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阿蘇草原マラニックで走る著者近影

阿蘇草原マラニックというトレランのイベントに参加した。ここ一年間は比較的真面目に走ってるので(靴を一足履き潰した)、山でも走れるのではないかと思って申し込んでみた。ただレースだときつそうなので順位を争わないマラニックというピクニックとマラソンを足し合わせたようなやつを選んだ。

感想としては一人で参加したのにめっちゃ楽しかった。ほとんどの人がグループで来てたのでボッチだとさみしいとは思いはしたが、普段走れない絶景の場所(外輪山の牧野は普段立ち入り禁止)を知らない人たちとはいえ誰かと一緒に走るのは楽しかった。イベント運営の皆さんが醸し出す雰囲気もピースフルでとても良かった。

とはいえコースは結構ハードで、公式の情報で距離 28km で累積獲得標高は 1000m とある通り( Apple Watch のワークアウトログだと距離 29.8km で累積獲得標高は 1143m だった)、普段からそれなりに走っていて、久住くらいなら楽に登れるという人でないと制限時間内にゴールは厳しいと思う。はな阿蘇美からスタートして国造神社で折り返すコースだったが、国造神社のエイドステーション出発の制限時間が2時間50分で、上り500mある14kmの距離を3時間弱で到達するのは歩きでは間に合わず、平地や下りはちゃんと走らないといけない。外輪山は平らなので走りやすいが、阿蘇谷から外輪山に出るまでの登りが結構きつい。もし来年出ようという方はそれなりのトレーニングが必要だと思います。

今回自分は往路は2時間20分、復路は2時間15分(国造神社のエイドステーションで25分くらい休憩)かかってたようだ。往路の最後で足がつり、復路はあまり走れなかった。外輪山に上がったあとはぼちぼちジョギングみたいなペースで走っていたが、外輪山を降りきって樹林帯に入ったところからまた足がつり、最後の 3km くらいは走っては休みを繰り返しながらゴールした。これまで最長でも 10km しか走ったことなく明らかに準備不足だった。前週に叶岳周回 9km を走って足つりとか疲労とかなかったので 20km くらいまでなら余裕だろうと思っていたが折り返し地点手前で足がつったので普段からもうちょい長い距離を走らないとダメそうだ。

トレランは袖なしシャツとかサンバイザーとかハイソックスとかギラギラしたサングラスとかのイメージがあって苦手だったけど、最近はサンバイザーとギラギラサングラスの人は減っていて(袖なしシャツとハイソックスの人はいる)おしゃれな人が多くて華やかだった(女性も多い)。ピークを目指さずトレイルを走るのが目的なのも新鮮で良かった。

参加費は行政の助成を受けているようでわずか1000円で、エイドステーションおよびゴール後の振る舞いや参加賞の温泉入浴券がもらえることを考えるとはちゃめちゃに安い。来年は価格が上がるだろうけど数千円なら全然払う価値あるなと思えるイベントだった。何より阿蘇の外輪山の牧野を走れるのはとても貴重。もし来年も開催されるのなら是非また参加したい。

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テントとタープ

ゴールデンウィークの前半でキャンプをしに行った。福岡の人がキャンプをしに行く場所といえば阿蘇・久住方面が人気だが、自分が阿蘇出身ということもあって実家の方に行くのにテントで寝泊まりするのは違和感があって久住でキャンプしたことは一度しかない。どちらかというと佐賀方面に惹かれる。車で一時間ちょいで行けて、森や海や温泉があって、キャンプ場はそこまで混雑しておらずまぁ快適だ。高速料金が安く済むのもいい。久住阿蘇方面だと 3000 円近く高速代がかかるが、佐賀方面だとうちからの場合 200 円くらいしか高速代がかからない(西九州自動車は全線開通していないため無料で通行できる)。今回は佐賀ではないが、佐賀県伊万里市の沖合にある長崎県松浦市の福島という島の初崎キャンプ場に行った。

