| @散財

2024 年買って良かったものをつらつらと。

Kindle Paperwhite

Kindle Paperwhite

動作が速くてビックリ。これまで使っていた 2020 年のモデルは動作がもっさりしていて線を引くことすら難しかったが、 2024 年のモデルはキビキビ動く。また 2020 年モデルはバッテリーの減りが早く、あまり使っていないのに読もうと思って開いたらバッテリー切れになっていることが多かった。しかも充電が micro USB というのがイライラした。充電端子が USB-C になり、ケーブルの問題とバッテリー持ちの問題が同時に解決されて満足。

今回、初めて純正ケースも買ってみたけどなかなか良かった。バッグに入れてるといつの間にかスリープが解除されててページが移動したりバッテリーが減ってることもあったがそれがなくなった。液晶も傷つかない。

Kindle Paperwhite ケース

おおむね気に入っているが値段に関しては不満が大きい。 10 年前に買った初代 Kindle Paperwhite は 7800 円だったのに今回のは 30000 円近くしたので 4 倍近く値上がりしてるのにはちょっと閉口。比較的発売されたばかりなのに 1 月 3 日からの初売りで 5000 円引きになるらしい。この前のプライムデーでもセールしてたしやっぱり値付けが高すぎるのだと思う。

Apple Watch Series 10

Apple Watch Series 10

Series 6 からの買い換え。 Ultra も持ってるけどこっちはドナドナすることに。 Ultra は重すぎてランニングで使うにはしんどかった(登山では良いと思う)。

実は今年 COROS の Pace 3 も買っている。 Pace 3 は軽くて電池持ちよくて GPS の精度が高いのもよいが、ランニング時に取れるメトリクスが Apple Watch よりも少ない。具体的には Ground Contact Time (接地時間)と Vertical Oscillation (上下動)が取れない。これらを計測するためには追加で COROS Pod を買わないといけない。

センサーの性能や Apple Pay とか音楽再生のコントロールとか日常生活での利便性を加味するとやっぱり Apple Watch が最強。シリアスに走るとき(マラソンのレースとか、 30km 走とか)やトレランのレースでどうしても Apple Watch だとバッテリーが足りなくなることが想定される際には COROS を使うが、普段は Apple Watch で問題なし。

TAZO ORGANIC CHAI

TAZO ORGANIC CHAI

会社でサンプル品のチャイのティーバッグをもらって飲んだらうまかったが、自分で買うには値段が高すぎて買えなかった(ティーバッグ一つあたり 280 円くらいする)。代わりになるものを探していて、ハーブティーといえば TAZO だなと思って調べてみたら何といまは TAZO は日本国内では取扱がないようだった。 20 年以上前、自分がアルバイトしていた頃のスターバックスのお茶は TAZO だったのだが、スターバックスは傘下に収めていた TAZO を手放したらしい。

仕方なく楽天で探したらアメリカから発送してくれる会社があった。それでもティーバッグ一つあたり 80 円くらいするので結構高い。でも味は期待通りだった。

ちなみに TAZO のティーバッグが切れたので代わりに Amazon で安く売られていた他のチャイを試してみたら、香りが薄くてイマイチだった。 TAZO のやつの方が生姜とスパイスの香りがガツンときてうまい。高いとは思いつつも引き続き楽天で TAZO のやつを追加購入した。

Patagonia エアシェッドプロプルオーバー

Patagonia エアシェッドプロプルオーバー

ウィンドシェルと化繊シャツのハイブリッドみたいな素材のプルオーバー。胴体はナイロン生地、腕とフードの部分はポリエステルの化繊(キャプリーンクールライトの生地)。防風性と通気性のバランスが絶妙。値段は高い(ウィンドシェルのフーディニジャケットよりも高い!)がめっちゃよい。

冬のランニング、着るものが難しい。化繊シャツの上にウィンドシェルを着ると途中で暑くなって脱がなければならずかさばる。エアシェッドプロプルオーバーは最初から最後まで着たまま走れる。暑くなったら胸のダブルジップのところを開ければ換気できるし、袖は伸縮性があるので簡単に袖まくりできる。ドライレイヤーのシャツの上にエアシェッドプロプルオーバーを着て体感気温1℃の大濠公園を走ったがちょうど良かった。

Smartwool のメリノビーニー

Smartwool メリノビーニー

ランニングとかトレラン用の薄手のニット帽。冬のランニングは耳が痛くなるのでニット帽がないと厳しいが、厚手のやつは暑い。薄手のビーニーだとちょうどよい。ふんわりした被り心地も優しくてよい。値段も 3000 円くらいで良心的だった。唯一残念なのは薄いグレーを買ったので汗が目立つこと。頭が禿げてて頭皮が剥き出しだからかもしれない。

| @雑談

今津

2023 年の出来事

1 月

インターネットについて書いた記事がバズった。

以前から漠然と思っていたこと(ショッピングプラットフォームを使わず、独自のカートシステムで作られているショップのサイトに Google 経由でたどり着けない)を書いたら同意してくれる人がたくさんいた。

自分としては Google だけが問題と言いたかったわけではないが、あとから読み返してみると全部 Google に問題があるように読める。

この記事をきっかけにして Safari のデフォルト検索エンジンを Google から DuckDuckGo に変えた( iPhone 、 Mac とも)。お店の名前で検索したときに検索結果に Google マップが出てこないのが少し不便だが、 Google マップの情報が必要なら Google マップで検索すれば良いだけなのでまぁ慣れてしまった。

ちなみに車で CarPlay 越しに使うカーナビも Google マップから Apple マップに乗り換えた。 CarPlay の便利さについては 4 月に記事を書いている。

2 月

阿蘇草原マラニックに参加した。

中学生の頃に陸上をしていたとき以来のレースっぽいやつ(厳密にはレースではなく、順位を競わないマラニックだった)。これでトレランの面白さに目覚めた。それまでも家の近所を走ったり、たまに山を走ったりしていたが、あくまで登山がメインでランニングは体力向上を目的としていた。阿蘇草原マラニックに参加してから主客が逆転し、ランニングがメインで登山はサブになった。

