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唐人の舞手前の地点から糸島方面を見渡す

3年ぶりの脊振山系全山縦走。今回はトレランバージョン。同僚、元同僚、霧えびをきっかけに仲良くなったアラツさんの四人でチャレンジ。

金曜の17:00に福吉スタート。明るい時間に金山前後の危険箇所を通過したかったので夕方スタートにした。

職場の同僚の皆さんが長野峠と坂本峠、九千部山でエイドステーションを用意してくれたおかげで荷物は最低限で済んだ。

3月、三瀬峠脊振山ピストンを2回やったし飯盛1500もやってたので結構トレーニングしてるつもりだったけど、登りで足手纏いになってしまって申し訳なかった。もう少し体重を減らさないとダメっぽい(撮ってもらった動画を見ると自分の小デブ感が際立つ)

夜通し走ったのは初めてだったけど眠くてどうにもならないということにはならなかった。一晩だけのオーバーナイトランならなんとかなるっぽい。

ただし、中盤以降、2回足を引っ掛けて激しく転倒してしまった。手を出してガードすることもできず、顎からぶっ倒れたことも。疲れると足が上がらず躓いてしまうっぽい。脳みそが疲れて正常に働いてないのではとも指摘された。そうかも知れない。疲れたときには意識して足を大きく動かすようにしたい。

以下、セクションごとの記録。

十坊山→女岳

しんどいけどまぁなんとかなった。この辺は個別に何度も登山・トレランしたことがあって夜だったけど大きな不安はなし。浮嶽、女岳の傾斜はえぐい。

福吉駅 福吉駅スタート直後 福吉駅から見る十坊山 苦々しい表情で十坊山登頂 十坊山から眺める夕日 白木峠を経て浮嶽へ

女岳→長野峠

女岳から羽金山がしんどかった。いつまで経っても同じ景色、アップダウンの繰り返し。長野峠には同僚がサポートエイドを開いてくれていると知ってたので待ち遠しかったが、走れど登れど辿り着かない。今回の縦走で一番メンタルに応えた。

桃子で水補給 長野峠の豪華エイド

長野峠→雷山

知ってはいたが長野峠から雷山への登りもきつかった。あまりにへばっていたので同僚がトレッキングポールを貸してくれた。3年前に全山縦走したときも長野峠からの登りはポールを頼りに登ったことを思い出した。ポールを借りたおかげでなんとか登り切ることができた。

雷山→三瀬峠

井原山まではお馴染みの縦走路で快適に走れた。夜景がよく見えた。こんな夜中に走る機会はそうそうないので新鮮だった。

井原山から三瀬峠までは通行量が少ないせいか笹が生い茂っており難儀した。特に幅が狭くて一歩間違えると崖下にダイブという場所で道が不明瞭で怖かった。三瀬峠になかなか辿り着かずやきもきしながら走った。

三瀬峠には自分が前日置いておいた補給物資があったので水を補充して菓子パンやカルパスを食べた。補給拠点で補給食のゴミを捨てられるのがありがたい(ゴミは後日回収して持ち帰ってます)

本富士山からの夜景 前夜に設置した兵糧 どら焼き、マンハッタン、レッドブル

三瀬峠→脊振山

城ノ山から金山、鬼ヶ鼻岩にかけては危険な岩場があるが、眠気と疲れも出てきていたので慎重に通過した。三瀬峠からピストン走するときに比べたらペースが遅いのでやたら長く感じた。唐人の舞の手前あたりで足が躓いて派手にこけた。アゴから地面にダイブ。土の上だったので大したダメージはなし。

脊振山には9時ごろ着いたが、もう昼くらいの気分だった。脊振山では昨晩エイドを出してくれた同僚殿の旦那さんと遭遇した。爆風で寒すぎて山頂の避難小屋に入ってたのでロクな写真なし。

三瀬山と金山の間の危険箇所l

脊振山→九千部山

一部五ケ山脊振クロストレイルとコースがかぶっている。前回の全山縦走とクロストレイルの経験からすごくきつい区間のような気がしていたが、三領堺峠(三国峠)の登り以外はそんなにしんどくなかった。

