| @技術/プログラミング

Vimmabilityのなさ

TDD Boot Camp福岡で生まれて初めてペアプログラミングを経験した。自分のVimmabilityが思いの外低く焦った。書くの超とろいし、Rubyも全然分かってないしペア組んでもらった人に迷惑かけまくりな感じ。会社では誰もVimとか使ってなくてみんなEclipseとか秀丸使ってるし、周りにVimmerがいないので自分がどんなにしょぼいVim使いなのか気づいてなかった。

とりあえず今回、ペアを組んだ @mallowlabs さんに cw とか <数字>y とかを教えてもらった。あと

Vimでバックスペース使ったら負けだから

と言われてしまったのでバックスペースと矢印キーをなるべく使わずにプログラム書きたいと思います。でもTextMateとかCodaとか便利だからついつい使ってしまうんよね…。

プログラムが全然書けない

思ってたよりもプログラムができないことに気がついた。お題を与えられて、制限時間があるなかでコードを書いていかなければならない。しかもペアプログラミングなので一人でちんたら時間をかけて書くわけにもいかない。そしてやっぱ人に見られてると緊張する。Rubyの基本的なメソッドとかが分かってなくて教えてもらいながら書いてたけど、わからないと緊張してしまって頭が真っ白になって何も書けなくなる。いつもリファレンス本を片手にコードを書き捨てていたので、よくないなぁと思った。

というか、そもそも自分は仕事であまりコードを書いてないのだ。TDD Boot Campに来てる人たちはみんな公私ともにばりばりコードを書いててとても楽しそうだった。なんだかとても羨ましかった。

いろいろ考えないとなー、と思わせられた勉強会だった。

| @技術/プログラミング

シェルの履歴から適当に拾って

CONFIGURE_OPTS="--with-readline-dir=`brew --prefix readline` --with-openssl-dir=`brew --prefix openssl` --with-gcc=clang" rbenv install 2.1.2

とやったら nokogiri のインストールでこけた。

gem install nokogiri
Building native extensions.  This could take a while...
Building nokogiri using packaged libraries.
ERROR:  Error installing nokogiri:
        ERROR: Failed to build gem native extension.

    /Users/morygonzalez/.rbenv/versions/2.1.2/bin/ruby extconf.rb
Building nokogiri using packaged libraries.
checking for iconv.h... yes
checking for iconv_open() in iconv.h... no
checking for iconv_open() in -liconv... no
checking for libiconv_open() in iconv.h... no
checking for libiconv_open() in -liconv... no
-----
libiconv is missing.  please visit http://nokogiri.org/tutorials/installing_nokogiri.html for help with installing dependencies.
-----
*** extconf.rb failed ***
Could not create Makefile due to some reason, probably lack of necessary
libraries and/or headers.  Check the mkmf.log file for more details.  You may
need configuration options.

Provided configuration options:
        --with-opt-dir
        --without-opt-dir
        --with-opt-include
        --without-opt-include=${opt-dir}/include
        --with-opt-lib
        --without-opt-lib=${opt-dir}/lib
        --with-make-prog
        --without-make-prog
        --srcdir=.
        --curdir
        --ruby=/Users/morygonzalez/.rbenv/versions/2.1.2/bin/ruby
        --help
        --clean
        --use-system-libraries
        --enable-static
        --disable-static
        --with-zlib-dir
        --without-zlib-dir
        --with-zlib-include
        --without-zlib-include=${zlib-dir}/include
        --with-zlib-lib
        --without-zlib-lib=${zlib-dir}/lib
        --enable-cross-build
        --disable-cross-build

extconf failed, exit code 1

Gem files will remain installed in /Users/morygonzalez/.rbenv/versions/2.1.2/lib/ruby/gems/2.1.0/gems/nokogiri-1.6.2.1 for inspection.
Results logged to /Users/morygonzalez/.rbenv/versions/2.1.2/lib/ruby/gems/2.1.0/extensions/x86_64-darwin-13/2.1.0-static/nokogiri-1.6.2.1/gem_make.out