Running - Saturday, February 4, 2023.jpg

2 月には iPad Air も買っていた。

ハチャメチャ使いにくいと書いているが、ちょっとしたメモ書きには便利。ノートパソコンの代替として使おうとするとやっぱり無理があって、ちゃんとしたフルピッチのキーボードにはかなわない。それよりも図を描いたりしつつ考えをまとめるメモ帳として使うと、紙のメモでは不可能な、一回書いた文字や図をぐるっと囲んで別の位置に移して整理したりといった使い方が可能。これによって新たなアイディアが浮かんでくることもある。 iPad Air 、高かったが買って良かった。ペイディ払いさまさま。

3 月

3 月は五ケ山・脊振クロストレイルというトレランのレースに出場した。マラニックではないちゃんとしたレース。 2 月に一回試走していたが試走でヒザがオワコンになり、ちゃんとゴールできるかとても心配だったがなんとかゴールした。

Running - Sunday, March 12, 2023.jpg

3 月はブログの検索機能を改造して、ショートカットキーから検索窓を開けるようにして、矢印キーで検索結果を選択できるようにした。これがめっちゃ便利。自分のブログで Mac の人気ランチャー Alfred の検索機能を使えるような感じ。

4 月

CarPlay について記事を書いた。

Apple CarPlay は本当によくできている。車の給油ランプが付いたときに「ガソリンスタンドを探しますか?」というプッシュ通知が効いたときには本当に驚いた。とてもよくできている。

4 月にもトレランのレースに出ている。平尾台トレイルランニング。石川弘樹さんと記念撮影させてもらった。

Running - Sunday, April 16, 2023.jpg

5 月

仕事で下関に行ったので朝から下関の街をランニングした。知らない街に行ってランニングすることの面白さを知った。歩きだと時間がかかるし、自転車だと早すぎて通り過ぎてしまうが、ランニングならパッパッと移動できつつ、気になった場所は止まって写真を撮ったりできる。

Running - Monday, May 29, 2023.jpg

ブログでは Apple Watch をトレランに使うための記事を書いた。

純正のワークアウトアプリではトレランに使うのは難しい(ルート案内がない)が、サードパーティーのアプリを使えば Garmin などの専用ウォッチと同等の機能を提供してもらえる。おまけに日常では Apple Pay が使えたり音楽の操作ができたりプッシュ通知を受け取ったりできて専用ウォッチよりも便利な機能も享受できる。 100 マイルレースとなるとさすがにバッテリー切れしてしまいそうだが、そんなに長い距離を走らないのであれば Apple Watch Ultra でトレランできると思う。

6 月

ブログ書いてない。写真を見返してもあまりパッとしない。仕事では「おつかれ山」の刷新に関わっていた。

Running - Sunday, June 11, 2023.jpg

7 月

二つトレランのレースに出た。 7/2 に南阿蘇カルデラトレイル、 7/24 に霧島・えびの高原エクストリームトレイルに参加した。

阿蘇草原マラニックに参加して、普通では立ち入れない牧野を走ることの楽しさを味わったので、南阿蘇カルデラトレイルにも参戦してこのときしか走れない景色を楽しみたいと思った。結構頑張ったつもりだったがタイムは 6 時間超で五ケ山・脊振クロストレイルのときと大差なかった。結構走ってたつもりなのに残念。

Running - Sunday, July 2, 2023.jpg

7/24 に走った霧えびでは獲得標高が少なかったこともあったのか、 6 時間以内でゴールできていた。しかしこのレースは景色が良いところが少なく、ほとんど林道できつかった。それでも一緒に参加した人たちと前日入りで霧島まで移動してピコラナイえびのに泊まったのは修学旅行みたいで楽しかった。えびの高原の雰囲気も阿蘇や久住に似ていて良かった。いつか韓国岳に登りに来たい。

Running - Sunday, July 23, 2023.jpg

7 月はレースのほかに長崎の七高山めぐりトレランもやった。 4 時間くらいで終わるつもりが 5 時間以上かかった。真夏の日中低山トレランはやばかった。七高山めぐりは規定の 1/15 までの間にチャレンジしてみたい。

Running - Sunday, July 16, 2023.jpg

ブログ関係ではサイトがめちゃくちゃ重いことがあるので原因を調べていたら、他サイトの OGP を読み込むための仕組みがスパマーによって悪用されていて、すさまじい数の HTTP リクエストが来ていることが発覚した。クエリパラメーターに URL を渡せば OGP を読み込みに行く機能だったが、 HTML 片を返してその中にオリジナルサイトへのリンクがあるので、足跡を残さずに別サイトへリンクするときの踏み台として乱用されていた。

もしこのブログを AWS などの従量課金系のサーバーで公開していたら多分とんでもない金額を請求されてクラウド破産していた。

8 月

ランニング中に立ち寄った自販機で買ったスコールパイン味がめっちゃうまくてランニングする度に買って飲んでいた。自販機で買うと値段が高いのでスーパーで探すものの、スコールパイン味はケース売りしていないようだった。なのでカルピスのパイン味を買って家で作った炭酸水で割って飲んでいた。パインと乳酸飲料の相性抜群なので良かったらお試しください。

スコールパイン味

下旬に一人で金山に行って野営した。防水の靴を夏に履くと自分の汗がなかなか抜けず逆に足がめっちゃ蒸れることを学んだ。夏は通気性の良い靴の方がよい。渡渉で足が濡れてもすぐ乾くし。

国民宿舎金山

このときの野営では地べたに座ったところ、アリにかまれてめっちゃつらかった。また地面に置いた荷物にも大量にアリが侵入してきて困った。このときの経験からハンモック泊するときはリッジラインを張って荷物は極力吊るすようにした。

9 月

ブログ記事なし。良く走ってはいたようだ。

トレランの用のシューズメーカーの Altra の靴が値上がりしすぎてつらいので 9 月に NIKE のセールでカイガー 9 というトレランシューズを買った。 9500 円くらいだった。 Altra のシューズは安くても 20000 円くらいするのでめっちゃお得。 NIKE のシューズは幅が狭いので足に合わないのだが、カイガーは Altra ほどではないにせよそこそこ幅が広くて 10km 程度のトレランでは問題なかった。