九千部山までの途中、坂本峠で本当は一緒に走る予定だったが足の不調で見送ったかっぱさんがサプライズエイドを開いてくれてレッドブルをもらって飲んだ。めっちゃ嬉しかった。

九千部山ではさらに別の同僚殿がエイドを開いてくれて、ゆで卵とおにぎりとウィンナーとリポビタンゼリーをもらった。下から水を歩荷してもらっていてめっちゃありがたかった。温かい食事は元気出る。

坂本峠のサプライズエイド 九千部山のウィンナーエイド

九千部山→基山

柿の原峠までは単調な下りが続く。この区間で2回目の転倒。情けない。

柿の原峠から基山までは虚無の舗装路が続く。前回の全山縦走時はこの区間が最もきつかった。この区間は歩くよりも走った方が楽に感じた。あと平らなロードかと記憶していたが実は結構傾斜のある登りが多くて、山から降りてきたあとに峠走をやらされる感じがまたいやらしい。

相変わらず基山の山頂までの急登はきつかったが、3年前ほど絶望的な疲れ方ではなかった。

基山→原田駅

基山に登頂して記念撮影して原田駅を目指す。基山はぱっと見丘のような外見なのに下山が長い。かなり長くトレイルを歩いてようやく下界に出る。しかしまたここからが長い。もうキロ7分ペースでも走れる気力がなくなっていて、基山から先は全歩きだった。

原田駅には17時過ぎに到着。博多に移動してかっぱさんと合流してさしすで乾杯した。

24時間超で原田駅着 博多駅のさしすでかっぱさんも合流して乾杯

装備

  • 帽子
    • パタゴニア ダックビルキャップ
    • Smartwool メリノビーニー(使わず)
  • サングラス
    • Float リゲル
  • ドライレイヤー
    • オンヨネ ブレステックPP
  • ベースレイヤー
    • パタゴニア エアシェッドプロプルオーバー(基本ずっとこれ、フード付きなので少々の風は凌げる)
    • パタゴニア キャプリーンクールデイリースリーブレスシャツ(使わず)
  • ミッドレイヤー
    • STATIC アドリフトクルー(寒いとき、停滞時に着用)
  • ウインドシェル
    • パタゴニア フーディニジャケット(風が強いとき、停滞時に着用)
  • 長ズボン
    • パタゴニア ウインドシールドパンツ(基本ずっとこれ)
  • 短パン
    • パタゴニア ストライダープロショーツ(ウインドシールドパンツの下に着用、寒かったので大峠から先だけ短パンになった)
  • レインウェア
    • 山と道 UL All-Weather Hoody & Pants (使わず)
  • 靴下
    • Danish Endurance メリノハイキングソックス
  • シューズ
    • アルトラ TIMP 5
  • 手袋
    • RxL メリノグローブライト(ハードなトレランには向かなかった、穴が開いてしまった)
  • ヘッドライト
    • Milestone MS-i1 (充電ミスで同僚の予備バッテリーを借りた)
    • Ledlenser NEO1R(予備)
  • GPS ウォッチ
    • COROS PACE 3 (全周波モード&ナビゲーション利用ではバッテリーがもたないかも)
  • ザック
    • PaagoWorks Rush 11R

補給食

たくさん持って行ったがエイドを開いてもらえたので全部食べなかった。ジェルよりカロリーメイトなどの方が食べ飽きない。

サポート・デポ

  • 長野峠
    • 同僚二人によるサポートエイド。夜中にありがとうございます 🙏🏻🙏🏻🙏🏻
    • 水、おにぎり、カップラーメン、羊羹、ジャリパン
  • 三瀬峠
    • 前日夜に自分が設置しておいた
    • 水、 Redbull、マンハッタン、どら焼き、カルパス
  • 坂本峠
    • 本当だったら一緒に走る予定だったかっぱさん(サブスリーランナー)設置のサプライズエイド。グループ位置共有のデータを見てやってきてくれた。
    • 水、カステラ、Redbull
  • 九千部山
    • 同僚が麓から水を 8L 歩荷してくれた。大感謝。
    • 水、リポビタンゼリー、おにぎり、ゆで卵、ウィンナー

