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 『鴨川ホルモー』を読みました。結構面白かった。

 簡単なあらすじ。主人公は京大生。大学入学後のある日、時代祭の仮装行列のアルバイトに参加したあと変なサークルにつかまる。食費を浮かせるために行った新歓コンパでかわいこちゃんに一目惚れし、変なサークルに加入した主人公が友情・恋愛に猛進する青春グラフィティ。

 小説には二つ面白さがあると思う。読んだ後胸を締め付けられる系と、読んだ後さっぱりしててご飯もおいしくいただける系。『ノルウェイの森』なんかは前者だと思うけど、この本は間違いなく後者。軽い気持ちで読むことが出来ます。宗田理のぼくらシリーズみたいな感じかな。読んだ後憂鬱な気分になって友達に変なメールを送ったり、感傷的になって誰かに八つ当たりする可能性はゼロに近いです。文中に少し難しい言葉が出てくることがあるけど、内容自体が難しいわけではないので中高生が読んでも楽しめるでしょう。

 この本を読むには簡単な京都の地理が分かっていた方が良いかも。京都を旅行した後なんかには楽しめるでしょうね。僕はわりと京大に近いところに入院していたので話が分かりやすかったです。あと陰陽道とか出てきて内容は激烈ファンタジックなんだけど、京都には確かに魑魅魍魎とか住んでいそうでリアリティーを感じてしまいました。

 ちなみに、著者の万城目学さんは大手企業で働いていたのに退社して小説を書き、新人賞に応募するも落選する日々を過ごしていたのですが、そんな生活に見切りをつけ資格学校に週三日通っていたときに受賞の知らせを受けたそうです。なかなか面白そうな人です。受賞の言葉、面白いですよ↓

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 いま立花隆の『農協』(朝日文庫)を読んでいます。まだ最後まで読んでいないのですが、メモ的に少し記述しておきます。

 まず、僕が少し前の記事(直売所の野菜に思う)で示したいくつかの認識は誤りであることが分かりました。当該記事で僕は、

  1. (販売面で)農協は農民から搾取している
  2. 農家は農協に野菜を出すほか選択肢がない
  3. JA-SSの存在意義はない

などと述べていますが、かなりの誤りを含んでいます。

 まず1.についてですが、これは明確な誤りでした。そもそも農協というのは、農民の利益を確保ために存在しているのです。戦前、農民は流通業者や食品加工業者に農産物を買いたたかれ、大変損をしていたようです。このプレミアムを農民の手に取り戻そうというのが農協の目的で、農協自身は利益を出さないように設計されています。利益が出たとしても組合員たる農民に利益は還元される仕組みなのです。だから農協が農民から搾取なんてするはずがないのです。搾取するとしたら、我々一般消費者からですね。

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 黒川温泉の名物旅館経営者と温泉教授の対談本、『黒川温泉 観光経営講座』(光文社新書)を読みました。温泉街の旅館の経営ってスポーツチームの経営に近いですね。

 二月くらい前に日経の経済教室で読んだんですが、スポーツの経済学というのがあるらしいです。分野としては応用ミクロですかね。スポーツチームの利潤最大化というと勝利を挙げ続けることのように思われますが、それは広告塔としかスポーツチームが認識されていない場合。純粋にスポーツチームの運営で利益を上げようとするなら、最多勝利を目指すのではなく、他チームとの調和の取れた勝利を目指すべきと言うことでした。

 ただしチームの監督は勝利を追求しようとするので、経営者たるオーナーはいかに監督と利害が合致した契約を結ぶかが重要となってくるようです。このあたりはまったくもって契約理論ですね。当該記事をスクラップしておけば良かったのですが、無くしてしまったのでここから先のステップを忘れてしまいました。

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 読了。先日のAERAの記事を読んで以来、Googleの動向とWeb2.0の動きに興味があったので手に取ってみた(portal shit! : ウェブ民主主義、検索民主主義)。

 『ウェブ進化論』の方が内容が一般向けでないと思った。また著者の梅田望夫氏自身が後書きにも述べているが、Googleの動き、Webテクノロジーの流れに極めて楽観的である。翻って『グーグル Google』の著者の佐々木俊尚氏の方は、元新聞記者らしく、テクノロジーの暴走に憂慮の念を表明している。しかし『グーグル Google』は後半がぐだぐだで、Google AdSense問題に関連して服部弘一郎氏のブログ 新佃島・映画ジャーナル から引用しているのだが、Google AdSense顛末記(十) というエントリーのコメント欄に

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AERA '06.6.5 病院で今週号のAERAを買って読んでいたら、バックナンバーのページに興味深い紹介文が。AERA '06.6.5 では、「昔の『春樹』に会いたい」という記事があったようだ。これは読まねばなるまい。バックナンバーを手に入れようと病院最寄りのASAに赴くも、「AERAのようなもんは置いてない」とあしらわれる。しょうがないので購入を諦め、漸く県立図書館にてバックナンバーにありつきました。

 うーん、やっぱり僕だけじゃないわけですね。皆さん「昔の方が良かった」と思っておられるようだ。村上春樹と同年代でリアルタイムに読んでいた人、40代の青春時代を春樹作品とともに過ごした人、30代のバブル世代、10代、20代の若者、各々の年代のハルキストたちはビールを飲み、ぴりりとからしのきいたハムとキュウリのサンドウィッチを囓る「僕」を求めているようです。

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 先日、 DVDで『ビューティフル・マインド』を鑑賞したので、経済学を学んでいた頃が懐かしくなって紀伊國屋で経済学のコーナーを冷やかした。つもりだったが、結局二冊買ってしまった。一冊は恩師の著したミクロ経済学のテキストで、半分仁義で購入。もう一冊は『経済学という教養』という本で、数ページ立ち読みしたところすこぶる面白そうな内容のため購入した。

 『経済学という教養』という本はかなり興味深い内容だ。経済学者ではない人文系の人が書いている本だけど、冒頭でソーカル事件とやらを登場させていて、とても興味を引く。僕はこの事件のことなんて露程も知らなかったけれど、ソーカルという自然科学系の学者が、ポストモダンの連中が自然科学用語を正しく理解せず修辞のために論文中で乱用していることに業を煮やし、自らでたらめに書いた論文をポストモダン系のジャーナルに投稿したら採用されてしまって、そのことを暴露したという、とても痛々しい事件らしい。

 恩師の本は一生かかっても読み通せるか分からないが、この本は楽しく読むことができそうである(笑) 久々に教養書を読むぞ!

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 阿部和重の『ニッポニアニッポン』を読了した。

 阿部和重という作家を知ったのは、大学の指導教官にすすめられてである。先生は経済学者だが文学や映画、思想にも造詣が深く、勉強の良くできない僕は経済学の話よりも本や社会現象などの話を先生と良くしていた。

 最初に手に取ったのは『シンセミア』である。先生が本当に面白いからと推薦してくださった。しかし『シンセミア』は阿部和重を読むに際して最初に手に取るべき本ではなかった。あまりにも量がヘヴィーだし、徹底して細部までしつこく書かれた世界観は、その手の本を読み慣れていない人には苦痛でしかない。

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