| @ブログ

インデックスページをいじって各カテゴリーの最新記事 4 件を配置するようにしてみた。最近の個人サイト復興ブームでみなさんインデックスページを工夫されているのを見ていて真似したくなってやった。

カテゴリーごとに最新記事 4 件を表示

昔ながらのブログだとインデックスページというのは最新の記事 10 件くらいが表示されていて、「次へ」を押すと古い記事が出てくるという構成になっている。以前のこのブログもそうだった。

しかし自分自身が他人のブログで「次へ」を押して次々に記事を読んでいくということをやった記憶がほとんどない。自分のブログでだって何か目的があって特定のキーワードで検索したあとに引っかかった記事を読むという感じなので、時系列に本文とセットで記事が 10 件ずつ表示される UI というのは意味をなしていないと思った。そもそもインデックスという名称なのに最近の記事数件しか表示していないのはおかしい。インデックスというからにはすべての記事の目次になるべきだ。

このブログはカテゴリーがあるので、サイトマップを作るとするとこんな感じになると思う。

+----------+        +------------+        +-----------+
|          |        |            |        |           |
|   Blog   +---+--->+  Category  +------->+   Entry   |
|          |   |    |            |        |           |
+----------+   |    +------------+        +-----------+
               |
               |
               |    +------------+        +-----------+
               |    |            |        |           |
               +--->+  Category  +---+--->+   Entry   |
                    |            |   |    |           |
                    +------------+   |    +-----------+
                                     |
                                     |
                                     |    +-----------+
                                     |    |           |
                                     +--->+   Entry   |
                                     |    |           |
                                     |    +-----------+
                                     |
                                     |
                                     |    +-----------+
                                     |    |           |
                                     +--->+   Entry   |
                                          |           |
                                          +-----------+

第一階層がインデックスページで、第二階層がカテゴリートップ、そして各記事がある。なのでインデックスページは二階層目の一覧ページになっているのが望ましいはずだ。しかし伝統的なブログはカテゴリーという記事をまとめる概念がありつつも、インデックスページから各記事ページへ直接遷移するのが主な導線だった。常に最新の記事が時系列順に並んでいるだけでは味気ないし、常連の読者ではないコンテキストを知らない訪問者には不親切だろう。

しかも SNS の隆盛で個人のブログのインデックスページが参照される機会というのはとんとなくなってしまった。個人が書いたブログ記事は SNS 経由で読まれ、個別記事だけが読まれる。インデックスページやトップページが読まれることはほとんどない。 SNS でシェアされている URL をクリックして個別記事を読んで、それ以上そのブログのほかの記事を読むことなく離脱してしまう。前後のコンテキストは無視して、一つのコンテンツだけがつまみ食いされてしまう。そんな流れにあらがいたいと思った。

これまで関連記事を記事下に表示するなどやってきたが、気に入っていくつか記事を読んで「ホーム」( = インデックスページ)を訪れたユーザーがもう少しブログを深掘りしてみたくなるようにインデックスページを各カテゴリーの最新記事一覧とするようにしてみた。このブログは現在カテゴリーが 13 個あるので、それぞれから 4 件ずつ記事を取得すると 52 記事になる。全カテゴリーからまんべんなく 4 記事ずつ取得して表示するのは簡単なようで結構難しい。普通の SQL ではできない。 OR マッパーではまず無理だろう。

いろいろ調べてみた結果、 MySQL では GROUP_CONCAT というのが使えそうだった。以下のような SQL を書いた。

select entries.id
from entries
inner join (
  select
    category_id,
    GROUP_CONCAT(id order by created_at desc) as entry_ids,
    max(created_at) as last_created_at
  from entries
  where entries.draft = false
  group by category_id
) as grouped_entries
on grouped_entries.category_id = entries.category_id
and FIND_IN_SET(id, entry_ids) between 1 and 4
order by last_created_at desc, entries.id desc;

