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"きみに読む物語 スタンダード・エディション [DVD]" (ニック・カサヴェテス) 『16歳の合衆国』、『ラースと、その彼女』でライアン・ゴズリングが良かったので、ゴズリング主演で評判の良い『きみに読む物語』ってのをDVDで見た。なんつーのかな、古き良きアメリカ映画って感じだった。高校の頃の音楽の先生が変わった人で、授業の最後の15分間くらいで毎回映画を見させてくれてて、『俺たちは天使じゃない』とか『白い嵐』とか『ラスト・オブ・モヒカン』とかを見させてもらった。3年間で結構たくさん見たと思う。どれもアメリカ映画で、白人の美男美女が主人公みたいのが多かったような気がする。で、『きみに読む物語』ってのはまさにそんなアメリカ映画の典型的なプロットに当てはまるストーリーだった。美男美女のカップルが、身分や家柄の差を乗り越えて、最終的には結ばれるというお話。 とにかくキスしまくる映画で、後半からはベッドシーンもあるんだけど、ヒロインを演じたレイチェル・マクアダムスがかたくなにおっぱいを見せない。いや別におっぱいが見たいわけじゃないんだけど、ベッドシーンだけカメラの構図が不自然でそれがすごく気になった。 アメリカの雄大な自然、豪華な作りの建物、自動車などなど、「これぞアメリカっ!」って感じのアイテムがいっぱい出てくる。物語は1940年から始まるんだけど、貧しいノア(ゴズリング)の家でさえ車を持ってて、街はにぎやか。こんな国と戦争したら勝てるわけがない。日本の高度経済成長期以後の生活水準をアメリカは既に戦前に実現してたって感じ。 パクス・アメリカーナって言葉がある。パクス・ロマーナ(ローマの平和)をアメリカに当てはめたものだけど、20世紀のアメリカは本当にパクス・アメリカーナな感じだったんだなって思う。ブロンドの俳優たちがチューしてる姿は、古代ギリシャやローマの彫刻を思い起こさせる。ラストは愛はどんな障害をも乗り越えるみたいな展開だし、終始ウルトラポジティブ。 『きみに読む物語』ではところどこに黒人が出てくるんだけど、ヒロインの実家(金持ち)の家のメードだったり、老後の主人公が入ってる老人ホームのスタッフだったりする。結局白人中心の世界から抜け出してなくて、黒人に単純労働とか面倒くさいことは任せてパクス・アメリカーナは成り立ってたんだなって感じた。 ゴズリングの出てる『16歳の合衆国』、『ラースと、その彼女』は、そういったパクス・アメリカーナの反対側を描いた映画だなって思った。『16歳の合衆国』とか特に。パクス・アメリカーナは虚構なんだよね。アメリカはイギリスから独立したけど、ほんのつい最近までイギリス風の植民地主義を引きずってた感じがする。 『きみに読む物語』、思春期の女子高生とかには超受けるだろうけど、俺は911以後の世界を描いたアメリカ映画の方が好きだなと思った。

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零戦と戦艦大和という本を読んだんですけど、これがなかなか面白かったです。一見、軍国主義万歳みたいなタイトルですが、実際はなぜ日本が戦争に負けたのかを識者が座談会形式で討論しています。これがまたとない日本社会論で、『パラダイス鎖国』にも通じる内容でした。

「今日の日本は64年前の日本とは全然違う、いまの日本はあんな無謀な戦争はやらないし、軍国主義は既に過去のものだ」。多くの人がそう思っているんじゃないでしょうか。僕もそう思っていました。でも読めば読むほど、戦時中の日本軍の組織は今日の日本社会と符合する部分が多くてびっくりしました。

以下印象に残った点。

  • 戦時中、アメリカの方が戦況は優勢だったのに、アメリカ海軍は26人も指揮官を更迭した。一方で日本海軍はゼロ。敗軍の将に花道を飾らせようと据え置いたりするから、当然また負ける。末端の兵士には厳しかったかも知れないが、上層部には甘い組織だったのではないか?

