| @映画/ドラマ/テレビ

 DVDで鑑賞。イケてる青春映画。フランス人の主人公クサヴィエが、就職で有利になるようにとスペインに留学する。バルセロナでの一年間を描いた映画。僕は留学経験はないが、留学って楽しいのだろうなぁと見ながら思った。

 以前映画館で予告編を見たときには、主人公が沢山いるタイプのドタバタ青春群像映画かと思っていたが、実際には核となるフランス人の主人公がいて、彼を中心にルームメイトであるドイツ人(男)、イングランド人(女)、ベルギー人(女)、イタリア人(男)、デンマーク人(男)、スペイン人(女)が絡んでくるという構成である。ドタバタ劇には変わりなかったが、主人公がルーメイトと出来ちゃったりする映画ではなくて、フランス人の青年が異国の地で経験する恋や別れがテーマである。

 都会っ子ぶったパリジャンも、スペインに来てみればアウトサイダー。しかし主人公クサヴィエはスペインの街にも馴染み、スペインで知り合ったフランス人女性の「バルセロナって汚い」という言葉に食ってかかる。「パリだって汚い」と彼は反論する。スペインに来て彼は成長するのである。

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| @雑談

 なにかと批判されることの多いショッピングセンターですが、悪いことだけでもないんじゃないかと最近思っております。先日熊本市郊外のショッピングセンターを訪れ、こいうことがありました。

 店の入り口で祖母の買い物を待っていたら、ショッピングセンターでパートしていると思しきおばさん二人が立ち話をしていました。今度またパンフレット見て云々、日程はどうしようか云々、どうもパート先の仲良しおばさん連中で旅行に出かけるみたいです。ショッピングセンターというと人と人のつながりを希薄にするもの、というマスコミに植え付けられた固定観念を持っていた僕には、大変新鮮なやり取りでした。

 郊外という場所には、その土地生まれではない人が一戸建ての家を求めて色んなところからやってきます。夫は職場で人付き合いがあっても、専業主婦の奥さんの場合、人付き合いをする機会はとても希なんではないか。ショッピングセンターにパートに出かけることで、同じようにご近所に暮らす奥さん方と知り合うことができ、付き合いが生まれる。ショッピングセンターが新たな地域社会の核になっているんではないかと思うんですよね。

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| @映画/ドラマ/テレビ

 今日は僕の大好きな映画について書いてみます。たまたまちょうど良いタイミングでKeizoさんからトラックバックも頂いたことですしね。Keizoさん、この映画期待できますよ。

 この映画、邦題は『天国の口、終りの楽園。』なんですが、原題は"Y Tu Mamá También"といいます。スペイン語です。「お前の母ちゃんともやっちまったよ」っていう意味なんですが、それじゃあ映画のタイトルとしてあまりにも意味不明なので邦題を付けられたのでしょう。でもなかなか味のある邦題で良いと思います。

 Keizoさんは本当は『天国の口、終りの楽園。』が見たかったのだけど、VHSしかレンタル屋に置いてなかったので、この映画にも出演しているガエル・ガルシア・ベルナルが主演を演じた『モーターサイクル・ダイアリーズ』をご覧になったそうです(感じ通信: モーターサイクル・ダイアリーズ)。この映画も良いです。南米社会が20世紀初頭から抱える問題が描かれていて、いろいろ考えさせられます。南米大陸の景色も素晴らしいです。『天国の口、終りの楽園。』もロードムービーですし、テイストとしては『モーターサイクル・ダイアリーズ』に似ていますが、それよりも青春映画色が強いですね。というか青春映画なんだけど、社会矛盾について触れることも忘れない、というスタンスでしょうか。これが絶妙ですね。

