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FDAの機内から見る松本の街

福岡から北アルプスに行く場合に時間は何日間必要でお金はいくらくらいかかるかを整理してみた。2022年の夏に計画していたときは直前でコロナにかかってキャンセルした。改めて行きたいけどこうやって見積もるとやっぱり厳しいなぁという気持ちになる。

日数

以前の記事に詳しく書いたが、福岡から北アルプスへ行く場合は短くて4泊5日、余裕を持つなら5泊6日必要になる。

徳沢や横尾などの標高1500m付近の小屋に1泊、3000m級の稜線上にある小屋に2泊、下山日に麓の小屋か松本市内に1泊して4泊5日か、前日から夜行バスで移動して1泊増やす5泊6日かのどちらかとなる。

福岡と上高地の移動にはまるまる半日かかり、初日は昼過ぎに上高地に着いても横尾か徳沢までしか行けない。前日移動で早朝に上高地に着けばいきなり涸沢あたりまでは行けるが、前日から移動しないといけないため移動日数がかさむ。また基本的には下山した日には福岡に帰れないので後泊が必要になる。

標高の高いところで過ごす時間を短くすれば日数を減らせるが、せっかく時間とお金をかけて来てるのに山での滞在時間を短くするのはもったいない。

というわけで4泊5日か5泊6日のプランが現実的となる。

費用

4泊5日パターンで見積もった。節約しても10万円は絶対かかる(※が付いている贅沢費っぽいものを抜くとちょうど10万円)。

項目 金額
福岡↔︎松本 飛行機 ¥45,000 ¥45,000
山小屋 ¥14,000 × 3 ¥42,000
後泊※ ¥10,000 ¥10,000
松本↔︎上高地 バス移動 ¥5,000 × 2 ¥10,000
山小屋・松本市内での昼食※ 1 ¥2,000 × 4 ¥8,000
山小屋でのビール※2 ¥2,000 × 3 ¥6,000
下山した日の夕食※ ¥5,000 ¥5,000
お土産※ ¥5,000 ¥5,000
行動食 ¥3,000 ¥3,000
装備品購入※ ¥30,000 ¥30,000
合計 ¥164,000

道具(レインウェアやトレッキングポール、ザックなど)を追加で買いそろえないといけない人ならもっとお金がかかるだろう。

まとめ

福岡から北アルプスへ遠征登山に行く場合、4泊5日の時間と最低10万円の旅費が必要となる。久住や阿蘇に行くのとはかかる時間・費用が全然違い、ぱっと思いつきでは行きづらいので計画的に休暇を調整したり貯金したりしましょう。


  1. ラーメンやカレーは1000円〜1200円くらい。おでんや飲み物も高い。 https://yama-lunch-run.com/karame 

  2. 山小屋では350mlの缶ビールでも一本700円くらいする。飲み物も平地に比べるとかなり高い。一緒に行った人が目の前でビールを飲んでるのを見るだけで我慢するのはかなりつらいだろう。 https://www.hotakadakesanso.com/stay/store 

| @雑談

キャンプ

去年の春からキャンプするようになった。何度かキャンプをしに行くうちに、キャンプというのは思ったほど気軽に行けるものではなくてかなり段取りが必要なアクティビティであることが分かってきた。

キャンプ道具沼問題

まずはお金がかかる。テントなど一式道具を揃えればその後はお金がかからないと思っていたけどそんなことはなさそうだ。ホテルや旅館に泊まる旅行だと一回の旅行で最低でも 2 万円くらいは宿泊代がかかってしまう。キャンプなら精々キャンプ場に払うお金くらいだから気軽に行けるに違いないと思っていたが、全然そんなことはない。確かにキャンプ場に払うお金は高くても 5000 円程度だが、キャンプに行くと周りの人たちのキャンプ道具の充実ぶりに圧倒されて、キャンプに行くたびに道具を買い足してしまい、結局ホテルや旅館に泊まるのと変わらないくらいの出費になってしまう。いわゆる沼というやつで、これはいくら道具を買ってもキリがないのだと思う。道具が増えれば車が手狭になり、車にルーフキャリアーを付けたり、物置が手狭になって物置の増設、最終的には大きな車への買い換えなどで底なし沼的に出費が膨らんでいく。キャンプなら宿泊費を安く抑えて遠出ができると思っているとしたら多分それは大間違いで、キャンプに手を出したが最後、その後は後戻りができないキャンプ道具沼で死ぬまでキャンプの呪縛から解放されることはなくなってしまうだろう。