  • 日本軍はカタログ偏重主義で、兵器の開発にもカタログ値が良好であることを望む。しかし本当ならセットで考えなければならない人員の配置・交代など運用方法を軽視するから、零戦や戦艦大和がどれだけ優れていても有効活用できないままに終わってしまう。大和の主砲は世界最強の威力を誇ったが一隻も敵を沈めていない。

  • 零戦の成り立ちはまるで日本のガラパゴス携帯のよう。海軍及び軍需産業は多品種少量生産が好きで、部品の標準化などを怠っていた。結果、大量生産ができず、十分な数の兵器を生産することが出来なかった。この伝統は今日の日本の家電メーカーにも脈々と受け継がれている。

  • 日本の兵器は零戦など高性能なものもあったが、使いこなすには使い手の熟練が必要だった。対してアメリカは操作が単純で新兵でも簡単に使える兵器を大量生産した。

  • 日本の軍人は武士道精神を好んだが、同じ武士道でも戦国時代に書かれた宮本武蔵の『五輪書』と江戸時代中期に書かれた『葉隠』ではまったく定義が異なり、『五輪書』では戦場でいかに敵を倒して生き延びるかが書かれているが、『葉隠』では「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」など、世襲官僚としての処世術が書かれている。後者の美意識を規範にした日本軍は人命を軽視するようになった。

  • 誤った武士道の解釈により軍人が防御機構を要望することは恥とされ、零戦の装甲は薄かった。結果多くのベテランパイロットと機体を無駄に失った。

  • アメリカ軍は『プライベートライアン』などで描かれたように行方不明者が出たときに必死に捜索するなど個々の兵士を守ろうとするが(民主主義国家の軍隊)、日本軍は兵士の人命を粗末にあつかった(独裁国家の軍隊)。これが彼我の士気の違いにつながったのではないか?

  • 日本軍は一度作戦計画を練ったらそれが完璧だと思い込み、万一作戦がうまくいかなかったときのことを考慮しない傾向にあった。戦艦大和の装甲は世界一だったが、もし装甲が破られたときにどうするか(ダメージコントロール)が不十分だった。

  • 戦陣訓で「生きて虜囚の辱めを受けるなかれ」と言われたため日本軍に捕虜は存在しないことになり、万一捕虜になったときにどうするかといったことが兵士に教えられなかった。結果、捕虜になって絶望的な気分になり、アメリカ側に重要な情報を話してしまった将校もいた。

などなど。憲法が変わったり主権が国民に移ったり自衛隊がシビリアンコントロールに置かれるようになったり、外側は戦前から変わったと思うけど、中身があまり変わってないような気がしますね。非常に興味深い本でした。

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テレ朝の報道発ドキュメンタリ宣言という番組をたまたま見た。『昭和史最大のスクープ 男装の麗人川島芳子は生きていた!』というタイトル。なんか二時間スペシャルだったみたい。これは結構面白かった。

川島芳子ってのはもとは清朝の王女で、7歳の頃に日本人の養女になり日本人として育てられたらしい。そんで戦前戦中はスパイめいたことをやったりしてたらしいんだけど、戦後は国民党軍に捕まって死刑が宣告され、処刑されたということになっている。しかし国賊の処刑は通常公開処刑にされるのに川島芳子の処刑は非公開で行われ、処刑の少し前の川島芳子は短髪だったのに公開された遺体の髪の毛は肩まであり、後頭部から銃で撃たれていて顔を確認することはできなかった、などなどの理由により、当時から川島芳子は生きているのでは、っていう噂があったらしい。

最近になって中国で川島芳子をかくまってた一家の人が名乗り出たらしくて、調査が行われてるそうだ。川島芳子と見られる女性に育てられたという女性への取材と再現ドラマを交えてドキュメンタリーに仕上げてた。

