| @Mac/iPhone

Codaが半額になってます。

Panic Sale

CodaってのはTransmitの開発元のPanicっていう会社の製品なんですけど、エディターとFTPクライアントが一緒になってるソフトで、Dreamweaverみたいなもんです。でも個人的にはDreamweaverよりも軽いし使いやすくて好き。サーバーに置いているファイルを直接編集できるし、CUIでサーバーにアクセスできるし、これ一本でHTMLやCSSからJavaScript、ActionScript、PHP、Python、Ruby、Perlなどメジャーな言語を全部扱える!(本格的なプログラミングには向かないと思うけど、僕の用途には完全マッチなんです) なによりCocoaアプリなのでUIがMac調でOS Xとの親和性高いです。

試用版を使っていた15日間はめくるめくような日々で、こりゃ欲しいなーと思ってたんですけどなんとお値段99ドル! ちょっと高いですよねー。それが今日からの3日間限定でTransmitなど同社の主力ソフトウェア群が半額で買えるんです。

Panic Sale

これはもう買うしかないってことでポチっと行ってしまいました。

実は春先にEspressoにつられてMacHeist Bundle 3を買ってました。EspressoってのはCSSEditの開発元が作ったエディターで、これがMacHeist Bundle 3に含まれてたんです。Espressoも悪いソフトじゃないと思います。HTMLに限っていうならCodaよりも良いかも知れない。しかし何から何まで一つでこなせるCodaの快適性にはかないません。さすがにCSSの編集はCSSEditの方がやりやすいけど、PHPやJavaScriptはこれからはCodaで書いていこうと思います。僕みたいなアマグラマーにはコードの自動補完がうれしいです。

いやー、生きてて良かった。

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This is England

評価 : ★★★★☆


"This Is England" (Original Soundtrack)

ブリットポップ前夜、フォークランド紛争後の1983年のイングランドが舞台。スキンヘッドの若者たちがクソなサッチャー政権とクソな社会に反発する映画。とても面白かった。

主人公ショーンは12歳の少年。父親をフォークランド紛争で亡くし、母親と低所得者向けの住宅で過ごす。父が買ってくれたフレアのパンツを学校に穿いて行って「ウッドストックに帰れよ」とからかわれ、しょぼくれてとぼとぼ家に帰っているところをガード下にたむろするスキンヘッド集団に声をかけられる。グループのリーダー、ウディに励まされたことでスキンヘッド集団と関わるようになる。

当初はウディらと健全(?)なスキンヘッドライフを送るショーンだが、ウディの旧友、コンボが刑務所から出てきてグループの調和を乱しまくる。彼は刑務所での経験がもとで人種差別主義者と化していたのだ。グループにはミルキーというジャマイカ系の男がいるのに、コンボは彼の前でも構わず人種差別的な言動を繰り広げる。これにウディは気分を悪くし、コンボを避けるようになる。結果的にグループは二分するのだが、ショーンは愛国主義的で排外的なコンボの思想に惹かれるようになる。コンボのグループは政治集会に参加したり、パキスタン系の移民を迫害したり、どんどん政治色を強めていく。そして悲しい結末がショーンとコンボを待ち受けているのだった。

冒頭のフォークランド紛争の報道映像を引用してるシーンがショッキングだった。地雷で片足を吹き飛ばされた英兵が担架で運ばれる映像が挿入される(補給艦に搭乗していてミサイル攻撃を受けて負傷した兵士らしい : フォークランド戦争 - MEDIAGUN DATABASE)。イギリスは結果的にフォークランド紛争に勝利したけど、多くの艦船を失い、少なからぬ死傷者を出したみたいだ。加えて社会に蔓延する英国病。なぜ移民には住宅が優遇されるのに、元々の住民であるイングランド人が貧しい暮らしを送らなければならないのか。コンボは極端な人種差別的国粋主義者だが、言っていることは一理ある。排外的なスキンヘッド集団が生まれたのには様々な時代背景があったことが分かる。

ストーリー以外の部分では、ウディ(風貌がルパン三世っぽい)のファッションがとても格好良かった。Ben Shermanのシャツの下にサスペンダーでぴちぴちのジーパンを吊し、ロールアップした足下にはDr. Martensのブーツ。さらに上からピンバッジ付きのMA-1などのフライジャケットを着る。フライトジャケットとかすごくダサく見えてたけど、ジャストサイズをこういう風に着こなすととても格好良く見える。イギリスでは2007年公開の映画だけど、この格好はこれから流行るんじゃないだろうかと思った。