GROUP_CONCATFIND_IN_SET という関数を組み合わせることで、各カテゴリーから作成日の降順に記事を 4 件ずつ取得できた。このクエリでは記事 id のみ取得して、もう一回 DB に記事を取得するクエリを ActiveRecord で投げる。 ActiveRecord でクエリを組み立てるときは N+1 が起こらないように関連テーブルを JOIN する。

query = <<~SQL
  select entries.id
  from entries
  inner join (
    select
      category_id,
      group_concat(id order by created_at desc) as entry_ids,
      max(created_at) as last_created_at
    from entries
    where entries.draft = false
    group by category_id
  ) as grouped_entries
    on grouped_entries.category_id = entries.category_id
    and find_in_set(id, entry_ids) between 1 and 4
  inner join categories on categories.id = entries.category_id
  order by last_created_at desc, entries.id desc;
SQL
entry_ids = ActiveRecord::Base.connection.select_all(query).rows.flatten
entries = Entry.includes(:category, :user, :tags, :comments).where(id: entry_ids)

PostgreSQL のときに最初に取得した entry_ids の並び順通りに結果が受け取れるかは怪しいが、 MySQL の場合は一回目のクエリで取得した id 順に各レコードが ActiveRecord のクエリ結果として取得できた。あとはこれをカテゴリーごとにグルーピングして View でよろしくやれば良い。

なお各カテゴリーはカテゴリー内の最新の記事の作成日で降順ソートするようにしている。例えば現在のインデックスページの最下部には音楽カテゴリーがあるが、これは音楽についての記事を最後に書いたのが一年以上前だからだ。もしいま音楽の記事を書けば音楽カテゴリーがトップに浮上するようになっている。

見た目に関しては各カテゴリーの記事最新一件は大きなサイズで表示している。最も最近書かれた記事なのでより多く人の目に付いた方がよいだろうという考えだ。またすべての記事にサムネイルというか、アイキャッチ画像を表示するようにした。画像がない記事に関してはデフォルトのサイトアイコン画像を表示するようにしている。やっぱり視覚的に情報を捉えられるのは重要だ。画像がごちゃごちゃ表示されるのを嫌う人もいるかもしれないが、テキストだけでは人間の認知というのはどうしても追いつかない。

あわせて今回、インデックスページの冒頭部にこのサイトについての説明文を載せることにした。ながしまきょうさんr7kamura さんがやっているののパクりだ。伝統的なブログのインデックスページは初めて訪れた人のことを無視しすぎていたと思う。そのブログ自体について説明するページがあるブログは少ない。最初の記事でブログを始めた経緯みたいなことが書かれたきり、そのブログは何なのか、誰が書いているのかが書かれることは希だ。きちんとブログについての説明ページと著者についての説明ページがあっても、左右のサイドバーやトップのナビゲーションの端っこに押し込まれて見られることはない。これではいけないだろう。というわけでインデックスページの一番目立つ位置にブログと自分自身の簡単な紹介を入れた。

インデックスページトップに紹介文を表示

ブログはなぜ衰退したかを考えてみると、 Facebook や Twitter の隆盛はあるにせよ、ブログ自体に初めて訪れた人に読まれるための工夫が欠けていたのだと思う。誰も自分のブログの継続率を計測したりコホート分析したりはしない。読者が前後の記事を読んでいることを前提に書かれた記事やサイト構成では初めて訪れた人はどうやっても離脱してしまう。特に書き手が芸能人でもない一般人の場合はなおさらだ。誰も RSS フィードを購読していないし、ほとんどの読者は初めて訪れる人なのだから、そういう人たちが読んでブログのテーマや著者の人となりが分かる構成にしていかなければならないのだと思う。でないと SNS でたまにバズったときだけ読んでもらえる、ソーシャルメディアの肥やしにしかならない。

この新しいインデックスページが正解なのかどうかは分からないが、ブログ衰退の流れにあらがっていきたい。

| @ブログ

Archive ページにその月の記事数を表示

Archive ページの月コンポーネント右肩にその月の記事数を表示するようにしてみた。その月の自分の頑張り具合が一目で確認できて便利。 Kazuyoshi Kato さんの blog.8-p.info の真似。

