| @雑談

 村上春樹が新作短編集を出している。ただ、これまで二回連続肩すかしを食っているので、読む気になれない。買っても時間とお金の無駄なような気がする。

 『海辺のカフカ』はひどかった。『アフターダーク』はほとんど災厄である。amazonのカスタマーレビューでも辛口意見が多い。かつて村上春樹は評論家にはぼろくそにけなされても、市井の読者の支持はがっちり取り付けていたというのに。アフターダークの書評に良いものがあったので引用。

アフター リーディング, 2004/09/08 レビュアー: come126   東京都 感想を一言でいうと、無理をしすぎているという感じだった。 村上春樹は以前『海辺のカフカ』について、「登場人物にあまりリアリティを求めすぎてはいけない。細部ではなく物語全体を見て欲しい」というようなこと語っていたことがあったが、セリフや行動などあまりにも現実の若者とかけ離れてすぎていて、自分にはこの作品に対する入り口を見つけることができなかった。そこまで現実から乖離した人物像を無理をして描いてまで訴えようとするものは一体何なのだろうか。彼がいう「ボイスの獲得」はいまだ不十分なままであるような気がする。 演劇のスクリプト風の描写や第三者的な語り、硬い心理描写と柔らかい情景描写の織り交ぜなど手法には意欲的な面が見られるものの全体としては詰めが甘くまとまっていないような印象を受ける。 私は思うのだが、なぜ村上春樹は等身大の自分をモチーフに描こうとしなくなったのだろうか。私は少なくとも彼が描く「50代の男の物語」が見たいと思っている。それともそこには語るべき物語はもうないのだろうか。
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| @雑談

 今回の総選挙は選挙制度の特色が良く現れたようである。

2大政党の流れは不変 大勝は小選挙区の特性

 これが小選挙区制の怖さだ。自民党の候補が全国の選挙区で集めた票は民主党の1・3倍にすぎないにもかかわらず、2・7倍の議席を獲得し、歴史的な大勝を果たした。ちょっとした風が“地滑り的勝利”につながる制度の特性がくっきりと表れた格好だ。自民党は民主党の追撃を食い止めたかにみえるが、移ろいやすい無党派層が今回の衆院選で自民党を押し上げたといえる。民主党にも逆転のチャンスは常にあり、2大政党制の大きな流れはむしろ不変だろう。Continue reading...

| @雑談

 かつて書いた記事</a>に関連する新聞記事を発見した。

 一人のがん患者として、まったくもって濃沼教授の言う通りだと思う。硬直的な自己負担割合は非効率的である。まんべんなくあらゆる病気の患者に病院に来てもらおうという医師会の意思が反映されている。

 しかし衝撃的なのは、アンケート結果でがんを患ったことで解雇された人がいるということである。これは妊娠した女性社員を辞めさせるのと同じくらい卑劣な行いである。断固として許してはならないと思う。病気になったあげく仕事まで奪われたら、もう絶望の縁である。年間の自殺者三万人のうち約三分の一が病気を苦にした自殺だと言うが、病気をきっかけにした解雇などが患者を死に追いやっているのではないだろうか。

 病気を患った人が消費者金融でお金を借りるとは。世も末である。Continue reading...

| @映画/ドラマ/テレビ

 ジャマイカの絶望的な国家財政と経済状況を描いたドキュメンタリー映画。IMFはひどい連中でジャマイカ人は大変困っている様子だった。なかでもショッキングだったのが、ミルクを下水に流して廃棄処分するシーン。アメリカから粉ミルクが安い価格で輸出されるため、ジャマイカ産の牛乳には買い手が付かないのだという。粉ミルクの方が加工にコストがかかるため通常割高になるのだが、アメリカは粉ミルクに輸出補助金を与えているため不当に安い値段でジャマイカに輸出可能なのだという。ジャマイカはアメリカに骨抜きにされて、もうアメリカに依存せずにはいられない状況におかれているのである。ちょうど麻薬の売人が客を麻薬漬けにするのと同じである。金を借り、負債を返済する。すると教育や医療に予算を割けない。教育水準が下がると将来の経済成長が鈍る。ふたたび借金をするという悪循環である。

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| @ブログ

 ブログがブームになって久しい。いまや芸能人からNEETまで猫も杓子もブログである。そんな世相を反映した本を今日本屋で見つけた。青春新書の『パソコンで文章がうまくなる!』という本である。

