示で全文表示される。自分は検索キーワードに関する記事が存在するか知りたい訳ではない。著者なのでキーワードに関連する記事があるかないかくらいわかってる。じゃなくて過去の自分がいつ頃どの密度でそのトピックについて書いていたかを知りたいのだ。

タグやカテゴリーで絞り込む手もある。しかしカテゴリーやタグは理想的な分類ではない。二つのカテゴリーを横断するような記事があるし、タグは設定し忘れていることが多い。全文検索が一番頼りになる。

SQL で全文検索的なことをやろうとするとパフォーマンスが良くないだろう。やっぱり全文検索システムが欲しい。

Tantivy と Tantiny

とはいえ、個人のブログで全文検索エンジンを導入するのはしんどい。確かに Apache Solr や Elasticsearch を個人ブログに入れるのはきつい。もっと手軽に使えるものはないか探していて、 Rust 製の全文検索システム Tantivy と、その Ruby クライアントの Tantiny を発見した。

これがめっちゃ簡単で昨日数時間サンデープログラミングをして導入できた。システム環境に適合するビルド済みのバイナリが GitHub にあれば Rust 環境のセットアップすら必要ない。 Gemfile に gem 'tantiny' と書いて bundle install するだけで使えてしまう。

うまくいかなかったもの

最初、同じ Rust 製で Wasm までセットで提供してくれる tinysearch を試した。 JSON 形式で全ファイルを書き出すだけで使えるやつだ。しかし残念なことに日本語では全く使えなかった。自然言語処理をやろうとしていてあるあるのパターンだ。日本語は MeCab などでトークナイズしてやる必要がある。

デフォルトのトークナイザーでもそこそこに優秀な Tantivy

Tantivy にもトークナイザーをカスタマイズできる仕組みはあるが、標準の Simple Tokenizer でもそこそこ精度が高い。固有名詞にちょっと弱いが、辞書ファイルがないので仕方ないだろう。

個人ブログでも全文検索できる時代

このブログは個人ブログだが、画像のリアルタイムリサイズサーバーを動かしている(おかげで S3 の転送量が安くて済んでいる)し、 TF-IDF で関連の高い記事も表示している。それに加えて全文検索まで入れてしまった。こういうのは大手のブログサービスを利用しないと使えない機能だったが、 OSS と新しいプログラミング言語( Go や Rust )のおかげで個人でもそこそこのスペックのサーバーでこれらを利用することができるようになってきた。 MovableType でサイトを構築していた時代から何も進歩していないようで実はとても進歩している。こういう文化の灯火が消えないようにしていきたい。

| @登山/ランニング

ゴールデンウィークに Instagram 見てたら登山愛好家の皆さんがめっちゃ遠くの山に行っていて正直うらやましかったのでいても立ってもいられなくなり、北アルプス行きの予約をした。

去年、福岡から北アルプスへの行き方に関しては調べてブログに書いていた(福岡から北アルプス(上高地)までの行き方)。 9 月の頭あたりに行こうかと思っていたが、緊急事態宣言が出ていたので諦めてしまった。今年は巷にコロナに打ち克った感あふれてるし行けそうな気がしてる。

松本までは飛行機( FDA )で行くことにした。金額が高くなっても結局は飛行機の方が時間と費用を加味した総合的な移動コストが安い。セントレアや名古屋空港を経由しても上高地までの移動にバスを挟んで時間がかかってしまうので時間コストが大きい。マイルが貯まっていてセントレアまでの移動費をゼロにできる場合を除いておとなしく FDA で松本まで行った方がよい。天候的にキャンセルせざるを得なくなったときはキャンセル料を払って諦めることにする。

何時頃上高地に着くかによって山行プランが変わる。自分は奥穂高岳に行こうと思っているが、槍ヶ岳の人も似たようなプランになるだろう。

朝一番の飛行機で松本入りすると上高地着が 14:00 過ぎになる。そこからその日のうちに歩いて行けるのは徳沢か横尾までだ。徳沢も横尾も山小屋があって宿泊できる。初日はここに泊まって、翌日一気に奥穂高岳に登頂するのが良いだろうと考えた。登頂後は穂高岳山荘に泊まり、翌朝奥穂高岳にもう一度行って涸沢岳にも立ち寄ってから一日で下山。 13:30 頃に上高地に着くので松本に移動して後泊する( FDA の 17:30 の便には間に合わない)。後泊も入れて三泊四日の旅程になる。

一方、登山開始前日の午後に家を出発し、新幹線(か名古屋・セントレア行きの飛行機)と夜行バスを乗り継いで早朝に上高地入りすると、早朝 5 時半頃から歩いて一日目1に涸沢まで行ける。一日目の夜は涸沢の山小屋に泊まり、二日目に奥穂高岳に登頂できる。ただし山の上でマジックアワーを見たりご来光を見たりはできず、その日のうちに涸沢まで戻って小屋泊することになる。最終日は急いで下山すればその日のうちに帰宅できるが、山では何があるかわからないし予備日は設けておきたいところ。後泊すること前提で予定を組んだほうが良い。ゼロ日目の移動も合わせて四泊五日の旅程になる。

夜行バスで上高地入りする早朝着プランの方が安いような気がしてしまうが、福岡から向かう場合だと結局大阪か名古屋まで新幹線か飛行機を使うので大して金額的なメリットはない。旅程が長くなり、長時間の移動・夜行バスで疲れ、日の出どきやマジックアワーを山頂付近で過ごせない。東名阪に住んでいる人であれば夜行バスの早朝着プランは安く行けてメリットありなのだが、それ以外の地域から行く人にとっては午後着プランの方が無難だろう。

あとは天候が良くなることを祈るばかりだ。


  1. 一日目は午後から新幹線で大阪か名古屋まで移動し、夜行バスに乗り換えるので旅程的には二日目