| @映画/ドラマ/テレビ

 一月前に見たのだけど、感想を書くのがだいぶ遅くなってしまった。

 コロンビアの花工場で働くマリア。大して好きでもない恋人との間に子供ができ、仕事はクビになり、家に帰れば母、離婚して子連れで家に帰ってきた姉から愚痴ばかり言われる。コロンビアでの生活に嫌気がさしたマリアは、麻薬の運び屋の仕事を持ちかけられ、それを引き受けることを決意する。

 悪くはなかったが、特筆するほどの内容でもなかった。南米映画だが、途中から舞台がニューヨークに変わるので、南米の風景が放つのんびり感もあまり味わうことができなかった。

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| @映画/ドラマ/テレビ

 2月2日に見た『モンドヴィーノ』という映画の感想。ワインについての映画である。

 映画の公式サイト、映画館においてあるメルシャンのポスターなんかを見る限り、「おしゃれなワインを楽しむための映画」という印象を受けるのだが、中身は全然違う。おしゃれとはほど遠い内容である。この映画のメインテーマはグローバリズム対古いヨーロッパであり、イラク戦争的な対立軸が見える。ワインの製造方法についての意見対立は代理戦争に過ぎない。

 古いフランスのワインは、できあがったものをすぐ飲むことを前提とはせず、5年なり10年なり、それなりの年月を寝かせてから飲むものであった。だからできたてのワインというのは、美味しくない。時の流れによる熟成を経て初めて、人は旨いワインを口にすることができたのだ。しかしグローバリズムが跋扈する今日、市場はできたばかりでも美味しく飲むことのできるワインを欲する。かくして巨大資本による”作られた味”のワインが大量生産されるのである。

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| @映画/ドラマ/テレビ

 ミリオンズという映画を見た。この映画、監督はなんとあの『トレイン・スポッティング』のダニー・ボイルである。でも『トレイン・スポッティング』とは違ってドラッグや暴力とは無縁な平和な映画である。

 母親を亡くしたダミアンは、父と兄と三人で新興住宅街の新築の家に越してきた。ダミアンが住宅街はずれの線路際の空き地に段ボールで隠れ家をつくって遊んでいると、ある日列車が通過するときにナイキのナイロンバッグが飛んできて隠れ家を壊してしまう。バッグの中を覗いてビックリ。なんと中身は大量のポンド紙幣だった。しかしイギリスは数日中にユーロに通過を切り替える。使い切るか、ユーロに交換するしかない。果たしてダミアンと兄のアンソニーは大金をどうするのか?

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| @雑談

 週末はすこぶる体調が良く、白血球も10,700と、まるで感染症にかかった人みたいに増えていたので、映画鑑賞&帰宅してました。映画の感想については別記事で。

 病院には今朝戻ってきたんですが、いまは治療と治療の合間で、病院にいたってすることがない。でも体調はすこぶる良い。となると、暇つぶしのために一日に何度も売店に足が向かってしまうわけですな。となると、悪い浪費癖が出ていろいろと買ってしまうわけですな。さして読みたくもないのに買ってしまった週刊誌なんかが一番むなしさを残してくれます。

 雑誌の類を買うんだったら、少しは何か知識が身に付くものを買った方が良いとつくづく思いますね。買うときは、「暇だし、新潮か文春でも買うか」なんて軽い気持ちでいるんだけど、だいたいこの手のセンセーショナリズム週刊誌は、読んでもちっとも進歩するところがない。見識が深まったりしない。確かに時々はすごいスクープを載っけてることもあるけど、だいたいはどうでも良いゴシップ情報が主である。

 ホリエモンがAV女優を部屋に呼んで乱交パーティーをしていようが、吉川ひなのがサゲマンであろうが、こちらとしては一向にかまわないのだ。わざわざ320円も払って、しかも暇とはいえ人生の限られた時間を費やしてまで読むべきものかなと、一通り週刊新潮に目を通した後で憂鬱になったのでした。それだったらドイツ語の動詞の活用を覚えていた方がマシだ。

 村上春樹先生は「やがて哀しき外国語」なんて言っておられるけど、週刊誌を読むことに比べたら外国語を覚える方が遙かに生産的である。やがて哀しき週刊誌かな。

| @映画/ドラマ/テレビ

 ポッドキャスティングがiTunesに正式搭載されてから随分と時間が経ちますが、僕が登録しているポッドキャスティングを紹介しましょう。実は僕は密かな大竹まこと信者なんですが、そんな僕が毎週楽しみに聞いているのが大竹まこと 少年ラジオ 明日にかけるハナシ。文化放送で放送してる大竹まことの番組一コーナー、「明日にかけるハナシ」を編集してポッドキャスティングしてるんですな。このコーナー、毎回ゲストを呼んで大竹まことが話を聞くんだけど、なかなか面白い。

 皆さんあまりご存じないだろうけど、大竹まことという人は大変な心配性&準備家で、かつて生放送のクイズ番組の司会中に間違って答えを先に言ってしまい、その場でぶっ倒れてしまったことがあるくらいの心配屋さんなんである。テレビ番組に出るときは一見だらだらやっているように見えるが、実は台本に隙間なく書き込みを行うというほどの用意周到ぶり。TVタックルでも、新聞を細かに読んで仕入れた知識で、政治家たちに厳しい質問を浴びせかけている。このあたり本当に好きである。

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| @映画/ドラマ/テレビ

 白血球が下がっててとても体調が良いとはいえないのに、無理をして外泊許可をもらって映画を見に行った。ヴィム・ヴェンダースの『ランド・オブ・プレンティ』。率直に言って、つまらなかった。なぜつまらなかったのかというに、世界観が西洋中心であるからだ。

 メインテーマは911である。主人公のラナはアメリカ生まれだが、イスラエルで育った。亡くなった母が残した手紙を叔父に渡すためにアメリカにやってくるが、叔父のポールは911以後テロにおびえ、街中を徘徊してアラブ人を見つけては尾行する。疑心暗鬼的になり、大きなテロ組織によってテロが計画されていると盲信している。そんな叔父とイスラエルで育ちイスラム教徒を恐れないラナとの心の交流がテーマ。

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| @読書

 元朝日新聞記者の烏賀陽弘道氏(UGAYA Journal.)が書いた『朝日ともあろうものが』を読んだ。タイトルからするとありがちな朝日新聞バッシング本のようだが、朝日だけがバッシングされているわけではない。日本のオールド・メジャーマスコミすべてが批判の対象となっている。しかし著者は朝日新聞でしか働いたことがなく朝日新聞の内情しか知らないために、日本のマスコミを代表して朝日新聞が抱える問題点を厳しく糾弾している。

 この本を読んで僕は絶望的な気分になった。捏造のメカニズムなどを知って新聞が信じられなくなったから、ということもあるが、日本を代表する朝日新聞でこれなら、それ以外の新聞の場合どうなるのだろう。とりわけ地方紙の記者は何を目標に働けばいいのだろう、と暗澹たる気分になった。

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