総評

まさか自分が0泊で全山縦走できるとは思ってなかった。アラツさんと元同僚のヨギーさんがマイラーで、二人にサンドイッチしてもらったおかげだった。来週の ASO VOLCANO TRAIL 完走に一歩近づけた気がする。

同僚たちが出してくれたエイドにも感激。知ってる顔の人が待っていてくれて温かいものを食べさせてくれると涙が出そうなくらい嬉しくなる。今度は自分がサポートする側でなんかしたいと思った。

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10 月のくじゅうを短パンで歩いている様子

何か新しいことを始めようとしたとき、道具を揃えれば揃えるほど快適になるのではないかと思うかも知れない。例えばキャンプでは道具が多ければ多いほど快適になる。テントに加えてタープがあれば日差しをしのげる。寝袋のほかにマットやコットがあれば快眠できる。調理器具が多ければ作れる料理の種類が増える。しかし登山の場合はそうとは言えなくて、道具が少ない方が楽になるケースの方が多い。なぜなら自分で道具を運ばないといけないからだ。服についても沢山着込めばよいということではない。登山は自分の足で歩かなければならないため、冬でもヒートアップしやすい。荷物を軽くすること、服装が適切で体温調節がしやすいことは、思っているいる以上に大切だ。

登山では暑い日でも長袖長ズボンの着用が常識とされている。短パンで山に行くなんて常識知らずにもほどがあると言われるかもしれない。しかし本当に短パンで山に入ってはダメなのだろうか? 長袖のシャツや長ズボンだと絶対安全なのか?

確かに長袖や長ズボンであれば枝で手や足を怪我することはないだろう。また短パン・半袖では道迷いして山で夜を明かすことになった場合は低体温症になる可能性が高い。しかし山に行くときはなにがしかレインウェア的なものは持っているだろうし、エマージェンシーブランケットを携行するようにすれば半袖短パンでも何とかなる(暖かい季節限定)。そもそも短パンや半袖は、暑さで体力を消耗するのを避け、歩くスピードを上げてきちんと日中に下山するための手段だ。長袖・長ズボンではちょっとした擦り傷や遭難時に低体温症になるリスクは避けられるかもしれないが、気温が高い日の登山では体温調節しにくくなる。体力を消耗して歩けなくなってしまったり、歩くスピードが遅くなって日中に下山できず、山中で夜を過ごさざるを得なくなってしまうリスクがある。遭難したときのことを考慮して長袖・長ズボンで山に行き、逆に体力を消耗して遭難してしまっては本末転倒だ。長袖や長ズボンにもリスクがあると思う。

初心者の人が登山用品店に行くと大して必要なのかもわからないのに重くてソールの固いブーツを勧められたりする。しかし重くてソールの固いブーツが必ず正解とは限らない。九州の低山にしか登らない人にはごついブーツは不要だ。北アルプスだって夏ならトレランシューズで十分歩ける。長袖長ズボンのケースと同様に、重くて固いブーツをはいていたせいで体力を消耗してしまい、遭難してしまうことも十分考えられる。

登山を始めようという人には靴は 1 万円程度のトレランシューズをおすすめしたい。ゆくゆくはアルプスにも行くかも知れないからと、最初から何万円もするアルパインブーツを買うのはおすすめしない。重くて歩きづらいからだ。そのようなブーツは岩だらけの岩稜帯で真価を発揮するし、履きこなすには体力が必要だ。まずは軽量なローカットのシューズで手頃な山を歩いてみて、本格的に登山を趣味にできそうだと思ったときにしっかりしたブーツを買えばよい

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大船山

7 月の頭に一人で久住に行った。ミヤマキリシマの季節は終わっているし梅雨なので良い季節ではないのだが、梅雨の中休みで天気が悪くなく、たまたま車を使っても良かったのでソロで久住まで行ってみることにした。

長者原から坊ガツルを経由して大船山に登ることに。登山開始地点の長者原からすでに涼しくて、森の景色は背振山地の稜線の林のような雰囲気。しかもそれが登山口付近から始まる感じで最高。坊ガツルまでは登ったり下ったりを繰り返す。雨ヶ池越あたりの雰囲気はまさに阿蘇くじゅう国立公園という景色で、子どもの頃を思い出しとても落ち着く。

