| @映画/ドラマ/テレビ

4ヶ月、3週と2日

評価 : ★★★★★

 社会主義政権崩壊前のルーマニアが舞台。かなり面白かった。久々に映画を見て鳥肌が立った。

 主人公は女子大生のオティリア。ルームメイトのガビツァが望まない妊娠をしてしまい、中絶することになった。しかし当時のルーマニアで中絶は犯罪。モグリの医者に違法中絶を頼むのだが・・・。

 主人公のルームメイトのガビツァという吉川ひなの似(なんかキャラも似てる)の女の子が自己中の救いようのない女で、オティリアに迷惑かけまくる。もう大人なんだから自分のことは自分で管理するのが当たり前なのに常に他力本願というか。そのくせやることはやっていて、父親の分からない子どもを身ごもってしまう。

 物語中、とてもグロテスクなシーンがあるんだけど、これはかなりすごかった。堕胎や手術の描写がグロテスクなのではなく、ストーリー展開自体がグロテスクなのだ。友人のために究極の選択を迫られるオティリア。そこで彼女が取った行動とは。

 末期の社会主義国の描き方も興味深かった。全体的にブカレストの街は灰色で、車も家もボロボロ。賄賂を渡さないとホテルの部屋も取れない。その一方で権威主義が行き渡っていて、田舎出身のオティリアは、学者一族のボーイフレンドの家族に出自をバカにされる。

 カンヌ映画祭でパルムドールに輝いたということだけど、納得の一作だった。

| @読書

 『パラダイス鎖国』を読んだ。読みやすい新書で、あっという間に読んでしまった。この本はアスキーから出てるアスキー新書だけど、コンピューターとか技術のみについて述べた本ではなく、日本社会全体について論じた日本論の本だと思う。日本社会を覆う閉塞感を打破するためのヒントがたくさん詰まっていると感じた。

 以下、個人的に興味深かった部分をメモ。興味がある人は是非買って読んでみてください。


日本人の意識の変化と、世界での存在感を薄くする日本

 日本人の海外志向が弱くなった(*1)。映画も音楽も地産地消。

 アメリカ社会での日本に対する印象も変容(ジャッパンバッシング→ジャパンパッシング→ジャッパンナッシング)。

日本メーカーはなぜ失速したか

 日本メーカーの伝統的な戦略は、

  1. 利益よりシェアを追求(*2)
  2. 採算割れの市場でもブランド認知度を高め、「グローバルブランドの確立と維持」

の二つ。

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| @技術/プログラミング

 ISBN変換プラグインを少し修正しました。入れ換える方は /include/user_include/plugins/plg_isbn.inc.php だけを差し替えるだけでOKです。

変更点

オリジナルバージョン

  1. 福耳 Cafeさんで配布されていたオリジナルバージョンのように、Amazonへのリンク部分を文章で囲い込まないようにしました。
  2. 加えて、映画の場合は監督名、本の場合は著者名、音楽の場合はアーティスト名をそれぞれ表示するようにしました。

囲い込みバージョン

 Amazonへのリンクを文章で囲い込む表示の方が好きな人は、 plg_isbn.inc.php の289行目から309行目を削除し、312行目のコメントアウトを解除すると↑のように表示します。

 ダウンロードはこちら。

ちなみに、名前を "ISBN変換プラグイン mod" にしてバージョン番号とか振ってみた。

| @映画/ドラマ/テレビ

 主人公アラン・ジョンソンは成功した歯科医で、ある日ニューヨークの街角で学生時代に寮のルームメイトだった友人、チャーリー・ファインマンの姿を見かける。しかし友人は911のテロで家族を失って以来、正常な精神状態を失っていた。アランはチャーリーを立ち直らせようと奔走するのだが・・・

