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糸島の海

自作の Lokka プラグインに Amazon の Product Advertising API に問い合わせてアフィリエイトリンク付きの商品画像を返すやつがある。 Amazon 上の商品管理番号を <!-- ASIN=XXXXXXXX --> みたいな感じで本文中に書いとくと良い感じに小銭を稼げるかたちのリンクにして画像を表示してくれるという便利なやつ。

Amazon の規約上、 Amazon Product Advertising API に対しては一秒間に一リクエストしか送ってはいけないことになってるので、データを取得する度に 1 秒 sleep するようにしていたけど、一ページ内で複数のリンクがあるときにキャッシュがエクスパイアして Amazon の API を叩くとめっちゃレスポンス遅くなってださかったので非同期で取るようにした。ページコンテンツ本体はサクッと返して、商品情報などの取得はページがレンダリングされたあとに JavaScript で行う。 Amazon から JSON を取ってくる処理自体は Ruby にやらせる。

+----------+            +----------------+             +--------------------------------+
|          | +--------> |                | +---------> |                                |
|  client  |            |  Ruby (Lokka)  |             | Amazon Product Advertising API |
|          | <--------+ |                | <---------+ |                                |
+----------+            +----------------+             +--------------------------------+

最初は雑に body の innerHTML を正規表現で replace したりしてたんだけど、そうすると Twitter のウィジェットなど本文内に埋め込んである script タグが動かなくなる問題に気がついた。 HTML 5 の仕様で、 innerHTML = で挿入されたコンテンツの script タグは無視されるらしい。なるほど〜。

ということでもうちょい調べたら DOM には Node.nodeType というプロパティがあって、COMMENT_NODE など type を持っているらしい。

<!-- ASIN=XXXXXXXX -->COMMENT_NODE として扱われるので、こいつの後ろに document.createElementして JavaScript で動的に生成された要素を突っ込むようにした。 Promise を使ってナウでヤングな感じに書いた。

let promise = new Promise(function(resolve, reject) {
  request.open('GET', url);
  request.onreadystatechange = function() {
    if (request.readyState != 4) {
      // リクエスト中
    } else if (request.status != 200) {
      // 失敗
      reject(request.response);
    } else {
      // 取得成功
      let formatter = new Formatter(request.response);
      let result = formatter.formatItem();
      resolve(result);
    }
  };
  request.send();
});
promise.then(function(result) {
  let previous = node.previousSibling;
  let parent = node.parentNode;
  let d = document.createElement('div');
  d.className = 'amazon';
  d.innerHTML = result;
  parent.insertBefore(d, previous.nextSibling);
}).catch(function(error) {
  console.log(error);
});
return promise;

意地でも jQuery 使うまいと思ってやってみたけど意外と大丈夫だった。楽をせずに素の JavaScript を書いていると精神が浄化されるような感覚があってよい。写経に通じるものがある。写経やったことないけど。

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京都国際会館

京都であった RubyKaigi 2016 を観覧してきた。 RubyKaigi 、つくばであった 2010 がこれまでの人生での唯一の RubyKaigi で、人生二度目の観覧だった。

RubyKaigi 2010 の思い出

一度目のときは少し前に増田に上がってた勉強会ゴロ状態(受付の人と技術書を買ったジュンク堂の人と以外誰とも会話をせずに帰宅)だった。

ちなみにこのとき ESM の企業発表を見に行って、 ESM に転職したばかりの hsbt さんの姿を初めて目にした。なんか入社したばかりなのに社内ブログで暴れてて愉快、みたいな紹介のされ方だった。その後同じ会社で働くことになるとは思いもしなかった。

ESM の発表はとにかく鮮烈に印象に残ってて、ペアプロのライブコーディングだった。 ursm さんが CRM か何かの開発を実演してた。まず最初に落ちるテストコードを書いて、その後にパスするプロダクトコードを書く、というやつを初めて目にして、田舎で HTML コーダーをしつつちょっとしたプログラムを書いてた自分は衝撃を受けた。黒い画面の Vim で高速にコードを書いていく様がとにかくかっこよかった。はやくこういう感じでコード書けるようになりたい、と思ったものだった。

クックパッドの企業発表みたいのも聞きにいって、このときクックパッドもまだそんなにエンジニアの数多くなかったはずで、同じくはてなから転職してきたばかりのセコンさんが話してるのを聞いてトートバッグもらって帰った。

