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扉をたたく人

評価 : ★★★☆☆

主人公はコネチカットに住んでるウォルター・ヴェイルという大学教授。学生のレポートの提出が少し遅れただけで受け取らないくせに、自分は講義要項を期日までに提出できないダメオヤジ。シラバスは去年のものを使い回し、20年も同じ授業を続ける。だが論文共著者の代理でどうしても学会に出席せねばならなくなり、ニューヨークへと赴く。ニューヨークのアパートに着くとそこには招かれざる客が。

白人の知識階級とアフリカからの移民の交流を描いた映画。保守的だった主人公がシリアからの移民タレクと交流するうちに心を開き、変化していく様子を描いたもの。どっかのレビューで『グラン・トリノ』に匹敵するいまのアメリカを描いた映画、みたいなのを読んだ覚えがあるんだけど、正直そこまでの映画ではないと思った。でも悪い映画ではなかった。 ウォルターはアメリカ人っつーよりもどっちかっつったら日本のダメ公務員みたいな感じで描かれてる。ろくに仕事はしないのに高い給料もらって豪邸に住み、ニューヨークにもアパートを持ってる。毎日夕方早くに帰ってきてワイン飲みながら一人で夕飯を作る。妻には先立たれており寂しい男やもめ生活。最初はなんか見ててイラリきた。 しかしタレクとその母親モーラと出会ったことでウォルターは代わり始める。二人のために必死に尽くそうとするウォルター。有り余る時間と金を二人のために使う。ここで僕は、「男はやっぱり金だなー」と思った。もちろん金がすべてじゃないことは分かってる。でも金で救える心や気持ちっていうのは確実に存在する。映画は必ずしもハッピーエンドを迎えるわけではないんだけど、ウォルターは自分にできることを必死にやり遂げ、モーラとタレクの力になる。もしウォルターが貧乏だったら不法移民の彼らにしてあげられることなんて何もなかっただろう。 若い頃の心を持ったまま金持ちになりたい、と思った。