| @散財

Netatmo Weather Station

Netatmo Weather Station

皆さん、部屋に温度計とか湿度計置いてますか。僕は置いてます。

置いてない人は温度とか湿度気になりませんか? 僕は気になります。エアコンとか何度くらいになったらつければよいのだろうとか思いませんか? 自分は何度になったら快適だと感じるのだろうなどなど。

僕は Netatmo の Weather Station というのを買って設置してるのですけど、こいつを導入して以来、いろんな情報が確認できるようになって楽しい毎日を送っています。今日はこの製品の使い心地を紹介します。

自分で気温を計測したいと思った

もともと僕は現在の気温を調べるのが好きで、気象庁が観測したデータをインターネットで公開しているアメダスのページをよく見ていました。こいつは一時間おきに更新されます。仕事していて一息つくときとかにアメダスで現在気温を見て顔をほころばせていました。また朝起きて寒いと、今日は寒いなぁと思ってその日の最低気温をアメダスで確認して「今シーズン最低気温更新ktkr」とかやってました。

毎日毎日アクセスして気温の変化を見ていたアメダスですが、だんだん物足りないと感じるようになり、いつしか自分で気温を計測してみたい、と思うようになったのでした。

アメダスでは何がダメなの?

アメダスは便利なのですが、スマートフォンでサイトが見にくいという欠点がありました。また計測値に関しても、アメダスで計測されている地点の気温と自宅周辺の気温に結構開きがあるのではないかと疑問に思い始めたのです。天神で電車に乗って、自宅最寄り駅に着いて電車降りると体感的にいくらか気温が低いのではないかと思うことがしばしばありました。また逆に、家の周りが寒いので厚着して仕事に行ったら天神は暑い、ということもありました。

室内の温度や湿度も測りたい

加えて、子どもが生まれたときに室温や湿度も気になるようになり始めました。赤ん坊は乾燥に弱いなどと聞き、加湿したりしていたものでした。ただ家に湿度計がなく、どのくらい加湿すればよいのか分からないまま闇雲に加湿していました。

このときの経験から、いつか室内の温度や湿度を測る器具を買いたいという思いを募らせるようになっていました。しかしなかなか良いものがなく、購入に至ることはありませんでした。

そんなとき、たまたま Amazon で「温度計」で検索していて、 Netatmo Weather Station というガジェットに出会ったのです。こいつなら外気温のほかに、室内の気温や二酸化炭素濃度も測れます。時系列で計測情報を折れ線グラフとして確認できます。便利。嫁さんに黙ってこっそり買いました。

Weather Station の優れているところ

Weather Station Web app

実は Netatmo Weather Station 、農業系の雑誌で取り上げられて農家の人たちに人気のようです。 Amazon のレビュー欄に農家の人の感想が載ってます。業務用にこの手のやつを買うとものすごく高いらしいのですが、 Weather Station は 1/10 以下の値段で同等の機能が手に入ってしまいます。しかもモバイルアプリがあったりアラート機能があったりする。下手な業務用観測機よりも高機能かもしれません。

計測対象

  • 室内
    • 気温
      • 現在気温
      • 最高気温
      • 最低気温

    • 湿度
    • 気圧
    • 騒音
    • 二酸化炭素濃度
  • 屋外
    • 気温
      • 現在気温
      • 最高気温
      • 最低気温

    • 湿度
    • 気圧

小さな機械ですがいろんなものが計測できます。台風が来てるときには気圧が変化するし、ファンヒーターをつけると二酸化炭素濃度が上昇して iPhone にプッシュ通知来て面白いです。長期間外出してるときに騒音に変化があったら泥棒か何かが家に入っているということだし、留守中の自宅の様子を遠隔監視する気分も味わえます。

もっともこの手の家の様子を確認したい系では Netatmo は Welcome という定点観測カメラみたいなやつを出しています。こいつは顔認識機能が付いているので、鍵っ子の子どもが無事帰宅したかどうかだとか、ベビーシッターが子どもを虐待していないかだとか、不在中に登録してない顔の人物がカメラに写ったら知らせる機能とかがあるっぽいので、防犯とかに興味がある人はそっちを見てみると良いでしょう。

iPhone アプリ

Weather Station iPhone app

最近デザインが一新された iPhone アプリがまた良くて、屋外の気温が指定した温度以下に下がったときや、室内の気温が指定した温度以上に上がったとき、室内の CO2 濃度が上昇したときにプッシュ通知を受け取ることができます。

寒冷地では気温が低下すると水道管が凍り付いてしまうので、夜寝る前に水をちょろちょろ出しながら寝たりすることがあります(実家がそうでした)。 Weather Station で外気温を計測していれば、寒い日にはプッシュ通知で教えてもらえて、水道を流し忘れたばかりに水道管を破裂させてしまう、という事故を防ぐことができます。

また夏場など、エアコンを我慢していて気がつかないうちに自宅で熱中症になってしまう、ということもあるかと思います。室温が 30°C 以上になったときにプッシュ通知が来ることで、観念して冷房を適切に利用することができます。

CO2 濃度に関しても、石油ストーブを使うときは換気が必要だと分かってはいても、窓を開けると寒いのでなかなかこまめに換気したりはしないものです。しかし 2000ppm を越えたときに警告のプッシュ通知が来るとちゃんと窓を開けて換気しようという気にさせられます。実際に換気を行うと頭がもやもやしていたのが解消されますし、換気の効果を実感できるようになります。

