阿部和重の『ニッポニアニッポン』を読了した。
阿部和重という作家を知ったのは、大学の指導教官にすすめられてである。先生は経済学者だが文学や映画、思想にも造詣が深く、勉強の良くできない僕は経済学の話よりも本や社会現象などの話を先生と良くしていた。
最初に手に取ったのは『シンセミア』である。先生が本当に面白いからと推薦してくださった。しかし『シンセミア』は阿部和重を読むに際して最初に手に取るべき本ではなかった。あまりにも量がヘヴィーだし、徹底して細部までしつこく書かれた世界観は、その手の本を読み慣れていない人には苦痛でしかない。
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以前読んだ『プラハの春』の続編である(