9 月は初めてあたたかい季節に九州脊梁に行った。脊梁はそれまで冬枯れの時期にしか訪れたことがなく、晩夏の脊梁は緑いっぱいで新鮮だった。

Hiking - Saturday, September 9, 2023.jpg

10 月

課金術についての記事を書いて少しバズった。

プログラミングなどの情報に比べて、この手の情報はインターネット上に非常に少ない。やっぱりみんなこの手の情報を必要としていたのだろう。

ちなみに課金手法は正解はない。業種によって様々だ。しかし確実に言えることは、自分がどんな価値を顧客に対して提供して、どういう課金手法だったらお金を払ってもらえるかを突き詰めて考えることだと思う。

10 月は何のレースにも出ていないが、翌月の福岡マラソンに備えてよく走っていた。レースなしで 238km 走っていた。 30km 走を後半に 2 回行っている。キロ 5 分台で 20km 近く走ったのはこれが初めてだったが、これで走りの次元が変わったように思う。キロ 5 分台への恐怖がなくなった。

Running - Monday, October 30, 2023.jpg

11 月

11/12 に福岡マラソンに出場した。初マラソン。もしかしたらサブフォーいけるのではと思っていたが、 6 分オーバーしてしまった。トレランのレースは本番に備えるといっても近所の山を走る位だったが、マラソンは入念に準備をした。インターバル走したり、ロング走したり。準備をして本番に臨む感じは初めての経験で新鮮だった。トレランよりもハイペースで走り続けるのでゴール後の疲労感も異なる。声がかすれるくらいに一生懸命に走ったのは初めてだった。

11 月はトレランのレースにも出た。八幡山岳会カントリーレース。マラソンで完全燃焼したので楽しむつもりで気楽に走ろうと思って出たが、なかなかハードなコースでかなりきつかった。朝、寒かったので厚着してスタートしたところ、昼間は結構気温が上がって厚手の長袖シャツを着ていたため体温調節に苦しんだ。

Running - Sunday, November 26, 2023.jpg

マラソン、トレランレースとイベントが多かったが、子どもから風邪をうつされて 11 月下旬から全然走れなくなってしまった。この体調不良は翌月まで尾を引いた。

12 月

12 月は仕事でグループ位置共有という機能をリリースしたのでいろいろ忙しかった。この機能は残念ながら山をなめるなおじさんクラスターから叩かれて炎上してしまった。「集団行動が前提の登山で離れても良いなどと言うとは何事か、けしからん!」的な反応だった。

Hiking - Friday, December 1, 2023.jpg

仕事は忙しかったが、ハッピーハイカーズの法華院ギャザリングというイベントに参加したり、南阿蘇カルデラトレイルの冬大会にも参加した。

法華院ギャザリングのイベント自体は自分は人見知りなこともあって全くダメだった。坊ガツルでの 12 月の野営はとても寒く、外に置いていたエバニューのウォーターキャリーの中の水が凍っていた。

Hiking - Sunday, December 3, 2023.jpg

南阿蘇カルデラトレイルはこれまでで最長となる 50km のコースにエントリーした。 6:00 の暗い時間にスタートし、 16:00 までにゴールしなければならない。これまで自分は持久力があると思っていたが、 30km を過ぎたあたりでシャリバテしてしまい、 30km ~ 45km くらいはずっと歩いていた。このままでは DNF になると焦りながらなんとか各エイドの関門時刻をギリギリ通過していき、最後にちょっと元気が出てきてなんとか制限時間内にゴールできた。本当にきついレースだった。

きついレースではあったが、この日は寒波が到来していて南阿蘇の標高 1000m ちょいの外輪山は雪が積もり、しかも気温が低いため雪がさらさらのままで、非常に幻想的な景色の中を走ることができた。こういうスノーランも楽しい。

Running - Sunday, December 17, 2023.jpg

2024 年の抱負

2023 年はもう 42 歳にもなるのに何者にもなれない人生だった。親孝行もできていない。何のために生きているのかと自問自答する日々だった。もうこの歳になって人生一発逆転できることはないのはわかってはいるが、 2024 年は両親や故郷に対して恩返しとなる何かをやっていきたい。

具体的にはアプリを作りたいと思っている。アプリ開発の技術的なノウハウは皆無だが、どうやったら人々が欲しがるアプリを作れるかはほんのちょびっとだけその辺の人よりは詳しくなった自負がある。 2024 年中にリリースすることを目標にコツコツ勉強していきたい。

| @登山/ランニング
福岡マラソン完走

福岡マラソン 2023 に出場してほぼ歩かず1完走することができた。

ランニングを始めた当初は走ること自体は目標ではなく、登山の際の体力をつけるのが目的で、マラソン大会に出るなんて考えてもいなかった。タイムは 4 時間 5 分だった。マラソンはサブフォー( 4 時間切り)すると「お、やるね」という感じで、サブスリー( 3 時間切り)すると「マジすげー」という感じらしい2

自分は普段、 6'10"/km くらいで走ると結構きついのだが、マラソンのときは何と 5'46"/km ペースで走っていたことになる。ちなみにサブフォーを達成するには 5'41"/km ペースで走る必要がある。「 40km 以上もキロ 5 分台で走るなんて無理だろ」と思ってたが何とできてしまった。ただサブフォーには届かなかった。

良かった点

30キロ過ぎで一番速く走るマラソン サブ4・サブ3を達成する練習法』を読んだこと

直前だったが小出監督の著書をマラソン前々日の金曜夜に Kindle で買って読んで、最初はゆっくり、 30km 以降からスピードを上げる作戦をとった。

サブフォーは 5'41"/km ペースだからと無策にこのペースを維持しようとしたら自分はおそらく途中で歩いてしまっていたと思う。特に福岡マラソンは中間の九大折り返し地点と 30km 付近で結構きつい坂がある。この辺で失速することも見越してペース配分しないといけない。