Installing REE with rbenv with iconv support and Homebrew — eddorre という記事を参考に、 --with-iconv-dir オプションをつけて Ruby インストールしたらうまくいった。

CONFIGURE_OPTS="--with-readline-dir=`brew --prefix readline` --with-openssl-dir=`brew --prefix openssl` --with-iconv-dir=`brew --prefix libiconv` --with-gcc=clang" rbenv install 2.1.2

| @Mac/iPhone

ApplicationIcon.175x175-75.png (175×175)

MacVim で Markdown 形式で文章を書いて Marked.app でプレビューしてた。 Marked.app 、便利なんだけどリストのネストの解釈が GitHub とかの Markdown と違ってて、スペース 4 つ入れないといけないのがだるかった。あとコードのシンタックスハイライトも GitHub のに比べたら弱い。やはり GitHub Flavored Markdown で Markdown をプレビューしたい。

ここを読めばやり方が書いてある。

GitHub Flavored Markdown と互換にしたいなら結局 GitHub が使っていると公言している redcarpet と pygments.rb (と Python の Pygments )がいることになる。 Docter というその辺の gem をラップする Node.js 製のソフトを使えと書かれているけどいらないものは入れたくなかったので gem install pygments.rb redcarpet するだけにとどめた。

rbenv とか rvm でインストールした Ruby のバージョンで gem をインストールして使おうとすると失敗するらしいのであまり気が進まなかったけど sudo つけてシステムルビーにインストールした。

そんでもって同じ URL に書いてある Docter の Docter/bin/github-flavored-markdown.rb at master · alampros/Docter をパクってちょっと改変してから使うことにした。これをテキトーな名前で保存して chmod a+x する。

なんか HTMLwithPygments#header は引数三つ受け取れるようにしてないとエラーになるっぽい。あと style は Marked で当たるのでここで当てる必要なさそう。

Marked.app 側の設定で Custom Markdown Processor にチェックを入れてファイルのパスを指定すればオッケー。

Marked.app でも GitHub Flavored Markdown に近いかたちで Markdown のプレビューができるようになるのでドキュメント大量生成するしかないですね。

| @技術/プログラミング

Rails で public_activity.gem を使っていて、 activities テーブルにレコードが追加されたタイミングで callback を仕掛けたい衝動に駆られた。ちょっと調べてみたけどやり方が見つからなかったので、チームの人と相談して以下のようにした。 public_activity は PublicActivity::Activity というモデルを gem の中に持っていて、こいつが belongs_to :model になる。

なのでこのモデルクラスを open して以下のように記述した。

# RAILS_ROOT/lib/public_activity/activity.rb

module PublicActivity
  class Activity
    after_create do
      HogeHogeMailer.send_mail(self.trackable).deliver
    end
  end
end

ただしこのファイルを config/initializers/ とかで require してやらないと Rails がファイルを読み込んでくれない。 Rails.application.config.autoload_pathslib/**.rb とかを追加しとけば自動的に読み込まれるんじゃないかなと思ったけどそうじゃなかった。 Rails の autoload は、 ConstMissing という例外が発生したときに定数の名前からファイル名を推測して require するらしい。名前が既に定義済みだと ConstMissing 例外が発生せず autoload では読み込まれないので明示的に読み込む必要があるということらしい。

読み込みされていないクラスを使用すると ConstMissing という例外が発生します。 この部分に介入して autoload_paths の中に規約に合うファイルがあるか確認します。 存在する場合は読み込みします。 存在しない場合は ConstMissing を発生させます。

Rails の自動読み込みの話 - そんなこと覚えてない

ナルホディウスですぞ〜!!!