キャンプ場混みすぎ問題

次にキャンプ場混みすぎ問題だ。ホテルや旅館に泊まる旅行だと事前に宿の予約をしないといけないのが面倒で思い立った日にいきなり旅行に出かけることは難しい。いまは便利な世の中なのでインターネットでポチポチとやれば当日中にその日の宿を見つけることは不可能ではないが、当日だと高かったり宿を見つける作業が大変でわずらわしかったりする。キャンプならば宿の予約のような面倒な作業から解放されて思い立ったが吉日的におもむろに出かけてテントを張り、豪快に野外飯を作って適当に寝て、翌日はチェックアウトの時間など気にすることなく目が覚めた時間に起きて適当に帰ればいい、実に気楽に泊まりがけの遠出ができるはず、と思っている人がいるかもしれない。実は全然そんなことなくて、キャンプ場も大抵予約しないといけなくて、いきなり行って利用できるキャンプ場というのは非常に限られている。というかほとんどない。そもそもキャンプ場の予約システムは IT 化されておらず、ウェブサイトから予約申し込みをすることができない。電話で予約というところが圧倒的だが、電話で予約が完結するならまだマシな方で、酷いところだと電話後に FAX や文書のやりとりが発生したり、最も面倒なところだと事前の打ち合わせで実際にキャンプ場に訪れる必要があるところもある。なぜこういうことになるかというと、キャンプ場をやっているのは大きな会社ではなく個人か自治体だからだ。

個人経営キャンプ場

そもそもキャンプ場の利用料というのは高くはない。テント一張り 1000 円くらいのところから、高いところでも 5000 円くらいだ。 30 区画あったとして、週末にすべて予約が入ったとしても ¥5000 × 30 区画 = ¥150000 の売上だ。毎日 15 万円の売上があるわけではなく、キャンプ場は土曜日しか混まず平日は基本的にほとんど利用者がいないと考えられ、平日の収益はほとんどゼロなはずだ。加えて毎週末満員になるわけではなく、週末に天気が悪ければお客さんは来ない。しかも雨天のキャンセルの場合はキャンセル料を取らないキャンプ場が多いので、週末雨が降らなかったとして月の収益は 15 万円 × 週末 4 回 = 60 万円くらいとなる。この規模の個人経営のキャンプ場が予約システムの構築にお金をかける余裕はないだろう。家族経営でキャンプ場の維持管理をするだけでいっぱいいっぱいだろう。

自治体運営キャンプ場

意外かもしれないが、キャンプ場は自治体が運営しているものが多い。子どもの頃に子供会や学校の行事で訪れたキャンプ場は大抵自治体運営のやつだ。こういう自治体運営のキャンプ場も IT 化されておらず、平日 9 時から 5 時までの間に自治体の施設管理課か、自治体が運営を委託しているシルバー人材センター的なところに電話して空き状況を確認する必要がある。電話で予約が完結すればラッキーな方で、その後さらに書面での申込みや一度往訪しての打ち合わせが必要だったりする。なぜそうなっているかというと自治体の条例で決まってるからだ。何とか町施設利用条例みたいなやつがあって、利用者は利用したい日の 30 日前までに書面で申し込み、一度利用内容を説明して役場の承認を得ること云々、みたいなやつだ。こういう条例的なやつが足かせになってウェブで申込み完結、みたいな状況にはならないのだろう。それでも自治体運営キャンプ場は無料かお金がかかっても信じられないくらいに安いので利用者が殺到するから、ウェブ化して利用者の使い勝手を改善しようということにはならないし、役所の担当の人は日々申込み者からかかってくる電話や送られてくる書類の対応に労力を割かなければならない。

全然予約できない

キャンプ場は利用料が安いこと、土日に需要が集中すること、キャンプは雨が降ると中止せざるを得ないこと、予約システムがウェブ化されていないことによって、予約はすさまじいほどに面倒くさい作業になっている。利用料が安いのでみんなとりあえず何ヶ月も前から週末の予約を野放図に入れる。すると「今週末は天気がよさそうなのでキャンプでも行こうかな」というくらいののろまがキャンプ場に問い合わせたときにはどこも埋まっていて「おととい来やがれ」的な対応を受けることになる。全然気軽に行けるものではないのだ。むしろ金さえ払えば確実に泊まれるホテルや旅館を利用する旅行の方が手軽だ。

結論 キャンプに行くためには金と時間が必要

というわけで、キャンプは全然手軽ではないし、旅館やホテルに泊まる旅行に比べてお金を節約できたり自由気ままに行えるアクティビティではないということをわかってもらえたらと思う。天候やキャンプ場の予約の難易度も加味すると、キャンプはできて年に 2, 3 回なのではという気がする。 10 回も 20 回もキャンプに行ける人はお金もキャンプ場探しをする時間もある人だけだ。マイルを貯めて毎年特典航空券@ビジネスクラスでハワイに行くような人種こそがキャンプを趣味にしていそうだ。