自分は以下のような感じでペース配分をしていた(左が計画、真ん中が実績、右が計画と実績の差分)。

計画・実績・乖離: ずっと 5'41"/km で走るのではなく、最初はゆっくりめに走って後半からペースを上げる走り方を想定
計画 実績 乖離
地点 ペース ラップ ペース ラップ ペース ラップ
5km 05:50 29:10 06:22 31:52 +00:32 +02:42
10km 05:45 28:45 05:50 29:10 +00:05 +00:25
15km 05:45 28:45 05:46 28:48 +00:01 +00:03
20km 05:45 28:45 05:45 28:45 00:00 00:00
25km 05:45 28:45 05:39 28:14 -00:06 -00:31
30km 05:40 28:20 05:56 29:39 +00:16 +01:19
35km 05:30 27:30 05:52 29:20 +00:22 +01:50
40km 05:25 27:05 05:30 27:29 +00:05 +00:24
42.195km 05:25 11:53 05:21 11:45 -00:04 -00:08
合計 05:40 3:58:58 05:48 4:05:02 +00:09 +06:04

インターネット上の情報源

エンジニアがすごく頑張ってサブスリーしたよって話 - KAYAC engineers' blog は何度も読んだ。

YouTube でいろんな動画も見た。うたランチャンネルは実際になかの人がサブスリーを達成するまでのドキュメンタリーっぽくなっててやる気出た。

YouTube には他にもランニング系の動画がたくさんあるが、いかにフォームを良くして楽に走るか的なやつが多く、説明も観念的なやつが多い(頭を前方から上に引っ張られてるつもりで走れとか)。基本的にそんなに楽に走る方法はないと思ってる。楽に走れるフォームがあるとして、そのフォームで走るためにはある程度の心肺能力と足腰の筋力がないとダメだったりする。なのでまず最初はジョギングで距離を稼ぎ、心肺能力と筋肉をつけてからフォームを改善していくべきだと思う。

ランニング系の動画で見る価値あるやつは科学的に説明してるやつで、なぜそうなのかをきちんと説明してるやつ。「なぜ」の部分が説明されていない動画は見る価値がないと思う。

コースの後半を走る 30km 走を事前に二回行っていてイメージトレーニングができていた

30km 走(試走)により、二見ヶ浦(景色の良い観光地)にさしかかったタイミングで景色に見とれず走りに集中できたし、強風にシャツが煽られて乳首スレすることがわかっていたので当日は乳首スレ対策に乳首を覆うテープを貼って走った。終盤には外れていたけど乳首痛で走れないのはめっちゃしんどいので事前予習しておいて良かった。

身軽作戦

ランニング用ウェストポーチを身につけず、財布も iPhone も持たずに、ジェル三つランパンに突っ込んだだけの身軽作戦で走った。やはり身軽さに勝るものはないと思う。とても走りやすかった。

マラソンにあわせて買ったグッズが役立った

  • C3fit のアームスリーブ
    • 腕振りの疲労軽減効果はわからないが防寒効果は確実にあった
  • Altra の Escalante 3
    • 足幅広すぎおじさんなので NIKE などのシュッとした靴ははけない
    • アメリカ Amazon で買って輸入、送料込み 16000 円くらいで買えた。 Altra のシューズは国内正規品で買うと軒並み 20000 円オーバーなので助かった。
  • Inner Fact の AXIO NIKKE 5 本指ソックス
    • 長い距離を走ると自分の汗で足がふやけて靴擦れしたりマメができたりするが、この靴下はドライをキープしてくれてマメもできなかった。
  • 半信半疑で買ったモルテンの高級ジェルがめっちゃ効いて、 30km 以降のエネルギー切れ・集中切れがなかった
    • 35km 付近を最速ラップで走れていた

家族、同僚、友だち、その他見ず知らずの人の応援

  • 知ってる人の応援もありがたいが、知らない人の応援もありがたかった
  • 九大の近くの蔦屋書店前で九大の学生が爆風スランプの "Runner" を演奏していて、正直自分がこの曲で励まされるとは思っていなかったが元気が出た

足が攣りそうでギリギリ攣らなかった

  • もしゴールがあと 1km 先だったら攣ってたと思う
  • アキレス腱からふくらはぎにかけてテーピングをしたあと、トレランのレースでも使うカーフガード(着圧タイツ)を履いていた
  • その他前日に 2 本、当日朝にも 1 本 Mag-on の顆粒を飲んでいた

悪かった点

スタート前の寒さ

  • スタートブロックに入ってから走り始めるまでの待ち時間が 1 時間近くあり、とても寒くて具合が悪くなりそうだった
    • patagonia のフィーディニジャケットを携帯しておくべきだった
    • とはいえ極力荷物を減らす作戦だったので仕方ない面も
    • 使い捨てのゴミ袋ポンチョを着てる人たちが羨ましかった

事前申告タイムの適当さ

  • エントリー時に申告した予測タイムが 5 時間で、後方ブロックからのスタートとなり、スタート後 15km 地点くらいまで混んでいて非常に走りにくかった
    • エントリー時、自分がサブフォーを狙えるとは思っていなかった

ためらわずにおしっこに行くべきだった

  • スタートブロックに入る前におしっこは済ませていたが、寒い中待っている間にまたトイレに行きたくなり、スタートして 2km くらいの地点でトイレに行ってしまった
    • スタートブロックに並んでいる間に列から抜けてトイレに行くべきだった

Teton Bros. のシャツの耐久性の低さ

  • Teton Bros. の Elv1000 Non Sleeve を着て走ったが、安全ピンで穴を開けないために両面テープでゼッケンを貼ったところ、テープを剥がす際に生地にあとが残って最悪だった。まだ 5 回くらいしか着ていないのに 😢

Apple Watch バッテリー切れ寸前

  • Apple Watch Ultra も持っているが重さが気になるので 3 年以上使ってバッテリーが弱ってる Series 6 で走ったところバッテリーがギリギリだった(ゴールしてワークアウトを止めた途端バッテリーが切れた😰)
    • Apple Watch は iPhone とセットで使うと iPhone 側の GPS を使うが、単体で使うと自分の GPS を使うのでバッテリー消耗が激しくなるらしい

総じて

マラソン楽しかった。トレランののんびりした感じもよいが(エイドで休憩したり、まわりの人としゃべったりする感じ)、一秒のロスを惜しんで立ち止まらずひたすら走るマラソンにもマラソンならではの良さがあると思った。