 前置きが長くなりました。映画のだいたいなあらすじを書きましょう。主人公のテノッチ(ディエゴ・ルナ)とフリオ(ガエル・ガルシア・ベルナル)は高校を卒業し、秋からは大学に通います。大学入学までの期間、二人の彼女はそろって母親とヨーロッパ旅行に出かけ、二人は暇な時間を持てあますことになります。しかし二人は何もせずにだらだらと過ごすには充分すぎるほどに若く、セックスやドラッグへの欲求を断ち切れません。誰々のおっぱいが良いだとか、誰々の尻にしゃぶりつきたいだとか、マリファナを吸いながら馬鹿話をする毎日です。そんななか二人は、テノッチの親戚の結婚式でスペインからやってきた美女ルイサに遭遇します。ナンパを試みる二人ですが、実は彼女、テノッチの従兄弟の妻。でたらめで伝説の海岸、「天国の口」へ行かないかと誘ってみるが、「夫も喜ぶわ」と婉曲的に断られてしまいます。<!--more-->

 その後も冴えない日々を送っていた二人なんですが、ルイサが気変りし、その日の午後に出発すると伝えていた日にテノッチに電話をかけてきます。「招待はまだ有効かしら?」ってね。テノッチは大あわてでフリオに電話し、もの凄い勢いで旅の準備をします。それもこれも性欲のなせる業です。スーパーで大はしゃぎで買い物をする二人。コンドームを買うことももちろん忘れません。そこから紆余曲折に富んだ三人の旅が始まります。

 この映画、セックス描写がいっぱいあります。原題が「お前の母ちゃんともやっちまったよ」ですし、冒頭からセックスシーンですからね。家族と見るのはまずオススメできません。でももちろん、『愛についてのキンゼイ・レポート』みたいにセックスそのものがテーマなわけではありません。セックスに伴う心の痛みがテーマと言えばよいでしょうか。うん、セックスというより痛みですね。それと生きること。死に向かって生きるとはどういうことか。考えさせられますね。

 フリオとテノッチの友情の描き方も絶妙です。この二人みたいな間柄のダチ公がいた人は懐かしいでしょうね。僕の友達に、こういう二人みたいな間柄の連中がいました。とにかくいつも二人一緒で(ホモなんじゃないかと思えるくらい)、でも凄い女好きでいつも女の話ばかりしてて、すぐ女の子捕まえてやっちゃって、自己嫌悪に陥りながらも二人で女漁りを続けるという・・・。いつもたばこを欠かさず、病気なんじゃないかと思えるくらいハイテンションなのもフリオとテノッチそっくりでした。映画の最後でフリオとテノッチはそれぞれ別の道を歩み始めるのですが、こういった兄弟よりも密な友人関係ってのは大人になると続かないもんなんですかね。切ないですね。

 映画では嫌みがない程度に、メキシコという国が抱える矛盾が指摘されます。テノッチの父親はメキシコ政府の高官なのですが、問題のある食品を貧しい人々に売って暴利をむさぼった過去があることなどがちらちらと指摘されたりします。テノッチは大金持ちの息子なんですね。フリオも中の上くらいの家庭の息子です。僕が印象に残っているのが、「天国の口」へ旅を続ける途中で、テノッチが道路標識に目を奪われるシーンですね。そこはテノッチの乳母が13歳でメキシコシティーに出てくるまで育った街だったのです。ナレーションで、テノッチはその乳母のことを三歳までママと呼んでいたこと、そしてそれは誰にも知られたくない秘密であることなどが語られるわけですが、このナレーションによる表現は見事ですね。先住民系の人々に施しを与えるシーンも効果的に挿入されます。貧富の差の描き方というのがうまいんですよ。

 監督は『大いなる遺産』や『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を撮ったアルフォンソ・キュアロンです。ハリー・ポッターの監督なんて聞くとちょっとイメージが狂うかも知れませんが、『大いなる遺産』とこの映画で能力が認められてハリー・ポッターの監督に抜擢されたらしいです。『大いなる遺産』は映像が美しかったですが、この映画もなかなか映像が素晴らしいんですね。枯れ葉だらけのプールやメキシコの田舎のレストランなどを、見事にとらえています。メキシコを旅行してみたくなりますね。

