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アウトライン・プロセッシング入門を読んだ

『アウトライン・プロセッシング入門』という本を読んでみたら意外とよかったのでアウトラインとアウトライナーについて思っていることを書きます。

読んだきっかけ

WorkFlowy というアウトライナーについて調べてたらよく紹介されていたので読んでみた。 WorkFlowy というのはウェブベースのアウトライナー。 Google で「 WorkFlowy 」で検索すると Evernote でライフハックしまくりお父さんみたいな人たちが群生してる様子が観察できる。犬のえさやりタスクや子どもを公園で遊ばせる予定などをどうやってクラウドで管理するかみたいなことをアツく語っている。

良かったところ

アウトライナーの使い方を見直した。最近の自分のアウトライナーの使い方は間違っていた。

アウトライナーとは

文章の概要・目次を書くために使うものというのが一般的な理解。文章を箇条書きにして書くことができる。箇条書きにした内容を入れ子にしたり、順番を並べ替えたりできる。しかし概要や目次の作成だけにアウトライナーを使うのはもったいない、というのが本書の趣旨。

自分のアウトライナーの使い方

以前はよくアウトライナーを利用していたが、最近はあまり使わなくなってしまった。暇だったためブログの記事を書くのに時間を割くことができたので、アウトライナーで入念に内容を練ってから書くようなことをしていた。ブログに投稿する直前までアウトライナーで書いていたので、書きながらつながりのおかしいところがあると文章を入れ替えたり見出しを付け替えたりが楽だった。

最近

職業プログラマーになって Vim を使うようになり、 Vim で書くのが一番速く書けるようになった。何でも Vim で書くようになり、アウトライナーは最初のアウトラインを考えるときだけ使うようになった。このようなスタイルではアウトラインが最初に固定されてしまい、つながりが不自然なところがあってもそのまま突き進むしかなく、文章を書いていて何とも言い表しようのない息苦しさがあった。1

アウトラインはどんどん変わっていくべき

アウトラインは決して不変なものではなく、文章を書いていてアウトラインが修正されていくのはよいことだといえる。アウトラインを修正しながら本文を書いて行くことができるのがアウトライナーのメリット。雑に書き出された断片的な内容を「シェイク」という過程で並び替え、論旨を整えていくプロセスが良い文章を書く上で重要。最初のアウトラインの作成にだけアウトライナーを使うのはアウトライナーのメリットを享受できずもったいない。アウトラインを先に作ってからの文章作成はウォータフォール型の開発に似ていると思う。アウトライナーで最初から最後まで書くのはアジャイル型の開発に似ている。小さく区切って作業を進め、こまめに振り返り、変化に対応することで良い成果物=読みやすい文章ができあがる。

アウトライナーで最初から最後まで書くことの問題点

アウトライナーで書けば万事オッケーかと言われるとそうとも限らない。書き終わった文書の管理が問題となる。

いま

memolist.vim で書いて Day One.app に保存している。 Terminal で grep するか Day One の検索窓で検索すると必ず目的のものにたどり着ける。

アウトライナーで文書作成

個々のファイルに内容が分断してしまう。こうなると検索しづらく、参照性が低い(「ファイルの壁」問題)。ただ一部のアウトライナーはこの問題に対応している(後述)。

アウトライナーで書いて Vim で Markdown 形式に整えて清書、 Day One に保存すれば検索できそうだが若干面倒くさい。しばらく頑張ってみる。

Mac で使えるアウトライナーいろいろ

Tree 2

個人的に一番よく使ってる。安くて機能シンプル。 iOS 版がないのがちょっと残念。

OmniOutliner

昔は OS にバンドルされてて、 .plist の拡張子のファイルを開こうとして勝手に立ち上がったりしてうざかった。最近の OmniOutliner は横にカラムを追加して Excel みたいな使い方できる。一見、地獄っぽい。Excel 方眼おじさんに OmniOutliner を与えると泣いて喜ぶかもしれない。

TaskPaper

実は TaskPaper はアウトライナーそのもの。タスクを書き出すという行為、アウトラインで考えを整理する行為に似てる。したがってよいタスク管理ソフトはアウトライナー的な側面を持つ。実際アウトライナーでタスク管理する人は多い。

MindNode

実はマインドマップも OPML (アウトラインプロセッサーの共通フォーマット)で書き出せるためアウトライナーとして使える。ミーティングなど大人数でブレインストーミングしながらアウトラインを作成するときは MindNode のようなマインドマップの方がよい。

WorkFlowy

WorkFlowy なら先述の「ファイルの壁」問題を解決してくれる。従来なら個々のファイルに分かれていたアウトラインを一つに統合し、個々の Node として扱う。ファイルは一つしかないので分断が起こらない。一つのアウトラインの中に自分のすべての思っていること・考えていることが保存される。