今後

計画と実績の乖離を見てわかる通り、スタート直後の混雑とトイレ、上り坂区間でのロスが響いている。トイレや混雑、上り坂で失速してしまうことは避けられないので、それらも織り込み済みの上でペース配分を考えないといけない。つまり全般的にスピードが足りてなかったと言えそう。普段のランニングのペースをもう少し上げて、 5km を 25 分以内に走るくらいは楽々できるようになってないとサブフォーは難しいのかもしれない。これまでスピード練習と言えばインターバル走がメインだったが、ペース走を取り入れてマラソンで狙うペースよりも速いペースで 10km くらいを走る練習をやっておく必要がありそうだ。

来年 2 月 18 日に熊本城マラソンに出ることになっているので今回の反省を活かしてここでサブフォーを達成したい。めっちゃ田舎の何もないところを走らされるみたいなので糸島の農道を走ってメンタルを鍛えておきたい。

できれば来年の福岡マラソンか青島太平洋マラソンでサブ 3.5 ( 4'58"/km ペース)を達成したい。

必死の形相でゴールに駆け込む著者

  1. スタート直後におしっこがしたくなってトイレに並んだときと、 30km 過ぎのエアーサロンパスステーションでサロンパスをスプレーするときにちょっと止まった 

  2. サブフォー達成はマラソン完走者の上位 28% くらいで、サブスリー達成者は上位 3% くらいらしい。
    https://sub3.blog/sub4/degree-of-difficulty 

| @労働

可也山.jpg

プロダクトマネージャーになって 5 年ちかくが経った。最初の 2 年くらいはエンジニア気分が抜けず、 Vim を開いて何かやったりということがあった。ただ 3 年目くらいからはエンジニアっぽいことは一切やらず、プロダクトマネジメントだけをやるようになってきたと思う。ようやく自己紹介をするときによどみなく「プロダクトマネージャーです」と言えるようになってきた。

現在は登山アプリ・サービスの会社で仕事をしていて、割と頻繁に山に行ってドッグフーディングしている。なのでユーザー(山に登る人)の課題感が大体わかっているつもりだ。

もしいまの環境を変えることになったとして、自分は登山アプリ以外のプロダクトマネジメントができるのだろうかとふと思った。山が好きだから(ドメイン知識があるから)できているのか、それともプロダクトマネジメントのスキルが身についてきているのか。

これまで B2C 、 C2C 、 B2B2C など様々なサービスの開発に関わってきた。正直 ATI (圧倒的な当事者意識)が高い方ではなかった。なのでそんな自分がプロダクトマネジメントできるとは思ってもみなかったが、登山アプリの会社に就職して登山を好きになり、当事者意識が高まってプロダクトマネジメントを生業とするに至った。なのでいまの環境を離れてしまえばプロダクトマネジメントはできない可能性がある。趣味と仕事が重なる領域以外でも自分のプロダクトマネジメントスキルが活かせるのかが気になっていた。

しかしそもそも自分はソフトウェア(デジタルプロダクト)自体が好きなのだということに気がついた。あのプロダクトはこういう戦略で成長したとか、ソフトウェアの背景にある作り手の思想とか、そういうことを考えるのが好きだ。

ベンチャー企業のなかには、そのプロダクトがユーザーのどんな問題を解決しているのか作っている側も分からないまま突っ走っていることがあるのではないかと想像する。いまの職場でも、ユーザーがどの部分に最も価値を感じているのかを理解するまでにはだいぶ時間がかかった。

ある程度のシェアを獲得して、今後さらに規模を拡大したいというフェーズでは、ユーザーがプロダクトのどの部分に最も価値を感じているのか、ユーザーがプロダクトに期待している価値は何かをはっきりと理解する必要がある。ひょっとすると作り手の思い込みでユーザーが必要としていない機能を作っているかもしれない。プロダクトの価値を再定義し、機能を整理する必要性が出てくる。 0 → 1 のプロダクトマネジメントはではなく、 1 → 10 のプロダクトマネジメントだ。自分はこのような役回りが好きだし、こういった仕事もプロダクトマネージャーの気づかれにくい重要な役割の一つだと思う。

| @登山/ランニング

Apple Watch でトレランするならフットパスが便利

Apple Watch でトレラン(ランニング)する人のための記事を以前書いた。アプリを組み合わせれば Apple Watch が Garmin 相当になるという記事だった。

その記事ではトレラン中の地図&アクティビティトラッカーとしては WorkOutdoors が良いと書いていたが、フットパスというアプリを発見してしまってこっちの方が地図が見やすく操作も簡単で高機能だった。 Apple Watch でトレランするならフットパスが激しくおすすめだ。

フットパスは、スマートフォンのアプリを開いて指先で地図上をなぞるといい感じにルート(ウォーキング、ランニング、ハイキング、サイクリング、ドライブなどに対応)を提案してくれるというのがウリだが、正直この機能は日本の道路では使いづらい。きちんと区画整理されている欧米の街だったら使いやすいかもしれないが、ぐねぐね細い道が入り組んだ日本の道路では「そこじゃないんだよな」というルートが提案されることがある。

指なぞりルート作成機能はいまいちなのだが、自分が感心したのは以下だ。

  1. ゴール時刻の予想タイムを出してくれる(フットパス上で計画したルートだけでなく、 GPX を取り込んでも表示してくれる)
  2. 行動中の Turn-by-turn navigation (もうすぐ右ですとか、分岐を直進とか教えてくれる)
  3. Mapbox Outdoor Style の地図のほか、国土地理院地図を選ぶこともできる(国産アプリ以外ではめずらしい)
  4. 行動中に登りが残り何メートルあるか確認できる機能(地形を視覚的に確認できる)
  5. ウェブサイト footpathapp.com の使い勝手

ゴールタイム予測

Footpath App
何時頃ゴール地点に着くかを予測してくれる。

何時頃ゴール地点に着くかを予測してくれる。モーダルウィンドウ内の太字部分(「 15'00"/km 」と書いてあるところ)を左右に短くスワイプするとペースを変更出来て、任意のペースで何時間でゴールできるか確認することができる。