広葉樹の森

雨ヶ池

坊ガツル

坊ガツル

坊ガツルについて景色を堪能してから大船山へ。ここからが結構しんどかった。道が荒れているし登山道がわかりにくい。いろんな人が好き勝手に歩いているせいか、土砂で登山道が流されているせいか、どこもそれなりに通れそうな感じがしてしまう。テープも複数あるので迷いやすい。

坊ガツルから大船山への登山道

段原

何とか段原まで辿り着く。北大船山に行こうとしたが、登山道脇のミヤマキリシマにバックパックが引っかかってうざい。一旦登山道脇にバックパックを置いてサコッシュとカメラだけで北大船山まで向かう。この日はアクシーズクインのハザカヒを履いていて、ストレッチが効く分こういう木の枝には弱そうだ。引き裂きなどに強いズボン(山と道の 5 Pocket Pants など)を履いてくるべきだったと後悔しながら北大船山登頂。ミヤマキリシマは 6 月にはきれいな花を咲かせるがそれ以外の季節は登山道へはみ出てきてうざい。

ミヤマキリシマが服やバックパックに引っかかる

北大船山山頂

北大船山から平治岳方面に見える池

段原に戻って昼飯を食べる。実はこの近くにきれいな避難小屋があるのだが存在を知らなかった。おにぎり三つにフリーズドライの豚汁を食べた。

フリーズドライ豚汁とおにぎり三つ

昼食後大船山へ向かうが、大船山への道もミヤマキリシマとブヨに行く手を阻まれる。ブヨは恐ろしいくらい大量に石にへばりついていて、歩く度に踏まれまいと飛び上がって隙あらば吸血してやろうとこっちに群がってくる。ブヨと格闘しながら登っていくと林の切れ目から三俣山や久住山、中岳などが見える。坊ガツルからそびえ立つようにして連なっている様は勇壮だった。こういう景色は高い山でないと見られない。

三俣山

登ってきた側から反対側に少し下って御池を眺めに行く。ここは紅葉の名所だ。素晴らしい景色だった。虫にまとわりつかれながらしばし見とれる。ここに紅葉を見に来られるだろうか?

御池

大船山から別府湾や由布岳、鶴見岳は見ることができたが、阿蘇方面は雲がかかっていて阿蘇五岳の景色はついぞ見ることができなかった。雨が降る前に諦めて下山することにする。

大船山山頂

段原手前の避難小屋のところに戻ってきたあたりで iPhone のバッテリーが 20% を切ったので Anker のモバイルバッテリーにつないで充電する。初めて USB-C to Lightning なケーブルを買ってみたが、 USB-A to Lightning に比べてめっちゃ充電が早い。 30 分くらい充電してたら 80% くらいまで充電されていた。登山では手早く充電できる方がよいので登山用には USB-C to Lightning を持参するのが良さそうだ。

段原から坊ガツルまでの下りがなかなかつらい。樹林帯で景色が変わり映えしないし、登山道は大きな石がゴロゴロしていたりぬかるんでいたりで歩きにくいし、さっきも書いた通り道が沢山あってわかりづらい。ローカットでソールのやわらかい Altra Lone Peak では足首への負担が大きいのもつらかった。

坊ガツルに着く直前に雨が降ったが樹林帯だったので濡れることはなかった。坊ガツルに着くと雨は止んでおり、急いで坊ガツルの草原を横断して雨ヶ池越まで向かう。下山しようとしているのに雨ヶ池越までは登りなので不思議な感覚を味わう。雨ヶ池越ではテント泊装備の若い人達とすれ違った。今夜は雨が降るかも知れないのにテント泊するようだ。

