| @WWW

最近、”Product Advertising API PHP4” みたいなキーワードで検索してくる人が多いです。みなさん対応にてんやわんやのようですね。ちょっとググったところ、レンタルサーバーでPHPのバージョンが4の場合、HMACエンコードする方法は見つけられないですね。自宅サーバーならいろいろ手はありそうなんですが。Amazonの仕様変更が原因でPHP 5に移行する人とかもいそうですね。

ところでこういう記事を読みました。

AmazonのAPIは去年、ECS 3.0からECS 4.0に完全移行したばかりなのに、なぜまた一年で仕様を変更するのか不思議だったんですけど、上の記事では

 ブログパーツを使ったクライアント(ブラウザで見てるユーザー)からのリクエストがめちゃくちゃ多いので、対応してらんないよ、というのがほんとのところのような気がしてた。

 もともとは、プログラムを知ってる人が、サイトの構築に役立てるように、という目的が、そうでない一般ユーザーにも使われるようになったのは想定外で、ここまでリクエストが増えると、おいらもやってらんないよ。

 っていうことなんだろうなあ。とか。

 なるべくハードルあげて、リクエストを減らしたい、っていうのが本音なんだろうなあ。とか。

って書かれてました。いままで面倒くさいサーバー側での処理はAmazonがやってたんだけど、これからはクライアント側でも下処理(署名を暗号化して送る)っていう作業が必要になるってことらしい。(あ、JavaScriptとかでアフィリエイトリンク作るツールがダメならectoのAmazon Helperも使えなくなりそうな悪寒。)

リクエスト減らしたらAmazonの売り上げにも響くと思うんですけど、これどうなんだろう。アクセスを綿密に解析した結果、「Webから直で買う人が多いからAPIにかかる負荷を減らしたい、だから負荷ばかりかかるAWSはProduct Advertising APIへ移行!」ってことなんでしょうか。Amazonてスゲー頭のいい人が集まってやってそうなイメージなんで凡人には分からない背景があるのでしょう。

でもAPIの変更でこの手のツール類で使えなくなるものが増えるのは事実です。P_BLOGのISBN変換プラグインについても、今回はAmazonのサンプルコードが公開されてて、コードを数行追加するだけだったので僕でも対応できましたが、これがもっと面倒くさい作業が必要なんだだったらPlug-inの配布やめちゃいそう。レンタルサーバーでPHP 4を使ってる人とかはPHP 5にアップデートするかPHPを使うのやめるかアフィリエイトを諦めるかの三択ですもんね。Amazon、思い切ったことするなーと思った次第です。

| @映画/ドラマ/テレビ

スラムドッグ$ミリオネア

評価 : ★★★★☆

ダニー・ボイル監督。アカデミー賞で沢山賞を取った映画。インドのスラム街出身の青年がクイズ番組の "Who wants to be a Millionaire" に出演して大金を得るまでの過程を描いたビルドゥングスロマンである。

スラム街出身の青年がなぜクイズに次々正解できるのか。インチキではないのか? これがこの映画テーマだ。ミリオネアの映画だと思っていたのに、冒頭は警察署で主人公の青年ジャマールが尋問されるシーンから始まる。不正を疑われて警察に捉えられたのだ。しかしジャマールは不正を働いてはいなかった。彼の数奇な人生が全て彼に答えをもたらしていた。たとえどんな難問であったとしても。

ムスリムのジャマールは幼い頃にヒンドゥー教徒の暴徒に母親を殺されてその後は兄のサリームとストリートチルドレンとして過ごす。途中、ストリートチルドレンを集めて組織的に物乞いに従事させる卑劣漢ママンの下で他の子ども達と共同生活を送るのだが、彼が何をしているのか(歌が上手い子の目をわざとつぶして盲目にし、人々の同情を誘おうとする)真実を知り得たサリームは弟を連れてママンの下から逃げ出す。ジャマールとサリームは同じようにヒンドゥー教徒の暴徒に両親を殺されていた少女ラティカとずっと一緒だったのだが、逃げるときにサリームは彼女を囮にして見捨てる。子供心にラティカに恋心を抱いていたジャマールは、大人になった後も彼女を捜そうとする。

やっとラティカと再会できた後も、兄やマフィアの親分にラティカを奪われるのだが、ジャマールは決してラティカのことを諦めない。マフィアの親分の下で人生を諦めながら暮らすことを余儀なくされたラティカを助け出そうと、彼は "Who wants to be a Millionaire" への出演を決めたのだった。