YAPC::Asia Tokyo 2015 の思い出

去年の夏、 YAPC で東京に行って、このときはペ社時代の知ってる人としゃべったりして無言の帰宅は避けられた。

YAPC 2015 は気がついたときには懇親会の申し込み締め切られててどこにも行けず、一人浜松町の宿泊先の近くの「とにかく安くて量が多い」と食べログにレビューが書いてある寿司屋に入って一人で寿司を食べたら寿司がねちゃっとしてて具合が悪くなったりしてた。

RubyKaigi 2016

今年も発表する側にまわったわけではないので一般ピープルである点は同じだったが、これまで話したことなかった人と話せたのがよかった。

取り分けよかったのが Fjord 社の komagata さんと話せたことだった。今後の Lokka の方針をどうするか開発者会議的なものを開催してババっと方針を決めましょう、という話をした。 Lokka 、思い入れがあるので積極的にメンテナンスに関わって今後も長く使い続けていきたい。

一日目

一日目は Kaizen Chat についてのブログ記事を公開するというタスクがあって、 Matz のキーノートとかはあまりじっくり聞けなかった。記事公開後に会社のブースで自分のシールを配布したりして公私混同してた。

今年の RubyKaigi は懇親会の枠が大きかったおかげで申し込みそびれるということにならなくてよかった。

オフィシャル懇親会で Fusic 社の k1low さんと初めてゆっくり話をした。Fukuoka.rb で顔を合わせることあっても一緒に酒飲んだりする機会なかったので RubyKaigi に来て初めてじっくり話すという感じだった。

ヒトデさんとその愉快な仲間たちの皆さんとも話して、 shikakun はオリジン弁当ばかり食べてるくせにやたら調理器具を持っていて不可解だとか、風呂蓋付きの浴室がある部屋にすんでいていけすかないという話をした。

Twitter で 8 年くらい前にハゲクラスタとしてわいわいやってた send_ さんとも再会できて、お互い帽子をかぶった状態でいまの仕事の話をしたりした。

オフィシャル懇親会のあとは、ヒトデさんオーガナイズの二次会に参加させてもらった。デンエンという物価が崩壊してる飲み屋に行ってタワーから注いで飲むビール飲みまくった。クックパッド社の著名エンジニアの皆さんと対面に座ったけど人に自慢できるような OSS とかなくて雑魚いので自己紹介に困ったが、とりあえずこういうアイコンのものですと言ってシールを見せたら「あ、なんか見たことある」という感じになったのでシール便利だった。

二日目

朝一番の Justin Searls さんのリファクタリングについての発表がとにかく面白かった。

去年 YAPC で GitHub の人が話してた sicientist と似てるけど、リファクタリング前後のコードで A/B テストをする gem の紹介。新しい方のメソッドが例外投げたら rescue して古い方のメソッドを実行するというのが面白かった。本番にも安心して投入できるとのこと。

三日目

午前二番目に tkawa さんの HTTP クライアントについての発表聞いた。 HTTP クライアント乱立しててひどい、 API をラップしてリモートサーバー側のクラスを再現するような異常なクライアント多くて、 REST API とは一体何なのか状態だ、みたいな話だった。言われてみれば確かにそうかもしれない。独自の API クライアント作ることなく、 Rack が Rack Middleware を use して拡張していくみたいに、 HTTP クライアントの側でも Middleware を use していくのがよい、そこで Faraday ですよ、という話で、あ、 Faraday ってそういうことを目的にしてたんだと膝を打った。

午前中最後の Chris Arcand 氏の発表が面白かった。

Ruby のコードを解析して呼ばれてないメソッドを調べる、という発表だった。実際に Rails プロジェクトとかで使うのは大変そうに見えたけどいまから君のプロジェクトに投入できるよ、 Rails もダイジョブみたいなことを言ってた気がするのでスライド見直したい。

最後のセッションの前、一日目のデンエン会で知古を得た pastak さん見かけたので uiureo さんを紹介してもらって話をした。 uiureo さん、初対面だけど話しやすくて好青年な感じだった。 r7kamura さんとも少ししゃべらせてもらってよかった。