夕日が差し込む森

雨ヶ池越からはブナなどの広葉樹の森を歩く。このあたりでまた晴れ始めて、木漏れ日の中を気分良く歩くことができた。福岡の家の辺りはアブラゼミだらけで非常にやかましいが、この辺りはヒグラシしかいなくて涼しげだった。無事明るいうちに長者原に着き、タデ原湿原を少し散策して活動終了。数週間前のミヤマキリシマの喧噪が嘘のように人が少なく、風呂に入りたかったが星生ホテルの温泉は閉まっていた。実家に寄って晩飯を食べさせてもらって福岡に帰った。

長者原から見る三俣山

朝、福岡の家を出たのは 6 時で帰宅は 23 時。運転時間は 5 時間くらい。交通費はガソリン代と高速代で往復 10000 円くらい。家の近所の低い山に登る分にはお金がかからないが、車を使って遠くまで行くとかなり懐にダメージがある。これまでそれがわかっていたのでなるべく公共交通機関で行ける福岡の山に登っていた。しかし久住の景色は素晴らしく、たまにお金をかけて遠出するのもありだと思った。誰か人を誘っていくと高速代やガソリン代を折半できて良さそうだ。早くコロナが収束してほしい

2021-07-11 北大船山・大船山 / Hitoshi Nakashimaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

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二丈岳山頂からの景色

2018 年の 10 月に挑戦して失敗した糸島四座縦走にチャレンジして何とか達成することができた。前回は色気を出して浜崎(唐津市)側からスタートしたが、そのせいで最後の二丈岳に登る時間がなくなり三座縦走となってしまった。今回は反省して深江から二丈岳→女岳→浮嶽→十坊山の順に登り福吉へ下山した。

前回チャレンジしたときはアルプスから帰った後で少し調子に乗っていた。 3000m 級の山に登ったあとなら 700m 〜 800m の山なんて楽勝だろうと思っていた。しかし登山は標高が全てではない。むしろ北アルプスは登山道が整備されていて歩きやすかったりする。低山は道がはっきりしていないところもあるし(前回は蜘蛛の巣地獄に苦しんだ)、登山口と山頂の高低差よりも累積獲得標高が大事で、白馬岳に登ったときは累積獲得標高 1300m くらいだったが、糸島四座は 1700m くらいある。低山であっても縦走することでアルプス級かそれ以上の負荷になることがあるのだ。前回、糸島四座縦走に失敗したあと、宗像四ツ塚や雷山・井原山、祖母山、脊振山・金山、羽金山・雷山などで長めの距離を歩き経験を積んだつもりでいたが、相変わらず歩くのが遅く、福吉駅に着いた頃には日が暮れていた。日が長い夏でなければ危ない感じだった。

十坊山から見る二丈岳、女岳、浮嶽

なぜ歩くのが遅いのか、太っているからか。コロナ禍で太ってしまったが、体重がいまより 5kg くらい少なかった頃でもやはり自分は歩くのが遅く、体重のせいではなさそうだ。自分より太っていても速い人は速い。 Apple Watch をつけ始めて自分の心肺能力が可視化されるようになったが、 Apple Watch によると自分の心肺能力は同年代の平均以下ということらしい。おそらく心肺機能が低いせいで持久力がなく歩くスピードが遅いのだろう。

遅いくせにカメラや使わないギアなどをリュックサックに入れすぎているのも響いていそうだ。写真を撮るのは好きなのでできればカメラは持っていきたいが、ミラーレスでもレンズ付きのカメラは 1kg くらいあって、リュックサックのストラップにくくりつけて歩くと 15km を過ぎたあたりで肩への食い込みがきつくなり痛みを感じるようになる。一度、カメラなしでどれくらいのスピードで歩けるか試してみたい。昨夏、カメラなしで家の近くの山を周回したが、その時も決して速くはなかったが、軽量な荷物では軽登山しかしたことがない。トレラン並とまではいかないまでも、水と行動食とスマートフォンだけの軽量装備でどれくらいのスピードで縦走できるのかには興味がある。

糸島四座縦走 / Hitoshi Nakashimaさんの女岳(福岡県)二丈岳十坊山の活動データ | YAMAP / ヤマップ

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Matador の Pocket Blanket

小学校のときの遠足では敷物は持ってくるものリストに入ってたと思う。子どもの頃、原っぱに行って敷物敷いて弁当食べた思い出は誰にだってあるはずだ。しかし、登山ではどういうわけか誰も敷物を持って行かない。サーマレストの折りたたみ座布団みたいなのを持ってる人は多いし自分も大抵持って行く。