このように、ただ気温を計測するだけでなく、値を監視して警告をしてくれるのが iPhone アプリのすばらしいところです。

  • 様々な条件でプッシュ通知 しきい値はカスタマイズできる。
    • 屋外気温低下
    • 室内気温上昇
    • CO2濃度上昇

  • 即時測定ボタン 室内ステーションに搭載されている即時測定ボタンを押すと、 iPhone アプリにプッシュ通知が来て 10 分ごとの計測サイクルを待たずに今すぐ情報を確認することができます。

東京に出張しているときに子どもがこのボタンを押すと、 1000km くらい離れているのに息づかいを感じられて良さがあります。 Yo みたいな感じ。

過去データを CSV ダウンロードできる

CSV で過去のデータをダウンロードすることができます。データをパソコンに保存して、長期間のデータを貯めて過去と比較したりといった用途にも使えます。先述の通り、農家の人なんかには有用な機能ではないでしょうか。

API

自分で API を叩いてサーバーから情報を取得することもできます。せっかくなので Ruby で API クライアントを作ってみました。

こんな感じで使えます。

GIF動画

類似品もたくさん

Netatmo Weather Station と IRKit を組み合わせると、設定した温度以下になったら勝手にエアコンのスイッチ入れたりとかできそうと夢想していたら、 Weather Station に似た別の製品で Nest という温度計があることを知りました。 Nest は気温の計測とエアコンのコントロールを一台でやってのけるそうです。しかも人工知能が備わっていて、住人の生活時間帯を学習して朝 7 時頃エアコン付けたり、人気がなくなったら勝手にエアコンや照明を消したりするらしい。こういう製品が普及したら、 SNS に「エアコンや電気を消し忘れて寝てしまった僕かわいいでしょ、てへ」みたいな投稿をしている独身男性を黙らせることができます。すばらしいですね。

IoT おもしろい

IoT とかニュースで見たり読んだりしても「ふぅ〜ん」くらいにしか思っていませんでしたが、実際に自分の生活内に導入してみると便利で楽しいです。僕個人の場合、冬は室温が 22°C を下回ると寒いと感じて暖房をつけたいと思うようだということがわかりましたし、また夏に関しては気温が高くても湿度が低ければエアコンをつけなくてもしのぎやすいという良く言われることが自分で計測した数字により裏付けされました。だから何? と言われると困るのですが、僕は非常に満足していますし、職場の上司におすすめしたところ、 Slack でアニメキャラクターに気温をしゃべらせたりしてました

というわけでおもしろいので良かったらお年玉で Netatmo Weather Station 買ってみてください。


この記事は今年買ったもの Advent Calendar 2015 19 日目の記事ですが 9 日遅れで書いています。遅れてすみませんでした。

| @料理/食事

コーヒー、うまいコーヒー屋に巡り会うまで五里霧中な感じがある。なんかネットとか雑誌とか見たら、コーヒーの入れ方はこうでないといけないとか講釈たれてる人多い。のの字を描くように回せだとか。あれ宗教なのではと思ってしまう。この前テレビ(美の壺)見てたら、最初 30 秒蒸らす、とかやるのは日本だけだって言ってた。外人はもっと雑にドリップしてるっぽい。この日本の宗教がかったコーヒー道をよいと思ったアメリカ人が始めたのがサードウェ〜ブってやつなんですかね。田舎に住んでるのでよくわからないです。

自分は大学生の頃にシアトル系のコーヒーチェーンでアルバイトしていて、コーヒーのことを分かったようなつもりになっていた。シアトル系なので作ってたのはエスプレッソ系がメインで、ドリップコーヒーはおまけくらいに思ってた。家で飲むときもエスプレッソは手間がかかるから比較的簡単にいれられるドリップを仕方なしに飲む、という心持ちで飲んでた。深煎り豆を細かく挽いて作る濃いコーヒーが正しくて、浅煎りの酸味のある粗挽きの豆はゴミだと思ってた。またコーヒーは店で飲んでも高いだけで、コーヒー豆を買ってきて家で飲むのがうまいと思い込んでいた。

しかしここ最近で、コーヒー専門店のコーヒーの味にやられて考え方が変わってしまった。

囁き坂 - Nagasaki, Nagasaki-ken

一軒目は長崎の囁き坂で、ここは深煎りなんだけど、豆の香りが違う。口に含んだらぶわっと広がる感じがして、「あ、これは違う」というのがはっきり分かる。コーヒー豆を買うと一ヶ月は冷蔵も冷凍もしなくてよいと言われる。豆の芯まで火が通るように焙煎しているから味が落ちにくい、とのことだった。しかもコーヒー豆が 400円/100g くらいからで買えて安い。店内で飲むときはドリップよりも水出しダッチコーヒーがメインで、砂糖が入っていないのにどこかほんのり甘く、全く雑味のしない不思議なコーヒーを飲むことができる。長崎に行くたびに立ち寄って豆を買うのだけど、店主の話が面白いし、長崎市役所の隣の長崎風の坂道沿いにあって、とても洒落ている。嫁さんは女子高生時代にここに友達とやってきてぺちゃくちゃしゃべっていて出入り禁止になったとのこと。

Petani coffee - 福岡県糸島市

二軒目は福岡のペタニコーヒー。ここは福岡の郊外の糸島市でやってるコーヒー屋で、恐らくサードウェ〜ブっぽいコーヒーを出しているのだと思う。何の気なしに立ち寄ってコーヒーを飲んだら衝撃を受けた。これまで深煎りの濃いコーヒーこそがうまいコーヒーだと信じていたのを覆された。浅煎りなのに薄くない感じ。酸味も酸っぱいというよりさわやかでおいしい。正直、郊外でやってるコーヒー屋は謎のこだわり豆とかを高い値段で売っていていけすかないと思っていたのだけど、ペタニコーヒーに関してはそんなまがいものコーヒー屋とは全然違った。こちらは 650円/100g くらいしてちょっと高いので頻繁には買いに行くことができないのだけど、常日頃の自分のドリップにマンネリ感を感じてきたときに行ってコーヒーを飲むとよい刺激を受けられてよさそう。また行きたい。

