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 少し前のニュースから。

東京での就職支援、パソナが地方大学向け新サービス

 人材派遣大手のパソナは、地方の大学に代わって、学生の東京での就職活動支援を請け負うサービスを始める。  東京に出先機関を持たない地方大学の“東京出張所”として、東京・渋谷に学生のための「キャリアプラザ」を設け、首都圏の求人情報を幅広く掲示する。若手の社会人を招いて研修会を実施したり、履歴書の書き方など各種の就職相談にも応じる。料金は大学から徴収し、学生は原則として無料で利用できる。  大学側の協力が得られれば、各大学に寄せられた求人票を東京でも閲覧できるようにする。  地方に住む学生は、東京の学生よりも就職関連の情報が入りにくく、自宅と東京を頻繁に往復しながら就職活動を行う時間や金銭的な負担も大きい。  こうした学生の就職支援が進めば、地方大学の就職率向上にもつながる。少子化時代に向け、地方の大学も学生を集めやすくなる。  すでに、北海道や関西、四国の大学から問い合わせがあるという。同社では「今年度中に10前後の大学と契約を結びたい」と話している。
(読売新聞) - 10月16日14時49分更新

 これは地方の学生にとっては大変ありがたいことだろう。俺は東京から地方に就職活動に出かけたりしていたので、ほんの少しだが、地方の学生の就活の大変さが分かった。東京に就職活動のための拠点のようなものがあれば、どれだけ地方の学生は楽になることだろう。

 まず、地方の学生が強いられる負担に、交通費がある。バブル期なら企業は一次面接から交通費を支給していたみたいだが、少なくとも俺が就職活動をしていた一昨年までは、よほど景気の良い会社を覗いて、交通費は支給されないことがざらだった。最終面接ですら支給しないところも。仮に九州から東京に面接受けに来たら、一回飛行機で往復するだけで6万円かかってしまう(割引なしの運賃)。明らかに不利すぎる。

 次に地方だとやはり情報が少ない。首都圏だと、先輩が間近に就活する姿を見たり、実際働いている先輩の話を聞いたり、多くの就職セミナーに参加したりといくらでも情報収集可能だ。回りの友人たちも早くから活動し始めるので、触発されてのんびりした人でも割と早くからスタートを切ることが出来る。一方で地方だと、先輩はいても彼らも就職活動は東京で展開していたので、間近に就活をする姿というのを目にすることが出来ない。OB訪問しようにも、先輩は東京など大都会で働いていることがほとんど。そもそも先輩が希望する会社にいないケースの方が多いのではないだろうか? もちろん、就職セミナーも少ない。そして極めつけは、周りの友人たちがのんびりしていること。これが結構痛い。地方の学生の話を聞くと、就職活動なんて年度が替わってからぼちぼち始めるもんでしょ、というような認識である。それじゃもうエントリーできるまともな企業なんてないよ。

 パソナの取り組みには宿泊施設の提供については触れていないが、地方大学が共同出資して就活中の学生が安く利用できる宿泊施設などを開設すべきである。こういうことに早くから取り組んでおかないと、少子化が進展したら、就職活動で苦労することが分かり切っている地方の大学になんて誰も進学したがらなくなるよ、特に文系は。旧帝大だからってあぐらをかいてると、あっという間に首都圏の私立大学に抜き去られる日が来ると思う。

 景気が上向いてきたら、学費が安いからってだけで人気のある国立大も定員割れを起こすようになるかも知れない。危機感を持って学生の就職支援に取り組まないと、大学経営は行き詰まりますな。