ユキとニナ
評価 : ★★☆☆☆
日本人とフランス人の監督の合作らしい。率直に申し上げるとそんなに面白くなかったです。
あらすじ
フランス人と日本人のハーフのユキはフランスで暮らしていたが、両親が離婚するため母親と日本に帰ることになった。しかしユキは日本に行きたがらない。住み慣れたパリと親友のニナとも離れたくない。ある日二人は親の目を盗んでニナの父親の別荘に逃げるが…
感想
見る前からなんか「『ポネット』臭のする映画だなー」と思っていたらまさにそんな感じでした。フランスの少女の話。あるいは『大人はわかってくれない』にも近いかも。大人の身勝手で子どもが振り回されるというストーリーは似ているような気がします。
しかし、内容が徹頭徹尾抽象的で、あまり感情移入できなかった。
途中、ユキがニナとはぐれて、フランスの田舎村の森の中をさまよっていて日本の田舎にテレポーテーションするというシーンがある。まぁ寓話的なんだけど、そんなに悪くない演出だった。なにより梅雨の日本の田舎の田園地帯はフランスの田園風景にはない美しさがあって、この対比は良いなと思った。
そんでネタバレ気味になるから気になる人は読まないで欲しいんだけど、エンドロールの音楽がやばかったです。沖縄民謡の『てぃんさぐぬ花』。僕は初めて沖縄に行った小学生の頃にこの曲を聞いて以来、この曲が好きなんだけど、歌詞の内容も映画にマッチしてるのかなーと思った。というか最後にこの曲が流されなければ、映画のテーマがよく伝わってこなかったかも。
日本人であるユキの母も、フランス人のユキの父も、離婚することにはなったけど、ユキのことをとても大切に思っている。特にユキの父が、ユキと二人きりの夜にユキに語りかけるシーン。この男は妻とくだらない内容で喧嘩するシーンが多いのでくだらない男なんだ、という先入観を持っていたけど、父親が愛娘に接する様はいじらしいと思った。それで最後に『てぃんさぐぬ花』が流れるとじーんと来る。
見ると親孝行したくなる映画でした。