| @音楽

 面白かった、興奮した。90年代のブリットポップ・ムーブメントについてのドキュメンタリー映画。オアシスのギャラガー兄弟、ブラーのデーモン・アルバーンなどブリットポップの主要人物たちへのインタビューをもとに構成されている。90年代後半に田舎の高校生になり、ロッキング・オンもクロスビートもほとんど読まず、メロディーが良いからという理由だけでオアシスを聞いていた僕にとっては、当時の雰囲気を追体験できる良い映画だった。

 ブリットポップの原点にアンチ・アメリカがあることが新鮮だった。ヤンキーは出て行け、という雰囲気の中でブリットポップは盛り上がっていったのである。デーモンがインタビューで、アメリカツアーをしていたときカフェであらゆるものがプラスチック制だったことにうんざりしたと述べていたことも印象深かった。ブリットポップとはアメリカの大量生産・大量消費のマスカルチャーへの反発でもあったのだ。

 当時から興味を持っていた人には既知の情報ばかりなのかも知れないが、ブラー対オアシスの対決についてもよく知ることができて良かった。マスコミがブラーを煽り、対決しなければならない雰囲気を作り出したようである。当時を振り返るデーモンはあまり過去のことを思い出したくなさそうだった。このシングル同時発売対決以後、ブラーは中産階級出身で世間知らずのアイドルバンドというイメージが定着してしまったようだ。

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| @雑談

 なにかと批判されることの多いショッピングセンターですが、悪いことだけでもないんじゃないかと最近思っております。先日熊本市郊外のショッピングセンターを訪れ、こいうことがありました。

 店の入り口で祖母の買い物を待っていたら、ショッピングセンターでパートしていると思しきおばさん二人が立ち話をしていました。今度またパンフレット見て云々、日程はどうしようか云々、どうもパート先の仲良しおばさん連中で旅行に出かけるみたいです。ショッピングセンターというと人と人のつながりを希薄にするもの、というマスコミに植え付けられた固定観念を持っていた僕には、大変新鮮なやり取りでした。

 郊外という場所には、その土地生まれではない人が一戸建ての家を求めて色んなところからやってきます。夫は職場で人付き合いがあっても、専業主婦の奥さんの場合、人付き合いをする機会はとても希なんではないか。ショッピングセンターにパートに出かけることで、同じようにご近所に暮らす奥さん方と知り合うことができ、付き合いが生まれる。ショッピングセンターが新たな地域社会の核になっているんではないかと思うんですよね。

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| @写真

ツツジの後ろにススキ

秋に花を咲かす酔狂なツツジ。奥に見えるのはススキ。

秋の仙酔峡

仙酔峡からの景色。

| @散財

iPod Software 1.2

 昨日公開されたiTunes 7を落としたらiPod Updaterも含まれていたようで、というかiTunes 7からiPod UpdaterがiTunesに統合されたようで、5G iPod用のiPod Software 1.2をインストールしてみました。新しいiPod nanoよりも、iTunes 7よりも、このiPod Software 1.2が僕にとっては嬉しかったですね。

 iTunes 7で漸く対応されたギャップレス再生ですが、もちろんこのiPod Software 1.2をインストールすることでiPodでもギャップレス再生可能です。おかげでDJ Mixのアルバムをディスクごと統合して取り込む必要がなくなりました。ダンスミュージックをよく聞く人にとっては朗報です。ちなみに2ch情報なんで真偽は分からないのですが、5G iPod以外の機種、例えばiPod miniなどではギャップレス再生は完全対応していないくさいですね。以前よりはマシになったけど少しギャップが開くとか。

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| @読書

 いま立花隆の『農協』(朝日文庫)を読んでいます。まだ最後まで読んでいないのですが、メモ的に少し記述しておきます。

 まず、僕が少し前の記事(直売所の野菜に思う)で示したいくつかの認識は誤りであることが分かりました。当該記事で僕は、

  1. (販売面で)農協は農民から搾取している
  2. 農家は農協に野菜を出すほか選択肢がない
  3. JA-SSの存在意義はない

などと述べていますが、かなりの誤りを含んでいます。

 まず1.についてですが、これは明確な誤りでした。そもそも農協というのは、農民の利益を確保ために存在しているのです。戦前、農民は流通業者や食品加工業者に農産物を買いたたかれ、大変損をしていたようです。このプレミアムを農民の手に取り戻そうというのが農協の目的で、農協自身は利益を出さないように設計されています。利益が出たとしても組合員たる農民に利益は還元される仕組みなのです。だから農協が農民から搾取なんてするはずがないのです。搾取するとしたら、我々一般消費者からですね。

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| @旅行/散歩

 先日に引き続き、また日帰りで鹿児島に行きました。目的は特攻平和会館がある知覧です。

 知覧の平和会館には特攻隊の方々の遺書や日記などが展示されているんですけど、とても印象に残ったのが上原良治という、22歳で亡くなった方の遺書です。慶応の経済学部を繰り上げ卒業して招集されたパイロットです。

 上原少尉は慶應義塾本流の自由主義、保守主義を学ばれたようで、遺書からもその影響がにじみ出ていました。塾で学問を修めて自由主義こそが真理であることを悟った、というところから遺書は始まります。

 この方の文章は書物(『きけわだつみのこえ』)にも収録されているらしいのですが、とにかく22歳とは思えない、また戦時の狂乱下とは思えない大変冷静なことを記しておれます。全体主義は負ける、自由主義が勝つ、といった内容です。

 よくこんな文章が残されたものだなと思うのですが、上原少尉の地元長野の共産党議員の日記(久子通信)によると、新聞記者によって遺族の元に届けられたのだそうです。

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| @WWW

 昨日からGmailが一般公開されたそうですね。いままで招待制だったのが、Googleアカウントを作れば誰でも利用できるようになったとか。オーストラリア、ニュージーランドに続き、日本が三番目の一般公開なんだそうで、大変結構なことですね。

 朝日新聞のギークでない一般的な人向けの記事によると、GoogleはGmail一般開放で日本市場でのYahoo!追撃を狙ってるそうです(asahi.com:グーグル、無料メールで日本本格参入 対ヤフーの切り札)。有名な話ですが、日本の検索エンジン市場は特殊で、GoogleセンセイよりもYahoo!の方が優勢なんですよね。ヤフオクやYahoo! BBなど、Yahoo! JAPANの消費者を引きつけるコンテンツと囲い込み戦略の賜物なんでしょうね。

 ちなみにGoogleユーザー1人に対するYahoo!検索ユーザーの割合として「Y/G比率」なるものがあるそうです(「際立つYahoo!検索のシェアは日本独特の現象」NetRatings萩原社長)。リンク先の記事ではこのY/G比、1.9とされています。すなわち、Googleの利用者一人に対して、Yahoo!の検索利用者1.9人ということですね。

 暇なのでこのブログにやってくる方々のY/G比を調べてみたら、Page Analyzeプラグインを入れてからのたった五日間の統計ですが、1.2でした。一般のシェアに比して、Googleユーザーの数が多いということですね。Googleそのものやネットについての記事があるのと、Safariの検索窓からMacについての記事を求めてやってくる人の数を反映しているのだと思われます。