今回のキャンプでは新しい道具をいくつか使ってみた。

Evernew HD.ALU Pan 20

エバニューのアルミフライパン。ゴールデンウィーク前に突如販売が始まったやつで一瞬で売り切れていた。登山用のコーティングしてあるクッカーは直火にかけるのが心配で、直火にかけても問題ないフライパンが欲しかった。去年秋に買ったエバニューの Backcountry Almi Pot がなかなか良くて、直火で炊飯してもコーティングが剥がれるのを気にせずに済むところが気に入っている。同じ使い勝手を期待して買ってみたところよい感じだった。スパゲティーを作ったり、目玉焼き焼いたり、カレーを作ったりと大活躍だった。

スパゲティ

目玉焼き

カレーを調理中

カレーライス

今回は一番大きいサイズの 20cm を買ったが、テント泊登山(自分の場合はハンモック泊)用に 16cm あたりも買ってもよいなと思った。

Igloo Marine Breeze Ultra 28L

悪天候により一泊に変えたが、当初は二泊三日でキャンプする予定だったのでクーラーボックスを買った。

これまでコストコのショッピングバッグなどを簡易的にクーラーボックス代わりに使っていたが、食材の保温効果は限定的だった。クーラーボックスは 50L くらい必要、みたいな記事が多いが、 50L 以上のクーラーボックスは数万円もして高い。自分は Amazon で Igloo の 28L のやつを買ったがこれで十分だった。肉やビールなど、低温を維持したいものはクーラーボックスに入れ、少々温度が上がっても平気なものはショッピングバッグに入れることにしたところ作成成功だった。

Igloo のクーラーボックス Marine Breeze Ultra 28L

うちの子どもは牛乳が好きなのでキャンプのときにも牛乳を飲ませているが、キャンプ場に着いた日に飲むだけで翌朝の分がなく可哀想だった。ちゃんとしたクーラーボックスを買ったことで牛乳も大きなパックを買うことができるようになり、翌朝も牛乳を飲めて満足そうだった。

うちの車は小型の SUV で荷物がめっちゃ載せられるタイプではないのだが、それでも普通のセダンやコンパクトカーに比べたら荷物を載せられる方だと思う。それでもクーラーボックスのサイズはこれくらいが限界だと感じた。 50L 以上のクーラーボックスを載せられるような車はランクルなどの巨大なやつかピックアップトラック(軽トラ)ではないかと思う。

なお、保冷剤はロゴスの倍速凍結・氷点下パック L を買った。 Amazon のレビューで XL がちょうど良いとあるので買ったところ底の大きさが合わず返品してしまった。 L だとちょうど底に収まる。

DOD ローローバーチェア

キャンプ直前の Amazon タイムセールで DOD のローローバーチェアが安くなっていたので衝動買いした。

キャンプ椅子はこれまで DOD のスワルスエックスだった。小さくて持ち運びしやすいが、生地が伸びやすいのとナイロンなので火に弱く、焚き火がはぜて穴が開いている。座る前の組み立てや撤収時の折りたたみもわずかに面倒くさい。ローローバーチェアは生地が綿なので燃えにくいし、座るときはひょいと広げるだけで良いので楽だ。その分、持ち運び時にかさばる。うちの車にはギリギリ載せられた。 4 人家族だったら運べないだろう。ランドローバーとかチャレンジャーに乗ってる人でないと本当は買ってはいけないものだったのかも知れない。見た目がカッチョイイのでキャンプのほか、自宅バーベキューで活用しようと思う。


実はこれ以外にも細々したものを買っている( Ledlenser の LED ランタン、 ZANE ARTS のシェラカップ、 UNIFLAME フィールドラック用のステンレス天板など)。以前書いた通り、キャンプは道具沼だ。毎回キャンプに行くたびに普通にビジネスホテルに泊まるのと同じくらいお金がかかる。

