| @旅行/散歩

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京都で不思議なところは、洛中の住宅街を歩いていると突如として商店が現れ、普通に営業しているところ。田舎の感覚では住宅街と商店街は見えない線でゆるやかに隔てられるものなんだけど、京都は住宅街のなかにいきなり焼肉屋があったりするからびっくりする。

そこで「京都の人は消費するのが好きなのかなー」って仮説をたててみた。じゃなかったら駐車スペースもない住宅街で店やっても商売が成り立つわけがない。しかしながら京都府の統計と熊本県の統計を比べてみると仮説は外れていて、民間最終消費支出は熊本県の方が多く、京都府民の貯蓄率の方が高かった。

とはいえ京都の街を歩いていると、有名なお菓子屋さんには京都ナンバーの車(ほとんどドイツ車)が止まってるし、有閑マダムっぽい人が昼間からお菓子を買いにきてて、京都の商店は観光客だけをターゲットにしてるってわけでもなさそうに見える。お菓子やコーヒー、お茶といった嗜好品のお店はどこも賑わっているし、僕がコーヒー豆を買い付けている出町輸入食品なんかも地元のおじちゃんおばちゃんでいつも混雑してる。京都府民の消費マインドは旺盛なように感じるんだよな。

京都の人はただ観光客からお金を落としてもらうだけじゃなくて、自分たちもお金を使い、良い物を食べたり手に入れたりしようとしてるようなイメージがある。そしてそれが京都の文化や物、食事のクオリティーを底上げしてるように感じる。よそからお客さんを受け入れる土地の人間は物の善し悪しを知っている必要があって、自分たちも大いに遊ばなきゃいけないことを本能的に自覚している印象。

知り合いの東京の人に「京都は田舎」と言う人がいたけど、都市生活者の心構えみたいなものはいまも京都に息づいているんじゃないかな。京都の人が東京人に対して「田舎からようきはった」と言うメンタリティーも分からなくはないな、と思った。エレベーターでは降りる人を優先して欲しいし、バス停ではきちんと並んで欲しいけど。

| @雑談

9月の日経の『私の履歴書』は三菱商事相談役の槇原稔さんが書いてる。お父さんも三菱商事の社員で両親がイギリス駐在中に生まれたこと、お父さんは戦時中に社命でフィリピンに向かっている途中で船を潜水艦に撃沈されて亡くなったこと、少年時代は三菱の岩崎家の子どもたちと一緒に育てられたこと、高校からアメリカに留学してハーバードを卒業したこと、などなど、いちいち「すごいなー」と思いながら毎日読んでる。特にアメリカに留学したというエピソードは、戦後まだそんなに時間もたっていない頃だからアメリカ人は日本人のことを「醜いジャップ」とか「ライスイーター」とか思っていたであろう時期で、よくこんなときに留学できたなー、住んでる世界が違うなー、と感じる。

僕は大学生になるまで総合商社の存在を知らなかった。広告代理店の存在も浪人して予備校に入るまで知らなかった(予備校で元電通マンの講義を衛星放送で受講してそういう会社があることを知った)。だって田舎に住んでたら、お父さんが商社で働いてて休日は高級外車で伊豆の別荘に行き、夏と冬の長期休暇には家族で海外旅行、みたいな生活してる友達とかまわりにいないもん。

都会の富を地方に再分配するという国の政策のおかげで、田舎に住んでても衣食住のレベルで都会との格差はあまり感じないけど、メンタリティーとか暮らしの中身とか人生観とかでは大きな差があるなー、と感じる。勝手なひがみかもしれないけど、親戚や友達のお父さんに商社マンでいて、世界を股にかけて物売って回ってる、昨日南米から帰ってきたばかり、みたいな環境で育った高校生と、田舎に住んでて両親は兼業農家、無理をして塾通いをさせてもらって東京の大学に行けるようにがんばってる、みたいな高校生だったら、同じ大学に入って同じ時期に就職活動を始めたとして、前者の方が有利なんじゃないか、って思う。人生のビジョンとか、働き方に対する考え方がはっきりしてるから。

