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テントとタープ

ゴールデンウィークの前半でキャンプをしに行った。福岡の人がキャンプをしに行く場所といえば阿蘇・久住方面が人気だが、自分が阿蘇出身ということもあって実家の方に行くのにテントで寝泊まりするのは違和感があって久住でキャンプしたことは一度しかない。どちらかというと佐賀方面に惹かれる。車で一時間ちょいで行けて、森や海や温泉があって、キャンプ場はそこまで混雑しておらずまぁ快適だ。高速料金が安く済むのもいい。久住阿蘇方面だと 3000 円近く高速代がかかるが、佐賀方面だとうちからの場合 200 円くらいしか高速代がかからない(西九州自動車は全線開通していないため無料で通行できる)。今回は佐賀ではないが、佐賀県伊万里市の沖合にある長崎県松浦市の福島という島の初崎キャンプ場に行った。

今回のキャンプでは新しい道具をいくつか使ってみた。

Evernew HD.ALU Pan 20

エバニューのアルミフライパン。ゴールデンウィーク前に突如販売が始まったやつで一瞬で売り切れていた。登山用のコーティングしてあるクッカーは直火にかけるのが心配で、直火にかけても問題ないフライパンが欲しかった。去年秋に買ったエバニューの Backcountry Almi Pot がなかなか良くて、直火で炊飯してもコーティングが剥がれるのを気にせずに済むところが気に入っている。同じ使い勝手を期待して買ってみたところよい感じだった。スパゲティーを作ったり、目玉焼き焼いたり、カレーを作ったりと大活躍だった。

スパゲティ

目玉焼き

カレーを調理中

カレーライス

今回は一番大きいサイズの 20cm を買ったが、テント泊登山(自分の場合はハンモック泊)用に 16cm あたりも買ってもよいなと思った。

Igloo Marine Breeze Ultra 28L

悪天候により一泊に変えたが、当初は二泊三日でキャンプする予定だったのでクーラーボックスを買った。

これまでコストコのショッピングバッグなどを簡易的にクーラーボックス代わりに使っていたが、食材の保温効果は限定的だった。クーラーボックスは 50L くらい必要、みたいな記事が多いが、 50L 以上のクーラーボックスは数万円もして高い。自分は Amazon で Igloo の 28L のやつを買ったがこれで十分だった。肉やビールなど、低温を維持したいものはクーラーボックスに入れ、少々温度が上がっても平気なものはショッピングバッグに入れることにしたところ作成成功だった。

Igloo のクーラーボックス Marine Breeze Ultra 28L

うちの子どもは牛乳が好きなのでキャンプのときにも牛乳を飲ませているが、キャンプ場に着いた日に飲むだけで翌朝の分がなく可哀想だった。ちゃんとしたクーラーボックスを買ったことで牛乳も大きなパックを買うことができるようになり、翌朝も牛乳を飲めて満足そうだった。

うちの車は小型の SUV で荷物がめっちゃ載せられるタイプではないのだが、それでも普通のセダンやコンパクトカーに比べたら荷物を載せられる方だと思う。それでもクーラーボックスのサイズはこれくらいが限界だと感じた。 50L 以上のクーラーボックスを載せられるような車はランクルなどの巨大なやつかピックアップトラック(軽トラ)ではないかと思う。

なお、保冷剤はロゴスの倍速凍結・氷点下パック L を買った。 Amazon のレビューで XL がちょうど良いとあるので買ったところ底の大きさが合わず返品してしまった。 L だとちょうど底に収まる。

DOD ローローバーチェア

キャンプ直前の Amazon タイムセールで DOD のローローバーチェアが安くなっていたので衝動買いした。

キャンプ椅子はこれまで DOD のスワルスエックスだった。小さくて持ち運びしやすいが、生地が伸びやすいのとナイロンなので火に弱く、焚き火がはぜて穴が開いている。座る前の組み立てや撤収時の折りたたみもわずかに面倒くさい。ローローバーチェアは生地が綿なので燃えにくいし、座るときはひょいと広げるだけで良いので楽だ。その分、持ち運び時にかさばる。うちの車にはギリギリ載せられた。 4 人家族だったら運べないだろう。ランドローバーとかチャレンジャーに乗ってる人でないと本当は買ってはいけないものだったのかも知れない。見た目がカッチョイイのでキャンプのほか、自宅バーベキューで活用しようと思う。


実はこれ以外にも細々したものを買っている( Ledlenser の LED ランタン、 ZANE ARTS のシェラカップ、 UNIFLAME フィールドラック用のステンレス天板など)。以前書いた通り、キャンプは道具沼だ。毎回キャンプに行くたびに普通にビジネスホテルに泊まるのと同じくらいお金がかかる。