まだキャンプしたことない人にはおすすめしません。家でゲームしたり Netflix 見たりしてる方が楽しいと思います。

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ゴールデンウィークに Instagram 見てたら登山愛好家の皆さんがめっちゃ遠くの山に行っていて正直うらやましかったのでいても立ってもいられなくなり、北アルプス行きの予約をした。

去年、福岡から北アルプスへの行き方に関しては調べてブログに書いていた(福岡から北アルプス(上高地)までの行き方)。 9 月の頭あたりに行こうかと思っていたが、緊急事態宣言が出ていたので諦めてしまった。今年は巷にコロナに打ち克った感あふれてるし行けそうな気がしてる。

松本までは飛行機( FDA )で行くことにした。金額が高くなっても結局は飛行機の方が時間と費用を加味した総合的な移動コストが安い。セントレアや名古屋空港を経由しても上高地までの移動にバスを挟んで時間がかかってしまうので時間コストが大きい。マイルが貯まっていてセントレアまでの移動費をゼロにできる場合を除いておとなしく FDA で松本まで行った方がよい。天候的にキャンセルせざるを得なくなったときはキャンセル料を払って諦めることにする。

何時頃上高地に着くかによって山行プランが変わる。自分は奥穂高岳に行こうと思っているが、槍ヶ岳の人も似たようなプランになるだろう。

朝一番の飛行機で松本入りすると上高地着が 14:00 過ぎになる。そこからその日のうちに歩いて行けるのは徳沢か横尾までだ。徳沢も横尾も山小屋があって宿泊できる。初日はここに泊まって、翌日一気に奥穂高岳に登頂するのが良いだろうと考えた。登頂後は穂高岳山荘に泊まり、翌朝奥穂高岳にもう一度行って涸沢岳にも立ち寄ってから一日で下山。 13:30 頃に上高地に着くので松本に移動して後泊する( FDA の 17:30 の便には間に合わない)。後泊も入れて三泊四日の旅程になる。

一方、登山開始前日の午後に家を出発し、新幹線(か名古屋・セントレア行きの飛行機)と夜行バスを乗り継いで早朝に上高地入りすると、早朝 5 時半頃から歩いて一日目1に涸沢まで行ける。一日目の夜は涸沢の山小屋に泊まり、二日目に奥穂高岳に登頂できる。ただし山の上でマジックアワーを見たりご来光を見たりはできず、その日のうちに涸沢まで戻って小屋泊することになる。最終日は急いで下山すればその日のうちに帰宅できるが、山では何があるかわからないし予備日は設けておきたいところ。後泊すること前提で予定を組んだほうが良い。ゼロ日目の移動も合わせて四泊五日の旅程になる。

夜行バスで上高地入りする早朝着プランの方が安いような気がしてしまうが、福岡から向かう場合だと結局大阪か名古屋まで新幹線か飛行機を使うので大して金額的なメリットはない。旅程が長くなり、長時間の移動・夜行バスで疲れ、日の出どきやマジックアワーを山頂付近で過ごせない。東名阪に住んでいる人であれば夜行バスの早朝着プランは安く行けてメリットありなのだが、それ以外の地域から行く人にとっては午後着プランの方が無難だろう。

あとは天候が良くなることを祈るばかりだ。


  1. 一日目は午後から新幹線で大阪か名古屋まで移動し、夜行バスに乗り換えるので旅程的には二日目 

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浮嶽 大岩展望台

4/2 ~ 4/4 で脊振山系全山縦走に挑戦した。福岡の西端の十坊山から佐賀の基山まで二泊三日で歩いた。総歩行距離は 72km 、累積獲得標高は 5500m 。 20km 以上歩き、 1500m 以上登るのを三日間繰り返す。泊まりはハンモック + タープで、食料の補給はなし、水は湧水や沢で補給しつつ歩き通した。

自分は体力がなく歩くのがとても遅くて、全山縦走のことを知ったときにはとても自分に踏破できるとは思ってなかった。実際、 2 年前の夏に脊振山から金山までのセクションハイクをしたときにはバスに乗り遅れるし散々な有様だった。

