| @読書
 漸くレディ・ジョーカーを読み終えた。随分と時間がかかったな。名作との誉れ高いが、警察モノが好きな人、同性愛に興味がある人、長年の高村薫ファンには面白い本なのかもしれない。 俺自身もある程度は楽...

 漸くレディ・ジョーカーを読み終えた。随分と時間がかかったな。名作との誉れ高いが、警察モノが好きな人、同性愛に興味がある人、長年の高村薫ファンには面白い本なのかもしれない。

 俺自身もある程度は楽しめたが、登場人物は多すぎるし事件の背後関係が無意味に複雑だし、ちょっと最後の方は食傷気味だった。こういう超リアリスティックな小説(警察モノなど)は俺はどうも苦手だ。バカには難しい。ラストも釈然としなかった。

 見事なのは、闇の世界と政財界のつながりを描いている点か。グリコ森永事件をベースに書かれているわけだが、企業の弱みにつけ込む暴力団、政治家、右翼団体、同和利権団体、韓国系ヤクザ、証券仕手筋などなど、闇の世界を垣間見ることが出来る。しかしそういった悪者連中だけが悪いのではなくて、ときに狡猾に彼らを利用する企業側にも問題があり、いわば持ちつ持たれつの関係が出来上がっているのだ。

 ところで合田雄一郎警部補はキャリアなのだろうか、それともノンキャリアなのだろうか? これがどちらかだけで随分と物語の内容は変わってくると思う。ノンキャリだと断定しているweb上の記述は二つしか見つけられなかったので、いまいちどちらか判断しかねる。司法試験崩れがノンキャリで警察に入るとは思えないんだけどな。まぁいずれにせよ、警察という組織が『踊る大捜査線』で描かれているような感じとは大きく異なることは確かだ。警察モノの本や映画は『踊る〜』しか知らないという人は読んでみると良いかもしれない。

<蛇足>

 大田区に住んでいたお陰で、この物語で頻繁に登場する地形を想像しながら読むことが出来た。夫婦坂のバス停なんて住んでたアパートのすぐそばなんですけど。大田区の猥雑とした風景の下、未曾有の犯罪が計画され実行される過程を追うのは、作り話であるとはいえなかなか興味深かった。

この記事に似ている記事

  • Screenshot
     ここ最近本を読んでいなかったのだが、数日前から高村薫の『レディ・ジョーカー』を読んでいる。Wセミナーの講師に、新聞記者の仕事内容が良くわかる本と進められていた本なので手に取ってみたが、『レディ・ジョーカー』、なかなか面白い本だ。 ただ、設定...
  • Screenshot
     さっき日曜の日経を読んでいたら、書評で村上春樹の『東京奇譚集』が評されていた。評者の名前は失念したのだが、子どもが出てこない云々ということが語られており、父親になりきれない主人公が問題視されていた。 村上作品に出てくる人々の家族構成は貧弱で...
  • Screenshot
     車をぶつけたショックにうちひしがれながら鑑賞。良かった。 主人公のマリーは夫のジャンとヴァカンスで南仏のランドの別荘にやってくる。マリーが海岸で日光浴をしている間、ジャンは泳ぎに行くと言ってマリーの場所から離れるのだが、戻ってこない。ジャン...

Comments


(Option)

(Option)