折りたたみ座布団は石でゴツゴツしてる場所に座るときなどにショックを和らげてくれて休憩するときにとても良い。この手の座布団なしでゴツゴツした岩の上に座る場合、お尻に体重をかけすぎて痛くならないよう足に力を入れて体の重さをお尻と足で分散して支える必要があって、座っていてもゆっくり休めない。足の力を抜いてゆっくり座れるかどうかで回復度合いがかなり違うので折りたたみ座布団は偉大だが、しかしリュックサックはそのまま地面に置かなければならないのが気になっていた。自分の尻は汚れなくてもリュックサックの底が汚れては意味がない。

そこでリュックサックの汚れ防止に敷物を導入してみた。小学生の頃の遠足用に使っていた敷物は分厚くてナイロンでガサガサしていてかさばるし重かったが、いまは登山用に薄くて軽くてコンパクトなやつがある。広げるとこんな感じ。

Matador Pocket Blanket

自分の尻は折りたたみ座布団で保護しつつ、荷物は敷物の上に載せて汚れを防止できる。

ハンモックと組み合わせて使うとこう。ハンモックに乗るときは靴を脱ぐので、ハンモックの近くに靴下のまま歩けるエリアがあると便利。

ウンカイ Light と Matador Pocket Blanket

この Matador の Pocket Blanket は四隅にペグが結び付けられていて、風に飛ばされないように固定できるようになっている。海沿いの風が強い公園でも使ったが飛ばされることはなかった。また折りたたむときのことも考慮されていて、折り目となるべき場所に赤い糸が縫い付けてあって簡単にコンパクトにたためる。防水性は今ひとつのようだが、自分は基本的に雨の日には登山しないので問題ない。重さ 110g で軽いので、山に行くとき持っていくかどうかを悩む必要がないのもよい(リュックサックに入れっぱなし)。買って良かった。めっちゃオススメです。

| @散財

ウキグモ Light & ウンカイ Light & Hammock Trekking Tarp

一つ前に「キャンプもんなんてするもんじゃない」という趣旨の記事を書いたが、その記事を書いた日の午後に佐賀のキャンプ場までキャンプをしに行った。

池と月

家族はテントの中で寝たが、自分はハンモックで寝てみたいと思っていたので外で寝ることにした。 9 月の連休に久住のキャンプ場に行ったときはキャンプサイトが原っぱでちょうどいい感じの木が生えておらずハンモックを張れなかったので初めて実際のフィールドでハンモックを使うことになる。

ハンモックの中からの景色

ちなみに以前書いた記事ではウキグモ Light (ダウンハンモック)を買ったということは書いていたが、その後ヤフオクを物色していてトップキルト(ハンモック用掛け布団)のウンカイ Light が安く出品されているのを発見したのでサクッと落札した。これによりウキグモ Light とウンカイ Light 、 Exped Hammock Trekking Tarp (軽量タープ)のハンモック泊三種の神器がそろい、温かい低山であればいつでも野営できるようになった。

ハンモック泊三種の神器: ウンカイ Light 、ウキグモ Light 、 Exped Hammock Trekking Tarp

ウンカイ Light に関しては以下のブログが参考になる。

メーカーのアクシーズクインのページと GRiPS のブログも。

実際に張っている様子は以下。

三種の神器

キャンプ場の標高は 550m くらいで、ふもとの気温と標高差からこの日のキャンプ場の最低気温は 15 度前後だったと想像される。ウキグモ Light の快適使用温度は 15 度以上となっていて、またウンカイ Light とも組み合わせていたので条件的には問題ないはずだが、明け方に風が吹くと寒さで目が覚めてしまった。