登山用の計画アプリだと「何月何日の何時に登山開始」みたいに日時を入れないと予想時間が表示されないが、これだと日時を指定することなく「いまスタートしたら何時頃下山できるか」がぱっとわかる。

スマートフォンアプリ側で計画を調整して Apple Watch に転送して開始すると、活動中は現在のペースだと何時頃ゴールできるかをリアルタイムで推測してくれる。

ゴールタイム予測

Turn-by-turn navigation

Turn-by-turn navigation

地図を表示しながらの Turn-by-turn navigation

いわゆるカーナビのような機能。 Garmin の Forerunner 9XX シリーズに付いてる機能を Apple Watch で利用できるようになる。 WorkOutdoors ではナビゲーション機能はなく、ルートを外れたときと復帰したときにアラートがなる仕組みだった。正直なところトレイルでカーナビのような機能はいらないのではと思っていたが、実際に使ってみるととても便利だった。ルートを間違ったことを事後的に教えてもらっても便利だが、なるべくならルートを間違うこと自体を予防したい。もうすぐ分岐があることを事前に教えてもらえると、分岐にさしかかったときに注意するのでテキトーに走って間違ったルートに進むということがない。

標高断面図

標高断面図 全体

標高断面図 部分

これからどれくらいの登りが控えているのかを確認できる。これがめっちゃ便利。予定しているコース全体で見ることもできるし、直近のセクションに拡大して確認することも可能。予定している累積獲得標高のうちすでに何メートル登ったか、残りは何メートル登るのかが一目でわかる。これは登山を始めた当初から欲しい情報だったのでスーパー便利だ。

パソコン向けウェブサイト

footpathapp.com

パソコン向けのウェブサイトがまたよくできていて、ルートに任意のポイントを設置することが可能。前回トレランのレースに出たときはエイドステーションにマーキングしておいて関門時刻を書いておいた。こうすることでエイドまであと何キロメートルかがわかり、精神的に楽だった。

もちろんウェブサイトでルートを作成、編集することもできるし、 GPX ファイルを取り込むこともできる。

注意点

自分が知る限り、 Apple Watch でトレランするならフットパスが最高なのだが注意点がいくつかある。

1. 日本語訳が良くない

「他のワークアプリで使用する」というトグルスイッチを有効にしたら、ログが自動的にワークアウトに追加されなかった。この項目の意味はフットパスを地図アプリとしてのみ使い、ワークアウトのログは純正アプリで取るケースを想定していそうだが、この日本語では意味がわからない。

2. GPX インポートしたとき、本来通りたいところではないところにルートが引かれる

地図アプリの定番 SDK に Mapbox というものがある。フットパスも Mapbox をベースにしているが、 Mapbox も独自のルート情報を持っているようで、 GPX ファイルを取り込んだときに勝手にルートが Mapbox 上のルートに置き換えられてしまう。 Mapbox 上のルートは間違っていたり、現在使われていないところが残っていたりするのでちょっとやっかいだ。

3. Apple Watch Ultra でないとナビゲーション通知が事前に届かない

Apple Watch Ultra であればちゃんと分岐の前で通知が来るので便利なのだが、 Series 6 だと通過後に通知が来ることがあった。

4. UI がもっさりしている

デジタルクラウンを回すことで距離モード、ペースモード、標高モードを切り替えられるが、この切り替えがスムーズに行かずストレスを感じる。

5. ランニング向けの情報が不足

純正のワークアウトアプリであれば、ランニング中に心拍数ゾーンを確認できたり、ケイデンスや上下動を確認できたり、任意の地点でセグメンテーションしたりすることもできるが、フットパスにはそれらの機能がない。フットパスは地図アプリとして使い、ログは純正ワークアウトアプリで取れということかもしれないが、それだと GPS を使うアプリを同時起動することになって電池の持ちが悪くなりそうだ。

6. サブスクリプションに登録する必要がある

年額 2600 円のサブスクリプションに入らないと機能が使えない。自分は全然払う価値があると思うが、サブスクリプションに抵抗がある人は買い切り 1200 円の WorkOutdoors をどうぞ。

まとめ

いくつか注意点がありはするものの、フットパスに出会ってから山を走るのが快適になった。トレランのレースに出るとまわりは Garmin や Polar 、 Sunto などを使っている人ばかりで、「やっぱり Apple Watch で山を走るのはダメなのかな?」と不安になっていたが、いまは全く不安を感じなくなった。

電池持ちのよい Apple Watch Ultra とフットパスがあれば、日常生活では Apple Watch の便利な機能(タッチレス決済、 iPhone や Mac のロック解除、音を鳴らして iPhone を探す、 Apple Music で音楽を聞く)を享受しつつ、ルートを確認しながら安全に山を走ることができる。めっちゃおすすめです。

Footpath app

| @登山/ランニング

Apple Watch でトレイルランニングするためのアプリ

Apple Watch トレラン のようなキーワードで検索すると、「 Apple Watch はトレランでは使えない」、「ランニングウォッチとしては微妙」というようなレビューが見つかる。自分もそうだと思ってたんだけど、それらのレビューは純正のワークアウトアプリか Strava アプリ、 NIKE のアプリくらいしか試してないようだった。果たして本当に Apple Watch はトレイルランニングで使えないのだろうか?

