『ヴェラ・ドレイク』はイギリスの映画。テーマは堕胎で重苦しい内容だ。
大変グロテスクな映画である。それは堕胎を扱っているからではなく、心優しい人物が、困っている人を助けるために良かれと思ってやっていたことが、重大な結果をもたらすことがテーマだからだ。何が善で何が悪なのか分からなくなってくる。見る者を混乱させる映画である。
エンディングに納得がいかなかった。一般的に映画のエンディングには二種類あると思う。一つはことの顛末をつまびらかにしてくれる観客に優しい映画、もう一つはうやむやなままに終局を迎え、最後は観客の想像力に託す観客に厳しい映画。後者の場合、結末は描かれないが、劇中で与えられた情報をもとに劇中の人物たちはどういう最後をたどるのか予測可能である。
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