まだキャンプしたことない人にはおすすめしません。家でゲームしたり Netflix 見たりしてる方が楽しいと思います。

| @登山/ランニング

浮嶽 大岩展望台

4/2 ~ 4/4 で脊振山系全山縦走に挑戦した。福岡の西端の十坊山から佐賀の基山まで二泊三日で歩いた。総歩行距離は 72km 、累積獲得標高は 5500m 。 20km 以上歩き、 1500m 以上登るのを三日間繰り返す。泊まりはハンモック + タープで、食料の補給はなし、水は湧水や沢で補給しつつ歩き通した。

自分は体力がなく歩くのがとても遅くて、全山縦走のことを知ったときにはとても自分に踏破できるとは思ってなかった。実際、 2 年前の夏に脊振山から金山までのセクションハイクをしたときにはバスに乗り遅れるし散々な有様だった。

4 年前にも十坊山から二丈岳までを歩く糸島四座縦走に挑戦して失敗している。

UL (ウルトラライト)メーカーの軽量な登山用品を買い集めながら歩くのが遅いどん亀という矛盾した雑魚だったのだが、 2021 年はジョギングを開始して徐々に体力をつけ、長めの縦走もこなした。4年前に途中で撤退した糸島四座縦走も比較的楽に達成した。

ちゃんと歩けた勝因と改善点をまとめてみた。

勝因

  • 荷物は軽く
    • 服はメリノウールにして余計な着替えは持たなかった
      • メリノウールは汗をかいても匂わない、化繊の服はひどい匂いを漂わせるので着替えが必要になる
    • カメラも持っていくことを諦めたので iPhone で撮った写真しかない
  • ちゃんとした昼飯を食わない
    • 基本的に昼間の食事は行動食のみ
    • 絶景ポイントで休憩して山飯作ったりコーヒー飲むとかやらない
    • 時間を節約でき、荷物も減らすことができる
  • 塩味の行動食
    • 日中、ちゃんとした飯を食わない代わりに塩味の行動食があると良い
      • 具体的にはカルパスや魚肉ソーセージ
    • コストコのアドベンチャーミックス(塩味のミックスナッツ + ドライフルーツ)もよかった
  • アミノバイタルゴールド
    • 現代の仙豆
    • めっちゃ疲れてても翌日足がパンパンにはならない(少なくとも午前中は)
    • 一日一本飲んでたが二、三本飲んでもよいみたいなのでもっとたくさん飲めばもっと楽だったかも
  • 山と道 MINI2
    • メッシュポケットがスーパー便利
      • 暑くなって脱いだ服をしまう
      • 行動食をつっこんでおく
      • 水場で浄水器をさっと取り出して浄水する
  • KATADYN Be Free (浄水器)
    • どこの水もサクッと浄水できるとわかっていたので大量に水を持って歩かずに済んだ(必要に応じて沢水などを浄水して調達すれば良い)
  • Black Diamond Distance Z (トレッキングポール)
    • 軽量なアルミポールを初めて買った
    • 脚の負荷をだいぶ軽減してくれたと思う
    • 荷物が多いので左右のふらつきを抑制して安全に歩けた

改善点

  • カロリー
    • カロリー計算した上で行動食を準備できてなかった
    • 持参したウィーダーインゼリーはプロテインやビタミンなどを重視した低糖質のやつでカロリーが少なくエネルギー源としてふさわしくなかった
    • 安くて甘くて体に悪そうなやつをもっと持ってくるべきだった(どらやき、ようかん、惣菜パン、イカフライなど)
  • サイズの合ってない靴
    • Altra Olympus 4 はちょいとデカめでサイズが合っておらず、下りで靴の中で足が動いて辛かった
  • メリノウールの靴下
    • これまでメリノウールの靴下で足が蒸れると感じたことはなかったが、 Injinji の五本指ソックスと履き比べてみて蒸れを感じてしまった
  • かさばるレインウェア
    • 低山のレインウェアとして雪山でも使えるハードシェルを持って行くのはかさばって良くない
    • レインウェアとウィンドシェルで機能がかぶるものを二つ持つのも邪魔
    • 省スペースでレインウェアとウィンドシェルの両方の役割を果たす雨具が必要
      • 山と道の UL All-Weather Hoody を買った