※この記事で紹介しているアプリよりももっと良いアプリを見つけたので以下の記事も是非読んでみて下さい。

Garmin などランニング特化の時計でできること

Twitter を見てると Garmin の時計を付けてランニングをしてる人たちがその日のトレーニングの様子とか体調をキャプチャで載せてる様子が観測できる。

どうも Garmin だと心拍数と睡眠時間などから「今日は体調良くないですよ」(トレーニングレディネス)とか、今日の運動メニュー(おすすめワークアウト)とか、フルマラソンなどのレースの予想タイム(レースウィジェット)を教えてくれるっぽい。

Apple Watch にも Apple 純正のアクティビティトラッカー(ワークアウトアプリ)あるし、心拍数を計測する機能も睡眠トラッキング機能もあるけど、その日のトレーニングがどうだったのか、体調がどうなのか(その数字が何を意味するのか)は自分で解釈・判断しないといけない。

加えて Garmin の上位機種( Forerunner 955 など)では地図とルート表示およびナビゲーションが可能で、山の中でスマートフォンや紙地図を取り出すことなく予定のルートと地図を確認できるようだ。つまり

  1. オフライン地図表示&ナビゲーション
  2. 運動回復支援機能

↑の二つが Apple Watch にはない機能で、 Garmin 勢うらやましいなぁと思っていたが、いろいろ調べてみると以下の二つのアプリを入れることで Apple Watch を Garmin 相当にすることができるようだった。

  1. WorkOutDoors
  2. Athlytic

オフライン地図表示&ナビゲーションアプリ WorkOutDoors

WorkOutDoors

Apple Watch には Apple 純正のワークアウトアプリがあって、普段走るときはこれを使っているが、メトリクスを計測するのみで地図でのナビゲーション機能はない。レースコースという、過去の自分のルート・記録と比較しつつ走れる機能はあるが、同じルートを何回か走ってからでないとレースコースとしてワークアウトに表示されない。

しかしルートを表示する機能は初めて行く山域や知らない場所を走るときにこそ必要で、 WorkOutDoors はそれを実現するアプリだ。ワークアウトアプリにはできない、任意の GPX ファイルを読み込ませてルート表示することができ、特定の範囲の地図をダウンロードしてオフライン表示することも可能だ。

しかも純正のワークアプリと同等のアクティビティログの取得も可能で、きちんとランニングのデータが保存される。 GPS ログや心拍数に加え、 watchOS 9 から取得できるようになったランニングパワーや上下動もちゃんと記録される。

実を言うと最初自分はこのアプリを iPhone で GPX ファイルを閲覧するためにインストールしていたが、あまり便利ではなく(使い方が難しかった)すぐ使わなくなっていた。しかし改めて Apple Watch でアクティビティトラッカー件ルートナビゲーションアプリとして使えることを知ってまさにこういうのが欲しかったということに気が付いた。ルートを外れたときの警告機能もあるし、心拍数などのメトリクスを Apple Watch で計測しながら道がわからないところを走るならこれ一択という感じがする(土地勘があるところなら Apple のワークアウトアプリの方がシンプルで使いやすい)。

WorkOutDoors はハチャメチャふにカスタマイズ可能

さらにこのアプリがすごいのがめちゃくちゃ細かくカスタマイズできるところで、画面表示やレイアウトだけでなく、画面を複数回タップしたときの挙動までカスタムできる。自分はソフトウェア開発者なのでこういう複雑な UI には強い方だと思うけど、これは普通の人には使いこなせない複雑さだと思う。しかしランニング意欲と IT リテラシーの両方が高い人からするとめっちゃうれしい使い勝手の良さを備えている。

watchOS 9 でワークアウトアプリがだいぶ進化して、ランニング中に表示するメトリクスの内容を自分でカスタマイズできるようになったが、いまにして思うとこのような機能は WorkOutDoors アプリでは以前から搭載されていたようで、ワークアウトアプリは WorkOutDoors の後追いをしているとも言える。純正ワークアウトアプリの方がデザインが洗練されていて使いやすいが、少々込み入った作業が必要でも自分に本当に必要なデータ(ペース、心拍数、累積獲得標高などなど)を厳選したい人にはうってつけだ。

WorkOutDoors は有料ソフトだがサブスクリプションではなく一回だけの買い切りで値段も安く良心的( 1100 円)。トレランでも Apple Watch を使いたい人にはおすすめです。

運動回復支援アプリ Athlytic

Athlytic

Garmin の時計でいうところのトレーニングレディネスとおすすめワークアウト機能のようなものを提供してくれるのが Athlytic だ。

Apple 純正のヘルスケアアプリで睡眠時間や安静時心拍数などを知ることができるが、どう理解すれば良いかがわからない。昨日の睡眠時間は 6 時間で、そのうちレム睡眠が〇時間です、なんて言われてもそれが良いのか悪いのかがわからない。

Athlytic は睡眠の状況と心拍数からその日の体調をはじき出し、今日は休んだ方がよいとか、激しいトレーニングしてもオッケーとか教えてくれる。

Athlytic Athlytic Athlytic

このブログでたびたび話題にしている HealthFit というアプリでも回復具合を表示してくれるが、睡眠時間や安静時心拍数からではなく、トレーニングをしているかしていないかで判定している。元の TSB モデルというもの自体がそういうものなので仕方がないが、トレーニングしてないから体調が良いかというとそうでもなくて、あまりよく眠れてなくて体が重いこともあるので、 Athlytic のようなアプリが欲しいと思っていた。本当はあんまり体調良くないときに張りきって高負荷のトレーニングをして怪我したら最悪だ。 Athlytic を使うことで客観的に自分の体調を把握できるようになる。

なお買い切りの WorkOutDoors と異なり Athlytic は年間 3400 円のサブスクリプションだ。調べたところ同種のアプリはほかにもあって、値段が安いものや無料のもののあるが、 iPhone 側にはほとんど UI がなくて Apple Watch で情報を見なければならなかったり( Training Today )、体調の判定だけでおすすめのワークアウトを教えてくれる機能はなかったり( CHIPR )するので、少々出費は必要だが Athlytic を使うのが良さそうだ。

でも Apple Watch はバッテリーもたないですよね?

バッテリーに関してはやっぱり Garmin に負けてしまう。自分の 2 年半使った Apple Watch Series 6 はワークアウトを動かすと 6 時間くらいで電池が切れてしまうので、登山やトレランで Apple Watch を使う場合は Ultra を買うしかないだろう。また Apple Watch Ultra であったとしても二日に一回は充電が必要なのは避けられない。

しかしトレランの 100 マイルレースで Apple Watch Ultra を使って完走したという情報もあるので、 Apple Watch Ultra で節電モードをうまく使えばウルトラマラソンや 100 マイルレースでも Apple Watch Ultra は使えそうだ。

これまで泊まりの登山や 100km 、 100 マイルのトレランレースでは Apple Watch は候補に入ってこなかったと思うが、 Ultra によって 20 時間以上のワークアウトを記録できるようになったので、ランニングのときのためだけに Garmin を使う必要がなくなったとも言える。 WorkOutDoors や Athlytics のようなアプリが本領発揮できるような環境が Apple Watch Ultra によって整ったということだ。

おとなしく Garmin 使えばよくない? 何で Apple Watch にこだわるの?