そのうち忘れそうなのでここに書き記しておきます。

| @技術/プログラミング

Fukuoka.rbで Ruby で連続するダブルクオートの扱いについて @nagachika さんに聞いたら面白い話が聞けた。

Lokka のテストで FactoryGril でフィクスチャーデータ作ってるところに、以下のような文字列があった。

  factory :post do
    association :user
    sequence(:title){|n| Test Post #{n}” }
    body <p>Welcome to Lokka!</p><p><a href=“”/admin/“”>Admin login</a> (user / password : test / test)</p>”
    type ‘Post’
    created_at create_time
    updated_at update_time
  end

この body の部分で、ダブルクオートが連続して書いてある場所があって、ここがらみでテストを流してたら失敗する現象に遭遇した。テストに失敗したときのメッセージは以下。

Failures:

  1) Post markup default should == “<p>Welcome to Lokka!</p><p><a href=/admin/>Admin login</a> (user / password : test / test)</p>”
     Failure/Error: it { post.body.should == post.raw_body }
       expected: “<p>Welcome to Lokka!</p><p><a href=/admin/>Admin login</a> (user / password : test / test)</p>”
            got: “<p>Welcome to Lokka!</p><p><a href=\”/admin/\”>Admin login</a> (user / password : test / test)</p>” (using ==)
     # ./spec/unit/post_spec.rb:56:in `block (4 levels) in <top (required)>

なんか expect の方で HTML 内のダブルクオートが省略されてる。ダブルクオートが連続してるのが怪しいなと思って、文字列内でダブルクオートが連続したら、一つ目の はエスケープ文字列みたいな扱いになるのかなと思った。

しかし実はそうではなくて、 @nagachika さんの説明によると、ダブルクオートが連続した場合、一つ目の " で文字列の終端と判定される。すぐ右隣の " は新しい文字列の開始と見なされ、結果としては文字列として連結されるらしい(C 言語由来の慣習とのこと)。

たとえば、次のような文字列は

<p>Welcome to Lokka!</p><p><a href=“”/admin/“”>Admin login</a> (user / password : test / test)</p>”

“<p>Welcome to Lokka!</p><p><a href=“”/admin/“”>Admin login</a> (user / password : test / test)</p>” という三つの文字列と見なされ、クオートとクオートの間に何も挟まらないので自動的に一つの文字列として連結され、以下のようになる。

<p>Welcome to Lokka!</p><p><a href=/admin/>Admin login</a> (user / password : test / test)</p>”

これ、なぜいままで Lokka でこの状態で CI のテスト通ってたのかわからないけど、今日 wercker で CI の設定していてテストが通らなくてこの問題に気がついた。同じように手元でテスト実行しても落ちた。ひょっとすると Ruby 2.1.0 で落ちるのかも知れない。いずれにせよ "" は使わない方が良さそうなので修正して Pull Request 出そう。

| @技術/プログラミング

このブログを Capistrano 3 でデプロイするようにした。こちらを参考にした。

一点、 deploy:restart 内で、 invoke メソッドで他の namespace の task を呼び出すところ

The deploy has failed with an error: #<NoMethodError: undefined method `verbosity' for "/usr/bin/env unicorn:restart\n":String>

というエラーが出てた。調べたらどうも sshkit のバグっぽかった。

最新版では Pull Request マージされてて治ってるぽかったので Gemfile で

gem 'sshkit', github: 'capistrano/sshkit'

と書いておいた。

Capistrano 3、他の gem いれなくても色付いたりマルチステージになってたり rbenv 対応しててモダンになってると思った。あとシンボリックリンク作ってくれる task が便利。

| @労働

この記事は 闇アドベントカレンダー、 22 日目の記事です。何書こうか迷って担当日に書けなかったので三日ほど遅れてしまったけど書きます。


2011 年の 10 月から FANIC という音楽配信サービスの開発に携わっていたのだけど、サービスを成長させることができず、 2013 年の 8 月にサービス終了した。

サービスが死ぬのは技術者がクソだということだけではないと思う。市場とか外部環境に左右されるし、企画とか売り方がダメなことの方が多いと思う。しかし現実に自分はプログラマーとして FANIC というサービスの死に荷担してしまった。弔いになるか分からないけど、 FANIC で何がよくて何が良くなかったのかを書いてみたいと思う。

FANIC とは

FANIC は主にアマチュアのミュージシャンをターゲットにしたホームページ作成&音楽販売サービスで、アーティストは自分の公式ホームページを簡単に作ることができ、楽曲をアップロードして試聴公開したり、リスナーに販売することが出来た。月額利用料は 315 円で、曲が売れたときに手数料 15.75 % が従量課金される仕組みだった。 2012 年の 1 月に公開して、 2013 年の 8 月 31 日にサービス終了した。