WorkFlowy は「ファイルの壁」を突破した使い方が出来るが、 SaaS なのでオンラインでないと使えない。飛行機の中などインターネットにつながらない場所でアウトライン書けない。完全ローカルで使える買い切り型の WorkFlowy があったら最高2。オフラインでも使えるインストール型のアプリの方が動作が速くて快適なのは自明だ。アウトラインが増えてくると結構高い Pro プランにしないといけないのもつらい(月額 $4.99)。

なお以下のリンクから登録してもらえると僕とあなたの無料で使える WorkFlowy のアウトライン数上限が 250 個増えるので登録してやってもよいという方は是非よろしくお願いします 🙇🏻

まとめ

自分の文章の書き方、アウトライナーの使い方を見直した。文章作成の大半の部分をアウトライナーで行い、 Vim を使うのは文章の最終仕上げ段階だけにとどめたい。そうすることでつながりのおかしい文章や読みにくい文章を避けることができる。

『アウトライン・プロセッシング入門』は Kindle オーナーライブラリにあって無料で読めるので Amazon プライム会員の人は読んでみるといいかも。よい内容は最初の方に集約されています。

おまけ

このブログの記事でアウトライナーで割と最後まで書いてた文章の例。

  • 家を買ったので得られた知見を共有します
    • 最初は普通に書いていたが文章が冗長で読みにくさを感じたので文章のダイエット目的で箇条書きにしてアウトライナーで書き直した。
    • はてブで 2000 ブックマークくらい付いた。
    • 箇条書きのつながりが良く読みやすかったのかもしれない。
  • 糖質制限で脱デブ成功しました
    • ほとんど最後までアウトライナーで書いたが「シェイク」不足。
    • 文章が読みにくく、ほとんどブックマークされなかった。

  1. 天性の Vimmer は「シェイク」(後述)も Vim で出来るかもしれない。 

  2. Google Chrome 限定だけどオフラインで使える Chrome アプリもあるっぽい。WorkFlowy - Chrome ウェブストア 

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The Hit List | Potion Factory

GTDとかToDo管理とかまじめんどくさいのでもう全部TaskPaperでいいや、みたいな記事を半年くらい前に書きました。(いい感じだぞ! TaskPaper

しかしTaskPaperよりも良いソフトにめぐり逢いました。The Hit Listというソフトです。これEspresso目当てで買ったMacHeist Bundle 3でゲットしたんですけど、期待してなかった割にとても良い!

予定には2種類ある

予定の管理系のソフトは大まかに二つに分けられるんじゃないかって気がしてます。一つはiCalのような、イベントとかプロジェクトとかを記述して行くもの。デカい予定とかはこっちの方が向いてそうです。一方でTaskPaperみたいなソフトはそういうのよりも、工程の管理とか、細々したタスクの管理に向いてそうです。

例えば今日は部屋の掃除をしようと決めたとする。そしたらおもむろに “部屋の掃除.taskpaper” というファイルを作成するわけです。そんで部屋の掃除のなかでやらなければならい細々した出来事をリストアップしていく。たとえばこんな感じ。

うーん、すごく掃除がはかどりそうですね。

このように掃除という大きなToDoの中の細かなタスクを書き出していくのにはTaskPaperが向いてるわけです。逆に「この日は掃除をしよう!」と決心して予定を書き込むような用途にはiCalが向いているということですね。そもそも週単位や月単位の予定をTaskPaperで管理するのは不可能でしょう。

The Hit Listは両刀遣い

しかしThe Hit Listはなんとこのどちらの用途もこなせてしまうわけです。こんな感じ。

Start DateとDue Dateが設定できるので、締め切りを意識しながらタスクをこなしていくのに最適な感じです。他にもTagやプロジェクトごとにToDoを管理したり、フォルダで分類したりもできます。さらには、タスクを階層管理することもできるんです。例えば掃除というタスクのなかに、コーヒーを入れて飲む、床を拭く、といった入れ子状に小さなタスクを所属させることも可能なのです。

とはいえ締め切りの入力とか面倒くさい。コーヒーを入れて飲むのにDue Dateもクソもあるかって感じです。だからこれらを端折ることも可能なんです(StartにTodayと自動入力される)。やるべきことを何も考えずにガスガス書き出していくという、TaskPaper的な使い方も可能なわけですね。

これら三つのソフトの概念を図示すると以下のような感じです。

The Hit Listはプロジェクトのようなでかい単位のタスクも扱うことができるし、息をするとか鼻毛を抜くみたいな細かなタスクも扱うことが可能なわけです。まさに両刀遣いですね。

The Hit Listと似たようなアプリにThingsがあります。こちらはiPhone版もあって人気ですが、The Hit Listの方はiPhoneアプリはまだ開発中だそうです。しかしタスクを入れ子にできるのはThe Hit Listだけ(Thingsでもできたらごめんちゃい)だし、タスクに予定所要時間を入力できたり、ショートカットキーが充実してたり、僕はThingsよりThe Hit Listの方が好きですね。