4 年前にも十坊山から二丈岳までを歩く糸島四座縦走に挑戦して失敗している。

UL (ウルトラライト)メーカーの軽量な登山用品を買い集めながら歩くのが遅いどん亀という矛盾した雑魚だったのだが、 2021 年はジョギングを開始して徐々に体力をつけ、長めの縦走もこなした。4年前に途中で撤退した糸島四座縦走も比較的楽に達成した。

ちゃんと歩けた勝因と改善点をまとめてみた。

勝因

  • 荷物は軽く
    • 服はメリノウールにして余計な着替えは持たなかった
      • メリノウールは汗をかいても匂わない、化繊の服はひどい匂いを漂わせるので着替えが必要になる
    • カメラも持っていくことを諦めたので iPhone で撮った写真しかない
  • ちゃんとした昼飯を食わない
    • 基本的に昼間の食事は行動食のみ
    • 絶景ポイントで休憩して山飯作ったりコーヒー飲むとかやらない
    • 時間を節約でき、荷物も減らすことができる
  • 塩味の行動食
    • 日中、ちゃんとした飯を食わない代わりに塩味の行動食があると良い
      • 具体的にはカルパスや魚肉ソーセージ
    • コストコのアドベンチャーミックス(塩味のミックスナッツ + ドライフルーツ)もよかった
  • アミノバイタルゴールド
    • 現代の仙豆
    • めっちゃ疲れてても翌日足がパンパンにはならない(少なくとも午前中は)
    • 一日一本飲んでたが二、三本飲んでもよいみたいなのでもっとたくさん飲めばもっと楽だったかも
  • 山と道 MINI2
    • メッシュポケットがスーパー便利
      • 暑くなって脱いだ服をしまう
      • 行動食をつっこんでおく
      • 水場で浄水器をさっと取り出して浄水する
  • KATADYN Be Free (浄水器)
    • どこの水もサクッと浄水できるとわかっていたので大量に水を持って歩かずに済んだ(必要に応じて沢水などを浄水して調達すれば良い)
  • Black Diamond Distance Z (トレッキングポール)
    • 軽量なアルミポールを初めて買った
    • 脚の負荷をだいぶ軽減してくれたと思う
    • 荷物が多いので左右のふらつきを抑制して安全に歩けた

改善点

  • カロリー
    • カロリー計算した上で行動食を準備できてなかった
    • 持参したウィーダーインゼリーはプロテインやビタミンなどを重視した低糖質のやつでカロリーが少なくエネルギー源としてふさわしくなかった
    • 安くて甘くて体に悪そうなやつをもっと持ってくるべきだった(どらやき、ようかん、惣菜パン、イカフライなど)
  • サイズの合ってない靴
    • Altra Olympus 4 はちょいとデカめでサイズが合っておらず、下りで靴の中で足が動いて辛かった
  • メリノウールの靴下
    • これまでメリノウールの靴下で足が蒸れると感じたことはなかったが、 Injinji の五本指ソックスと履き比べてみて蒸れを感じてしまった
  • かさばるレインウェア
    • 低山のレインウェアとして雪山でも使えるハードシェルを持って行くのはかさばって良くない
    • レインウェアとウィンドシェルで機能がかぶるものを二つ持つのも邪魔
    • 省スペースでレインウェアとウィンドシェルの両方の役割を果たす雨具が必要
      • 山と道の UL All-Weather Hoody を買った