FANIC に携わることになった経緯

ペ社に入社したのは 2 年前の 10 月だった。前の職場がどうしようもないブラック企業だったことは前に書いた。

会社の開発環境が地獄のレガシー環境だったので面談で社長に Subversion やめて Git 使いたいと言ったら、「会社が気に入らないならさっさと辞めろ」と言われたので、何とか反省して心を入れ替えたふりをしながら職探しをしていたところ、 Rails 、 Node.js 、 Redis 、 MongoDB 、 Nginx 、 AWS みたいな福岡の求人にしては珍しくナウいキーワードで募集していたのがペ社の Dazaifu Project だった。

プロジェクトの紹介ページが何となく面白そうだったのと Rails で仕事できそうだったので応募した。小さなチーム、大きな仕事を読んだり、RubyKaigi 2010 に行ったこともあって、DHH や RubyKaigi で登壇していた人達みたいにとにかく Ruby で仕事したいという思いが強かった。前の職場でも Ruby を使いたかったけど ColdFusion や Flex など旬を終えたプロプライエタリなテクノロジーばかりを触らないといけなくてとにかくつらく、わらをもすがる思いで求人応募フォームを送信した。

8 月に応募して 9 月に内定が出て 1 ヶ月後にペ社に入社した。入社するまで配属先を知らなかったんだけど、 Dazaifu Project の物販系と音楽系の二つのサービスのうち音楽系の方に配属されることになった。それが FANIC だった。

FANIC で良かったこと

一つのプロジェクトに集中できる

受託の会社とかだと受託案件があって、案件ごとにメンバーがアサインされるから同時並行的に二つか三つを掛け持ちで担当するということがあるけど、自社サービスの会社では基本的に一つのサービス(案件)にかかりっきりで仕事をすることができた。これがとても良かった。午前中に A 社の対応をして午後から B 社、夕方からまた A 社のタスクに取りかかって 20 時から終電まで C 社対応、みたいな複数の仕事の切り換えがない。タスクの切り換えにはオーバーヘッドが発生するから、一つのことにかかりきりになれる自社サービスの仕事はとてもやりやすかった。加えてプログラミング言語はずっとやりたいと希望していた Ruby だったので言うことなしだった。会社に行くのが楽しかった。

ナウでヤングなアーキテクチャー

求人に上に書いたようなナウいキーワードを混ぜていたのは先輩の @linyows さんで、FANIC はインフラは AWS を利用し、データベースに MongoDB 、音楽や画像は S3 に保存して、WAV や AIFF でアップロードされた音楽ファイルを試聴用の MP3 に変換するバッチ処理や、画像を S3 から取り出すリアルタイムリサイズサーバーは Node.js で実装してあった。フロントエンドのアプリケーションは Rails で構築されていて、自分は主に顧客管理とか決済部分なんかを開発した。

ペ社では通常、インフラを担当する専任のチームがサーバーの面倒を見る。しかし Dazaifu Project はスモールスタートを掲げていたので、インフラも @linyows さんが一人で構築していた。今自分が配属されているサービスは結構でかくて、サーバー管理はインフラチームが担当し基本的に自分たちで設定を変えたりサーバーを構築したりすることはない。ちょっと Nginx の設定を書き換えるのにも申請書出してハンコリレーしたりしないといけない。おかげで凡ミスで 500 エラーみたいなことにはなりにくい仕組みになってるんだけど、リリースのスピードを上げにくい。そういう状況からすると、 FANIC でミドルウェアのバージョンを上げるのなんかも部署間の調整が必要なくさくっと出来たのはとても良かった。加えてデータベースが MongoDB だったため、データ構造の変更が柔軟に出来たのも良かった。

社内でいち早く CoffeeScript 使ってみたほか、ペアプログラミングもやってみた。かなり疲れるけど集中して取り組めるし、プログラマー間で仕様を共有できるのでこれは良いものだと思った。 FANIC のおかげでずいぶん成長させてもらったと思っている。

