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rebuild.fm でたびたび HipChat とか IRC の話がある。最近は Slack というサービスが流行っているらしい(Rebuild: 54: Email Will Never Die (naan, N))。ウェブ開発者じゃない人の間にも広まってる感じなのかな。自分はいまの会社に入って初めて IRC に触れて便利だなぁと感動したし、もう IRC のようなチャットシステムがない会社で働くのは無理だなぁという感じがする。

これまで働いてきた会社の情報共有手段を振り返ってみる。

最初に就職して三日で辞めた会社

数人しかいない会社。なんかよくわからない P2P のメッセンジャーだった。一対一でしか情報やりとりできない。 URL の共有とかファイル共有に使ってた。口頭での情報共有がメイン。

二番目に勤めた地元のホームページ制作会社

10人くらいしかいない会社。 Yahoo! メッセンジャーだった。グループチャットとかできたのかもしれないけど一対一でしか使ってなかった。使い方は同じように URL とファイル共有だった。口頭での情報共有がメイン。

三番目に勤めた福岡のウェブ制作会社

社員数は70人くらいで東京やベトナムの社員とも協働することが多かった。基本的に ML でやりとりして、チャットは MS の Communicator とかいうやつだった。 Active Directory なやつ。グループチャットとかあったけど基本的に一対一で情報やりとりしてた。この会社くらいの規模から口頭での情報共有が厳しくなってくる。

現在の職場

社員数300人くらいで、 IRC でやりとりしてる。チームによっては Skype 使ってるところもあるけど、基本的には IRC 。 IRC の良いところは、話しかけることで会話が始まるのではなく、チャンネルがあってそこに人が入っていく感じ。たまり場感ある。大学生の頃サークルやってなかったからちょっと違うかもしれないけど、サークルのたまり場に似てるんじゃないかという感じがする。 IRC に接続すると誰かいてなんか返事が返ってくる感じがいい。

あと ZNC などの IRC バウンサー使うと自分が接続していなかった間のログも読めて良い。 Skype のチャットにもこういう機能あるけど、 Skype はグループを作ったりとか人との会話とかで、人と人のチャットに主眼が置かれる。 IRC はトピックごとに場所がある感じ。

社員全体へのお知らせとか #all チャンネルとか #fukuoka チャンネルに書かれるけど非同期に読めるのが良い。 MS の Communicator とかはその場ですぐ来たメッセージ読んで返事しないとちっこんちっこんアイコンが光ったりしてうざい。というか一対一の会話ツールは非同期コミュニケーションしづらい。 IRC だと手が空いたときにまとめて読んだりできるので良い。

あと IRC は Ikachan とか Hubot とか bot にいろいろやらせられるのがよい。 Jenkins のビルドが走ったら IRC に通知する、デプロイが始まったら IRC に通知する、 Hubot にデプロイをやらせる、 GitHub の Issue にコメントがあったら IRC に通知するなどなど。

三番目の会社は各人が情報にアクセスできるレベルが Active Direcotry で管理されてて必要な情報を必要な時に得ることが難しかった。 IRC でも選ばれたメンバーしか入れないチャンネルとか作ることもできるけど基本的に本人がこの情報欲しいと思ったときにそのチャンネルに入って情報を得ることができて効率が良いと感じた。

もっと多くの人が IRC とかチャット使って仕事して欲しい

IRC はずっと前からある技術だけどいまでも便利な情報共有手段だし何でもっと多くの会社で使われないんだろうという感じがある。小さな会社じゃ自前で IRC サーバーたてるのとかしんどい感じあるしある程度技術者がいて運用スキルがある会社じゃないと使えないのかも知れない。いまは HipChat とか Slack とかあって IRC サーバーたてなくても良いし ZNC とかの使い方がわからなくても過去ログ追えたりするわけだし、ウェブ開発者がうようよいるような会社じゃなくても便利なチャット使えるのだからもっといろんな会社に広がるといいと思う。自分がいまの会社に入ったときに感じた情報源の広がり感をもっと多くの人に味わってもらえると日本社会もっと良くなる気がする。