別にこれを不公平だって主張する訳じゃない。でも『教養主義の没落』で言われる「立身出世」みたいな生き方というか人生モデルはもうフィクションなのかなー、と感じる。

なんかAERAっぽい感じになってきたのでこの辺で終わりにするけど、田舎生まれ田舎育ちの自分は、いったいどんな生き方をすれば一番幸せになれるんだろうか、って9月の私の履歴書を読みながら考えた、というお話でした。

| @映画/ドラマ/テレビ

路上のソリスト

評価 : ★☆☆☆☆

主人公、スティーブ・ロペスはLAタイムズの名物コラムニスト。西の視点というコラムをLAタイムズで受け持っている。丘の上の見晴らしの良い邸宅に住み、SAABに乗り、ちょいワルな独身生活を満喫している。あるとき公園でバイオリンを弾くホームレス、ナサニエル・エアーズに出会う。実はナサニエルは将来を嘱望されたチェリストであった。しかし彼はジュリアード音楽院を二年で中退し、いまはホームレスとして過ごしている。いったい彼の人生に何があったのか?

まぁなんというか、オナニー映画だった。新聞記者がホームレスを記事のネタにする傍ら人助けをして気分爽快、というような内容。ロペスが「自分はナサニエルを利用している」と自己嫌悪するようなシーンもあるんだけど、それすらオナニーに見える。

ナサニエルと彼の姉との確執を統合失調症ひと言で片付けるのは無理があるのではないかと感じた。実話をベースにしているらしいけど、あれでは観客が置いてけぼりになる。

スティーブ・ロペスを演じてた役者はだめになったブラッド・ピットみたいな感じなんだけど、SAABを乗りこなし、カジュアルな格好でオフィスを闊歩し、LAの夜景が一望できる高級住宅街に住んでる。僕はミーハーなのでこういう暮らしぶりは素直に「かっちょいいなー」とか思って憧れてしまった。特にSAAB、すげーかっこよかった。映画にかっちょいい車が出てくるとぐっとくる。ヨーロッパの映画とかそうなんだけど、わざと車のロードノイズを拾って流したり、車の扉をバタンと閉める音を効果的に使ったり。頼まれてもいないのに車の宣伝してる感じ。これがすごく好き。欧州車いいわー、って気になる。『サイドウェイ』でも主人公はSAABに乗ってる。これはボロボロの古い車だったけど、すごくSAABに対する印象良くなった。『愛されるために、ここにいる』でもなんかよくわからん欧州車出てたけど良かったし、古い映画だけど『RONIN』ってのではAudi S8が出てきて大暴れする。かっちょいい。日本映画でもこういうのやればいいのに。そしたら日本車のブランド力あがると思うけどな。いやもちろんいまでも日本車はブランド力あると思いますよ。「とにかくぶっ壊れないハイテクな車」みたいな印象はあると思うけど、BMWやベンツやアウディやSAABみたいなメーカーが持ってるブランドイメージとは違うじゃないですか。映画のなかでかっちょくよく車を使ってもらうことができたら、日本車のブランド力みたいの、上がると思うんだけどなー。『幸せの黄色いハンカチ』ではマツダの赤いファミリアハッチバックが出てくるけど、あんな感じ。もちろん、金払ってあからさまに広告みたいな感じで車出させてもだめだと思うけどね。

と、途中から全然話がずれてしまったけど、この映画はおすすめしないです。

| @映画/ドラマ/テレビ

ディア・ドクター

評価 : ★★★☆☆

栃木の過疎地の診療所が舞台。笑福亭鶴瓶演じる井野治は山奥の診療所で医者をやってる。年収は2000万。都市部の病院まで距離のある過疎地に住んで村人たちからは神としてあがめられ、ほとんど信仰の対象。研修で資料所にやってきた研修医の相馬は都会の病院にはない人間味のある医療に感銘を受ける。しかし井野には秘密があった。看護師と診療所に出入りするMRと井野だけの秘密。実は彼は医師免許を持っていないモグリの医者だったのだ。