サリームは大人になって行くにつれて段々とずるがしこい人間になり、最終的にはマフィアになってしまう。信じられないことにジャマールが思いを寄せるラティカを奪い、弟に銃を向ける。一生許さないとジャマールは心に誓うわけだが、最後の場面でサリームはジャマールとラティカを結ばせるために自身を犠牲にする。この辺は以前見た『ミリオンズ』の流れに近いと感じた。ダニー・ボイルは兄弟ネタが好きっぽい。『ミリオンズ』をインド版に焼き直して、設定をもっと壮絶なものにしたのが今作かなー、という感じだった。

ところでママンが子どもを集めている施設には足のない子がいた。10年くらい前、メンノンを読んでいたらインドを旅行したモデルが旅の感想を書いていて、「手がない子どもが物乞いにやってくるけど、お金が集まりやすいように親がわざと我が子の手足を切ったりするらしい」と語っていたのを思い出し、複雑な気分になった。ジャマールらはムスリムであるために母親をヒンドゥー教徒に殺されるわけだが、インド社会の複雑な一端を描くことも忘れていない。

平日昼間の回だったせいか大学生カップルが多く(男一人で見に来てるのは僕だけだった)、エンドロールが終わって立ち上がるときに前の席に座っていたカップルが抱擁し合っているのが見えた。アホか。しかしラストのインド映画風ダンスは楽しいし、重い内容とは反対にエンディングは明るいので万人にお勧めできる映画だと思う。

| @映画/ドラマ/テレビ

This is England

評価 : ★★★★☆


"This Is England" (Original Soundtrack)

ブリットポップ前夜、フォークランド紛争後の1983年のイングランドが舞台。スキンヘッドの若者たちがクソなサッチャー政権とクソな社会に反発する映画。とても面白かった。

主人公ショーンは12歳の少年。父親をフォークランド紛争で亡くし、母親と低所得者向けの住宅で過ごす。父が買ってくれたフレアのパンツを学校に穿いて行って「ウッドストックに帰れよ」とからかわれ、しょぼくれてとぼとぼ家に帰っているところをガード下にたむろするスキンヘッド集団に声をかけられる。グループのリーダー、ウディに励まされたことでスキンヘッド集団と関わるようになる。

当初はウディらと健全(?)なスキンヘッドライフを送るショーンだが、ウディの旧友、コンボが刑務所から出てきてグループの調和を乱しまくる。彼は刑務所での経験がもとで人種差別主義者と化していたのだ。グループにはミルキーというジャマイカ系の男がいるのに、コンボは彼の前でも構わず人種差別的な言動を繰り広げる。これにウディは気分を悪くし、コンボを避けるようになる。結果的にグループは二分するのだが、ショーンは愛国主義的で排外的なコンボの思想に惹かれるようになる。コンボのグループは政治集会に参加したり、パキスタン系の移民を迫害したり、どんどん政治色を強めていく。そして悲しい結末がショーンとコンボを待ち受けているのだった。

冒頭のフォークランド紛争の報道映像を引用してるシーンがショッキングだった。地雷で片足を吹き飛ばされた英兵が担架で運ばれる映像が挿入される(補給艦に搭乗していてミサイル攻撃を受けて負傷した兵士らしい : フォークランド戦争 - MEDIAGUN DATABASE)。イギリスは結果的にフォークランド紛争に勝利したけど、多くの艦船を失い、少なからぬ死傷者を出したみたいだ。加えて社会に蔓延する英国病。なぜ移民には住宅が優遇されるのに、元々の住民であるイングランド人が貧しい暮らしを送らなければならないのか。コンボは極端な人種差別的国粋主義者だが、言っていることは一理ある。排外的なスキンヘッド集団が生まれたのには様々な時代背景があったことが分かる。

ストーリー以外の部分では、ウディ(風貌がルパン三世っぽい)のファッションがとても格好良かった。Ben Shermanのシャツの下にサスペンダーでぴちぴちのジーパンを吊し、ロールアップした足下にはDr. Martensのブーツ。さらに上からピンバッジ付きのMA-1などのフライジャケットを着る。フライトジャケットとかすごくダサく見えてたけど、ジャストサイズをこういう風に着こなすととても格好良く見える。イギリスでは2007年公開の映画だけど、この格好はこれから流行るんじゃないだろうかと思った。

英語も特徴的で面白い。どの英語がどこ訛りだとか詳しいことは分からないけど、comeは「カム」より「コォム」と聞こえるし、canは「キャン」より「カァン」と聞こえ、アメリカ映画の英語とは全然別物だ。「ああー、イギリスいいわぁー」っていうイギリスかぶれには辛抱たまらんはず。