こういうのは源義経伝説みたいに眉唾な印象を持ちがちなんだけど、これほんとかも知れないな、と思ってしまった。

番組では李香蘭こと山口淑子と川島芳子との交流の話とか出てくるんだけど、WIkipediaで色々読んでたら、李香蘭って人はなんかすごかったんだなと思ってちょっと驚いた。ビリー・ホリデーみたいな半分伝説と化した人物かと思ってたんだけど、山口淑子さんていまも生きてるんですね。日本人なのに中国名で女優やってて、戦中は人気があったってくらいは知ってたんだけど、日本に帰ってきてからも女優やったり、テレビ司会や参院議員もやってたってのか。

李香蘭

戦前の日本は007とか映画の世界のようなことをやってた人達がいっぱいいたんだと思って圧倒されました。川島芳子が密かに生き延びてたという話もすごいけど、李香蘭こと山口芳子さんの人生も十分に壮絶だよ。激動の昭和史の一端を垣間見た夜でした。

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この前の比較は条件がバラバラだったので、出来る限り条件を合わせてもう一回撮り比べてみました。レンズはVR 18-200mm、両方ともピクチャーコントロールはスタンダードもしくはノーマル、ISO感度は200で統一、JPEG FINEでサイズは一番小さいサイズで撮りました。なおブログクライアントにectoを使ってるんですけど、ectoのはき出すサムネイルは汚いので厳密に見比べたい方はクリックしてオリジナルファイルを開いてください。

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| @写真

Adobe Lightroom 2

二つ前の記事で書いた通り、Nikon D90の画像がどうしてもアンバー寄り(うんこ色)なので、しょうがなくRawで撮影してMacに取り込んだあと現像してます。Rawはファイルサイズが写真一枚あたり10MBくらいになるし、読み込みに時間かかるしあんまり好きじゃなかったんですが、Raw現像をやってみるとなかなかどうして面白い。うんこ写真も色鮮やかに蘇ります。

僕はRaw現像できるソフトはPhotoshopしか持ってないので、しょうがなしに

iPhotoで「外部エディタで編集」
    ↓
Photoshopで現像
    ↓
iPhoto Library内に保存
という非常にしちめんどくさいステップを踏んでいたんですけど、一昨日、Adobe Lightroom 2の試用版をダウンロードして使ってみたところ、ぶっとびました。スゲー現像しやすい! 直感的にいじってさくさく編集できるし、ファイルの保存場所も複数プリセットに保存できて、iPhotoとのファイルのやりとりもまぁまぁやりやすい! 少なくともPhotoshopよりもカイテキ! さらに何と言ってもUIがMac OS Xに馴染んでて違和感ない。

Photoshop Camera Raw

Lightroom

上がPhotoshopのCamera Rawのキャプチャ、下がLightroomです。基本的にできることは同じなんだけど、Raw現像に特化してる分、はるかにLightroomの方が使いやすいです。UIももちろんLightroomの圧勝。背景を暗くしたりも出来るし、現像作業に集中できます。画像をダブルクリックしたときの拡大倍率を細かく変更できるところなんかもステキ。

さらにPhotoshopでRaw現像する場合、ファイルブラウズ用にiPhotoもしくはAdobe Bridgeを起動し、現像用にPhotoshopを起動しておかなくてはなりませんが、Lightroomは単体で写真の閲覧、現像が出来るので現像ソフトと閲覧ソフトの間を行ったり来たりする必要がないわけですね。特に複数の写真を見比べながら色味を調整するときに便利です。Photoshopでは一枚ずつしか現像できないので、複数枚を並べて見比べながら現像することが出来ません。

これまでLightroomとかApertureとかRaw現像系のソフトは全然存在意義が分からなかったんだけど、認識を改めました。Lightroom欲しいぞコンチクショウ!