装備

  • 帽子
    • Milestone メッシュキャップ
  • Tシャツ
    • icebreaker メリノウールTシャツ
    • Smartwool Everyday Exploration T Shirt (予備)
  • 行動着
    • 山と道 Merino Hoody
  • ウィンドシェル
    • Patagonia Houdini Jacket
  • パンツ
    • WORKMAN メリノウールパンツ × 2 ( 1 枚予備)
  • ズボン
    • 山と道 Light 5-Pocket Shorts
  • 靴下
    • OS1ST FS4 PLANTAR FASCIITIS SOCKS
    • Injinji Trail SP TIE-DYE
    • Point 6 Hiking Lt Mini × 2 ( 1 足予備)
    • Altra Olympus 4
  • トレッキングポール
    • Black Diamond Distance Z
  • ザック
    • 山と道 MINI2
  • 防寒着
    • Patagonia Nano Puff Jacket
    • Mountain Equipment パウダーパンツ
    • EXPED ダウンソック
  • レインウェア
    • ARC'TERYX Alpha SL
    • Patagonia トレントシェルパンツ
  • クッカー
    • EVERNEW Ti 570 Cup
  • バーナー
    • EVERNEW チタンアルコールストーブ
    • VARGO Titanium Hexagon Wood Stove
  • ハンモック
    • AXESQUIN ウキグモ Light
    • AXESQUIN モグ 350
  • タープ
    • EXPED Hammock Trekking Tarp
  • ライト
    • Petzl Tikka
    • Ledlenser ML4
  • モバイルバッテリー
    • Anker PowerCore Essential 20000 PD

コロナ禍で飲み会に行かなくなって浮いた金でアウトドアギア買いまくったのが生きた感じの縦走だった。なかでもベストを挙げるとすると山と道 MINI2 だろう。

山と道総帥の夏目さんが書いている MINI2 の制作ノート 2021 年版がとてもよい。

山と道設立当初は、「耐久性や強度よりも軽量性が大事」と思っていました。1回のULハイクが人生を変えるかもしれない可能性を秘めていると信じているからです。

しかし、たくさんの方々にMINI2を送りだしていくと、みんな上手く使えているだろうか、壊れていないだろうかと、心配も積もるようになりました。できれば安心して長く使ってもらいたい。UL原理主義的であった自分の物作りの考え方も少しずつ変化してきているのかもしれません。

そして2017年に、山と道HLCで日本全国を旅して色々な方々と出会い、気がついたことがありました。僕が考えているようなULハイカーは、日本中を探しても実はほとんどいなかったのです。

ULハイカーのための道具作りをしてきた自分は誰に向けて作っていたのか? 自分の思いは独りよがりだったのか? あらためて自分が作る道具と向き合うきっかけとなりました。

MINI2 | 山と道 U.L. HIKE & BACKPACKING

この文章は首がもげるほど頷きながら読んだ。アプリやウェブサービスの開発に携わってる人なら似たような経験をしたことがあるのではないだろうか。

実際に縦走で初めて使った MINI2 は軽いながらも頑丈な作りで木の枝で何度も擦ったがダメージがなかったし、メッシュポケットはとにかく便利だった。暑くなって脱いだ服をガサツにメッシュポケットに突っ込み、寒くなったらさっと取り出して着て、腹が減ったら行動食をパッと取り出して食べる。ハードな山行を支えてもらったし、今回の UL ハイクで人生が変わった(少なくとも登山人生の一つの目標を成し遂げた)。

山と道の短パンを初めて買ったのは 2017 年の 3 月で、それから登山アプリの会社に入って登山をするようになり、昼飯に 120 円のチキンカツとインスタントそばを食べて浮かせた金で山と道の製品を買ってきた。 UL ギアを身につけながら歩くのがめっちゃ遅いしロングハイクもしたことがなかったのだが、今回やっと、自分で考えて可能な限り荷物を削り、誰かに荷物を持ってもらったりすることなく、途中で補給を受けることもなく、 70km 以上の縦走路を歩き通すことができた。ようやく UL ギアが様になるハイカーになれたのではないかと思っている。

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10 月のくじゅうを短パンで歩いている様子

何か新しいことを始めようとしたとき、道具を揃えれば揃えるほど快適になるのではないかと思うかも知れない。例えばキャンプでは道具が多ければ多いほど快適になる。テントに加えてタープがあれば日差しをしのげる。寝袋のほかにマットやコットがあれば快眠できる。調理器具が多ければ作れる料理の種類が増える。しかし登山の場合はそうとは言えなくて、道具が少ない方が楽になるケースの方が多い。なぜなら自分で道具を運ばないといけないからだ。服についても沢山着込めばよいということではない。登山は自分の足で歩かなければならないため、冬でもヒートアップしやすい。荷物を軽くすること、服装が適切で体温調節がしやすいことは、思っているいる以上に大切だ。

登山では暑い日でも長袖長ズボンの着用が常識とされている。短パンで山に行くなんて常識知らずにもほどがあると言われるかもしれない。しかし本当に短パンで山に入ってはダメなのだろうか? 長袖のシャツや長ズボンだと絶対安全なのか?