装備

  • 帽子
    • Milestone メッシュキャップ
  • Tシャツ
    • icebreaker メリノウールTシャツ
    • Smartwool Everyday Exploration T Shirt (予備)
  • 行動着
    • 山と道 Merino Hoody
  • ウィンドシェル
    • Patagonia Houdini Jacket
  • パンツ
    • WORKMAN メリノウールパンツ × 2 ( 1 枚予備)
  • ズボン
    • 山と道 Light 5-Pocket Shorts
  • 靴下
    • OS1ST FS4 PLANTAR FASCIITIS SOCKS
    • Injinji Trail SP TIE-DYE
    • Point 6 Hiking Lt Mini × 2 ( 1 足予備)
    • Altra Olympus 4
  • トレッキングポール
    • Black Diamond Distance Z
  • ザック
    • 山と道 MINI2
  • 防寒着
    • Patagonia Nano Puff Jacket
    • Mountain Equipment パウダーパンツ
    • EXPED ダウンソック
  • レインウェア
    • ARC'TERYX Alpha SL
    • Patagonia トレントシェルパンツ
  • クッカー
    • EVERNEW Ti 570 Cup
  • バーナー
    • EVERNEW チタンアルコールストーブ
    • VARGO Titanium Hexagon Wood Stove
  • ハンモック
    • AXESQUIN ウキグモ Light
    • AXESQUIN モグ 350
  • タープ
    • EXPED Hammock Trekking Tarp
  • ライト
    • Petzl Tikka
    • Ledlenser ML4
  • モバイルバッテリー
    • Anker PowerCore Essential 20000 PD

コロナ禍で飲み会に行かなくなって浮いた金でアウトドアギア買いまくったのが生きた感じの縦走だった。なかでもベストを挙げるとすると山と道 MINI2 だろう。

山と道総帥の夏目さんが書いている MINI2 の制作ノート 2021 年版がとてもよい。

山と道設立当初は、「耐久性や強度よりも軽量性が大事」と思っていました。1回のULハイクが人生を変えるかもしれない可能性を秘めていると信じているからです。

しかし、たくさんの方々にMINI2を送りだしていくと、みんな上手く使えているだろうか、壊れていないだろうかと、心配も積もるようになりました。できれば安心して長く使ってもらいたい。UL原理主義的であった自分の物作りの考え方も少しずつ変化してきているのかもしれません。

そして2017年に、山と道HLCで日本全国を旅して色々な方々と出会い、気がついたことがありました。僕が考えているようなULハイカーは、日本中を探しても実はほとんどいなかったのです。

ULハイカーのための道具作りをしてきた自分は誰に向けて作っていたのか? 自分の思いは独りよがりだったのか? あらためて自分が作る道具と向き合うきっかけとなりました。

MINI2 | 山と道 U.L. HIKE & BACKPACKING

この文章は首がもげるほど頷きながら読んだ。アプリやウェブサービスの開発に携わってる人なら似たような経験をしたことがあるのではないだろうか。

実際に縦走で初めて使った MINI2 は軽いながらも頑丈な作りで木の枝で何度も擦ったがダメージがなかったし、メッシュポケットはとにかく便利だった。暑くなって脱いだ服をガサツにメッシュポケットに突っ込み、寒くなったらさっと取り出して着て、腹が減ったら行動食をパッと取り出して食べる。ハードな山行を支えてもらったし、今回の UL ハイクで人生が変わった(少なくとも登山人生の一つの目標を成し遂げた)。

山と道の短パンを初めて買ったのは 2017 年の 3 月で、それから登山アプリの会社に入って登山をするようになり、昼飯に 120 円のチキンカツとインスタントそばを食べて浮かせた金で山と道の製品を買ってきた。 UL ギアを身につけながら歩くのがめっちゃ遅いしロングハイクもしたことがなかったのだが、今回やっと、自分で考えて可能な限り荷物を削り、誰かに荷物を持ってもらったりすることなく、途中で補給を受けることもなく、 70km 以上の縦走路を歩き通すことができた。ようやく UL ギアが様になるハイカーになれたのではないかと思っている。

| @WWW

1 年ちょい前に使い始めた HEY は結局 1 年で使うのをやめた。

第一に、メールをフル活用した生活を送っていないので不要かなという判断になった。 HEY は効率的にメールを読んだり分類したりするだけでなく、メールを書く機会も多い人にとって最適化されている気がする。現在の自分はメールを書く機会はまれで読むのがもっぱらだ。 Imbox 、 The Feed 、 Papertrail という分類・仕分けは便利だしメールを効率的に処理することができるが、これがないと困るというほどではなかった。もし公私ともにメールをフル活用していて、仕事のメールも HEY で扱えるような人であればメリットはあるだろう。