9 月下旬の久住のキャンプで寒さ対策の必要性を痛感していたので今回は寝るとき用にスウェットパンツと厚手のセーターを着込んでいた。それでも風が吹くと背面が冷えた。 XERO SHOES のサンダルを履いていた都合上、足は裸足で靴下ははいていなかった。ウンカイ Light には足を突っ込めるフットボックスがあるが、それでも足下からも冷気が入り込んで足が冷えた。またウンカイ Light からはみ出している頭にも寒気を感じたので、一度ハンモックから這い出して薄手のウィンドシェルをセーターの上から着てフードを被ってハンモックに入り直した。そうすると随分寒さは軽減されたが、 5 時頃からキャンプ場に合宿に来ていた少年野球クラブの子ども達がわーわーと騒ぎ始め、またあたりが明るくなってきたことにより寝付けなくなってしまった。結局 3 時間しか寝られなかった。以下の学びを得た。

  • ハンモックは寒い。寝るときは厚着が必要。
  • トップキルトからはみ出る頭の部分や足が冷えるのでフードのある服かニットキャップが必要。靴下もはいておく。
  • ハンモック&タープでは外の影響をもろに受ける。周囲の音や日の出で目が覚めるので早寝早起きが快適。

ダウン入りハンモックなので九州の低山であれば真冬でも使えるのではと期待していたが、やはり山は寒い。この感じだとやはりウキグモ Light & ウンカイ Light は晩春から早秋にかけてしか使えない、夏用の寝具と捉えるしかない。どうしても冬場も使いたいなら、ブランケットで体をぐるぐる巻きにするか、ハンモックをまるごと覆ってしまうモグを検討するしかないだろう。

テントと寝袋を買いそろえると高い(テントが 5 万円、寝袋が 3 万円、マットが 1 万円くらいする)し重い(テント 1kg 、寝袋とマットで 1kg くらい)から、ハンモックなら軽いし安く宿泊装備がそろうはず、と思って揃えたハンモックシステムなので、これ以上何か買って本末転倒にならないように気をつけたい。

| @雑談

キャンプ

去年の春からキャンプするようになった。何度かキャンプをしに行くうちに、キャンプというのは思ったほど気軽に行けるものではなくてかなり段取りが必要なアクティビティであることが分かってきた。

キャンプ道具沼問題

まずはお金がかかる。テントなど一式道具を揃えればその後はお金がかからないと思っていたけどそんなことはなさそうだ。ホテルや旅館に泊まる旅行だと一回の旅行で最低でも 2 万円くらいは宿泊代がかかってしまう。キャンプなら精々キャンプ場に払うお金くらいだから気軽に行けるに違いないと思っていたが、全然そんなことはない。確かにキャンプ場に払うお金は高くても 5000 円程度だが、キャンプに行くと周りの人たちのキャンプ道具の充実ぶりに圧倒されて、キャンプに行くたびに道具を買い足してしまい、結局ホテルや旅館に泊まるのと変わらないくらいの出費になってしまう。いわゆる沼というやつで、これはいくら道具を買ってもキリがないのだと思う。道具が増えれば車が手狭になり、車にルーフキャリアーを付けたり、物置が手狭になって物置の増設、最終的には大きな車への買い換えなどで底なし沼的に出費が膨らんでいく。キャンプなら宿泊費を安く抑えて遠出ができると思っているとしたら多分それは大間違いで、キャンプに手を出したが最後、その後は後戻りができないキャンプ道具沼で死ぬまでキャンプの呪縛から解放されることはなくなってしまうだろう。

キャンプ場混みすぎ問題

次にキャンプ場混みすぎ問題だ。ホテルや旅館に泊まる旅行だと事前に宿の予約をしないといけないのが面倒で思い立った日にいきなり旅行に出かけることは難しい。いまは便利な世の中なのでインターネットでポチポチとやれば当日中にその日の宿を見つけることは不可能ではないが、当日だと高かったり宿を見つける作業が大変でわずらわしかったりする。キャンプならば宿の予約のような面倒な作業から解放されて思い立ったが吉日的におもむろに出かけてテントを張り、豪快に野外飯を作って適当に寝て、翌日はチェックアウトの時間など気にすることなく目が覚めた時間に起きて適当に帰ればいい、実に気楽に泊まりがけの遠出ができるはず、と思っている人がいるかもしれない。実は全然そんなことなくて、キャンプ場も大抵予約しないといけなくて、いきなり行って利用できるキャンプ場というのは非常に限られている。というかほとんどない。そもそもキャンプ場の予約システムは IT 化されておらず、ウェブサイトから予約申し込みをすることができない。電話で予約というところが圧倒的だが、電話で予約が完結するならまだマシな方で、酷いところだと電話後に FAX や文書のやりとりが発生したり、最も面倒なところだと事前の打ち合わせで実際にキャンプ場に訪れる必要があるところもある。なぜこういうことになるかというと、キャンプ場をやっているのは大きな会社ではなく個人か自治体だからだ。

