| @写真

箱石峠から眺める阿蘇高岳

2018 年末に NIKON Z6 を買った。その前は NIKON D90 を 10 年近く使ってた。 NIKON D90 で撮れる写真にあまり不満はなかったが、フルサイズへの憧れと動画性能のしょぼさ(静止画は D90 の方がよいものが撮れるが、動画は明らかに iPhone の方がよいものが撮れた)に困っていて買い換えを決意した。人生で初めて新発売のカメラを発売前から予約して購入した。 48 回分割払い。

NIKON Z6 の良さは色々ある。通し F4 で撮れる 24-70m レンズ(レンズキットを買った)、 ISO 感度の高さ、チルト液晶、奥行きにも対応したデジタル水準器、 SnapBridge 対応(スマートフォンの GPS を利用した位置情報埋め込み、撮った写真をすぐに Bluetooth でスマートフォンに送れる)などなど。スマートフォン時代に対応するための正統進化という趣がある。 NIKON は真っ当ないい製品を作ったなと思う。

というわけでまずは NIKON Z6 で撮った写真からご覧下さい。そのあとに iPhone 7 で撮った写真で今年を振り返ります。

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| @労働

今週、 YAMAP でブラウザーでコースタイム付きの地図を表示し、自由に印刷できる機能をリリースした。

地図表示・印刷機能

開発の経緯

ユーザー要望が開発の起点だった。

YAMAP には Google Maps のようにウェブブラウザー上で登山道や登山口情報などを見る機能はなく、無料でダウンロードできる画像形式の地図は提供していたが、以下の課題があった。

  • 磁北線・縮尺の欠如
  • 任意の範囲を切り取っての拡大印刷はユーザー任せ
  • 地図の更新(コースタイム、山頂データなど)には画像データの書き出しが必要(アプリ内で使う地図に比べて更新サイクルが遅れる)

切り取り拡大の課題を解決するためにサポートチームが画像編集ソフトの使い方を教えたり、サポートスタッフ自身が地図を編集・加工して渡すことがあり、非常に負荷が高かった。

Google Maps のようにブラウザーで地図を閲覧できて、任意の範囲を自由に印刷できれば問題が解決するのではないかという見通しがあった。

デモ版を作ってもらって得た気付き

API は既存のものを組み合わせて作れそうだったので、 F/E エンジニアにデモ版を作ってもらった。

デモを使ってみて、地図を印刷するための機能が、ウェブブラウザー上で山の情報を確認し、山行計画を練る際にも便利なものであることに気がついた。

ブラウザーで登山コースを確認できるサイトは他にもあるが、百名山などメジャーな山が中心で、低山や全国津々浦々の里山までカバーしているものはなかった。

YAMAP の強みはユーザーからのリクエストで地図データを更新していくところにある。紙の地図では最低でも一年待たないと更新されない情報が随時更新され、しかも他のウェブサイトや紙地図では登山者が少なすぎて地図化されないような低山の地図まである。今回の機能追加で、そのような豊富な地図がウェブブラウザー上で閲覧して印刷することもできるようになるのだった。

デリバリー

デモ版は数日で出来たが、実際にリリースするまでの道のりが長かった。

先行して磁北線関連の問い合わせてをしてきた一部のユーザーにベータ版として機能を提供して様子をうかがいつつ、エンジニア、デザイナー、カスタマーサポート、経営陣のあいだで利害を調整し、機能、デザイン、使い勝手に磨きをかけた。

エンジニアやデザイナーに、他の仕事を差し置いてなぜこの機能をいま作る必要があるのかをわかってもらうのはとても難しかった。またデモ版のラフなデザインが与える印象が非開発者にはクオリティの低いプロダクトに見えてしまい、調整が難航することもあり、デザインの大切さを実感した。

苦労してリリースにこぎつけたあと、リリースノートを書いて PR 担当に Twitter や Facebook での広報を依頼した。普段の機能リリースよりも少しだけ大きい反響を得られたようだった。

所感

3 ヶ月前にエンジニアからプロダクマネージャーに社内でジョブチェンジしたので、今回のリリースで自分は一切コードを書いていない。初めてプロダクトマネジメントのロールに徹したリリースだった。

エンジニアであれば気にすべきことは自分のことがほとんどで、調子が上がらないときは遅くまで残ってやるとか家に持ち帰ってやるとか色々帳尻を合わせる方法はあった(もちろんいいやり方ではない)。プロダクトマネージャーは自分でコードを書くのではなく、周囲の人の間でもろもろ調整したり働きかけたりが仕事になるので、マイペースでのんびりやってあとで帳尻を合わせるということができない。かといってコミュニケーションを取り過ぎてエンジニアやデザイナーの邪魔をしてもいけない。塩梅が難しい。

もともと自分自身で手を動かしてソフトウェアを作ることが仕事だったから、エディターを開いてもドキュメントしか書かず、何も作ることがない日々に不安はあった。何か機能をリリースしても自分が作ったわけではないという虚しさが訪れるのではというような心配もあった。しかしリリースノートを書き終えたときには、これまでエンジニアとして機能をリリースしてきたときとは別の達成感があった。

プロダクトマネジメントについて書いてある『 Making It Right 』という本に、「プロダクトマネージャーは八つ裂きの刑に処されているようなものだ」というフレーズがある。手足を紐で別々の馬に繋がれて、それぞれ異なる方向に引っ張られるという刑だ。ビジネスサイド、開発チーム、サポート、ユーザーといった様々な人たちの利害を調整し、なんとか落とし所を見つけて説得し、開発チームに納得してソフトウェアを作ってもらう必要がある。リリースする前までは「プロダクトマネージャーつらすぎるだろ…」と思うこともあったが、苦労した分、リリース後の達成感はひとしおだった。