何が言いたいのか分からない駄文になってしまった。30秒蒸らしルールとか、ドリップしてて最後の方にドリッパーの中に残ったやつは捨てるとか、そういうコーヒー道的なカルチャーにうさんくささを感じていた自分が、よいコーヒー屋に巡り会うことで感化されて 30 秒蒸らしたりドリッパーに残った最後の方のお湯は捨てるようになったというお話しでした。コーヒー道最高。


この記事は二日遅れで書いていますが コーヒー Advent Calendar 2015 16 日目の記事でした。 17 日目の @deeeet さんの記事が大変参考になりますのでそっちを読みましょう。

| @音楽

OmmWriter

OmmWriter というソフトを知っていますか。 6 年くらい前はフリーウェアだったけどいまはシェアウェアになってるかもしれない(確認してみたらシェアウェアになってた、いまは Windows 版と iPad 版もあるみたい)。

このソフト、気が散らないように全画面表示になってひたすら文章を書くのに集中できるという触れ込みでした。そんで自分がタイプする音(ソフトウェア的にならされるタイプ音)と、ソフトにバンドルしてある音楽が心地よく流れるというやつ。このソフトのアイディア良くて好きなんですけど、 Vim で書くことに慣れると Vim のキーバインド以外で文章書くのつらいのでこのソフトは割とすぐ使わなくなった。

でも付属のアンビエント音楽がよくて、プログラミングとか考え事をするときに思考の邪魔にならずに集中できる。ほどよく自然とか街の音が混ぜてあって、家で作業やるより少しざわざわしてるドトールの方が仕事はかどるって人いると思うんですけど、あの雑踏の中に紛れて作業する感じを疑似体験できる。スペイン在住の David Ummmo という人が作曲しているようです。 iTunes Store で買えます。

なお残念ながら現在ダウンロードできる OmmWriter Dāna II には David Ummmo 氏の音楽はバンドルされていないようです。 iTunes で試聴して気に入ったら買うか Apple Music で聞いてみてください。

David Ummmo Typewritten, Vol. 1.
David Ummmo Typewritten, Vol. 1.

David Ummmo Typewritten, Vol. 2. - EP
David Ummmo Typewritten, Vol. 2. - EP


この記事は作業用BGM Advent Calendar 2015 - Adventar 5 日目の記事でした。明日は @cumacuma さんです。

| @料理/食事

T on T

皆さん炭水化物好きですか。僕は好きです。焼肉を食べに行っても肉はそこそこにご飯ばかり食べてしまいます。炭水化物のことが好きすぎて今朝は炭水化物(トースト)をおかずに炭水化物(白米)を食べてしまいました。最高です。

僕は一時期、京都の病院に入院していたことがありました。病院食でおかずにお好み焼きが出てきたときはビックリしました。「主食のおかずが主食??? こんな食事無理だし関西人は何考えてるのかわからない」と思いながら、戸棚から鮭フレークの瓶を取り出して無理矢理ご飯を食べたことを覚えています。でもその時の自分は背伸びしていただけなのかもしれません。炭水化物 on 炭水化物 is justice。

寒い日が続きますが、肉まんをおかずにピザまんを食べたり、チャーハンをおかずに白米を食べたり、いなり寿司をおかずにうどんを食べたりしましょう。それでは。


この記事はみんなの朝食 Advent Calendar 2015 - Adventar 二日目の記事でした。昨日は @tomoko_ando さんで、明日は誰も登録していません。

| @技術/プログラミング

YAPC に行ってきた。ちなみに去年は嫁さんに↓のように言われて行けなかった。

今年は YAPC 最後なのでどうしても行こうと思って無理矢理チケット申し込んで飛行機と宿とって行った。帰ってきて嫁さんに感想を聞かれて、詳細を話しても意味わからないだろうから「がんばろうという気持ちにさせられた」と話したら、「えー、それだけ? 何も学んできてないわけ?」と言われた。


一日目

一日目の方は業務の一環として参加させてもらった(チケット代とか飛行機代とかは自腹)。 受付で YAPC Tシャツもらえると思って着替えを持ってきてなかったんだけど申込時にサイズ選んでないのでTシャツもらう意思がないと見なされTシャツもらえなかった。明日着る服がないと思って焦ったけどリュックの中に予備のTシャツ(実家に帰ったときに洗濯したやつ)があって助かった。

Effective ES6

ES6 、全般的に天国ぽかった。 Babel というの使えばもういまから ES6 で書けるっぽい。ただ Kaizen のサービスは JavaScript でやらかすと皆様に多大なご迷惑をおかけすることになるのでリストカット感覚で導入すると危なそうだった。まずは自分のブログとかで実験してみたい。

偶然居合わせた kitak (ペパボ時代の元同僚)と Kaizen Platform で同僚の t32k さんと、二人の金沢時代の友人の方たちと無料弁当を食べた。 YAPC 、飲み物とか弁当とかまで出てすごい。電車賃とチケット代さえあれば参加できる。

TBD

最近なんで並行処理に優れた言語とか流行ってるのかという背景を交えながら、なぜ Streem を作ったのかという説明や Ruby の未来の話しが面白かった。あと質疑応答の返しが面白い。 Matz さんは言語開発者として優れていると同時に優れた話し手でもあるなと思った。

たまたま mizzy さんと隣に座って聞いてたんだけど、 mizchi さんいて(mizchi さんが mizzy さんに話しかけた)こんちゃと挨拶した。 YAPC 有名人ごろごろいるのすごい。