第二に、Basecamp は従業員の大量離職イベントがあって個人的には魅力を感じなくなってしまった。会社を応援したくて使っていたところもあったので、会社に魅力を感じなくなるとソフトウェアにも魅力を感じなくなった。


メールを変革しようという試みは素晴らしいと思う。メールといえば広告かスパムばかりという現状はクソみたいだ。あまりにもしょうもないメールが多すぎて、こちらから誰かにメールを送ってもちゃんと返事が来ないことが多く、返事が来ればラッキーかなというほどのものに成り下がっている。

今日、大抵のコミュニケーションはどこかのプラットフォームの中で行われることが多くなっている。 Facebook Messenger だったり LINE だったり Instagram だったり WhatsApp だったり。ウクライナ侵攻関連のニュースのネタ元は大抵 Telegram で、ロシア文化圏でも何らかのプラットフォーム上でコミュニケーションが行われていることがわかる。

メールが本来の役割を果たしていればそういったプラットフォームをわざわざ使う必要はないはずなのに、簡単に送れすぎる仕様のせいで多くの人の受信箱が関係のないメール(広告やスパム)であふれかえってしまっている。その問題を HEY は解決しようとしたが、年間 $99 で普通の人が手を出すには値段が高すぎる。これでは意識が高い人しか使おうとしない。

意識が高い人が使うだけではメールのダメな部分は完全に解決されない。メールはネットワーク効果が働くから、多くの人がまともな状態でメールを使えないと価値がない。意識が高い人が HEY を使ってその人の受信箱が正常化されても、その人がコミュニケーションを取る必要がある相手が意識が低くて一般的なメールを使っていたら、その人にメールを送っても受信箱がしょうもないメールであふれていて大事なメールを読んでもらえないかも知れない。いつまで経ってもメールの復権にはつながらない。意識の高い人の問題を解決するためには、意識の低い人の問題も同時に解決してあげないとダメだということだ。

HEY は多くの人に使ってもらって初めて意味のあるものになると思う。そこからすると少々値段が高すぎる。フリーミアムにして一定は無料で使えるというモデルの方が良かったのかもしれない。 Basecamp は会社の哲学的にフリーミアムを嫌うだろうが、メインの顧客である意識の高い人たちの満足度を上げるためにはプラットフォーム自体が巨大であることが重要なので、一部は無料にして多くのユーザーを獲得する必要があったと思う。

ググってみたら、 HEY は大きくは成功しないだろうと書いている人がいた。 HEY は旧来型のメールと比べて 10 倍早くないし革新的でもない。そして Early Majority 以降のユーザーの獲得戦略がない(自分が書いてる内容に近い)。

ソフトウェアは機能が優れているだけではつくづく不十分だと感じる。ビジネスモデルと機能がカチッとフィットしていないと成功できない。

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一昔前までインターネットは常に見えるものだった。 Web 1.0 の個人テキストサイトや Web 2.0 のユーザー参加型ウェブサービスでも、ベーシック認証がかけてあったり非公開コンテンツというものもあったがこれらは例外的な存在で、インターネットでは目立つこと、オープンであること、また他者の注目を引くことが善だったしメインストリームの価値観だった(少なくとも自分はそう認識していた)。しかしその構図が崩れようとしている。インターネットがみんなのものになったからだ。

多くの人はインターネットで自分の情報をさらけ出したいなんて思っていない。これまでブログが下火になってきた理由を考察することが何度かあった。手軽に個人が情報発信できる Twitter や Instagram のような SNS が登場してきたからだと思っていた。かつてブログを書いていた人が書かなくなってきた理由としてはその通りだと思う。しかしスマートフォン時代になってからインターネット活動を始めたような人達(イノベーター理論のグラフで言うと Late Majority 以降の人達)はそもそもブログを書くということは選択肢に入らなかったはずで、こういう人達が増えてきたことで相対的にブログ執筆人口が減ってしまったと考えられる。

File:DiffusionOfInnovation.png CC BY 2.5

インターネットでは誰もが情報発信できると言われた。しかしできることと実際にやることの間には大きな壁がある。仕事で関わっているサービスでは、ユーザーが作成したコンテンツを公開するかどうかはユーザー自身が選べる仕様となっている。コンテンツを公開するユーザーが増えるほどネットワーク効果が働くし、 Google の評価が高くなり SEO 上のメリットもあるのでコンテンツ公開率を上げようと努めてきた。しかし頑張ってもコンテンツ公開率はある程度のところで頭打ちとなってしまった。この結果から二つの仮説が考えられる。公開を促す努力が足りないか、そもそも誰もコンテンツを公開しようとは思っていないか、ということだ。実は最近まで後者の観点が抜けていた。というのはインターネットでは誰しもコンテンツを公開すべきだ、という先入観があったからだ。