英語も特徴的で面白い。どの英語がどこ訛りだとか詳しいことは分からないけど、comeは「カム」より「コォム」と聞こえるし、canは「キャン」より「カァン」と聞こえ、アメリカ映画の英語とは全然別物だ。「ああー、イギリスいいわぁー」っていうイギリスかぶれには辛抱たまらんはず。

加えて音楽。ブリットポップ前夜のイギリスはパンクロックばかりなのかと思っていたけど、そうじゃなくて、スキンヘッズはスカやレゲエ、ソウルも聴いてたみたいだ。1980年代に入ってからスキンヘッズは白人優位の人種差別的集団と化したようだが、そもそものルーツはジャマイカ系移民のスタイルに強く影響を受けていたらしい。だから人種差別主義者のコンボが、マリファナをくゆらせながらブルースを聞くシーンもある。僕はパンクはあまり好きじゃないのだが、作中で使われてた音楽はどれも格好良く、サントラを買おうとしたらAmazonでは何と在庫切れ中。そのくらいかっちょいい。

ショーンが年上の女の子スメルに恋をするんだけど、このスメルって子がまるでX Japanのメンバーみたいなメイクをしてて不思議な色気があった。

| @映画/ドラマ/テレビ

"きみに読む物語 スタンダード・エディション [DVD]" (ニック・カサヴェテス) 『16歳の合衆国』、『ラースと、その彼女』でライアン・ゴズリングが良かったので、ゴズリング主演で評判の良い『きみに読む物語』ってのをDVDで見た。なんつーのかな、古き良きアメリカ映画って感じだった。高校の頃の音楽の先生が変わった人で、授業の最後の15分間くらいで毎回映画を見させてくれてて、『俺たちは天使じゃない』とか『白い嵐』とか『ラスト・オブ・モヒカン』とかを見させてもらった。3年間で結構たくさん見たと思う。どれもアメリカ映画で、白人の美男美女が主人公みたいのが多かったような気がする。で、『きみに読む物語』ってのはまさにそんなアメリカ映画の典型的なプロットに当てはまるストーリーだった。美男美女のカップルが、身分や家柄の差を乗り越えて、最終的には結ばれるというお話。 とにかくキスしまくる映画で、後半からはベッドシーンもあるんだけど、ヒロインを演じたレイチェル・マクアダムスがかたくなにおっぱいを見せない。いや別におっぱいが見たいわけじゃないんだけど、ベッドシーンだけカメラの構図が不自然でそれがすごく気になった。 アメリカの雄大な自然、豪華な作りの建物、自動車などなど、「これぞアメリカっ!」って感じのアイテムがいっぱい出てくる。物語は1940年から始まるんだけど、貧しいノア(ゴズリング)の家でさえ車を持ってて、街はにぎやか。こんな国と戦争したら勝てるわけがない。日本の高度経済成長期以後の生活水準をアメリカは既に戦前に実現してたって感じ。 パクス・アメリカーナって言葉がある。パクス・ロマーナ(ローマの平和)をアメリカに当てはめたものだけど、20世紀のアメリカは本当にパクス・アメリカーナな感じだったんだなって思う。ブロンドの俳優たちがチューしてる姿は、古代ギリシャやローマの彫刻を思い起こさせる。ラストは愛はどんな障害をも乗り越えるみたいな展開だし、終始ウルトラポジティブ。 『きみに読む物語』ではところどこに黒人が出てくるんだけど、ヒロインの実家(金持ち)の家のメードだったり、老後の主人公が入ってる老人ホームのスタッフだったりする。結局白人中心の世界から抜け出してなくて、黒人に単純労働とか面倒くさいことは任せてパクス・アメリカーナは成り立ってたんだなって感じた。 ゴズリングの出てる『16歳の合衆国』、『ラースと、その彼女』は、そういったパクス・アメリカーナの反対側を描いた映画だなって思った。『16歳の合衆国』とか特に。パクス・アメリカーナは虚構なんだよね。アメリカはイギリスから独立したけど、ほんのつい最近までイギリス風の植民地主義を引きずってた感じがする。 『きみに読む物語』、思春期の女子高生とかには超受けるだろうけど、俺は911以後の世界を描いたアメリカ映画の方が好きだなと思った。