Perlの上にも三年 〜 ずっとイケてるサービスを作り続ける技術 〜

爆笑トークだったけど、オブジェクト指向や DDD がなぜ大切なのか、というのを業務での経験を交えながら発表されていてよかった。「オブジェクト指向設計入門とか DDD 本とか難しいけどどうやって業務に活かすのか」という質問に対しては、「歯を食いしばって実装するしかない」と返していてよかった。

ロビーでだらだら

見たかった発表満席で入れなかったのでロビーうろついてたら hsbt さんいたので声かけた。そしたらどこからともなくペパボ、元ペパボの人どんどん集まってきて hsbt さんの自撮り棒の被写体になったりしてた。出戻り歓迎しますと言われてニヤニヤしたりしてた。ペパボ版 mizchi さんの gyugyu さんを生で見られたの良かった。

SaaSを組み合わせて作る, ぼくらの障害対応術!

障害発生時に自動的に Qiita:Team に対応報告ドキュメントが作成され、 Reactio というサービス内にチャットルームも自動生成され、チームメンバー全員に電話もかかってきて障害対応に SaaS を組み込んで効率的に仕事をこなす、という LT だった。 LT 中、アラートメールが来るという演出も面白かった(たぶん仕込みだと思う)。

Kaizen Platform への就職を決めたの、要因はいろいろあるんだけど、入社前に CEO の須藤さんが Qiita:Team に書いている Kaizen のモットーみたいなやつを読ませてもらって、それに感銘を受けた、というのがある。自分たちが本当にフォーカスすべきことに注力して、その他のことは外部サービスを利用して徹底的に効率化したい、というようなことだった。実際、 Kaizen は外部の SaaS を利用できる部分は極力利用して自前で実装しないようにしている。それでお金はかかるけど、エンジニアが無駄に秘蔵の社内ツールのメンテナンスで疲弊することがないようになってるし、スタートアップ同士でお互いのサービス使い合って良い循環が生まれている感じする。

ソロ懇親会

一日目は懇親会あって参加してみたかったけど気がついたら募集終了してて参加できなかった。なのでよく知りもしない東京ビッグサイトのプロントの店員に「お疲れ様です」と声をかけられながらビール飲んでスパゲティー食べてソロ懇親会やった。バスでホテルに帰ろうとしたらペパボの元同僚の人いて最近どうですかとか軽く話した。ホテルに着いてからは浜松町の激安寿司屋に潜入したけどシャリがねちゃっとしてて不気味な感じだった。量も多くて腹一杯になってしまってとにかくつらかった。

二日目

だいぶ早めに着いたので余裕をもって座れた。ただ午後のコマは混みすぎてて発表見られないことが何度かあった。次の発表の時間前に部屋の前に列を作ったりするの予備校に通ってた浪人生時代を思い出した。人気講師の講義に群がる代ゼミ生に戻った気分になった。

Adventures in Refactoring

GitHub の人の話、 RubyKaigi の動画とか福岡でのミートアップとかでも聞いたことあったんだけどいまいち何言ってるかわからなんぁという話しする人多かった。今回の人の話はわかりやすかった。リファクタリングしてコード量が増えるのようなのはダメだとか、パフォーマンス劣化させたらダメだとか。あと GitHub では scientist という gem あってこれでリファクタリングの前後のコードの A/B テストみたいなのをやってるそうだった。エラー発生率とかパフォーマンスを計測しているそう。すごい。

昼セッションの弁当売り切れててもらえなかったので下に降りてコンビニで何か買おうかと思ったけどコンビニが異常に混雑してて地方在住者にはあれに並ぶ気になれなくて、一旦はフードコートとか行こうとしたけど結局どこも激混みで、あきらめてセブンイレブンでサンドイッチとか買ってプロントで買ったビール飲みながらオープン席的な場所で食べた。偶然、隣にモテメンガールズを引き連れたモテメンさんがやってきてモテメンステッカーくれた。家の冷蔵庫に貼ろうと思います。

【特別企画】YAPCあるある(仮)

YAPC の 10 年間を振り返るという座談会企画だった。僕はミーハーなのでこういう話しを聞くのは好きなので面白かった。そもそも始まりは宮川さんが台湾で行われた Perl のカンファレンスで来年は日本でやってくれよと声かけられてスライドの最後に急遽やりますというのを盛り込んで宣言したのが始まりのようだった。最初の会場が大田区産業会館というの地味な感じがあってよい。2007年だか2008年だかの YAPC で利用したフランスの決済システムがちゃんと動かなくて宮川さんがフランスまで行って直した、という話すごかった。伝説っぽい。

あとは牧さんがどれだけこれまで YAPC で苦労したか、という話だった。こういうの若い人聞いてもあまりぴんとこないかもしれないけど、所帯を持ってたりするとなかなか家庭外の活動に時間を割くのは大変だし、結婚式挙げたことある人はわかると思うけど、人を何百人と集めてなにがしかの催し物をやるのはとんでもなく骨の折れる大変な作業で、それをボランティアで行うのは本当に大変だと思う。若い人はもっと牧さんに感謝した方がよい。

Evaluating your stylesheets

同僚の t32k さんが LT 通ってて発表した。伊藤直也さんのこといじって受けてた。作ったスタイル何とかという CSS を解析するソフトウェア自体も良さそうだった。

コミュ力あげてこ

一日目は hitode909 さんの発表の裏で話を聞けなかった cho45 さんの LT 面白かった。前の人がたまたま電話の話してて、その後に登場した cho45 さんがモールス信号の話というのが最高だった。 cho45 さん、ツイッター見てる限り気むずかしい人なのかなと思ってけどおもしろお兄さんという感じで良かった。