ここ数年での成長が著しい Netflix や Spotify でユーザーはコンテンツの公開を求められることはほとんどない。 Twitter や Facebook 、 Instagram などの CGM では基本的にはコンテンツを公開することが求められたのとは対照的だ。 Netflix や Spotify でユーザーはコンテンツを消費するだけでよいのだ。消費の仕方を Netflix や Spotify は観察し、この傾向のユーザーにはこういうコンテンツがおすすめだというアルゴリズムを洗練させていく。ハチャメチャに優れた推薦アルゴリズムにより、ユーザーは自分にマッチした未知のコンテンツに出会うことができ、益々サービスの利用を深めていく。ひたすら受動的にコンテンツを受容し続ければよいだけだ。

コンテンツの投稿・公開を求められる Twitter や Instagram でも、実は見る専( ROM )の割合が高まってきているのではないかと推測する。 以下の記事によると、 Twitter の投稿の 97% が 25% のユーザーによって行われたものだったそうだ。

さらに驚くことに、 Reply や Retweet を差し引くと投稿されるコンテンツの 18% のみがオリジナルの投稿ということらしい。やはりコンテンツを作る人の割合というのは非常に小さく、ほとんどの人はインターネット上のコンテンツを消費しているだけなのだ。

インターネットの初期時代からインターネットにどっぷり浸かってきたインターネット老人の我々のような世代がウェブサービスを設計すると、ついつい人々はインターネットで自己表現をしたいのだという前提で考えがちだ。しかしあとの方になってからインターネットを使い始めた人々にとっては、インターネットとは自分から情報を差し出す場ではなく、情報を摂取する場なのだ。買い物をしたり、動画を見たり、音楽を聞いたりしているだけだ。自分でウェブサイトを持ってブログを作ったりしている我々は、今日のインターネットにおいて決してマジョリティではない。

受動的にインターネットを使うだけの人に、 1990 年代の終わりに我々インターネット老人が感じたのと同じような興奮や感動を与えられるのだろうか。多分、発想を転換しないと難しいだろう。我々が面白がったインターネットと彼らが欲しているインターネットは別のものなのだ。ただ受動的に使っているだけでより便利になり、快適になっていくインターネットをどうやって作っていくかが見えないインターネットの時代のテーマになると思う。

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はてブコメント、漫画は高いという意見に対して「貧乏すぎでは?」「買いすぎでは?」「考えを改めた方がよい」「どうせタダで読みたいだけだろ」というコメント付いているけど、漫画にいくら払えるかは人それぞれだし、そもそも無料で読みたいという意見は大勢ではない(広告入ってて良いので無料で読みたいというコメントは一つだった)。漫画は安い派の意見の方が一方的に見える。

単位時間あたりの費用で漫画が他の娯楽より高いのは事実だと思う。漫画はコミックが一冊 600 円くらいするが、一冊 15 分くらいで読み終わってしまう。 1 分あたりのコストは 600 ÷ 15 = 40 円だ。映画は 2000 円払って 120 分楽しめる。分単位のコストは 2000 ÷ 120 = 16 円だ。漫画と同じくらいの金額で買える文庫本の小説なら読むのに 3 、 4 時間くらいかかるし、 1 分あたりのコストは 3 円。一冊 1500 円の単行本でも 8 円。漫画の 40 円は高すぎる。今年はうっかり一巻無料キャンペーンに釣られて空母いぶきを読み始めて続きが気になってしまい、全巻買ってしまって 1 万円くらい使ってしまった。漫画は娯楽としての経済効率が悪過ぎる。

動画配信以前、セルビデオは一本一万円くらいしたし、セル DVD も 4000 円くらいが相場で高すぎた。なのでレンタルが主流だったし、光学ディスクのレンタル屋だった Netflix が配信会社に進化した。漫画は昔はレンタルあったし今も細々と存在してるけど多分最も利用されてるのは漫画喫茶だと思う。

漫画は速く沢山読めて沢山読まないと話が完結しない特性があるから漫喫にベストマッチだと思う。時間課金なので速く読める人ほどお得。漫画は嵩張るからレンタルして家に持ち帰りまた返しにくるのは面倒だけど、漫喫ならその場で手に取ってすぐ読める。買うと保管場所に困る問題も解決されている。

少し調べた限り、漫画喫茶は著作権者にお金を払っていない(少なくとも法的には払う義務がない)ようだった。

長らく著作物には貸与権が認められていて、音楽や映画はレンタルされる度に著作権者に収益が発生していたが、書籍は貸与権の対象外だったようだ。 2005 年に貸与権が書籍に対しても認められるようになり、貸本屋(レンタルコミック含む)は著作権料を支払わなければならなくなったようだ。