MacHeist Budle 3買ったけどろくにアプリを試してないって人は、是非The Hit Listを使ってみてください。まだパブリックプレビュー版だけど完成度高いです。

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TaskPaper

ちょうど一年前のMacHeistBundleで手に入れたTaskPaperがなんか良さげだ。これまで全然使ってきてなかったんだけど、調べてみたらいわゆるギーク系の人に人気があるらしい。なんと、TaskPaperに影響を受けた人が taskodone.com なるオンライン版まで作っちゃったみたい(しかも無料)。のみならず、Apple ScriptやRubyでこれらを同期したり、さらにはiPhoneのメモ帳と同期したりなんてことをギーク達が可能にしたらしい。スゲー。このソフト、アツいんじゃね?

実はこのTaskPaper、つい最近バージョンアップしてVer. 2になり、カリフォーニャ(に住んでそうな)ギーク達が公開してくれてたユースフルなTipsはいまんところ使えなくなってるみたい(Rubyスクリプトを動かして同期するTipを試してみたけどうまくいかなかった。僕のやり方が悪いだけかも知んないです)。ちょっと残念だけど、それでもギーク達に支持されるTaskPaperというソフトウェア自体がとても良い感じなので、今日はそれについてちょっと語ってみます。

GTDとかじゃまくさい

ToDo管理のソフトっていっぱいありますよね。iGTDとかOminiなんちゃらかんちゃらだとか、つい最近正式リリースされたThingsとか。他にもマインドマップがどうたらこうたらとか、頭がこんがらがりそうです。ていうかそもそもMac OS Xに標準でバンドルされてるiCalでだってToDo管理できますよね。

GTDだとかライフハックだとか、2年くらい前にすごく流行ったけど、はっきり言って目的と手段が倒錯しているような印象を個人的には抱いてました。だってGTDとかちょーめんどくせーんだもん。僕は無職ですが、無職なりにiSyncを使って携帯とToDoを同期させたりだとか、クオバディスやらほぼ日手帳やらを買ってみたりだとかいろいろやってみましたけど、タスクが発生したら、それを付箋に書いてモニターのはしに貼り付けとくとか、そんなんで十分なんじゃね? っていうのが個人的な結論ですね。

シンプル・イズ・サイキョー

で、TaskPaperが世にあふれるタスク管理ソフトの中でも異色なのは、これでもかっていうくらいにシンプルなところなんです。一個のタスクごとにウィンドウやらタブやらを開いて書き込むわけではなく、各々のタスクにタグ付けするなんていうしちめんどくさい(方言)ことはなしで、折り込みチラシの裏に買い物リストを書き連ねていくよう感覚で、じゃんじゃんToDoを書き込んで行けるんですね。それがサイコーにシンプルでクール!

ちょっと僕の個人的なToDoをさらしてみるとこんな感じすね。

TaskPaper ToDo

太文字で書いてあるのがProjectで四つありますが、こんな感じでProjectを自分で作って、そこにToDoを書き込んでいく感じです。各々のタスクにノートを付けることもできる。そしてタスクが完了したら、箇条書きリストのハイフンをクリックすることで、@done となるわけですね。チラシのうらに書いたToDoみたいに線を引いて消すことが出来る。心憎い演出じゃあないですか!

上では「タグ付けはじゃまくさい」と書きましたが、各々のタスクの後ろに、 "@Tag" と書き込むことで、タグによる分類も可能だったりします。タグ付けが好きで好きでたまらないタグフォビアのあなたのことも忘れていません。

加えてShift+Control+EnterのショートカットでQuick Entry Windowが呼び出せたりもします。ホットキーが好きで好きでたまらない、画面遷移が煩わしくてたまらないHUDポップアップ原理主義者のあなたのことも忘れていません。こんな感じ。

TaskPaper Quick Entry Window

アプリケーション自身が軽いことも特筆に値しますね。タグ付けやらカテゴリー分類やらパスワードやクレジットカード情報の管理やら誕生日ディナーの予約やら住宅ローンのシミュレーションやらラーメンの出前やら話し方教室の比較検討やら、何でもこなしてやるぞっていうリッチなアプリケーションとは対照的です。

違いの分かる男はTaskPaper!

たしかにTaskPaperだとiCalとシンクしたりだとか、そういうことが簡単にはできません。iPhoneとの連携も知恵がいります。しかーし、もっとも多くの時間を過ごすであろうMacの前でじゃんじゃんToDoを書き込んでいけるのはサイコーにシンプルでクールです。

まぁこの辺は最終的にはその人のライフスタイルや価値観次第なんだけど、僕は気に入りました。無職もオススメするTaskPaper、どうですかお客さん! シェアウェア29.95ドルです。