クロージング

ヒトデさんがベストトーク賞とってた。なぜか自分のことのようにうれしかった。

牧さんのこれまでの苦労話とかを最後にもう一回聞いたけど本当に大変だったと思う。2000人以上来場するイベントを取り仕切るのは筆舌に尽くしがたいほど大変なはず。牧さん、 udzura uzulla さん、運営の皆様本当にお疲れ様でした。

| @旅行/散歩

Dubrovnik

2015年6月23日

クロアチア航空のチェックインカウンターでチェックインを済ませ、パスポートコントロールを経て飛行機に乗った。 EU 内の移動は通関的なものがないので非常に移動がスムーズ。まるで国内線に乗り込むかのような感覚だった。

Croatia Airlines

飛行機は小型のもので、乗客はまばらであった。クロアチア航空は機内で配られる紙ナプキンが深紅でしゃれており、スッチーたちも感じが良く、エーゲ航空に比べて最高という感じしかなかった。飲み物はビールをもらったけど、 PAN というクロアチアのビールでとてもうまかった。

Dubrovnik Airport

一時間半ほどでドゥブロヴニク空港に到着した。ドゥブロヴニク空港には迎えのハイヤーをお願いしてあった。空港はきれいで、迎えに来てくれていたドライバー氏は長身できちんとネクタイを締めていた。すべてがテキトーなギリシャとは全然違う。非常にかちっとしていた。ハイヤーはきちんと洗車されているベンツで、一世代前のものではあるが E クラスだった。ギリシャで現行 E クラスのタクシーに乗ったけど、おっさんの運転は雑だったし、車内は自家用車のように雑然としていて、クロアチアで乗ったハイヤーの方が断然快適だった。

クロアチアはあちこちに花が咲き乱れ、道路はきちんと舗装されており、街並みも整然としており、すべてがごちゃごちゃでゴミが散乱しているギリシャとは大違いだった。やっとヨーロッパの国にやって来た、という感覚があった。古代ギリシャ文明はギリシャでは継承されておらず、ギリシャ以外のヨーロッパ各国で継承されているのかなという感じがした。

Dubrovnik view

ただドゥブロヴニクも森といえるような森林は存在せず、山は少し地肌が見えていていわゆるはげ山状態だった。降水量が少ないんだろうなぁ、と思った。

宿は旧市街から 1.5km ほど離れたヨットハーバー沿いにあるアパートメントだった。かつてチェコを旅行したとき、アパートメントに泊まって最高だったのでアパートメントにしてみたのだが、この選択は正解だった。非常に広くて景色が良く、シャワーのお湯の量に限りがあることを除けば快適そのものだった。

Adriatic Deluxe Apartments

Adriatic Deluxe Apartments

宿にチェックインしたのが 20 時過ぎだったので、旧市街に行くのはあきらめて宿の近くで日用品の買い物を済ませたあと食事をすることにした。この時点でクロアチアの通貨のクーナを持っていなかったが、スーパーでもレストランでもカードで支払いができたので問題がなかった。10 年前に訪れたチェコでもそうだったが、 EU に加入しているものの通貨をユーロに移行していなくてもユーロで支払えるところが多い。クロアチアもそんな感じで、 7HRK = €1 というレートで買い物することができる。

Supermarket

VW Golf 2, Golf 1, Golf 3 (Left to right)

一日目に訪れたのは宿の近くにあった taverna Otto というレストランだったが、あとから調べるに tripadvisor でドゥブロヴニクのレストランで 6 位の店だった。クロアチアはマグロをよく食べる国だそうで、ツナとポーチドエッグのサラダを注文したら、表面を軽く火で炙った状態のマグロのタタキを使ったサラダが出てきた。シーチキンのようなものを想像していたので期待と違ったが、久々に口にする生のマグロが非常においしく感じられた。

ツナのサラダの写真は取り忘れてて、これは嫁さんが食べてた子牛のステーキだけど、ドゥブロヴニクあたりの料理は何でも炭火焼きして BBQ するのが一般的らしい。野菜も炭火焼きしてあって香ばしい香りがしておいしかった。

Taverna Otto

食事を終えて宿の前のヨットハーバーの公園を散歩すると、ユーゴスラヴィアからの独立戦争時に活躍したと思われる戦車や、迷彩塗装を施された軍用ボートが飾ってあった。ドゥブロヴニクは世界遺産であるにもかかわらず、独立戦争時にはユーゴスラヴィア連邦軍から砲撃を受け旧市街や城壁が破壊されてしまった。その戦争に勝利しての独立だったので、街の人々はこの独立に誇りを持っているんだろうなぁと感じた。

宿に戻って美しい港の夜景を眺めがら眠りについた。

2015年6月24日

Harbor View

ミコノス島で買ったパンなどで食事を済ませた。この日は嫁さんの体調が優れず、出かけるのが昼頃になってしまった。

まずは両替しないとバスに乗ることができないので、宿近くの銀行に入って両替を頼んだ。昨夜のハイヤーのドライバーによると、両替は銀行で行うのが一番レートが良く、手数料が必要ないとのことだった。銀行の窓口で両替を頼むと、確かにネットで出てくるのに近いレート( 1HRK = ¥18 )で両替できた。本当は両替にはパスポートが必要らしいが、宿のセキュリティボックスに忘れてしまっていた。しかし窓口の女性は融通の利く人で、次は忘れないでくれと言って両替してくれた。またクロアチア最高だと思った。