加えて音楽。ブリットポップ前夜のイギリスはパンクロックばかりなのかと思っていたけど、そうじゃなくて、スキンヘッズはスカやレゲエ、ソウルも聴いてたみたいだ。1980年代に入ってからスキンヘッズは白人優位の人種差別的集団と化したようだが、そもそものルーツはジャマイカ系移民のスタイルに強く影響を受けていたらしい。だから人種差別主義者のコンボが、マリファナをくゆらせながらブルースを聞くシーンもある。僕はパンクはあまり好きじゃないのだが、作中で使われてた音楽はどれも格好良く、サントラを買おうとしたらAmazonでは何と在庫切れ中。そのくらいかっちょいい。

ショーンが年上の女の子スメルに恋をするんだけど、このスメルって子がまるでX Japanのメンバーみたいなメイクをしてて不思議な色気があった。

| @散財

久々にiPhoneの話です。

tumbladdict — 超絶カイテキなTumblrクライアント

まずはtumbladdict。TumblrをiPhoneからカイテキに使うためのアプリです。これ、リリース前にDashboardで情報が流れてるの見たときからずーっと使いたいって思ってたんですけど、昨日リリースされたようで早速購入しました。230円。これいいっすわー。前に「Tumblrは雑誌だ」って書いたけど、朝起きてすぐとか夜寝る前とか、寝床の中でもぞもぞするときに眺めるのが気持ちよいんですよね。それこそ雑誌を眺める感覚で。でもiPhoneのSafariやTumblr公式アプリとかだとReblogがひたすらめんどうで、途中で飽きちゃうんですよね。しかしこのtumbladdictは設定によってはワンタップでどんどんReblog/Likeが出来てしまって、Firefox + Greasemonkeyで閲覧してるのと同じくらいカイテキに、いや場合によってはそれ以上カイテキにDashboardをDigることができます。昨日からDashboardには喜びの声があふれており、なんとiTunes Storeの有料アプリランキングで6位に入ったらしい。iPhoneユーザーでTumblrやってる人にはオススメなアプリケーションですね。中毒必至です。

tumbladdict 1
ハートのアイコンでLike、リロードマークみたいなアイコンでReblogです。
tumbladdict 2
コメント付けてReblogすることも可能。


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| @技術/プログラミング

クリックした後にしばらく経ってから続きの部分が表示されるだけだとつまらないから、クリックしてから続きが読み込まれるまでの間にローディングgifが表示されるようにしてみた。参考にさせてもらったのはhysyskさんのブログ。

ローディングgifはこちらで作った。

コードはこんな感じ。よかったらどなたか添削してください。

function readMore(x) {  
  
	// format vars
	var id = x.replace("#", "");
	var loadPath = '/article.php?id=' + id + ' div#wrapper div[class=comment entry-content]';
	var rm = x + ' p.read-more a';  
  
	// hide read-more  
	$(rm).hide();  
  
	// write ajax-loader.gif
	$(x).append('<div id="loading" style="text-align: right; position: relative; top: -28px;"><img src="./images/ajax-loader.gif" width="28" height="28" /></div>');  
  
	// show and hide ajax-loader.gif
	$("#loading").bind("ajaxSend", function() {
		$(this).show();
	}).bind("ajaxComplete", function() {
		$(this).fadeOut("slow");
	});  
  
	// load rest of content
	$(x).load(loadPath);  
  
}

| @映画/ドラマ/テレビ

グラン・トリノ

評価 : ★★★★★

朝鮮戦争に招集された経験を持ち、フォードの組み立て工をしていた主人公のウォルター・コワルスキー(クリント・イーストウッド)。最愛の妻を亡くし一人寂しい日々を送る。2人の息子との関係はうまくいかず、周囲の人には心ない言葉を浴びせまくる。ポーチに腰掛けてビールを飲みながら犬に話しかける毎日。しかし妻の葬儀の日に隣にアジア系のモン族が引っ越してきて、モン族の少年タオと触れあううちに彼の心境は変化していく。