FANIC でつらかったこと

FANIC ですべてが良い方向に向かっていたかと言えば、決してそうではなかった。技術的にもプロジェクト運営的にも、苦しい部分が多々あった。

MongoDB で金の計算

技術的にはまず MongoDB で金の計算をするのがつらかった。

決済部分の開発で MongoDB の Embedded Document でかなり苦しめられた。契約 Collection の中に Embedded Document として請求と入金があるという構造だったけど、契約日と入金日が月をまたいでいて、一つの契約 Document 内にある Embedded Document をそれぞれ別の月の入金と請求とする必要があり、かなり苦しい感じだった。前受金の概念とかも Document 指向のデータベースで対処するのは地獄的な感じがした。Document の中に何でもスポスポーと Embedded Document を突っ込んでいけるのは便利なんだけど、親 Document と Embeded Documet を別の文脈で使おうとするときに困難が生じると思った。

MongoDB を大規模に利用している CA 社も JOIN ができないので金関係だけは MySQL でやっているという話を聞いたことがある。金の計算をするときに JOIN の代わりに Map Reduce する必要があったけど、自分が開発に利用していた頃の Mongoid (MongoDB 用の ActiveRecord 的なやつ)は Map Reduce に対応しておらず、 Rails のモデル内に Map Reduce 用のクエリ(MongoDB のクエリは JavaScript で書かないといけないので Rails のモデル内にヒアドキュメントで JS が書いてあるという地獄っぽい感じになる)を書いたりした。Map Reduce しないのであれば二重 Loop でグルグル処理を回さなければならず、毎度これを Ruby にやらせるのはパフォーマンス的にしんどかった。総じて MongoDB は大量のデータを集計したりするのには向いてないかなーという印象を持った。それぞれを独立したドキュメントとして利用する機会が多いタイプのアプリケーションには向いてる気がする。設定情報の保存とかブログ記事の保存とか。金系のデータが沢山入っていてそれを月ごとに集計してどうのこうのとかやるときがつらい。

Mongoid のため便利 gem が使えない

Rails エコシステムの中で MongoDB は少数派だから、様々な便利 gem が ActiveRecord に依存していて使えないことがあったのも困った。たとえば ActiveAdmin が ActiveRecord に依存しているために利用することができず、顧客管理を一から実装しなければならなかった。なければ作る or Pull Request 出して取り込ませる、というようなマッチョマンじゃないと Rails でレールから外れるのは厳しいと感じた。

リーンスタートアップできていなかった

プロジェクト運営的には、チームの目標とか優先順序の付け方とかがハッキリせず、行き当たりばったりな開発・運用になっていたのがつらかった。

2012 年の春、『リーンスタートアップ』が流行ってた。みんな本買って読んでて、社内で antipop さんによる講義とかもあった。でもリーンスタートアップは本当に難しくて、誰でもリーンスタートアップ読めば新規事業で成功できるわけではないと思う。サービスの企画立案者が有能なだけでは不十分で、起業家に加えて、極めて優れたエンジニアが付帯していないと厳しいと思う。自分たちに必要だったのはリーンスタートアップを読むことではなかった気がする。全然そのレベルに到達していないという感じだった。

思い込み・お問い合わせベース開発

リーンスタートアップには、仮説の検証をものすごい速度で行ってフィードバックループを回さないといけないと書いてあるけど、そもそも自分たちには仮説の検証方法が存在していなかった。本に書いてあるとおりに様々な仮説を素早く検証していくには、企画担当者がやりたいと思ったことを一週間くらいで実装して次々に仮説を検証していかないといけない。A/B テストをやるにしても、A/B テストをやるための仕組み作りが大変だと思う。オープンソースで使えるものに Cookpad の Chanko とかあるけど、 MongoDB がネックになって利用できなかった。自分たちでそういう仕組みを作るにはかなり多くの時間を作らなければならなかったと思う。結局思いつきやお客さんからのお問い合わせベースで開発する機能が決定されて実装されていった。お問い合わせが結構あったから 1 ヶ月以上かけて実装してみたのに全く使われない機能とか、これは絶対に行けるはずと自分が思い込みで提案して実装したのに全く使われない機能とかあって、全然良くなかった。