ただ、いま見てたら blog.8-p.info では記事の文字数も表示されるようになっていた。 blog.8-p.info の過去記事ページは非常に参考になる。

blog.8-p.info の過去記事ページ

| @ブログ

Chart Tooltip

Archive ページにこだわってしまう理由、グラフを表示させてみて(ブログ過去記事をカテゴリーごとに集計してグラフ化 - portal shit!)何となくわかった気がする。過去記事ページというのはブログの書き手にとってはアクティビティダッシュボードなのだ。ジョギング系アプリ使ってる人なら記録をあとから振り返ることがあると思う。それと同じで、自分が過去にどのくらいの頻度、密度でブログを書いていたかを自分は知りたいと思うのだろう。その用途に適しているのが過去記事ページというわけで、 Archive ページの使い勝手の改善は自分のブログアクティビティをふり返りやすくしたいという欲求の表れだったのだと思う。

ちなみにグラフを作ってみたことで、 2006 年頃に異常な数の記事を書いていたことがわかったし、かなり内容のない記事(新聞やテレビを見た感想)ばかり書いていたことがわかって興味深かった。 2007 年からは記事の数が減るが、これは Twitter を使い始めたからだと思う。2009 年頃、病気療養を終えて就職しようとしているあたりからプログラミング関係の記事の数が増え、実家を出て福岡のブラック企業に勤め始めてからは記事数が減った。

あまり ASP 型のブログを使ったことがないのでよく分からないが、こういうカテゴリーごとの Chart 機能はないような気がする。一時期、ダイエット日記を書いていたはてなブログにはアクセス解析機能とアクセス数の統計機能はあったが、自分のブログアクティビティを振り返る機能はないと思う( PRO になればあるのかもしれない)。

自己満足的なブログの書き手にとっては、どれだけ読まれたかももちろん気になるけど、どれだけ書いたかも重要なのではないかと思う。読まれたかというのは結果であり、書いたかというのはプロセスというか、自分の頑張りだ。仕事をする上では結果にフォーカスにしなければ意味がないけど(使われない機能を作ってリリースするのは自己満足)、ブログは趣味なのだからプロセスの部分(自分の頑張り)が可視化される仕組みがあってもよいと思う。

| @ブログ

ずっと過去記事をどうやって効率よく見せるか(自分自身が効率よく読むか)ばかり考えている。一つ前の記事では絞り込み UI について書いた。

ブログというものが生まれたとき、誰も 10 年以上にわたってインターネットに文章を書くことを考えていなかったと思う。多くの人は途中で脱落してブログを止めたり飽きてほかのところ( Facebook や Twitter )に移ったりしただろう。ただ、同じ場所でしぶとく書き続けている人たちもいる。自分もその一人だ。

そういう人たちにとって、過去に自分が書いた記事をどうやって閲覧するかというのは大きな問題だ。過去記事を探すのに本文込みの一覧ページをページネーションしていくのはあまりにも効率が悪すぎる。一覧でガッと見たい。

というわけで、インターネット老人にしか用のない機能かもしれないが、過去記事一覧ページの UI/UX は非常に大きなテーマだと思う。問題点と対策を整理してみた。

過去記事ページ考察

過去記事が溜まることの問題点は、過去記事が探しづらくなることだ。対策としては各記事に関連記事へのリンクを表示する方法と過去記事の一覧ページを用意して探しやすくすることがあると思う。

過去記事の一覧ページは以下を満たしていて欲しい。

  1. 記事を一覧できること
    • 一覧性が重要なのでページネーション、本文は不要
    • 記事の作成日(公開日)順に並んでいて欲しい
  2. 記事を絞り込めること
    • 年やカテゴリーで絞り込めるとよい
  3. 件数がわかること
    • どの時期にどの密度でブログを書いていたかがわかるため

10 年以上続いてるブログを書いてる人たちは多かれ少なかれ同じような問題(過去記事へのアクセシビリティ)を抱えているはずで、他の人たちがどうやっているのかを調べてみた。以下は長く続いているブログの Archive ページ。