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零戦と戦艦大和という本を読んだんですけど、これがなかなか面白かったです。一見、軍国主義万歳みたいなタイトルですが、実際はなぜ日本が戦争に負けたのかを識者が座談会形式で討論しています。これがまたとない日本社会論で、『パラダイス鎖国』にも通じる内容でした。

「今日の日本は64年前の日本とは全然違う、いまの日本はあんな無謀な戦争はやらないし、軍国主義は既に過去のものだ」。多くの人がそう思っているんじゃないでしょうか。僕もそう思っていました。でも読めば読むほど、戦時中の日本軍の組織は今日の日本社会と符合する部分が多くてびっくりしました。

以下印象に残った点。

  • 戦時中、アメリカの方が戦況は優勢だったのに、アメリカ海軍は26人も指揮官を更迭した。一方で日本海軍はゼロ。敗軍の将に花道を飾らせようと据え置いたりするから、当然また負ける。末端の兵士には厳しかったかも知れないが、上層部には甘い組織だったのではないか?

  • 日本軍はカタログ偏重主義で、兵器の開発にもカタログ値が良好であることを望む。しかし本当ならセットで考えなければならない人員の配置・交代など運用方法を軽視するから、零戦や戦艦大和がどれだけ優れていても有効活用できないままに終わってしまう。大和の主砲は世界最強の威力を誇ったが一隻も敵を沈めていない。

  • 零戦の成り立ちはまるで日本のガラパゴス携帯のよう。海軍及び軍需産業は多品種少量生産が好きで、部品の標準化などを怠っていた。結果、大量生産ができず、十分な数の兵器を生産することが出来なかった。この伝統は今日の日本の家電メーカーにも脈々と受け継がれている。

  • 日本の兵器は零戦など高性能なものもあったが、使いこなすには使い手の熟練が必要だった。対してアメリカは操作が単純で新兵でも簡単に使える兵器を大量生産した。

  • 日本の軍人は武士道精神を好んだが、同じ武士道でも戦国時代に書かれた宮本武蔵の『五輪書』と江戸時代中期に書かれた『葉隠』ではまったく定義が異なり、『五輪書』では戦場でいかに敵を倒して生き延びるかが書かれているが、『葉隠』では「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」など、世襲官僚としての処世術が書かれている。後者の美意識を規範にした日本軍は人命を軽視するようになった。

  • 誤った武士道の解釈により軍人が防御機構を要望することは恥とされ、零戦の装甲は薄かった。結果多くのベテランパイロットと機体を無駄に失った。

  • アメリカ軍は『プライベートライアン』などで描かれたように行方不明者が出たときに必死に捜索するなど個々の兵士を守ろうとするが(民主主義国家の軍隊)、日本軍は兵士の人命を粗末にあつかった(独裁国家の軍隊)。これが彼我の士気の違いにつながったのではないか?

  • 日本軍は一度作戦計画を練ったらそれが完璧だと思い込み、万一作戦がうまくいかなかったときのことを考慮しない傾向にあった。戦艦大和の装甲は世界一だったが、もし装甲が破られたときにどうするか(ダメージコントロール)が不十分だった。

  • 戦陣訓で「生きて虜囚の辱めを受けるなかれ」と言われたため日本軍に捕虜は存在しないことになり、万一捕虜になったときにどうするかといったことが兵士に教えられなかった。結果、捕虜になって絶望的な気分になり、アメリカ側に重要な情報を話してしまった将校もいた。

などなど。憲法が変わったり主権が国民に移ったり自衛隊がシビリアンコントロールに置かれるようになったり、外側は戦前から変わったと思うけど、中身があまり変わってないような気がしますね。非常に興味深い本でした。

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テレ朝の報道発ドキュメンタリ宣言という番組をたまたま見た。『昭和史最大のスクープ 男装の麗人川島芳子は生きていた!』というタイトル。なんか二時間スペシャルだったみたい。これは結構面白かった。

川島芳子ってのはもとは清朝の王女で、7歳の頃に日本人の養女になり日本人として育てられたらしい。そんで戦前戦中はスパイめいたことをやったりしてたらしいんだけど、戦後は国民党軍に捕まって死刑が宣告され、処刑されたということになっている。しかし国賊の処刑は通常公開処刑にされるのに川島芳子の処刑は非公開で行われ、処刑の少し前の川島芳子は短髪だったのに公開された遺体の髪の毛は肩まであり、後頭部から銃で撃たれていて顔を確認することはできなかった、などなどの理由により、当時から川島芳子は生きているのでは、っていう噂があったらしい。