確かに長袖や長ズボンであれば枝で手や足を怪我することはないだろう。また短パン・半袖では道迷いして山で夜を明かすことになった場合は低体温症になる可能性が高い。しかし山に行くときはなにがしかレインウェア的なものは持っているだろうし、エマージェンシーブランケットを携行するようにすれば半袖短パンでも何とかなる(暖かい季節限定)。そもそも短パンや半袖は、暑さで体力を消耗するのを避け、歩くスピードを上げてきちんと日中に下山するための手段だ。長袖・長ズボンではちょっとした擦り傷や遭難時に低体温症になるリスクは避けられるかもしれないが、気温が高い日の登山では体温調節しにくくなる。体力を消耗して歩けなくなってしまったり、歩くスピードが遅くなって日中に下山できず、山中で夜を過ごさざるを得なくなってしまうリスクがある。遭難したときのことを考慮して長袖・長ズボンで山に行き、逆に体力を消耗して遭難してしまっては本末転倒だ。長袖や長ズボンにもリスクがあると思う。

初心者の人が登山用品店に行くと大して必要なのかもわからないのに重くてソールの固いブーツを勧められたりする。しかし重くてソールの固いブーツが必ず正解とは限らない。九州の低山にしか登らない人にはごついブーツは不要だ。北アルプスだって夏ならトレランシューズで十分歩ける。長袖長ズボンのケースと同様に、重くて固いブーツをはいていたせいで体力を消耗してしまい、遭難してしまうことも十分考えられる。

登山を始めようという人には靴は 1 万円程度のトレランシューズをおすすめしたい。ゆくゆくはアルプスにも行くかも知れないからと、最初から何万円もするアルパインブーツを買うのはおすすめしない。重くて歩きづらいからだ。そのようなブーツは岩だらけの岩稜帯で真価を発揮するし、履きこなすには体力が必要だ。まずは軽量なローカットのシューズで手頃な山を歩いてみて、本格的に登山を趣味にできそうだと思ったときにしっかりしたブーツを買えばよい

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大船山

7 月の頭に一人で久住に行った。ミヤマキリシマの季節は終わっているし梅雨なので良い季節ではないのだが、梅雨の中休みで天気が悪くなく、たまたま車を使っても良かったのでソロで久住まで行ってみることにした。

長者原から坊ガツルを経由して大船山に登ることに。登山開始地点の長者原からすでに涼しくて、森の景色は背振山地の稜線の林のような雰囲気。しかもそれが登山口付近から始まる感じで最高。坊ガツルまでは登ったり下ったりを繰り返す。雨ヶ池越あたりの雰囲気はまさに阿蘇くじゅう国立公園という景色で、子どもの頃を思い出しとても落ち着く。

広葉樹の森

雨ヶ池

坊ガツル

坊ガツル

坊ガツルについて景色を堪能してから大船山へ。ここからが結構しんどかった。道が荒れているし登山道がわかりにくい。いろんな人が好き勝手に歩いているせいか、土砂で登山道が流されているせいか、どこもそれなりに通れそうな感じがしてしまう。テープも複数あるので迷いやすい。