Hail2u

ながしまきょうさんのブログ。

雑記 - Hail2u

ブログのトップ自体が過去記事インデックス(タイトルのみ)になってる。本文を含む記事一覧ページはない。静的に生成してあって速い。絞り込むような UI はない。

氾濫原

関連記事のアルゴリズムやデザインなどを結構パクらせてもらっている cho45 さんのブログ。

アーカイブ - 氾濫原

本文込みの一覧ページとは別に年がずらっと並んでいる。記事の一覧はない。クリックすると年月ごとの記事一覧(本文込み)が表示される。記事を書いた時期を覚えておく必要がある。

Daring Fireball

Markdown の生みの親、 Apple ブロガー John Gruber のブログ。

Daring Fireball: Archive

本文込みの一覧ページとは別に年月ごとにグルーピングされた記事一覧(タイトルのみ)がある。このブログの Archives ページの UI に近い。検索窓があるが、 DuckDuckGo のサイト内検索に飛ばされる。スマートフォン用の画面がなく非常に見づらい。

hitode909の日記

hitode909 さんのブログ(はてなブログ)。

記事一覧 - hitode909の日記

本文込みの一覧ページとは別に、本文が短く表示される過去記事一覧ページがあるが、一覧性は高くない(ページネーションが必要)。グローバルフッターに年月ごとの記事一覧へのリンクがあるほか、サイドバーにもカレンダー式のアーカイブ導線がある。「月別アーカイブ」は年をクリックすると月別のアーカイブ一覧が展開表示される。デフォルトだと今年(最新年)が展開表示されている。年・月・カテゴリーそれぞれの記事数がわかるのは便利だと思う。

Tatsuhiko Miyagawa's Blog

Blog Hacks の著者 miyagawa さんのブログ( Medium )。 Bulknews 時代からの過去記事がいっぱいあるはずだけど現在は 2011 年分からしか公開されていないみたいだった。

Archive of stories published by Tatsuhiko Miyagawa’s Blog

タイトルのみの記事一覧ページはなく、一覧性は高くない。本文込みの一覧ページの上部に、年ごとの絞り込み UI が表示されている。年を選択すると月ごとの絞り込みができる。はてなブログに近い。

Medium year month selection

Medium が酷いのはこのアーカイブページへの導線で、トップページには最近の記事が数件表示されるだけで、過去記事への導線はページ下部に申し訳程度に置いてあるのみ。しかも Medium というサービスの利用規約ページへのリンクと並んでいるので存在に気がつきにくい。

Link to the archive page

先日の記事( 蟻地獄と個人ブログ - portal shit! )では Medium はまとも陣営に分類したけど、個人のブログ内で回遊することを極力できないようにしようとしているのが伝わってくる。蟻地獄感ある。

Island Life

『ハッカーと画家』などポール・グレアム本の翻訳もされている shiro さんのブログ。

Island Life

本文込みの一覧ページとは別に、本文が短く表示される過去記事一覧ページがある。年による絞り込みがあり、少し前のこのブログの Archives ページに近いが、 2002 年から記事があるので年のリンクが 19 個ある。 10 年後、 20 年後のことを考えると UI 上の問題が発生しそうだ。

portal shit!

最後にこのブログ。

portal shit!

本文込みの一覧ページとは別に年月ごとにグルーピングされた記事一覧(タイトル、カテゴリー、日付が表示)がある。年やカテゴリーによる絞り込みができる。

考察

Hail2u 、 Daring Fireball 、 Island Life など記事のタイトル一覧が表示されるタイプが好みだ。 Medium の一覧性のなさは最悪だが、年月の絞り込み UI はおしゃれだと思った。

個人的にはこのブログの Archives ページが一番使いやすい。自分で作っているので当たり前だ。スマートフォンでの閲覧性も問題ない。記事一覧の状態で本文で絞り込めるやつがあれば完璧なので、少ししたらチャレンジしてみたい。

| @技術/プログラミング

Archives ページ記事絞り込み

Archives ページに記事数を表示するようにした。一昨日、年を未指定の場合は全件読み込むようにしたので Archives ページを訪れると総記事数が確認できるようになった。年やカテゴリーで絞り込むと絞り込み後の件数を確認できる。カテゴリーごとの記事の偏り具合が確認できて便利。