両替してからバスに乗って旧市街へ出かけた。旧市街へはバスで 5 分ほどで、アドリア海の景色を眺めながら向かうことができた。

Pile Gate

旧市街のピレ門に着くと観光客でごった返しており、街は賑わっていた。とりあえず門の中に入り街を軽く見て回り、 Kindle で買った Dubrovnik ガイドの本で著者のお気に入りの店であるというところに行ってみた。すると日本人の先客があり、メニューに日本語もある。なんと地球の歩き方にのっていた。旅先で日本人と出会うと微妙な気分になるのでなるべく普通の日本人客がいないような場所で食事するのが好きなのだが(だから Kindle で英語のガイド本を買って読んだりしてた)、同じ店が地球の歩き方で紹介されているとは盲点だった。

ドゥブロヴニクは滞在時間が短かったので昼もいいのを食べようという方針で嫁さんと二人でお互い好きなものを頼んだので、会計は 530HRK ほどになり、昼なのに 1 万円近くになってしまった。ただこの店で食べた三種のチーズと生ハムは最高にうまくて、良い思い出になった。

DSC_8608.jpeg DSC_8609.jpeg DSC_8610.jpeg DSC_8611.jpeg

この店で食事している間に、本当にここはヨーロッパかと思えるような激しい雨が降り始めた。日本のゲリラ豪雨のような雨だった。しかもドゥブロヴニクは断崖の縁にある街で、山の方に降った雨が一気に流れ込んでくる。レストランの外席は建物と建物の間の通路にある席で、雨が降るとこの通路を雨水が川のように流れていく。雨が上がるまで身動きすることができず、 1 時間半くらいこの店にいて雨が止むのを待った。

雨が上がってからは城壁に上がろうと入り口を探して旧市街をさまよったがどこにも入り口がない。同じように他の観光客の人々も入り口を探しているようだった。地図を見ているところを地元の人に声をかけられ、城壁に上るには入場料が必要なこと、入り口は二箇所と限られていることを教えてもらった。確かに地球の歩き方にもそのように書いてあった。大人一人 100HRK ほど払って城壁に入ることにした。一人 1800 円は高いとは感じたが、これに上らなかったらドゥブロヴニクに来た意味皆無なので金のことは考えずに上った。

城壁からの眺めは確かに最高で、アドリア海の真っ青な海と、ドゥブロヴニクのオレンジ屋根の街並みをこれでもかというほど堪能した。ドゥブロヴニクも暑いには暑かったが、ギリシャに比べれば湿度も適度にあり十分に過ごしやすかった。

城壁を一周するときにベビーカーを持って回ったのがつらかった。可能なら入り口で預かってもらいたかった。海外旅行にベビーカーを持って行くべきかどうかはかなり悩んだが、息子殿は抱っこひもで抱えるには大きすぎるほどに生育しており、ベビーカーで運搬するより他なかった。ただサントリーニなど足場の悪いところではかなり足かせになった。

城壁を一周するとへとへとに疲れ果てていたので、一旦宿に戻って休憩することにした。

宿のアパートメントには大きなテラスがあり、ジャクジーがあったのでジャクジーに浸かることにした。しかし日暮れ時のドゥブロヴニクにはすでに肌寒く、ジャクジーの温度がなかなか上がらずあまり楽しむことができなかった。

ジャクジーから出たあとはまた taverna Otto に行った。 tripadvisor ランキング一位の店に行けないかと予約を試みたが、今日と明日は満席でいっぱいと断られてしまった。つくづく滞在時間が短かったことが悔やまれる。

taverna Otto ではメニューにないのに息子殿用にポーチドエッグのみを出してくれと頼んだりして常連ぶるなどした。会計のときになって店主がやって来て、二日連続来てくれてありがとうと話をした。我々が日本人であることを告げると店主は興奮し始め、 3 月に日本を旅行したがサイコーだった、また行きたい、神戸牛食いたい、牛丼うまかった、築地サイコーだった、築地で買った魚介類をタイのホテルの冷蔵庫に忘れてきたことが悔やまれる、あdsふぁdsふぁdfjかlsdflぴおいれ、という話を延々聞かされた。母国ではない英語で良くもこうぺらぺら喋れるものだなぁと感心した。

我々と話すときはクロアチア人同士でも英語で話したりするし、クロアチアはかなり英語教育に熱心なのかも知れない。そういえばチェコのプラハの人々も英語が流ちょうだったことを思い出した。今回泊まったアパートメントのレセプションの女性たちもネイティブのように英語を流ちょうに話し、ギリシャ人よりも格段に英語でコミュニケーションをとりやすかった。

レストランを出てホテルに戻り、ヨットハーバーから最後の夜景を眺めて眠りに就いた。ドゥブロヴニクの Gruž の港は長崎の港に景色が似ていて親近感がわいた。

2015年6月25日

前日夕方に買ったロシア風のパンとコーヒーで朝食をとった。ドゥブロヴニクにはヴェネツィアの領地であった歴史があるのでイタリアの影響が強いのか、コーヒーはエスプレッソが主力のようだった。宿に備えてあるコーヒーを入れる器具は直火式のエスプレッソマシンしかなく、これでコーヒーを入れて飲んだ。クロアチアのスーパーで買ったミルクと割ってカフェラテにして飲んだけど、ミルクがすごく甘くておいしかった。ヨーロッパはどこも乳製品のクオリティが高い。適当な店で飲み食いしてもチーズやバターだけはまずいものにあたることがない。

チェックアウトして荷物を預かってもらい、再度旧市街へ向かった。土産物を買ったあとは、前日には乗ることができなかったケーブルカーに乗って Srđ 山に上り、街を見下ろした。ここには戦争博物館もあって余裕があれば見に行きたかったが、飛行機の時間が迫っていたので適当に写真だけ撮って降りることにした。山頂でニコンの一眼レフを持っていたアメリカ人のおっさんに写真を撮ってくれるよう頼んだら、水平もとれておらず残念な写真になってしまった。とほほ。