ただし漫画喫茶に関しては、文化庁が店舗内での閲覧は「貸与」に値しないとの見解を示したことから、貸与権の対象となっておらず、漫画喫茶には著作権料を払う義務がない状況のようだ。

こうやってみると漫画の著作権者たちの真の敵は漫画喫茶ではないかと思う。 2021 年 3 月期の決算で、業界一位の快活CLUBは漫画喫茶部門で 484 億 9900 万円の売上があるようだ。

漫画のサブスクリプションサービスを始めることで、現状漫画喫茶に流れているお金の大部分を漫画家・出版社は回収できるだろう。コロナ禍なのだし、漫画喫茶に行かずにサブスクリプションで手軽に読めるようになれば利用したいという人はかなりいそうだ。

サブスクリプションを始めるにしても、新作はサブスクリプションでは読めないような設計にすることで買い切り型のモデルへの悪影響は軽減できると思われる。動画配信もコロナ禍前は上映と同時配信みたいのはなかったが、漫画でも同じようなことができるはずだ。サブスクリプションで読めるのは旧作中心で配信期間も限定すれば、はてブコメント欄でマウンティングしてるような漫画愛好家は新刊発売後に購入して読みそうだし、サブスクリプションで気に入っていつでも読めるようにしたいと思った人も買い切り版を購入するだろう。

いい具合に制度設計できれば今より漫画家・出版社側の利益が減ることはないだろうし、読者の裾野を広げるという意味でも、手頃な価格で漫画を読めるサブスクリプションサービスができて欲しい。未来の漫画業界のためにも漫画のサブスクリプションは必要なのではないかと思う。

| @登山/ランニング

一つ前の記事で書いたように、最近よく走っている。

毎回最低 4km は走っていて、走ると着ている服が汗でびっしょりになるので毎回洗濯しないといけない。頻繁に走ると換えの服がなくなるので新しく短パンを買った。

これまでは NIKE の球技用短パン(サッカーやラグビー用)をはいて走っていた。球技用短パンのせいかちょっと丈が長く、またポケットがないため(ラグビー用の短パンはポケットがあるとそこを掴まれて引き倒されたりするのでポケットがない)走るときは実用性がいまいちだった。今度はポケット付きにしようと思って、金をケチって NIKE や ASICS などのスポーツメーカー製のものではなく、ノーブランドのとにかく安いポケット付きの短パンを買った(送料込み 2200 円)。

届いてはいてみたところ何か具合が悪い。サイズが小さいわけではないのに足の動きを邪魔されるような感じでまとわりつく。どうも股上が深いようだった。腰骨のあたりにゴムがくるようにするとまるで腰ばきしているみたいになって、大腿部に引っかかりを感じる。おへそが隠れるくらいまで引き上げると引っかかり感はなくなるが、はいてる姿が大きめの服を着せられてる小学生みたいだし、走ると裾がめくれあがってきて意図せずセクシーな感じになってしまう。正直失敗だった。やっぱり短パンはケチらずお金を出さないといけないのかも知れない。

はき心地が最高なのは山と道の Light 5 Pocket Shorts で、足の動きを一切妨げず、はいている感覚がない。通常版の 5 Pocket Shorts は生地の頑丈さは申し分ないが、盛夏にはいて山に登るとめっちゃ暑くて少々不快感が残る。 Light 5 Pocket Shorts で一度走ってみたところめっちゃ快適だったが、税込みで 13200 円もするので日々のジョギングでボロボロにしてしまうのは忍びない。 5000 円しないくらいで快適に走れる短パンが欲しい。

| @登山/ランニング

上高地

今年の夏、もし気力・体力・精神力・財力が整えば北アルプスに登山に行ってみたいと思っている。

ただネックになるのが交通手段で、東名阪からだと数千円握りしめて家を出てバスに乗って寝ると目が覚めたら上高地みたいな感じだが、福岡からだとそういうわけにはいかない。どういうルートで行くと時間を無駄にせず、お金もかからずに済むかを考えてみた。


TL;DR

  • お金がなくても飛行機で松本入りがおすすめ
  • 下山日に福岡まで帰るのは難しく、要後泊で最低でも山行日程 + 一泊必要

基本的な行き方

上高地バスターミナル

上高地に着くのを何時にするかが問題で、夜行バスで上高地に入るか、中継地までの移動を夜行バスにして午後から上高地に入るか、そもそも飛行機で松本まで直行するか(上高地入りは同様に午後となる)が分岐点となる。