すばらしかった。クリント・イーストウッドは前作の『チェンジ・リング』も評判が良く(見に行きたかったんだけど見に行けなかった)、俳優よりも監督のウェイトの方が重いんじゃないか。事実今作が俳優活動の引退作品であるようだ。今後は積極的には俳優業はやらず、監督業に専念する模様。 主人公のコワルスキーは頑固な古典的アメリカ人で、アジア系や黒人を露骨に差別する。何かあるとすぐに銃を引っ張り出す。隣人が芝生に入っただけでもライフルで脅す。まるでこち亀のボルボ西郷みたいなところもあるんだけど、なんかやたらカッコいい。アジア人をバカにしながら、隣人のタオの姉スーが黒人に絡まれてるときにはトラックで現れてチンピラを銃で脅して撃退する。スーと一緒にいた白人のボーイフレンドは黒人のチンピラ連中に「ようブロー(兄弟)」みたいな黒人っぽい英語で話しかけて友好的にその場をしのごうとするんだけど、「ハァお前何言ってんだヴォケ」みたいな反応されてビビりまくる。結局、クリント・イーストウッドが現れて黒人のチンピラを追い払う。なんつーのかな、ツンデレっていうのかも知れないけど、「あんたなんて嫌いなんだからね!」って言いながらタオとスーのことを助けるのだ。

同じモン族のチンピラがタオをチンピラグループに入れようとしてしつこく付きまとうんだけど、これもクリント・イーストウッドが追い払う。そんでタオのあまりのヘタレぶりに辟易し、タオをかっちょいいアメリカ人の男に育て上げようとする。工具を貸し与えたり女の子をデートに誘うようにけしかけたり床屋でのかっちょいい話し方を教えたり建設現場でのアルバイトの口を見付けてきてやったり。この辺の逆『ベスト・キッド』的なところがすごく良い。

『チョコレート』っていう映画では黒人を差別してた元刑務官が、自分が刑を執行した黒人受刑者の妻と付き合うようになるけど、あれに似たところもある。異人種間の融和というか。

そしてさらに、アメリカ人の男とはどうあるべきなのか、アメリカ人のアイデンティティとは何なのかを、アジア系のニューカマーであるタオに徹底的に教え込もうとする主人公の姿勢が新しい。

一見すると時代の流れと無関係に存在するような作品なんだけど、テロやアフガン戦争、イラク戦争、そして金融危機とアメリカのビッグスリーの凋落など、アメリカの繁栄にかげりが見えるいまだからこそ、クリント・イーストウッドはこの映画を作ったのではないかと感じた。時代は変容して白人中心のアメリカから、いろんな肌の人によって構成される多民族国家のアメリカ像を描こうとしたんではないか。さらに自動車のビッグスリーはトヨタに食われっぱなしだ。元フォードの従業員の主人公は、息子がトヨタのランドクルーザーに乗りトヨタ車を売って回っているのが癪に触る。息子と関係がうまくいかないことの一因でもありそう。しかし物語の中でウォルターが大切に保管している72年式のクラシックカー、グラン・トリノが大きな役割を果たす。もう一度グラン・トリノのようにアメリカを輝かせよう、そういう意図があるんではないかなと感じた。

ところでこの映画に登場する白人はみんなカトリックなんだけど、ここにも重要なメッセージがあることに見終わってから気がついた。アメリカで主流のエスニックグループはWhite Anglo-Saxon ProtestantのWASPなわけだが、主人公コワルスキーはポーランド系、床屋のおっさんはイタリア系、建設現場のおっさんはアイルランド系。みんな白人ではあってもカトリックで、イギリス系ではないので非主流グループということになる。第二次大戦の前後まではイタリア系やアイルランド系は職に恵まれず、移民してきても大変な生活を強いられていた。それでもアメリカにとけ込んで国の成長を支え、立派なアメリカ人になった。これからはアイルランド系やイタリア系やポーランド系にかぎらず、アジア出身の新しいアメリカ人たちがアメリカを支えるのだ、っていうメッセージを僕は感じ取った。

最後にウォルターは考え得る最善の方法でスーとタオを守る。どんな方法かは見てのお楽しみだが、もうちょっと他に方法はなかったのかと考え込んでしまった。

| @Mac/iPhone

MacBookのヒートシンクのグリス塗り直し

僕のMacBook (Late2006)、二年目に突入して真冬でもファンが鳴りやまず、非常にうるさいことになっておりました。手がかじかむくらい寒いのにファンが高速回転するってどういうことやねんと。どうもヒートシンクというところに塗ってあるシリコングリスが硬化して役目を果たさなくなっているようです。そういうわけで分解してファンなどの清掃とグリスの塗り直しをやってみました。

参考にしたサイトは以下の三つ。

ネジが一本なくなってしまったものの、なんとかグリスを塗って再度組み立てることができました 8-) 二年も使っているせいでグリスは硬化し、カピカピになっておりました。

で、MacBookのファンは静かになったか?

残念ながらほとんど効果はありません :-! ファンはうるさく回り続ける。しかし時々70℃を超えてたCPUの温度は高くても65℃程度で止まってくれている模様です。これで夏を乗り切ることが出来ればいいのですが。MacBook Proほしいよう。