さらにカテゴリーのセレクターは記事件数順でソートするようにした。これまでは categories.id でソートしていたため、件数の多いカテゴリーがセレクトボックスの下の方に埋もれたりしていてあまり良い絞り込み体験ではなかった。

こうしてカテゴリーごとに記事を絞り込んでみてみると、意外と違和感のある分類になっていることに気がつく。記事のカテゴリーに関してはあまり意味ないというか分類が難しいものもあると思う。ブログというカテゴリーに分類してみたものの、実際の記事内容はプログラミング寄りだったりして、読者が読みたい記事を探す際の指針とはなり得ないなと思う。 TF-IDF のような機械的な関連判定が記事のグルーピングには有効だと思う。勝手にカテゴリー付けしてくれたら便利だと思う。

技術的な話をすると、選択したカテゴリーで記事を絞り込む都合上、件数のカウントはフロントエンドで行う必要があった。実は 2 年くらい前の Archives ページにも絞り込み時の件数表示機能はあったのだが、当時は React の機能を活用できておらず、記事の絞り込みは Virtual DOM の操作ではなく CSS の display: none; でやっていて jQuery と大差なかった。記事の絞り込みを React の機能を使ってやるようになってから件数の表示ができていなかったのをできるようにしたのが今回というわけだ。

お爺さんコンポーネントで定義した関数をひ孫コンポーネントまで伝搬させて、結果が変わるとお爺さんコンポーネントの state が書き変わる。ちょっと setState() を使いすぎていて微妙に画面がチラつく( state を更新するたびにレンダリングが行われるため)。もっとうまいやり方があるのかもしれない。

これをやるにあたってこれまで関数として実装していたコンポーネントをクラス化した。 return() の前処理でやっていたゴニョゴニョを componentDidMount() に移す必要が出たが、実は componentDidUpdate() でもやらなければならなかったり、 componentDidMount() 時にはまだ props が渡されてきてないので componentDidUpdate() で実行する必要があったりと、結構ハマりどころがあった。コンポーネントはなるべくクラス化するのが格好いいような気がしていたけど、凝ったことをやる必要がないコンポーネントは関数のままの方がよいと思った。この辺も改めて React はよくできていると感心する。

| @ブログ

noisy-ads.jpg

スマートフォンで検索していてある大手ブログサービスでホストされているブログの記事に辿り着いた。記事を読んでいくと、ページ構造が「パーマリンクとは?」という感じになっていて驚いた。まるで蟻地獄で、下にスクロールしても終わりがなく、一度入り込んだら逃げられない感じだった。一つの URL に一つのコンテンツというインターネットのお約束を無視していて、 URL は個別記事のものだけど、下までスクロールすると次の記事の本文が読み込まれる。さらにスクロールするとそのまた次の記事が読み込まれる。 AutoPagerize がページャーのないところでも有効化されている感じで、読者の好みで無効化できない状態になっていた。

記事と記事の間には芸能ニュース記事へのリンクが差し込まれたり、そのブログサービス内で人気の記事ランキングが挟まれたりする。 A さんのブログを読んでいたはずなのに気がつくとゴシップニュースか他の人の炎上記事を読むことになっている。おまけにそこに広告も挟まれてくる。ページ内で URL が指し示すオリジナル記事の分量が 10% に満たないこともあるんじゃないだろうか。書き手にとっても読み手にとっても体験が良くない。大手のブログサービスはどこも同じような感じで、他のニュース記事や人気記事への誘導が激しい。

Twitter を追い出されたあとの Evan Williams が Medium を始めたときは意味がわからなかった。今時ブログサービスなんて始めてどうするんだろうと思った。はてなブログに関しても、なぜいま新しいブログサービスが必要なのかわからなかった。しかしいまならその理由がわかる気がする。

インターネット上でのコミュニケーションの場がブロゴスフィア(死語)から SNS へ移り、ブログの読者は SNS を流し読みしていてタイムラインに流れてきたコンテンツを消化するだけ。著者はコンテンツを提供するだけの存在となってしまい、両者の間でインタラクティブなやりとりが生まれなくなった。そんな状況でもう一度著者と読み手を中心に据えようとして始まったのが Medium だったのではないだろうか。

