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ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのリバイバル上映を見ました。良かった。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブってのはキューバにあった伝説のダンスクラブで、昔は流行ってたんだけど潰れてしまった店のことです。そこに出入りしてたミュージシャンたちは長らくキューバ国内でも忘れられた存在で、ミュージシャンの中には音楽をやめて靴磨きをして糊口をしのいでいた人もいたんだけど、キューバ音楽の素晴らしさに魅せられたアメリカのロック歌手ライ・クーダーが、老いさらばえゆく伝説のミュージシャン達を集めて名曲の数々をスタジオで録音したのでした。この映画はライ・クーダーとブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの活動をヴィム・ヴェンダースが撮影したドキュメンタリー映画なわけです。僕はそもそもライ・クーダーのこともよく知らないんですけど、失われつつあるキューバ音楽の名曲郡をきちんと録音して残しておきたいという姿勢は素晴らしいなと思いました。

僕はブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの映画が公開されてた頃、雑誌とかで良くとり上げられてたのを見て、映画は鑑賞せずにCDだけ買いました。CDを買ったのは19才くらいの頃だったんですけど、正直全然良さが分からなかった。シャレオツ雑誌に騙されてまた無駄なもんかっちまったーなー、って当時は思いました。それが去年の夏、たまたまiTunesに入ってたブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのアルバムを聴いたらなんだかしみじみと良さが分かってきた。僕ももう30手前のオッサンですから、それなりに人生いろいろあったわけでして、それで良さが分かるようになったのかなー、って思ってます。

で、映画を見て初めてスペイン語の訳詞を読んだんですけど、正直歌ってる内容がどうで良いこと過ぎてビビりました。誰それの家が火事だとか、どこどこの牧場でパーティをやっているだとか、あの娘のケツがたまらんだとか云々。でも苦労が多かったミュージシャンそれぞれの人生が演奏ににじみ出てて良い。やっぱ人生はアニータみたいな中南米出身の悪い女の人に騙されてこそだな、と思いました。僕も悪い女の人に騙されて身も心もズタボロにされたいです。