飛行機の時間が迫っていたため、山から下ったあとは急いで食事をした。なかなか店が決まらず、イタリア風の食事を出すピザ屋に入って食事をした。ヨーロッパはカプレーゼが安くて巨大なモッツァレラチーズが出てくるのが良い。

食事を済ませて急いで宿に戻り、荷物を受け取ってバス停に向かった。宿の最寄りバス停は旧市街行きのバスも空港行きのバスも止まるという非常に便利なバス停だったが、空港行きのバスがなかなかやってこずかなり不安になった。あと 5 分待って来なかったらタクシーに乗ろう、と思ったところでバスがやって来て何とか飛行機に間に合う時間で空港にたどり着くことができそうだった。運転手は親切で、ユーロしか持っていないが大丈夫か、と聞いても「 No problem 」と言ってくれてクロアチア最高だった。

ただこのバスの中で安堵のあまり眠ってしまったのが良くなかった。バスを降りるときに iPhone を車内に忘れてしまった。気がついたときにはもうバスは発車しており、しかもアテネに戻る飛行機の時間が迫っていたためバス会社に問い合わせることもできず、後ろ髪をひかれながらドゥブロヴニクを去ることになった。幸い iPhone にはパスコードロックをかけていたので悪用されることはないと思われるが、その後辞書代わりにも使っていた iPhone がなくなることは不便きわまりなかった。 foursquare でチェックインすることもできず、旅行の楽しみの半分くらいが吹っ飛んでしまった。

| @旅行/散歩

パルテノン神殿

2015年6月22日

振り替え便は 8:10 と聞いていたので 6 時に起きて飛行機に乗る準備をした。 7 時前にチェックアウトして空港に向かうと、昨日見た顔の人たちが何人かいた。タクシー代の精算を済ませ、搭乗手続きをして飛行機に乗ると、エーゲ航空のスッチーたちは何事もなかったかのようなにこやかな表情を浮かべていた。

アテネには一時間足らずで着いた。なんとこの日は天気が悪く、アテネ到着時は雨が降っていた。

アテネ到着

前日にアテネの宿を手配できなかったため空港に着いてから空港の無料 WiFi を使って予約しようとしたが、アテネ空港の WiFi は 60 分間しか無料で使えず、結局空港のパソコンを使って予約した。

アテネ空港はギリシャ到着時に食事したときにめちゃくちゃ高くてどうしたもんかと思っていたが、空港の外に出て空港職員等で混雑するサンドイッチスタンドに入ると、 €2.5 で食べ物が買えた。ここでコーヒーを飲みながらほっと一息つくことができた。

その後メトロでアテネの街中へと向かう。アテネ空港は成田と同じで、名前こそアテネだけど全然アテネじゃない場所にある。電車で 40 分くらいかかった気がする。

Athens city view from Acropoli

アテネの市街についてまずびっくりしたのが、街並みのヨーロッパっぽくなさだった。道が広くて路上駐車の車がたくさんあるのはヨーロッパっぽいんだけど、道路の舗装は適当でゴミや動物の糞が散乱しており、マンションのすべての側面には汚らしいバルコニーがくっついていて植物やらなんやらをみんな好き放題外に出しており、非常に猥雑だった。ヨーロッパというより東南アジアにでも来たような景観だった。

Athens

またアテネはサントリーニ島やミコノス島に比べて圧倒的に緑が多く、湿度も幾分か高いようだった。普段は 6 月に雨が降ることはなく異常気象だと泊まった宿の主人は話していたが、モンスーン気候に慣れた身からすると、乾燥の激しいサントリーニ島やミコノス島は過ごしにくく、雨降りのアテネはとても過ごしやすく感じられた。

Athens

アテネの宿はアクロポリスなどといった主な観光地にも歩いて行ける場所にあるものを選んだ。 €107 だったが安くても一泊 €200 オーバーだったサントリーニ島からすると別天地という感じだった。部屋は広く風呂は豪華で、たっぷりと暖かいお湯のシャワーを浴びることができた。

宿にはチェックイン時刻よりも早く着いたので、荷物を置いて観光へ出かけた。レストランに入ってメニューを見るとサントリーニやミコノスの観光地レストランの値段に比べるとずいぶん安い。しかもハンバーガーを頼んだらパンが一枚でハンバーグが二枚のやつが出てきた。ギリシャ人、こんな経済観念だから経済崩壊するのでは、と思いつつ、アテネサイコーと叫びながら子牛のハンバーグを食べた。

パン一枚に肉二枚

食事のあとは街をうろつき、最初携帯の SIM を買った ΓΕΡΜΑΝΟΣ を見つけたのでプリペイド SIM のチャージができるかどうか聞いてみた。サントリーニ島のショップでは、追加チャージはできるが翌月にならないとできない、という説明を受けていた。しかしキャリアの COSMOTE のウェブサイトを見てもどこにもそのような記述はなく、おかしいなぁと思っていたのだった。 €6 で 500MB のチャージを頼み、携帯を出すように言われたので Pocket WiFi を出すと、「その端末ではこの SIM カードを使うことができない」と言われて一瞬雲行きが怪しくなったが、自分たちが持っている iPhone は SIM ロックがかかっていて Pocket WiFi 経由でないとインターネットに接続することができないことを説明すると「OK」と言って追加作業をやってくれ、再びインターネットにアクセスできるようになった。