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こんにちは、春真っ盛りですね。みなさん桜の写真は撮ってますか? 今日はカメラの話です。まず以下のリンクを見てください。

Nikon D3で撮影した東京の春の様子です。素晴らしいですね。ぶっ飛びますね。やっぱいいわ、Nikon。キムタクならずともそうつぶやいてしまいますね。

僕は去年の11月末にD90を買ってもう4ヶ月ほど使っています。前にも一度記事を書いてますけど(D90使ってます(泣))、上のリンク先みたいな写真が撮れなくてほとほと困っています。

「たりめーだろ、フラッグシップのD3と初心者向けのD90で同じ写真が撮れるわけねーだろ、5倍も値段が違うだろダボハゼが!」というおしかりの言葉が聞こえてきそうです。いやそりゃわかってますよ。D90でD3みたいなぶっ飛んだ写真が撮れるとは思っていません。

しかし、D90で撮れる写真は明らかに色がおかしいんです。僕はD90の前はD40Xを使ってたんですが、まだこちらの方が上のD3の写真に近い写真が撮れる。センサーサイズとか解像度とかそういうのの前に、色がとにかくおかしいのです。

以下の二枚を見てください。同じ風景を同じレンズを使ってD90とD40Xで撮り比べたものです。

DSC_2627

D90で撮影

DSC_6854

D40Xで撮影


どちらもホワイトバランスはオート。ピクチャーコントロールなどは全部ノーマルで、ほぼ素の状態で撮影しています(D90の方はISO感度が400になってますが、D40XはISO感度100です。そろえるの忘れてた!)

こちらはズームしたもの。

DSC_2633

D90で撮影

DSC_6857

D40Xで撮影


D90の方は絞りがF10でD40Xの方がF5.6ですね。すみません、絞りを合わせて撮ってませんでした。でも開放してるD40Xの方がシャープに見えませんか? 確かに周辺はぼけてるけど、中心部はD40Xで撮ったやつの方がシャキっとしてる。

どちらが目で見た色に近いでしょうか? 二枚ともD40Xの方が色が濃いですが、D90の方は明らかに色が淡すぎるし、しかも黄色っぽいというか茶色っぽいというか、敢えて言うならうんこ色っぽい。これはおかしい! 同じメーカーのカメラだと思えますか?

ゴミ取り、動画(オマケ程度の機能だけど遊べることは確か)、シャッター音、レリーズタイムラグ、ダイヤルの数、液晶モニターのサイズ等々、D90の方がD40Xよりも優れているところはいっぱいあります。しかし、肝心の画質がうんこなんです!

D40/D40X/D60が派手な色味なのは初心者をおびき寄せるため、なんて言われたりもしますが、D90の画像は明らかに淡すぎるし、色がおかしいのは確か。こんなに変な色になっちゃうんじゃRawで撮って現像しないとダメダメです。そんなにNikon様はD90ユーザーにCapture NXを買わせたいのでしょうか?

Nikon様には是非ファームウェアアップデーターを配布して、このD90の変態的な色味を修正して欲しいものです。うんこ写真しか撮れないなんて悲しいです。

加えて、前も書いてますが、いまD90買おうかなーと思ってる人は注意が必要です。僕は積極的にはオススメしません。D90で写真撮るんだったら、Raw現像しないと満足のいく写真は撮れないと思います。うーん、Lightroom欲しい。

| @散財

毎朝、起床したらCydiaでソフトウェアのアップデートを確認するのを日課としてるんだけど、今朝見てみたらこんな表示が出てた。

MicrosoftがCydia買収 MicrosoftCydia買収

Cydiaは最近、Cydia Storeをオープンしてこれからというところだったのに、Microsoftに買収されてしまうとは…。

さらに先ほど、SwirlyMMSの開発元、SwirlySpaceからもメールが届いて、こちらもMicrosoftに買収されたそうだ。

SwirlySpaceも買収

なんということだろうか。

ビル・ゲイツは家族にiPhoneを使うことを許さないんじゃなかったのか? それなのにjailbreak環境を買収するとは。

Cydiaのデベロッパーsarukは、すでにMSのなかで働いていて、.NETフレームワークとObjective-Cのコネクターを開発してるそうだ。そのうちWindowsでもiPhoneアプリケーションが開発できるようになるのだろう。WindowsでiPhoneアプリケーションが開発できないのはクソと考えている人達には朗報かもしれないが、warez大好きなWindowsユーザーによってマルウェアがばらまかれるかも知れないし、複雑な心境だ。

時差の影響でアメリカはまだエイプリルフール引きずってます。