プライベート・ライアンをレンタルして見た。
Gigazineにプライベート・ライアン冒頭のオマハビーチ上陸シーンをたった三人で再現、みたいな記事が出てて、それを見て無性にまた映画を見たくなって、レンタルした。
やはり冒頭のオマハビーチ上陸シーンは圧巻である。一般の戦争映画は人間の手足がちぎれたり、はらわたを露出して苦しむ兵士の姿は出てこない。爆弾が落ちても、迫撃砲でやられても、建物が壊れて人が五体満足のまま飛び跳ねるだけだ。
しかし建物を破壊するような威力のある砲弾が人体に当たれば、どんな結果をもたらすかは明らかだ。四肢が飛び散り、人間の体はミンチになってしまうのだ。
そういう戦場の真実を再現している点で、プライベート・ライアンはすごい。
上陸シーンで印象的なのが、人海戦術だ。冒頭、揚陸ボートの前方ハッチを開けた瞬間、ドイツ軍の機銃掃射で兵士たちが次々死んでいく。しかし撃たれても撃たれても次々にボートが到着し、兵士がビーチに向かって前進する。海はアメリカ兵たちの血で真っ赤に染まる。
そもそもノルマンディー上陸作戦全体では、あまり大した被害は出ていないらしい。唯一オマハビーチ上陸作戦だけが死傷率50%を超えるという凄惨な状況だったようだ。
これには作戦上のミスがいくつかあったらしく、戦車を運んでいた揚陸艇が高波にさらわれて、すべての戦車が水没したらしい。そのためビーチで兵士たちをドイツ軍の機関銃から遮る物がなにもなく、被害が拡大したようだ。
僕はプライベート・ライアンの後に、現代の戦争をテーマにした『ブラックホーク・ダウン』という映画を見たんだけど、プライベート・ライアンでは負傷した兵士が結構放って置かれる印象を受けた。少なくとも、戦闘が終わるまではどんなに怪我をしようとも構ってもらえない。まあそれが戦場のクールな現実だと思うんだけど、ブラックホーク・ダウンでは、ちょっとでも味方兵士が負傷すると。「Medic!(衛生兵)」という怒号が飛び交う。