夜行バスで上高地に入れば早朝から活動可能となり、登山初日に移動距離を稼げる。飛行機で松本入りしたり、中継地点までの移動に夜行バスを使ったりすると上高地入りが午後になり、初日は少ししか歩けない(標高が高い山では遅い時間まで歩くのは危ない)。

まとめるとこんな感じだ。以下の三つから選ぶことになる。

  • 午前入りプラン
    新幹線か飛行機で中継地点まで移動し、夜行バスで上高地入り
  • 午後入りプラン A
    飛行機で松本までアクセスし、電車とバスで上高地入り
  • 午後入りプラン B
    夜行バスで中継地点まで移動し、昼行バスで上高地入り

旅程

飛行機から見る槍ヶ岳・穂高連峰

奥穂高岳へ涸沢経由で往復する場合、旅程は以下となる。

日程 午前入りプラン 午後入りプラン A 午後入りプラン B
一日目 午後から移動開始 朝から上高地まで移動、午後上高地着、徳沢か横尾に宿泊 午後から夜行バスで中継地点まで移動
二日目 夜行バスで早朝上高地着、涸沢宿泊 徳沢 OR 横尾から登山開始、奥穂高岳登頂、穂高岳山荘泊 朝から上高地まで移動、午後上高地着、徳沢か横尾に宿泊
三日目 涸沢から奥穂高岳登頂、再び涸沢宿泊 穂高岳山荘から一日で上高地まで下山、上高地か松本市内泊 1 徳沢 OR 横尾から登山開始、奥穂高岳登頂、穂高岳山荘泊
四日目 涸沢から上高地まで下山し、上高地 OR 松本市内宿泊 2 上高地 OR 松本市内から帰宅 穂高岳山荘から一日で上高地まで下山、上高地か松本市内泊 1
五日目 上高地 OR 松本市内から帰宅 - 上高地 OR 松本市内から帰宅

どのプランであっても下山日の福岡への帰宅はかなり厳しい。上高地から出るバスに夜行便はなく、 15:30 頃までのバスに乗らないと大阪にも名古屋にもたどり着けない。名古屋・大阪に 21:00 ~ 22:30 頃に着いてもすでに福岡まで帰れる新幹線はなく、頑張れば夜行バスで帰ることはできるが、三日間北アルプスを歩いて疲れている状態でさらに夜行バスに乗れる体力は自分にはない。というわけで飛行機で直接松本入りする午後入りプラン A 以外は移動と後泊で 5 日間必要になってしまう。

それぞれのプランの移動経済性

午前入りプランは経由地をどこにするかでさらに三つに分類できる。大阪まで新幹線で行くパターン、名古屋まで新幹線で行くパターン、名古屋まで飛行機で行くパターンだ。午後入りプラン A 、 B とあわせて、上高地着時間と移動時間、片道交通費を一覧表にするとこうなる。

プラン 経由地 交通手段 上高地着 所要移動時間 片道交通費 移動経済性
午前入りプラン 大阪(新大阪) 新幹線→夜行バス 5:30 11時間 ¥27110 29.8
午前入りプラン 名古屋(名古屋駅) 新幹線→夜行バス 5:30 12時間 30分 ¥26140 32.7
午前入りプラン 名古屋(セントレア) 飛行機→夜行バス 5:30 12時間 30分 ¥17120 21.4
午後入りプラン A 松本 飛行機→電車・バス 12:36 6時間 ¥22500 13.5
午後入りプラン B 大阪(梅田) 夜行バス→昼行バス 13:45 17時間 30分 ¥13910 24.3

表中右端の 移動経済性 は、交通費 × 所要移動時間 ÷ 10000 という式で出している。交通費と所要時間を掛け合わせることで大体のコストパフォーマンスがわかる(移動時間も交通費も小さければ小さいほどよい)。数字がでかくなりすぎるのでテキトーに 10000 で割っている。この数値が小さいほどお得(効率的な移動手段)となる。

飛行機で松本入りする午後入りプラン A が一番交通費が高くなりそうな気がしていたが、実は新幹線移動の大阪経由プランが一番高い(その割に結構移動時間は長い)。大阪・名古屋からの夜行バスが意外と高い。一方で飛行機は早割チケットの購入や、セントレアを経由する場合は LCC を使うなどで安くできるので意外と高くならない。

最も移動経済性が良いのは松本経由の午後入りプラン A で、 13.5 となっている。新幹線を使う午前入りプランは 29.8 と 32.7 で移動経済性が著しく悪い。金額的には最安の午後入りプラン B についても移動経済性 24.3 でセントレアを経由するプランよりもお得ではない。移動時間が 17 時間以上もかかるとなるとどれだけお金を節約できても時間のロスがもったいない。