坊ガツルから大船山への登山道

段原

何とか段原まで辿り着く。北大船山に行こうとしたが、登山道脇のミヤマキリシマにバックパックが引っかかってうざい。一旦登山道脇にバックパックを置いてサコッシュとカメラだけで北大船山まで向かう。この日はアクシーズクインのハザカヒを履いていて、ストレッチが効く分こういう木の枝には弱そうだ。引き裂きなどに強いズボン(山と道の 5 Pocket Pants など)を履いてくるべきだったと後悔しながら北大船山登頂。ミヤマキリシマは 6 月にはきれいな花を咲かせるがそれ以外の季節は登山道へはみ出てきてうざい。

ミヤマキリシマが服やバックパックに引っかかる

北大船山山頂

北大船山から平治岳方面に見える池

段原に戻って昼飯を食べる。実はこの近くにきれいな避難小屋があるのだが存在を知らなかった。おにぎり三つにフリーズドライの豚汁を食べた。

フリーズドライ豚汁とおにぎり三つ

昼食後大船山へ向かうが、大船山への道もミヤマキリシマとブヨに行く手を阻まれる。ブヨは恐ろしいくらい大量に石にへばりついていて、歩く度に踏まれまいと飛び上がって隙あらば吸血してやろうとこっちに群がってくる。ブヨと格闘しながら登っていくと林の切れ目から三俣山や久住山、中岳などが見える。坊ガツルからそびえ立つようにして連なっている様は勇壮だった。こういう景色は高い山でないと見られない。

三俣山

登ってきた側から反対側に少し下って御池を眺めに行く。ここは紅葉の名所だ。素晴らしい景色だった。虫にまとわりつかれながらしばし見とれる。ここに紅葉を見に来られるだろうか?

御池

大船山から別府湾や由布岳、鶴見岳は見ることができたが、阿蘇方面は雲がかかっていて阿蘇五岳の景色はついぞ見ることができなかった。雨が降る前に諦めて下山することにする。

大船山山頂

段原手前の避難小屋のところに戻ってきたあたりで iPhone のバッテリーが 20% を切ったので Anker のモバイルバッテリーにつないで充電する。初めて USB-C to Lightning なケーブルを買ってみたが、 USB-A to Lightning に比べてめっちゃ充電が早い。 30 分くらい充電してたら 80% くらいまで充電されていた。登山では手早く充電できる方がよいので登山用には USB-C to Lightning を持参するのが良さそうだ。

段原から坊ガツルまでの下りがなかなかつらい。樹林帯で景色が変わり映えしないし、登山道は大きな石がゴロゴロしていたりぬかるんでいたりで歩きにくいし、さっきも書いた通り道が沢山あってわかりづらい。ローカットでソールのやわらかい Altra Lone Peak では足首への負担が大きいのもつらかった。

坊ガツルに着く直前に雨が降ったが樹林帯だったので濡れることはなかった。坊ガツルに着くと雨は止んでおり、急いで坊ガツルの草原を横断して雨ヶ池越まで向かう。下山しようとしているのに雨ヶ池越までは登りなので不思議な感覚を味わう。雨ヶ池越ではテント泊装備の若い人達とすれ違った。今夜は雨が降るかも知れないのにテント泊するようだ。

夕日が差し込む森

雨ヶ池越からはブナなどの広葉樹の森を歩く。このあたりでまた晴れ始めて、木漏れ日の中を気分良く歩くことができた。福岡の家の辺りはアブラゼミだらけで非常にやかましいが、この辺りはヒグラシしかいなくて涼しげだった。無事明るいうちに長者原に着き、タデ原湿原を少し散策して活動終了。数週間前のミヤマキリシマの喧噪が嘘のように人が少なく、風呂に入りたかったが星生ホテルの温泉は閉まっていた。実家に寄って晩飯を食べさせてもらって福岡に帰った。

長者原から見る三俣山

朝、福岡の家を出たのは 6 時で帰宅は 23 時。運転時間は 5 時間くらい。交通費はガソリン代と高速代で往復 10000 円くらい。家の近所の低い山に登る分にはお金がかからないが、車を使って遠くまで行くとかなり懐にダメージがある。これまでそれがわかっていたのでなるべく公共交通機関で行ける福岡の山に登っていた。しかし久住の景色は素晴らしく、たまにお金をかけて遠出するのもありだと思った。誰か人を誘っていくと高速代やガソリン代を折半できて良さそうだ。早くコロナが収束してほしい