Medium もはてなブログも広告は表示されないか表示されても少しだし、 Medium の人気記事への誘導は控えめで、はてなブログは同一ブログ内の記事しかお勧めしてこない。

はてなブログを開始されて間もないときに jkondo が書いている記事の最後にこんなフレーズが出てくる。

「個」としての活動が、人生に新しい展開を持ち込み、より豊かな人生につながります。

SNS 、ブログ、あらゆるところで巨大なサービス(=プラットフォーム)が幅を効かせて個人を飲み込もうとしているいま、どこでブログを書くと一番記事の価値を毀損しないかまで考えてブログを書く場所を選んだ方がよいと思う。はてなブログや Medium 、 note も流行ってるっぽいが、自分としてはやっぱり自分のブログを持つのが最高だと思ってる。

独立自営のブログをやる人の選択肢を増やすために、今後も Lokka のメンテナンスはやっていきたい。やりたい・やると宣言して出来てないことだらけで申し訳ないけど、少しずつこのブログの機能を master ブランチに移植していって 2020 年でも常用できるブログにしていきたい。ちなみに以下は Markdown をオン・ザ・フライでプレビューする機能の Pull Request 。

あと Slack に Workspace を作った。何年か前に調べたときは lokka.slack.com が空いてたんだけど誰かに取られてたので lokkahq.slack.com となった。良かったら入ってください。ちなみにまだ僕しかいません。

追記 2020-04-13

cho45 さんの昔のブログ記事を読んでたらわかる(わかる)という記事があったのでリンクしておきます。

ノウハウ蓄積みたいなコンテンツってASP型で預けるのは不安がありすぎるので、自力で配信しようねみたいなウェブ縄文時代みたいな話になるんですが……

CGMサービスの矜持について - 氾濫原

ウェブ縄文時代 ってのは言い得て妙だと思いました。残念だけど一周回って個人ウェブサイトは縄文時代を迎えつつあるんだと思う。

| @ブログ

最新の Rebuild.fm のエピソードを聞いてたら Automattic による Tumblr 買収の話から Medium 、 WordPress から古の Blogger 、 TypePad 、 MovableType まで話が及んで楽しかった。

エピソード内で miyagawa さんがインディーなインターネットユーザーとして独自ドメインは重要だけど、誰も使わないから当てられるサービスがなくなってきた、その意味で WordPress は独自ドメイン使えるので悪くない選択だと思う、的なことを言っていたのが印象的だった。エピソード中でも触れられていたけど、 Medium は新規登録ユーザーに対して独自ドメイン利用を利用不可能にしている模様。

ブログプラットフォームとしての知名度を高めるためには一目で「あ、このブログは Medium 使ってるんだ」とわかった方が良いはずで、となると独自ドメイン名を使われるのは良くないと判断したんだろうなぁ。

加えて Medium は確かに最近よくログインを求めてくる。旧型の iPhone 7 で見ると画面の 1/3 くらいの領域をユーザー登録導線にしてる感じ。読みづらい。なんらかのプラットフォームに乗っかると、やはりプラットフォームに「こう使って欲しい」と制約をかけられることになりがちだ。ステークホルダーが書き手、読み手、プラットフォームの三者になるので当然といえば当然か。一方でセルフホストのブログなら基本的には書き手と読み手の二者しかステークホルダーがいない。

ブログは自分で作るのが一番満足度高いと感じる。意に反して広告が出るようになることはないし、読者にログインを強要したりもしない。足りない機能があれば自分で作ればよいというのもよい1。自分はセルフホストのブログを同じドメインで 14 年やってて、最初は P_BLOG 、 そしていまは Lokka を自分で細々と改修しながら使ってる。時々更新が途絶えることはあるが、ほぼほぼ毎月一本は何かしらを書き続けることができている。サーバーの運用は発生するが、まぁプログラマーなら自宅サーバーか VPS くらい飼ってるだろうし、運用は趣味の一環かなという感じがする。