最近になって中国で川島芳子をかくまってた一家の人が名乗り出たらしくて、調査が行われてるそうだ。川島芳子と見られる女性に育てられたという女性への取材と再現ドラマを交えてドキュメンタリーに仕上げてた。

こういうのは源義経伝説みたいに眉唾な印象を持ちがちなんだけど、これほんとかも知れないな、と思ってしまった。

番組では李香蘭こと山口淑子と川島芳子との交流の話とか出てくるんだけど、WIkipediaで色々読んでたら、李香蘭って人はなんかすごかったんだなと思ってちょっと驚いた。ビリー・ホリデーみたいな半分伝説と化した人物かと思ってたんだけど、山口淑子さんていまも生きてるんですね。日本人なのに中国名で女優やってて、戦中は人気があったってくらいは知ってたんだけど、日本に帰ってきてからも女優やったり、テレビ司会や参院議員もやってたってのか。

李香蘭

戦前の日本は007とか映画の世界のようなことをやってた人達がいっぱいいたんだと思って圧倒されました。川島芳子が密かに生き延びてたという話もすごいけど、李香蘭こと山口芳子さんの人生も十分に壮絶だよ。激動の昭和史の一端を垣間見た夜でした。

| @写真

この前の比較は条件がバラバラだったので、出来る限り条件を合わせてもう一回撮り比べてみました。レンズはVR 18-200mm、両方ともピクチャーコントロールはスタンダードもしくはノーマル、ISO感度は200で統一、JPEG FINEでサイズは一番小さいサイズで撮りました。なおブログクライアントにectoを使ってるんですけど、ectoのはき出すサムネイルは汚いので厳密に見比べたい方はクリックしてオリジナルファイルを開いてください。

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| @写真

Adobe Lightroom 2

二つ前の記事で書いた通り、Nikon D90の画像がどうしてもアンバー寄り(うんこ色)なので、しょうがなくRawで撮影してMacに取り込んだあと現像してます。Rawはファイルサイズが写真一枚あたり10MBくらいになるし、読み込みに時間かかるしあんまり好きじゃなかったんですが、Raw現像をやってみるとなかなかどうして面白い。うんこ写真も色鮮やかに蘇ります。

僕はRaw現像できるソフトはPhotoshopしか持ってないので、しょうがなしに

iPhotoで「外部エディタで編集」
    ↓
Photoshopで現像
    ↓
iPhoto Library内に保存
という非常にしちめんどくさいステップを踏んでいたんですけど、一昨日、Adobe Lightroom 2の試用版をダウンロードして使ってみたところ、ぶっとびました。スゲー現像しやすい! 直感的にいじってさくさく編集できるし、ファイルの保存場所も複数プリセットに保存できて、iPhotoとのファイルのやりとりもまぁまぁやりやすい! 少なくともPhotoshopよりもカイテキ! さらに何と言ってもUIがMac OS Xに馴染んでて違和感ない。

Photoshop Camera Raw

Lightroom

上がPhotoshopのCamera Rawのキャプチャ、下がLightroomです。基本的にできることは同じなんだけど、Raw現像に特化してる分、はるかにLightroomの方が使いやすいです。UIももちろんLightroomの圧勝。背景を暗くしたりも出来るし、現像作業に集中できます。画像をダブルクリックしたときの拡大倍率を細かく変更できるところなんかもステキ。

さらにPhotoshopでRaw現像する場合、ファイルブラウズ用にiPhotoもしくはAdobe Bridgeを起動し、現像用にPhotoshopを起動しておかなくてはなりませんが、Lightroomは単体で写真の閲覧、現像が出来るので現像ソフトと閲覧ソフトの間を行ったり来たりする必要がないわけですね。特に複数の写真を見比べながら色味を調整するときに便利です。Photoshopでは一枚ずつしか現像できないので、複数枚を並べて見比べながら現像することが出来ません。

これまでLightroomとかApertureとかRaw現像系のソフトは全然存在意義が分からなかったんだけど、認識を改めました。Lightroom欲しいぞコンチクショウ!