その後街を散策し、子どもが喜びそうな蒸気機関車型の観光バスを見かけたので乗ってみることにした。大人一人 €5 で、アクロポリス周辺の主立った観光地を周遊でき便利だった。乗り降り自由らしいので乗り降りしてプラカ地区やシンタグマ広場に行ったりすることもできる。我々はその勝手を知らずに漫然と一周してしまってもったいなかった。

アクロポリス バスから見たアゴラ

バスに乗ったあとにパルテノン神殿に上ってみたが、正直なところ圧巻だった。今回の旅行ではアテネはスルーする予定だったがエーゲ航空がキャンセルになったせいでアクロポリスを訪れることができたのはある意味幸運だったかも知れない。

パルテノン神殿

パルテノン神殿を観光していて初めて知ったのだが、パルテノン神殿は風化であのように朽ちているのではなく、 17 世紀にヴェネツィアによる砲撃を受けてあのようになった、とのことだった。当時でもすでに 2000 年以上の歴史を経ていたパルテノン神殿を破壊するなんて罰当たりなことだと思ったが、 Wikipedia によると、当時ギリシャを支配していたオスマントルコは、ヴェネツィアもパルテノン神殿の歴史的価値に敬意を表して砲撃すまいと高をくくって女子どもを避難させ、アクロポリス内に弾薬庫を作って弾薬を貯蔵していたのだそう。しかしヴェネツィアは一切斟酌せずパルテノン神殿に砲撃を浴びせたらしい。

修復中のパルテノン神殿

そのような状況になったパルテノン神殿を修復しようという動きはギリシャ独立後の 19 世紀中頃からあって様々手を加えられているが、 1800 年代後半から戦前にかけての修復は、古代の手法を忠実に再現するのではなく、鉄を使って無理矢理修復するという手法で、そのせいでかえって他の部分に負荷がかかり、現在は 19 世紀から 20 世紀前半にかけて行われた誤った手法の修復で傷んだ箇所を正しい手法で直しているところなのだそう。

修復されたパルテノン神殿

そういえば順調に行けば今頃訪れていたはずのドゥブロヴニクも、一時はヴェネツィアによって支配され、イタリア文化を受容しているのであった。ヴェネツィアとは地中海沿岸でやりたい放題やってたんだなぁ。

パルテノン神殿をゆっくり時間をかけて観光したあとは、一旦宿に戻ってシャワーを浴びて休憩した。三人とも何を食べてもトマトとオリーブオイルとハーブの入っている地中海風の料理に飽きていて、汁付きの麺類が食べたいと、アジア料理の店を探してアテネ一番の繁華街のシンタグマ広場へと向かった。

遅い時間にわざわざやってきたのに嫁さんが目をつけていたアジア料理屋は看板を掲げておらず、あるはずの場所には別の中華屋があって営業していた。店の前でひとしきり夫婦げんかをしたあと、あきらめてこの店に入って中華料理を食べることにした。

この中華屋が正解で、酢豚もチャーハンも中華麺もどれもうまかった。変な香辛料は入っていないし唐辛子辛くもなく、日本人にとって非常に食べやすい味付けだった。青島ビールを三本飲んでも会計は €30 程度で、一食で €70 ほどかかっていたサントリーニ島と大違いだった。しかも店の女将の中国人が非常に親切で店も清潔で、まるで日本に帰ってきたかのようだった。

中華屋の麺

食事を追えて最終一つ前の地下鉄で宿に戻り、倒れ込むように眠りについた。

2015年6月23日

翌朝は宿を出る際に領収書の宛名書きの件で嫁さんが宿のレセプションともめて、そのせいで夫婦げんかをしてしまった。一旦別行動をとることにしたのだけど、一人でアクロポリスのベンチに腰掛けているとなんかいろいろどうでも良くなってしまって、嫁さんから届いていたメールを読んで昨晩食事をした中華屋のあるシンタグマ広場で合流することにした。

昨晩 0 時近くまでいた中華屋には同じ面々がいて店を営業していた。この人たちはよく働くなぁと感心しながら店に入って食事を注文した。ギリシャ人は働かないと日本のマスコミでは言われるけど、アテネのこの中華屋の人たちも、サントリーニ島のホテルの人たちも、朝早くから夜遅くまでとてもよく働いていた。実は EU の中でギリシャ人の労働時間は結構長い方だという記事もある。新聞やテレビで見るのと実際に訪れてみるのではずいぶん事情が異なるなぁという思いを強くした。

昨夜の店内には現地のギリシャ人の客しかいなかったが、この日の店内には中国人だらけだった。

中国人の観光客はギリシャにいっぱいいたが、不思議なことに彼らは昼間はそこかしこにいるのに、夜になると潮が引いたかのようにさっと姿を消す。それは見事なものだった。夜の街を出歩いて中国人の姿を見かけることはないし、盛り場に行っても夜に中国人の姿を認めることはできない。

ミコノス島で二日連続通ったレストランの面白ウェイター氏によると、中国人はあまり良い旅行をしていないそうで、一泊ずつ街を転々とするのだそう。ひょっとしたら毎朝早い時間に宿を出て次の街に向かわなければならないから彼らは夜の街に姿を見せないのかも知れない。

プラカ地区

食事のあとはシンタグマからプラカ地区の土産物屋を冷やかしたりしながら宿のある方向に向かって歩いた。途中土産物を買うため嫁さんとアクロポリスのあたりで別れ、自分は一人で宿まで預かってもらっていた荷物を受け取りに行った。

プラカ地区

地下鉄駅で嫁さんと合流して、再びアテネ空港に戻り、自分が行ってみたかったクロアチアのドゥブロヴニクに向かった。待ちに待ったときが来た、という感じだった。