以前読んだ『プラハの春』の続編である(portal shit! : 『プラハの春』読了)。まぁ面白かったけど、過剰な性描写が煩わしかった。結局、著者が若い頃いかにもてたかが綴られているわけである。お人形さんみたいな顔をしたドイツ人女性と恋をしたいという、どうしようもない中年オヤジの妄想を満たすには十分かも知れない。性描写の頻出度合いといい、総じてオッサン向けの本である。
著者は「共産主義は本質的にペテン」だと主人公に何度も語らせ、共産主義の虚構性について語ろうとしている。一般市民は生鮮食品を十分に口にできず苦しんでいるのに、共産党の幹部は良い暮らしをしているとか、そういった共産主義の矛盾を物語ろうと躍起である。しかし僕が驚くのは、外交官の贅沢な暮らしぶりである。海外に駐在する外交官は高価なブランド品を身につけ、メルセデス・ベンツやBMWを乗り回し、パーティーに明け暮れ、高級住宅街に住むのである。服や車は私費で買っているのかも知れないが、パーティーや住居費は税金が使われているはずで、共産党の幹部もひどいが、それを批判する外交官も血税で随分贅沢をしているようで矛盾を感じた。
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