 総じて、セックス、友情、社会矛盾、生と死といったすべての青春要素満載。まさに青春度200%の南米ロードムービーです(おっと、メキシコは南米じゃなかったな)。

| @雑談

 この記事、治療を開始する前に由布院を批判するものの序論として一旦公開したものなんですが、由布院について調べていくうちに、一概に批判できるものでもないなぁと思い、ちょっと冷静なトーンで考察しなおしてみることにしました。

 上の三つの旅館、由布院の御三家と言われているらしいです。一番安くても一泊35,000円くらいします。一番値段の張る山荘無量塔という宿だと、部屋によっては一泊70,000円くらいするとか。もう価格を聞いただけで、ぼったくってるんじゃないかと僕なんかは思ってしまうんですが、2chなんかの反応を見る限り、実際に泊まったことがある人からはぼったくりだっていう非難の声が聞こえないんですよね。むしろ泊まったことがない人がぼったくりだと非難しているっぽい。実際に泊まってみると、値段に見合う待遇を受けられるのでしょう。

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| @音楽

 昨日、病院をこっそり抜け出して熊本駅まで散歩に出かけたのだけど、iPodでスチャダラパーの“サマージャム'95”をヘビーローテーションしてしまった。この曲めちゃイイ。リリックはスチャダラ節炸裂のだらだらした感じなんだけど、トラックが格好いい。DJ Mitsu the BeatsのBluenoteミックス盤Blue Impressionsで一発目にかかるBobby Hutchersonの"Montara"がネタ。これが鬼クール。アニの脱力感溢れるラップも素敵。著作権ゴロが怖いけどちょっと引用。

で帰りにソバ ザルかせいろだ それが正論 んふっ 入んないから
いっつも食ってんだけども これが夏となると又 格別なのよ
(略)
行ったねープール みんなで徹夜あけ レンタカーで
情なかったねー海パンダサダサで
あれは笑ったなー 行きたいなー又 こんな曲でも流しながら

 けだるい夏の午後にぴったりの一曲です。ていうかスチャダラパーって、リリックは硬派B-BOYからは嫌われそうな軟派な感じだけど、シンコのつくるトラックはレベル高いですね。

スチャダラパー - 5th Wheel 2 the Coach - サマージャム '95</img>

| @雑談

 同じ部屋のおじさんが、昨日余命宣告されたそうだ。早くて半年。明るくておしゃべり好きの、あまり品があるとはいえないおじさんなのだけど、普段と違ってとても悲しそうな目をしていた。かける言葉が見つからなかった。

 僕は余命を宣告されたらどうしよう。ゴル男さんに乗って旅行にでも行きたいな。大好きな映画、『天国の口、終わりの楽園』のルイサがそうしたように。

| @雑談

 BS1でクローズアップ現代の再放送を視聴。日本人のモラルは低下しているのか、がテーマだった。高速道路の料金所で料金を払わず通過、図書館の本に書き込み・切り抜き、道の駅などのゴミ箱に家庭ゴミを捨てる、などといった事例が紹介されていた。

 村上春樹は以前、読者との対話本で「現代人のモラルは低下していると思うか?」という問いに対し、モラルの良い世代とか悪い世代とか存在しない、という趣旨の答えをしていた。でもクローズアップ現代の放送を見る限り、そんなことは到底言えそうにない。明らかに現代の日本人のモラル意識は昔に比べて低下している。

 番組中で江川紹子が指摘していたことだけど、VTRで道の駅のゴミ箱に家庭ゴミを持ち込んで捨てているのは若者だけではなく60代の高齢者も含まれており、モラルの低下は年齢に関係なく全日本人的な問題なのである。これはかなりショッキングなことである。大人どころか、年寄りまで若者に規範を示せなくなりつつあるのである。

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