個人経営キャンプ場

そもそもキャンプ場の利用料というのは高くはない。テント一張り 1000 円くらいのところから、高いところでも 5000 円くらいだ。 30 区画あったとして、週末にすべて予約が入ったとしても ¥5000 × 30 区画 = ¥150000 の売上だ。毎日 15 万円の売上があるわけではなく、キャンプ場は土曜日しか混まず平日は基本的にほとんど利用者がいないと考えられ、平日の収益はほとんどゼロなはずだ。加えて毎週末満員になるわけではなく、週末に天気が悪ければお客さんは来ない。しかも雨天のキャンセルの場合はキャンセル料を取らないキャンプ場が多いので、週末雨が降らなかったとして月の収益は 15 万円 × 週末 4 回 = 60 万円くらいとなる。この規模の個人経営のキャンプ場が予約システムの構築にお金をかける余裕はないだろう。家族経営でキャンプ場の維持管理をするだけでいっぱいいっぱいだろう。

自治体運営キャンプ場

意外かもしれないが、キャンプ場は自治体が運営しているものが多い。子どもの頃に子供会や学校の行事で訪れたキャンプ場は大抵自治体運営のやつだ。こういう自治体運営のキャンプ場も IT 化されておらず、平日 9 時から 5 時までの間に自治体の施設管理課か、自治体が運営を委託しているシルバー人材センター的なところに電話して空き状況を確認する必要がある。電話で予約が完結すればラッキーな方で、その後さらに書面での申込みや一度往訪しての打ち合わせが必要だったりする。なぜそうなっているかというと自治体の条例で決まってるからだ。何とか町施設利用条例みたいなやつがあって、利用者は利用したい日の 30 日前までに書面で申し込み、一度利用内容を説明して役場の承認を得ること云々、みたいなやつだ。こういう条例的なやつが足かせになってウェブで申込み完結、みたいな状況にはならないのだろう。それでも自治体運営キャンプ場は無料かお金がかかっても信じられないくらいに安いので利用者が殺到するから、ウェブ化して利用者の使い勝手を改善しようということにはならないし、役所の担当の人は日々申込み者からかかってくる電話や送られてくる書類の対応に労力を割かなければならない。

全然予約できない

キャンプ場は利用料が安いこと、土日に需要が集中すること、キャンプは雨が降ると中止せざるを得ないこと、予約システムがウェブ化されていないことによって、予約はすさまじいほどに面倒くさい作業になっている。利用料が安いのでみんなとりあえず何ヶ月も前から週末の予約を野放図に入れる。すると「今週末は天気がよさそうなのでキャンプでも行こうかな」というくらいののろまがキャンプ場に問い合わせたときにはどこも埋まっていて「おととい来やがれ」的な対応を受けることになる。全然気軽に行けるものではないのだ。むしろ金さえ払えば確実に泊まれるホテルや旅館を利用する旅行の方が手軽だ。

結論 キャンプに行くためには金と時間が必要

というわけで、キャンプは全然手軽ではないし、旅館やホテルに泊まる旅行に比べてお金を節約できたり自由気ままに行えるアクティビティではないということをわかってもらえたらと思う。天候やキャンプ場の予約の難易度も加味すると、キャンプはできて年に 2, 3 回なのではという気がする。 10 回も 20 回もキャンプに行ける人はお金もキャンプ場探しをする時間もある人だけだ。マイルを貯めて毎年特典航空券@ビジネスクラスでハワイに行くような人種こそがキャンプを趣味にしていそうだ。