この動画見てください。

Garmin は長時間のアクティビティには確かに向いてるかもだけど、日常生活が厳しい…。アメリカですら Garmin Pay は使い勝手が良くないと言われているのに日本だったらもっと使えないですよ。音楽を聞くのだって Amazon Music と Spotify しか対応してなくて事前に楽曲をダウンロードしておく必要があって不便。

一方で Apple Watch は日常の使い勝手はとてもよく、 Apple Pay でコンビニやスーパーで買い物できるのはもちろんのこと、 Mac のスクリーンロックを解除したり、 Siri で Apple TV を操作したり、運転中には Apple マップのナビゲーション通知を受け取ったりできる。最近の車だと Apple Watch が車の鍵になったりもするようだ。

運動好きだけどデジタルガジェットも好きで、 Apple エコシステムの提案する快適な生活を捨てがたいという人は Apple Watch を使うしかないでしょう。金持ちだったらランニング用に Garmin を買うこともできるだろうけど、トレーニングレディネス(睡眠や日常の心拍数変動から算出)のことを考えるとトレーニング中もそうじゃないときも同じ時計を使っていることに意味があるので、日常は Apple Watch 、走るときは Garmin という使い分けはあんまり意味がない。同じものをずっと身に付けていた方がよい。

まとめ

WorkOutDoors と Athlytic というアプリを使うことで Garmin のような機能が手に入る。これまで日常生活での快適さを諦めて Garmin 使ってた人も Apple Watch Ultra に乗り換えて WorkOutDoors と Athlytic をインストールすれば Garmin を使ってた頃と近しい感じでトレーニングできる。

様々なアプリが App Store にあって自分好みのアプリを探してインストールすることができるのが iOS / watchOS の強みなので、純正のワークアウトアプリだけ使って「 Apple Watch はトレランでは使えない」という評価を下すのは早計だと思う。適したアプリを探して入れてやれば Apple Watch はトレランでも使えます。 40km くらいまでの短いレースであれば普通の Apple Watch でもバッテリー切れにはならないはず。活動時間が 6 時間を超えてくるような距離( 50km 以上?)のレースでは Apple Watch Ultra が無難でしょう。

なお、このゴールデンウィーク期間中、 Amazon で Apple Watch Ultra がタイムセール対象になっているようだ(人気のないバンドカラー、サイズのみ)。自分も正直買おうか悩んでいてここ 4 日くらいカートに入れたり出したりを繰り返している。よろしければご検討ください。

| @WWW

博多駅前

サウナイキタイのサ活と Google マップのクチコミには結構乖離があることに気が付いた。自分が行ってめっちゃ気に入って、サウナイキタイでも好意的なサ活が多い佐賀の KOMOREBI の評価が Google マップでは低い。サウナにも水風呂にも入らないのに物価の安い九州(温泉に 500 円で入れる)で風呂に 1100 円払えと言われたら高すぎると感じる人もいるのだろう。しかも混んでるし。

Google マップのクチコミはとても便利だけど、一つの施設で二つ以上の役務を果たしてる場所や客を選ぶタイプの店は評価が下がると思う。本当は自分の好みにピッタリの施設が低評価となっている可能性がある。なので評価が低いからと切り捨ててしまうのではなく、自分と似た属性の人からのクチコミを探し出して読むと実際のところの雰囲気がわかるかもしれないが、それは難易度が高すぎる。

今日のプラットフォームサービスには不幸なマッチングを回避する仕組みが必要なのだと思う。あなたはサウナ好きだからこの施設は満足できますよとか、ここは常連向けですよ的な情報が簡単にわかるようになるとか。

ただ一方でそれは Instagram で自分のようなおっさんに微エロのリール動画ばかり表示されるようなレコメンデーションとアルゴリズムによる支配がいろんなサービスに広まるということであり、それはそれで残念ではある。

もう一つの選択肢としては、釣り SNS や登山 SNS が出来たように、レビューサイトも専門分化させていくアプローチが考えられる。自分のようなアルゴリズムやレコメンデーションにあらがいたいウェブ縄文人にはそういう進化の方が向いているかもしれない。

というようなことを思ってたら一つ前の記事に言及しつつ伊藤直也さんが似たようなことを書いていた。

2ch みたいにごちゃごちゃカテゴリーがサイドバーに並んでいるのには普通の人には難しすぎるので、釣り掲示板がツリバカメラになり、登山掲示板がヤマレコや YAMAP になったんだろう。考えてみるとサウナイキタイもサウナに特化した SNS ・情報サイトだ。

サウナイキタイに話を戻すと、サウナイキタイはローカルルール満載の町銭湯に対する評価が甘いという特徴もある。サウナイキタイでベタ褒めされてる施設(「番台のおばあちゃんが優しい」、「常連の方達とほのぼの交流」などなど)が Google マップではボロクソに書かれてたりする(「番台は意地悪ばあさんそのもの」、「彫り物を入れたヤクザや半グレの常連でサウナが占有されていて入れない」などなど)。ネガティブなことは書かないというコミュニティポリシーの影響なんだろうか(以前、サ活でドラクエ集団がいたと書いたら公式アカウントから警告された)。サウナイキタイだけ見て福岡の銭湯サウナに行ったら刺青を彫った怖い人から凄まれながら入浴しなければならないという体験をしそうだ。

レコメンデーションにしても専門分化にしても塩梅が難しい。レコメンデーションはやり過ぎるとただの偏見にしかならない( 40 代男性はおっさん → おっさんはエロが好き → 微エロ動画見せとくか)し、専門分化して蛸壺化しすぎると一般的な感覚と離れたレビューが集まるようになってしまう(怖い人だらけの銭湯サウナが高評価)。昔のインターネットではこんなことに悩むことはなかった。

昔のインターネットは良かったとばかり言ってもどうにもならないが、インターネットを飯の種とする者の一人として人が増えたいまのインターネット特有の問題をどうにかしたい。