飛行機の時間の都合があったのでクロージングまでは残らず、最後のキーノートの途中で離席して帰途についた。ホールを出ようとしたところで滑り込みで会場にやってきた元同僚の hisaichi551 さんと邂逅して自分のシールを何枚か雑に渡した。ゆっくり話がしたかった。

京都での開催について

京都での開催良かった。個人的には福岡からだと東京に行くよりも京都の方が近いので移動が楽で良い。首都圏からの大多数の参加者も京都に宿泊して参加するので夜通しどこかで RubyKaigi 関連の飲み会が開かれてる感じで祝祭感あった。夕方から観光したりできて海外からの参加者も満足度高いのではないかと思う。京都国際会館のインフラも素晴らしかった(施設、庭園、食事内容)。スポンサーの提供で振る舞われたお弁当おいしかった。

総合的な感想

RubyKaigi 、海外からのスピーカーの発表はどうやってよいコードを書くかとかリファクタリングとかの話が多い。日本人の発表者の人は Ruby を開発する方の話が多い。( Ruby コミッターのほとんどが日本人だから)。なので Ruby 本体の開発に興味ない人( Ruby 開発者ではなく Ruby ユーザーなプログラマー)はぽかんとすることが多いかもしれない。自分は結構ぽかんとしてた。

あと今回多いと感じたのが Concurrency についての話だった。どうやって Ruby で並行性を上げるかという話。 Thread は難しいので素人は手を出すな、ということはわかったけど Ruby 3 の Guild というので素人でも Concurrent なプログラムが書けるようになるかどうかは今ひとつわからなかったので資料を読み直したい( reuibld.fm の Episode 158 を聞くと良い復習になりそう)。 Ruby 3 に並行処理の使い勝手が向上する前に、他の言語で並行処理について学んで準備をしといた方が良さそうだと感じた。

2010年の勉強会ゴロ状態のときに比べれば、何人かの人と話したりシールを配ったりすることができて、有意義な時間を過ごすことができたと思う。ただアイコンの気持ち悪さで認知されるよりも書いたソフトウェアの知名度で認知される方がよいので、カンファレンスに行って自己紹介するときに「○×というソフトを作ってます」と言えるようになりたい。仕事だけじゃなく、オープンソース活動もやっていけるように頑張りたいな、と気持ちをあらたにした会でした。

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一時期に比べたら Lokka 使ってる人減ってて、 Jekyll/Octopress ブームのあとは Go lang 製のスタティックサイトジェネレーターかはてなブログに移っていってしまった。自分は自分で使うツールを自分でいじるのが好きなので Lokka 使い続けていきたい。ということでいろいろやった。

最近やったこと

テスト通るようにした

Lokka の master ブランチ、しばらくコミットされてなくて Travis CI のビルド 1 年半くらい走ってなかった。久々に Pull Request 出したらビルド成功しなかったので通るようにした。 Travis がコンテナベースの環境から Docker ベースに移行したぽくて、その影響で PostgreSQL がらみで bundle install がこけるようになってた。なのでテキトーに addon を追加しといた。

同じコミットでもうメンテナンスが終了している Ruby 1.9 系の CI をやめるようにした。

Ruby 2.2 に対応させた

json 1.5.5 は Ruby 2.2 系では install に失敗するようなのでいろいろ bundle update した。 ActiveSupport も 3.1 ではエラーが出てしまうので bundle udpate して 3.2 の edge にした。

XSS 直した

コメントで教えてもらったので直した。

ただ実はまだ完全には直せてないので近日中に直したいのだけどテンプレートをレンダリングする仕組みをまるっと変えないと直らなそうなので結構きびしい…。

これからやりたいこと

フロントエンドよくしたい

具体的にはプラグインに同梱された CSS や JavaScript とテーマのやつをくっつけて配信したい。 Asset Pipeline 的な。

高速化

なんか遅い。このブログのトップページのレスポンス返すのに 1 秒くらいかかってるの改善したい。 DB にインデックス張るのとクエリのチューニングかな。

ActiveRecord 化

Fjord の皆さんで開発が続けられていたけど停滞しているっぽい。 DataMapper 、耐えられないほど不便なわけでもないし ActiveRecord にない便利な機能もあるのだけど、 N+1 起こらないという触れ込みなのに N+1 起こったり、ちょっと込み入ったクエリを投げたいと思ったときにやり方がわからないもしくは出来ないということがあるので、 Ruby エンジニアの皆さんが日常的に使ってる ActiveRecord を使うようにするのが良いだろうと思った。そもそもあまりメンテもされてないし、 DataMapper に引きずられて Lokka が停滞するのも残念だし。高速化のためにも ActiveRecord 化有効そう。