 主役はドン・チードル。役柄は『16歳の合衆国』でやったのに近い。しかし、『16歳の合衆国』の方が圧倒的におもしろかったし、リアルだった。実はこの映画、隠れたプロパガンダ作品なのではないかとすら思った。ときどき「外国の悪魔たちのせいで」みたいな台詞がさらっと出てくる。ヒューマン映画を装いつつもアルカイダ批判、アフガン侵攻やイラク戦争の正当化を忘れない、みたいな。こういうのは気持ち悪いですね。

| @映画/ドラマ/テレビ

 男色映画。全編白黒。ガス・ヴァン・サントのデビュー映画らしいけど、全然面白さが分からなかった。

 ホモの白人が主人公。メキシコからの不法移民の少年に入れあげ、何とか彼とセックスしようとするのだが、うまい具合にはぐらかされ続け…

 観客は10人くらいいたんだけど、俺ともう一人を除きあとは全部女性。金曜のレイトショーで別にレディースデイでもなんでもないのにおかしいなぁと思っていたら、内容を見て「あぁ、そういうことか」と納得。いわゆる "腐女子" 向けのやおい映画ということですな。そういうのが好きな貴女は楽しめるかも知れない。見終わった後とてもお尻が痛かった。

| @WWW

以前、ブログを始めた本当の理由というエントリで、このブログは就活の為にやっていると書いたけど、最近実は役に立たないんではないかと思い始めた。

BLOG15.NET : やっぱりブログは就活には役立たないかも

 わたしは学生こそ、学校で勉強したこととか、就職活動の状況についてブログに書くことは意義があると思うけどな。あまり個人を特定されそうなことをブログに書くとまずいかなとは思うけど、ブログに就職活動での出来事を書いていくのは無意味なことではないと思う。

 面接の内容を反芻したり、説明会で聞いたことを書き留めておくと、記憶の定着率が違う。面接で厳しい質問をされて困ったときのことをブログに書き留め反省点をまとめておくことは、次回の面接の助けになるだろう。

 学校の勉強でも同じだ。わたしは学生時代にウェブに日記を書いていたのだが、授業で聞いた内容を日記に簡単にまとめていた科目の講義内容は結構良く覚えている。

 これは本や映画についても言えることで、わたしが映画や本の感想をできるだけブログに書き留めておこうとするのは、読んだり見たり聞いたりした内容を忘れないためである。

 最近、「ブログにアクセスが少なくて寂しいなぁ、アルファブロガー羨ましいぁコンチクショウ」というような議論がリンク先のブログに端を発して繰り広げられているみたいだけど、まずは人を集めるよりも、将来の自分のために記事を書いていくことが大事なんじゃないかな。わたしのブログもアクセス少ないけど、将来自分で見返して楽しむために書いてるからそれで良いと思ってる。

追記

 よく読み返したら、大学の講義にしろ就職活動にしろ、「復習が大事」ということですな。当たり前すぎるなー。なんかアホっぽい。

| @映画/ドラマ/テレビ

 農畜産物がどのようにして「生産」されているかを延々撮影したドキュメンタリー映画。もっとメッセージ性のある映画なのかなーと思っていたけど、中立的かつ淡々と、人間によって行われる生殺与奪を記録し続けた映画。正直なところ面白い映画だとは言い難いが、食の安全性に世間の関心が集中しているためか、平日昼間の回なのにとても混んでいた。

個人的に印象に残ったシーン

  1. 孵化直後のひよこが工業生産品のようにモノ扱いされるシーン

     生まれたばかりだというのにもの扱いされ、ベルトコンベヤを流され、機械製品のように検品され印を付けられるひよこたち。

  2. 雄牛が精液を採られるシーン

     おとりの雌牛が用意され、雄牛は交尾するよう促されるのだが、雌牛にのしかかろうとした瞬間にペニスにコンドームのようなものを被せられ、挿入する前に射精させられてしまう。一頭の雌牛に対して多くの雄牛が並べられるのだが、一頭として雌牛と交尾するものはいない。

  3. 様々な野菜が収穫されるシーン

     ドイツ(あるいはオーストリア?)の農業が非常にシステマティックでビックリする。日本の農家というと、夫婦が二人かそれに長男を足したせいぜい三人でやるもの、というイメージがあるが、ドイツではかなり労働集約的に農業がこなされていて、まるで工業生産品を扱うかのごとくレタスをパッキングする光景は異様。

  4. 地下の鉱脈で岩塩を採掘するシーン

     食べ物の映画なのに、炭坑夫のような男二人がリフトで地中深く降りていくシーンがある。巨大な運搬トラックで運んでいる砂様のものは塩。地中深くの暗がりでキラキラと青白く輝く塩を採掘する様子は非常に幻想的で、まるで宮崎駿のアニメを見ているかのようだった。

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