2021-07-11 北大船山・大船山 / Hitoshi Nakashimaさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ

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三郡縦走

6 月に三郡縦走をやった。朝から電車を乗り継いで篠栗駅まで移動し、篠栗から若杉山・三郡山・宝満山を経て竈門神社まで歩く縦走コース。下山後は竈門神社からコミュニティバスまほろば号に乗って西鉄都府楼前・天神経由で帰宅した。 5 月にやった糸島四座縦走と累積獲得標高は同じくらい( 1634m )になったが、上り下りの回数が少なく、数カ所ある急登を登りきればあとは比較的なだらかなトレイルで気持ちの良いハイキングコースだった(篠栗から若杉山までの登りと宝満山からの下りはしんどい)。

三郡縦走と糸島四座縦走標高比較

篠栗は遠いところというイメージだったが思いのほか博多駅から近く、また住宅街も発展していて福岡のベッドタウンという感じ。実際、福岡市内の自分の家より博多駅までの所要時間は 10 分程度短いようだ。しかし歩いていくうちに田園風景が広がり始め、徐々に田舎の景色になっていった。

若杉山までの道

若杉山中腹の茶房わらび野の裏手を通り過ぎ、若杉キャンプ場を経て若杉山へ。若杉山の登山道には巨大な杉が多く、若杉山よりデカ杉山の方に改名すべきではないかと思った。

茶房わらび野裏手

でかい杉

若杉山のあとは少し下るが、縦走路っぽい雰囲気の道を歩く。砥石山からあとは品の良いトレイルといった感じでトレランマンもいれば中高年登山グループもいる賑やかな縦走路だった。

起伏の緩やかな縦走路 起伏の緩やかな縦走路

三郡山の登りがちょっとしんどいが、三郡山を過ぎて少し行ったところにある天の泉という湧き水が冷たくて最高に美味かった。水切れしていたのでここで補充し、あとは再びなだらかな道に戻ったが、日が傾いて虫が多くなり、頭巾山から仏頂山までの道はハエにたかられながら歩いた。

三郡山からの景色 天の泉の看板 仏頂山

宝満山には午後 4 時ごろ着。宝満山はいつも南側から登っていたので北側から登るルートは新鮮だった。山頂は人がまばらで、若杉山から歩いてきた道を眺めて感慨に耽りながらカロリーメイトを食べてコーヒーを飲んだ。

いつもと違う方向から見る景色 宝満山山頂で歩いてきた山並みを眺めながらコーヒー

下山は愛嶽山を通りたくて正面登山道ではなく行者道を通ることにしていたが分岐がわかりづらく、階段をしばらく下ったところで道間違いに気がつき、登り返しで体力を消耗した。宝満山は正面登山道の下りがきついとは言われるが、行者道もなかなかの急な下りでしんどかった。おまけにハエにたかられ続ける。もう自分は腐りかけているのだろうかと自問しながら愛嶽山と愛嶽神社を経由。ハエがあまりにもわずらわしいので小走りで駆け降りた。

愛嶽神社

バスの時間にまだだいぶ余裕がある時間に竈門神社着。手水で顔を洗わせてもらいしばし休憩。同僚の人たちは当然のように竈門神社から先太宰府駅までの舗装路を走るのだが、自分はそんな気力・体力・精神力はないのでバスの時間までレモンスカッシュを飲んで待った。

竈門神社 レモンスカッシュ

篠栗から若杉山までの舗装路歩きがとにかくしんどかった。縦走路の雰囲気は良いので、宝満山から登って若杉山まで歩き、来た道を往復するピストン縦走が良いのかもしれない。すずしくなったらまた行きたい。

2021-06-20 三郡縦走 / Hitoshi Nakashimaさんの愛嶽山宝満山若杉山(福岡県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