最近「仕事外でコードを書かないエンジニアは人間のクズだ」、「いやクズはそっちだ、エンジニアの業務時間外の学習に依存する会社こそ真のクソ」みたいな議論多いけど、自分で使うツールのメンテナンスくらいやらないと本当にプログラマー廃業しないといけない気がするし、自分がプログラミングに触れたの自体 P_BLOG の改造がきっかけだったので、プライベートを犠牲にして歯を食いしばりながら取り組んでいきたい。

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このブログの Archive ページ自分で作った Lokka Plugin でできているのだけど、ここを React を使って作ってみた。 React チュートリアルの写経の題材を自分のブログにした感じ。 CoffeeScript オワコンと言われて久しいけど Coffee で書いた。 JSX を CoffeeScript で書くときはバッククオートで囲むとよいという知見が得られた。

Entry = React.createClass
  render: ->
    `(
      <li className="entry">
        <a href={this.props.link}>{this.props.title}</a>
        <div className="detail-information">
          <span className="created_at">{this.props.created_at}</span>
          <Category category={this.props.category} />
        </div>
      </li>
    )`

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このブログを Capistrano 3 でデプロイするようにした。こちらを参考にした。

一点、 deploy:restart 内で、 invoke メソッドで他の namespace の task を呼び出すところ

The deploy has failed with an error: #<NoMethodError: undefined method `verbosity' for "/usr/bin/env unicorn:restart\n":String>

というエラーが出てた。調べたらどうも sshkit のバグっぽかった。

最新版では Pull Request マージされてて治ってるぽかったので Gemfile で

gem 'sshkit', github: 'capistrano/sshkit'

と書いておいた。

Capistrano 3、他の gem いれなくても色付いたりマルチステージになってたり rbenv 対応しててモダンになってると思った。あとシンボリックリンク作ってくれる task が便利。

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公開している Lokka の DB (MySQL) のデータを、手もとの Lokka の DB (SQLite) に取り込むときに毎回やり方を忘れるので書いておきます。

今回は MySQL to Sqlite converter という gist のコメント欄に書いてある以下の方法を試した。

sudo gem install sequel
sudo gem install sqlite3
sudo gem install mysql
rbenv rehash
sequel mysql://user:password@host/database -C sqlite://db.sqlite

これでデータを MySQL から SQLite に変換できた。Lokka をローカルで起動してアクセスしてみるが記事が表示されない。DB の中にはちゃんとデータが入ってるし、管理画面から記事一覧を表示するとちゃんと記事が表示される。どうも Post.published[] を返すみたい。

手でクエリを投げてみると

sqlite> select * from entries order by created_at desc limit 1;
             id = 960
        user_id = 1
    category_id = 5
           slug = eye-pro-is-shit
          title = Eye-Fi Pro を買ったけどクソだった
           body = [hitode909さんの日記](http://hitode909.hatenablog.com/entry/2013/05/24/093749 "hitode909の日記")...
           type = Post
          draft = 0
     created_at = 2013-10-06 07:28:00.000000
     updated_at = 2013-10-06 13:11:23.000000
frozen_tag_list =
         markup = redcarpet

draft = 0 なので表示されそうなもんなんだけど、よくよく調べてみると SQLite には Boolean 型がなくて、DataMapper は SQLite に Boolean 型のデータを保存するときは t/f の文字列で保存するみたい。これは盲点だった。

結局 draft = 0draft = 'f' に変えてあげればすべての記事を表示できるようになった。

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昨日、こういう Pull Request が Lokka に来てた。

「あれ、Lokka の master ブランチは Ruby 2.0 対応してないんじゃ」と思って Ruby 2.0.0-p0 で試してみたところ案の定 json.gem のインストールに失敗する。しかしものは試しにと思って、最新のパッチレベルの 2.0.0-p195 をインストールしてみたら Ruby 2.0 で Lokka 起動できた。

というわけでポータルシットは Ruby 2.0 で動いております。