ちなみに↓のスライドではてなブログのリーンな開発風景が紹介されてるけど、情報収集のところで紹介されてる手法を真似しようとするとかなり大変だと思う。雑魚いエンジニアしかいないとここまでやるのは難しい。

技術的に正しいことをしようとこだわりすぎて中途半端になっていた

入社した頃、テストを書くという習慣がプロジェクトになかった。プロジェクトに加入した初期の頃から自分はなるべくテストを書こうとしていて、テストを書く習慣を定着させたつもりだったけど、これも良かったのか悪かったのか分からない。テストを書くとどうしても時間がかかってしまう。 TDD BootCamp Fukuoka Vol.2 できしだなおきさんが言っていたんだけど、テストコードがあるとプロダクトコードのメンテナンスに加えてテストコードのメンテナンスも必要になる。そうすると俊敏に動くということが難しくなる。自分はテストを書くことに時間をかけすぎてしまってサービス開発のスピードを鈍らせていたような気がする。

テストを書いたりリファクタリングをしたりしないのは正しい行いではないと思うけど、会社に雇われて給料をもらっている以上、サービスを成長させることがエンジニア云々以前にサラリーマンとして大事だと思う(『情熱プログラマー』とかにも書いてある)。特にプロジェクトの最初の段階では、技術的な理想を追求するよりも、不完全でも良いのではやく製品を投入して一つでも多くの仮説を検証して学びを得ることの方が重要なのではないかと思った(Minimum Viable Product)。

自分のプロダクト感を持てていなかった

サービスに対して、「自分たちのプロダクトだ」という感覚が希薄だったと思う。そもそも hitode909 さんのスライドみたいにドッグフード食べてなかった。自分の FANIC 上のページは検証用に作ったインターネット上のゴミみたいなページだった。

みんなビラ配りとかオフィス外での宣伝活動とかに消極的だったし、このプロジェクトがぽしゃったら失職する、みたいな危機感が希薄だった。自分は机に座ってプログラミングできればそれでいいみたいな感じがあった。口ばっかりで手が動いてなかった感がある。

地元の野外フェスとかに行ってビラ配るとかオフラインでの宣伝が必要だったのかもと思う。終わるって決まったとき、やりきった感がなかった。これでうまくいかないなら仕方がない、と思えるところまでやれてなかった。

エンジニアであってもプロジェクトの当事者意識を強く持たなければならないのだと思う。いまいくら自分たちが稼いでいて、あといくら稼ぐと黒字になるのかとか、どのくらいのスピードで成長していかなければならないのかとか。

チームの雰囲気が良くなかった

一番の苦しかったのはこれだと思う。

いま思い返してみると、 1 年半の間でチームのメンバーが揃って食事をしたのは 1 回くらいしかなかった。お互いへの理解が欠如していたような気がする。雰囲気悪かったからサービスが崩壊したのか、サービスがうまくいっていないからギスギスした感じになったのかは分からない。ただ、雰囲気の良くないチームが作る製品が良いものになることは基本的にないと思う。

FANIC を離れたあとも、会社を挙げて永和システムマネジメント社の講習を受けてスクラムに取り組んだりしてる。しかし結局どんなプラクティスを導入しようとも、チーム内でコミュニケーションが取れていないと技術的に見過ごすことの出来ない問題に気づけず非常に大きな手戻りが発生したり、仕様上の大どんでん返しがやってきたりする。技術的に足りない部分があったとしても、コミュニケーションが機能していたらカバーできたのではないかと思う。

結論

結論としてはチームで寿司を食べたりするしかないと思う。銀しゃりのまばゆい輝きが、うにやいくらの神々しい光が、鋭利な刃物のように光るサバのにぎりが、闇を照らしてくれる。

上にぎり 1.5 人前


この記事は闇 Advent Calendar 2013 - Adventar 22 日目の記事でした。 23 日目は hurutoriya さんで、今日の担当は @udzura さんです。