 上手な文章を書けるようになるHowTo本のようなものがいつの時代も本屋の片隅にかならずおいてあることが示すように、上手い文章を書きたいという潜在的な欲望はみんなにあるようだ。友人と話していてもときどき「お前スゲーよな、毎日日記つけてて。俺も文章書けるようになりたいよ」というような言葉を耳にする(とはいえ毎日日記をつけているものの、俺は決して文章がうまいわけではない。上手な文章を書けるようになりたいのは俺も同じだ)。この本はこのような潜在的な文章書きたい願望を持った人をターゲットに出版されたのだろう。

 ちょっと立ち読みしてみると、大まかな内容は文章の類型説明とブログを上手に書くためのコツだった。きちんと段落分けをして文章を書こうというようなことはブログ以前の問題で、この本の大抵の内容は小学校で習う作文の授業の復習と、お父さんのためのMSWord入門、というところである。最後の部分でようやくブログをうまく書くためのコツが紹介されており、その中の一つに文章はブラウザ上で書かずローカルでテキストファイルなどに書いた後、コピペでブラウザに貼り付けるべしとあった。ローカルで記事を書くことの是非はともかくとして、テキストエディターで文章を書くことを推奨するなんて時代錯誤も甚だしい。そもそもブログがはやった要因の一つに、記事を書くのに煩わしい課程が伴わないということがある。知識がない人でもFTPを使わずに手軽に更新が出来ることがブログの売りなのに、記事を作成するのにいちいちテキストエディターを起動するのでは本末転倒である。

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| @Mac/iPhone

 一月前にATOK17を導入した。電子辞典セットである。便利である。

 Macに標準でバンドルされてることえりも最近はパワーアップしてきてWindowsのIMEよりははるかに使いやすいのだが、ATOK17にはかなわない。なにしろ間違った日本語を使った場合はちゃんと指摘してくれるのだ。さらに電子辞典セットの場合は連想変換の機能を使って類似表現まで変換候補に加えることが出来る。同じ表現を何度も繰り返すのにうんざりなときなんかにこの機能は良い。語彙が豊富な振りが出来る。ボキャブラリ貧し雑魚ら(=俺)にとってはありがたい機能である。

 さらには拡張辞書を買えば角川の類語辞典や共同通信の記者ハンドブックなど専門的な辞書も追加可能で、著しく快適な日本語入力環境を提供してくれるのである。ジャストシステムによれば日経もサーバーにATOKをインストールしており、日経の記事はATOKによって入力されているらしい。『iチューンズ』という何とも読みにくい表現もATOKの手になるものなのだ!

 アプリケーションごとに機能を使い分けられるのも良い。ATOKには方言を含め様々な変換機能が採用されているのだが、例えばwebブラウザでは標準的変換を行い、インスタントメッセンジャーでは関西弁変換など話し言葉変換を行う、というような使い分けが可能である。これは大変使いやすい。文語体と口語体が自在に使い分けられるのは恐らくATOKだけなのではないだろうか。

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| @音楽

 昼間に書いた記事では大喜びしていた俺ですが、オープンしたばかりのミュージックストアで早速曲を買おうとしたものの、結構高いんですよね。一曲150円だと購入に二の足を踏んでしまう。99円とは言わないまでもジュース一本と同じ120円≒$0.99くらいに価格設定しててくれたらわしわし買ったと思う。だってアルバム価格にしたら1200円と1500円で300円も差があるんですよ?

 そもそもiTMSのラインナップの貧弱さに問題がある。国内盤CDに入ってるボーナストラック揃えてなかったりとかね。アルバム買いするときは何曲入りのアルバムだろうがだいたい1500円だから、10曲のアルバム買うと一曲あたり150円だけど、ボーナストラック2曲入りの12曲のアルバムを買うと一曲あたり125円で微妙な差が生じるし、コレクターっ気のある俺はどうせ買うならボーナストラックも聞きたいから、ボーナストラックの入ってないアルバムとかなかなか買う気になれない。気になったアルバムをamazonで調べたらだいたい2000円くらいでボーナストラック入りのパッケージ盤を売ってたので、ついついそっちを買ってしまいましたよ、三枚も。iTMSが楽曲のラインナップをもっと充実させてくれないと、結局iTMSで試聴して、amazonやヤフオクで買うといういままでと変わらない構図のままになりそう。

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