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コーヒー、うまいコーヒー屋に巡り会うまで五里霧中な感じがある。なんかネットとか雑誌とか見たら、コーヒーの入れ方はこうでないといけないとか講釈たれてる人多い。のの字を描くように回せだとか。あれ宗教なのではと思ってしまう。この前テレビ(美の壺)見てたら、最初 30 秒蒸らす、とかやるのは日本だけだって言ってた。外人はもっと雑にドリップしてるっぽい。この日本の宗教がかったコーヒー道をよいと思ったアメリカ人が始めたのがサードウェ〜ブってやつなんですかね。田舎に住んでるのでよくわからないです。

自分は大学生の頃にシアトル系のコーヒーチェーンでアルバイトしていて、コーヒーのことを分かったようなつもりになっていた。シアトル系なので作ってたのはエスプレッソ系がメインで、ドリップコーヒーはおまけくらいに思ってた。家で飲むときもエスプレッソは手間がかかるから比較的簡単にいれられるドリップを仕方なしに飲む、という心持ちで飲んでた。深煎り豆を細かく挽いて作る濃いコーヒーが正しくて、浅煎りの酸味のある粗挽きの豆はゴミだと思ってた。またコーヒーは店で飲んでも高いだけで、コーヒー豆を買ってきて家で飲むのがうまいと思い込んでいた。

しかしここ最近で、コーヒー専門店のコーヒーの味にやられて考え方が変わってしまった。

囁き坂 - Nagasaki, Nagasaki-ken

一軒目は長崎の囁き坂で、ここは深煎りなんだけど、豆の香りが違う。口に含んだらぶわっと広がる感じがして、「あ、これは違う」というのがはっきり分かる。コーヒー豆を買うと一ヶ月は冷蔵も冷凍もしなくてよいと言われる。豆の芯まで火が通るように焙煎しているから味が落ちにくい、とのことだった。しかもコーヒー豆が 400円/100g くらいからで買えて安い。店内で飲むときはドリップよりも水出しダッチコーヒーがメインで、砂糖が入っていないのにどこかほんのり甘く、全く雑味のしない不思議なコーヒーを飲むことができる。長崎に行くたびに立ち寄って豆を買うのだけど、店主の話が面白いし、長崎市役所の隣の長崎風の坂道沿いにあって、とても洒落ている。嫁さんは女子高生時代にここに友達とやってきてぺちゃくちゃしゃべっていて出入り禁止になったとのこと。

Petani coffee - 福岡県糸島市

二軒目は福岡のペタニコーヒー。ここは福岡の郊外の糸島市でやってるコーヒー屋で、恐らくサードウェ〜ブっぽいコーヒーを出しているのだと思う。何の気なしに立ち寄ってコーヒーを飲んだら衝撃を受けた。これまで深煎りの濃いコーヒーこそがうまいコーヒーだと信じていたのを覆された。浅煎りなのに薄くない感じ。酸味も酸っぱいというよりさわやかでおいしい。正直、郊外でやってるコーヒー屋は謎のこだわり豆とかを高い値段で売っていていけすかないと思っていたのだけど、ペタニコーヒーに関してはそんなまがいものコーヒー屋とは全然違った。こちらは 650円/100g くらいしてちょっと高いので頻繁には買いに行くことができないのだけど、常日頃の自分のドリップにマンネリ感を感じてきたときに行ってコーヒーを飲むとよい刺激を受けられてよさそう。また行きたい。

何が言いたいのか分からない駄文になってしまった。30秒蒸らしルールとか、ドリップしてて最後の方にドリッパーの中に残ったやつは捨てるとか、そういうコーヒー道的なカルチャーにうさんくささを感じていた自分が、よいコーヒー屋に巡り会うことで感化されて 30 秒蒸らしたりドリッパーに残った最後の方のお湯は捨てるようになったというお話しでした。コーヒー道最高。


この記事は二日遅れで書いていますが コーヒー Advent Calendar 2015 16 日目の記事でした。 17 日目の @deeeet さんの記事が大変参考になりますのでそっちを読みましょう。