名古屋(セントレア)経由のプランは移動時間と交通費のバランスが取れていそうだが、セントレアから名古屋駅まで移動して夜行バスに乗るという手間をかけても、松本に直行する場合と比べて 5000 円しか節約できないのが痛い。往復なら 10000 円の節約になるかもと思うかも知れないが、復路は上高地から出る夜行バスがないためこのプランは名古屋宿泊が必要になり、往復で大幅に節約できるわけではない。

それぞれのプランごとのメリット・デメリットと向いている人を書き出してみた。

午前入りプラン 大阪経由(新幹線)

メリット

  • 早朝に上高地着
  • 天気が悪くなりそうなときには柔軟に日程を調整出来る
    悪天候時の変更・キャンセル費用が安い
  • ガス缶・アルコール燃料などを持ち運べる

デメリット

  • 時間がかかる割に交通費が高い

向いている人

  • 仕事が忙しくいつまとまった休みを取れるかわからない人
  • 優柔不断で直前まで予定を決められない人
  • 北アルプスに行くからには好天に合わせて行きたい人
  • お金に余裕がある人
  • 大阪が好きな人

午前入りプラン 名古屋経由(新幹線)

メリット

  • 早朝に上高地着
  • 天気が悪くなりそうなときには柔軟に日程を調整出来る
    悪天候時の変更・キャンセル費用が安い
  • ガス缶・アルコール燃料などを持ち運べる

デメリット

  • 時間がかかる割に交通費が高い

向いている人

  • 仕事が忙しくいつまとまった休みを取れるかわからない人
  • 優柔不断で直前まで予定を決められない人
  • 北アルプスに行くからには好天に合わせて行きたい人
  • お金に余裕がある人
  • 新幹線が大好きで一秒でも長く乗っていたい人
  • 名古屋が好きな人

午前入りプラン 名古屋経由(飛行機)

メリット

  • 早朝に上高地着
  • LCC を使えば飛行機代が格安
  • マイルを貯めている人は特典航空券を使って飛行機代を 0 円にすることができる
  • ガス缶などを名古屋ヨドバシで調達可

デメリット

  • 悪天候時の変更・キャンセル費用が高い
  • セントレアから名鉄BCへの移動・待ち時間

向いている人

  • 多少の悪天でも山行を結構する覚悟・技術がある人
  • 悪天候のときは割り切って上高地・松本観光に切り替えられる人
  • キャンセル料・変更費用が苦にならない人
  • マイルを貯めている人
  • 名古屋が好きな人

午後入りプラン A 松本経由(飛行機)

メリット

  • 最速
  • 前日からの移動不要
    初日に上高地入りできるため、他の行程より旅程を一日節約できる
  • 移動の疲労が少ない

デメリット

  • 悪天候時の変更・キャンセル費用が高い
  • 上高地着が午後になり、登山開始日に稼げる距離が短い
  • ガス缶・アルコール燃料などを持ち運べない

向いている人

  • 多少の悪天でも山行を結構する覚悟・技術がある人
  • 悪天候のときは割り切って上高地・松本観光に切り替えられる人
  • キャンセル料・変更費用が苦にならない人
  • 自由に使える時間が少ない人
  • 夜行バスで寝るのが苦手な人

午後入りプラン B 大阪経由(夜行バス)

メリット

  • 最安
  • 天気が悪くなりそうなときには柔軟に日程を調整出来る
    悪天候時の変更・キャンセル費用が安い
  • ガス缶・アルコール燃料などを持ち運べる

デメリット

  • 移動時間が長く、上高地に着いたときには疲労困憊の可能性
  • 上高地着が午後になり、登山開始日に稼げる距離が短い
  • 福岡→大阪の夜行バスが遅れると上高地便への乗り継ぎに失敗するリスクあり

向いている人

  • 時間に余裕のある学生
  • とにかくお金を節約したい人
  • 体力に自信のある人
  • 夜行バスが好きな人・夜行バスでも快眠できる人

結論

お金と移動時間をバランスよく節約したい → 松本まで飛行機移動プラン

ベストな天候のときに登りたい・予定が直前までわからない → 大阪経由の新幹線・夜行バス乗り継ぎプラン

参照


  1. 下山時刻的に当日中の帰宅は不可能。上高地から出る夜行バスはない。 

  2. 涸沢からかなりハイペースで下山しないと当日中の帰宅は難しい。もう一泊するのが無難。