まだまだプロダクトマネージャーとしては新米で至らないところが多々あるが、ユーザー、サポートチーム、開発チームに寄り添いながら、多くの登山者に喜ばれるソフトウェアを届けていきたい。加えて、プロダクトによって山登りのハードルを下げ、まだ山に登ったことはないけれど興味がある、という人達に対して山登りの楽しみを広めていけたらと思う。

| @登山/ランニング

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この記事は登山 Advent Calendar 2018 22 日目の記事ですが遅れて書いています。大変申し訳ありません。


今年の山行

年初、成人式の三連休で家族で二丈岳に登った。登り始めが午後だったので下りは真っ暗闇の中を下ることになりめっちゃ嫁さんから怒られた。もう多分家族では二丈岳には行かない。

四月の頭に息子殿と二人で十坊山に登った。お手軽に登れて二丈岳と同じような、パノラマ感では二丈岳を上回る眺望が得られてお得だと思った。今年はこの後も二回、十坊山に登った。

家の近所の山を息子殿と二人で登った。バーナーを持っていき忘れてカップラーメンとクッカーを持ってきていたのに食べられなかった。おにぎりとスーパーの惣菜チキンだけ食べた。初めて高地山に登って景色の良さと低山ながら整備されたルートの歩きやすさに感動した。

家族 3 人で十坊山に登った。福吉方面から登ったので結構距離がありまた嫁さんに文句を言われたので十坊山にももう家族で登ることはないと思う。

社内登山で阿蘇山に行った。地元ながら登山をしたことはなかった。ミヤマキリシマが目的だったが天候が良くなく、雲の切れ間からチラッとしか見ることができなかった。中岳には登頂したが高岳には登頂できなかった。鹿らしき野生生物の白骨化死体などがあり Into The Wild 感あった。また行きたい。

社内登山で久住に行った。去年の平治岳以来。炎天下のなか 10km 以上歩いてくたびれた。また自分は社内の強い人たちにくらべたら雑魚だなということが思い知らされてよかった。

山の日に近所の低山に登った。夕方から登り始めたので帰りは暗くなってしまって結構危なかった。鐘撞山は良い山なので毎月登りたい。

盆に実家に帰ったときに両親も含めて杵島岳に登った。阿蘇はかなり上の方まで車で行けるので 1000m 以上の山でも低山感覚で登ることができて便利。登山の格好じゃなくても道も整備されているのでハイキング感覚で楽しめる。

北アルプス遠征で白馬岳に行った。素晴らしすぎた。詳しくはこちら。

午前中仕事をして昼からちょいとチームビルディング登山で二丈岳まで。このとき調子こいた発言をしてしまって同僚殿に縦走を焚きつけられ翌月敢行することに。

自分史上、最高につらい登山だった。 20km 、約 10 時間を一人で黙々と歩いた。後半はアルプスで痛めた膝が痛み始め非常にしんどかったが、今になって思い返すと結構いい思い出でまた行きたいと思ってしまうので怖い。こちらも別に記事があります。

会社のイベントで宝満山へ行った。良い山だった。英彦山といい、修験の山は人を惹きつける何かがある。


登山、最初はおっかなびっくりだったがやっていくうちにどんどん楽しくなってきた。一人でサクッと登れるところがとても良い。登っているときに自分と向き合えるような感覚になるところも良い。一人で体を動かせるものといえばジョギングがあるが、悩みごとや嫌なことを忘れるのには向いているものの、深く考えごとをしたりということに向かないと思う。登山は歩きながらいろんなことに考えを巡らせることが出来る。ゲーテはかつてハイデルベルクの街を歩いて思索にふけったというが、歩くことには考えることを助ける側面があると思う。というわけで逃げられない悩み事や考えごとがある人は登山をお勧めします。一人で黙々と縦走しましょう。

YAMAP に入ってからは 1 年半になる。今年はなんとエンジニアからプロダクトマネージャーにジョブチェンジすることになってしまった。登山経験はしょぼいし体力なくてダメダメなんだけど、これまでいくつものサービス開発で失敗したり成功してきた経験を活かして、皆さんに楽しんで使ってもらえるプロダクトをお届けできるように全力を尽くしていく所存です。

| @WWW

明後日から仕事で北アルプス遠征に行くので以前映画館で見たことがある『劔岳 点の記』を再視聴しておこうとするも Amazon Prime Video にも Netflix にもなく、 Amazon Video で都度払いで借りることもできず、仕方なく iTunes のレンタルで借りようかなと調べると微妙に高くて昔見た映画見るのに 400 円も払えないなぁと調べてたら楽天TVにもあって価格は 324 円、楽天ポイント使って 172 円で借りることができたけど Apple TV にミラーリングして見ようとすると DRM かかってるようでミラーリングできなかった(予告編はミラーリングできたのに本編は不可)。頭にきたので即刻楽天TVアプリをアンインストールして近所のレンタル屋に行って DVD 借りてきていざ見ようとしたら別の DVD が入ってて、どうも店員が『劔岳 点の記』のジャケットに別のディスクを入れてたようだったけど、電話したところ「お客様が間違っただけでは」と言われてさらに頭にきて見ずに返しに行き、諦めて楽天TVで借りたやつを iMac で見ようとしたら「 Silverlight のインストールが必要です」と表示されて結局見ることはできなかった。もうアルプスで遭難するしかない。