がん患者のおばさんが出てくるんだけど、この人、夫ががんで死ぬときすごく大変だったから、自分は娘に迷惑をかけないよう、一切の延命措置をとらず死にたいと井野に言う。もともと井野はヤブだから高度な治療はできないんだけど、このおばさんの意志を尊重して都会の病院を紹介したりせず、自宅に赴いて生理食塩液を点滴して気休めさせる。というかそもそも、胃カメラの検査結果をねつ造して胃潰瘍であることにしてしまう。おばさんはすべてを悟ったかのような感じで物語は進んでいくんだけど、ヤブ医者であることが発覚しそうになって井野がいなくなったとたん、おばさんを含む彼を崇敬していた村人たちが井野のことを悪く言い始める。「騙されてた」って。井野のことを尊敬し、実家の病院で働くのを拒否して研修終了後も診療所で働こうとしていた研修医の相馬までも、警察の取り調べに対して「なんかおかしいと思ってた」と言ったりする。過疎地医療を取り扱った映画の体裁をとっているけど、実際は田舎に住まう人間の業の深さを描写してるように感じた。

| @技術/プログラミング

仕事でPHPを使ってちょっとしたCMSみたいの作ってます。ログインとかフォーム内容の送信とかセッション管理とかMySQLの利用とか、CMSを作る上で必要な事項がP_BLOGに集約されていたので、わりとすんなり出来そうです。加えてAmazonのISBN変換プラグインの修正をやってきたので、外部のAPIと通信するみたいなことも将来的にはやれそうです。いやぁ、P_BLOG様々だ。

ただ、作ったものをパッケージ化してどんなサーバー環境でも動くような形で配布する、となると途端にハードルが上がる気がします。ソース非公開で仕事用にプログラム書く方が、ユーザーをサポートしなくても良いという観点では楽な気がします(ユーザー≠お客さん)。もちろん仕事である以上、お金のやりとりが発生するのでお客さんに対する責任は生じますけど、ツールをダウンロードしたユーザーから「僕の借りているレンタルサーバーでは使えません」みたいな問い合わせは来ないですからね。本当にkazさんリスペクトです。

ところで、MySQLとか大抵のサーバーですぐ使えるようになるものだと思っていたのですが、それはどうもレンタルサーバー脳なようでした。使えるようにするには環境をセットアップしないといけない。僕はLinuxとかUnixとかのサーバーにSSHでログインして操作するみたいのが全然できないので、そっちの方の勉強もして行かなきゃいけないなと思いました。phpMyAdminが便利すぎるのでMySQLの管理もこいつに頼りっきりでしたが、これも卒業しないと。

| @Mac/iPhone

iTunesは8.1だか8.2くらいから勝手にジャンルを日本語に書き換えるようになってうざいこと極まりないですよね。この問題には対処法がいくつかあって、Tune-up iTunesを使うとかiTunesを英語モードで起動するとかある。僕は Applications/iTunes/Contens/Resources/Japanese.lproj/Localizable.strings のジャンルの部分を英語版からコピペする方法をとってた。

Snow Leopardでも同じ方法でジャンル書き換えを回避しようとしたら、この方法が使えなくなってしまっていた。ファイルのアクセス権が変更されてユーザーが書き換えることができなくなっている。とりあえずLocalizable.stringのアクセス権を修正して書き換えようとしたんだけど、それでも跳ねられる。Japanese.lprojフォルダのアクセス権も変更されていてユーザーの書き換え権限がなくなっていたみたい。こちらのアクセス権も変更してやると無事書き換えられた。

この機能、喜んでる人なんていないと思うんだけど。Appleはせめてユーザーの方でiTunesがジャンルを書き換えるか否か選べるようにして欲しい。

| @Mac/iPhone

MacBook Pro 15"

一昨日のジョブズ復帰イベントで新しいMacが発表されなかったので、昨日は価格.comで急激にMacが値上がりしてた。前々からそろそろMacを買い替えようと思って15inchのMacBook Proを物色してはいたんだけど、なかなか踏ん切りが付かなかった。そしたら急激に値段が上がり始めたので焦った。奇跡的にまだ安い価格で売ってるところを発見したので、いまを逃したらこの価格では買えないだろうなと思って飛びついた。

現行のMacはSnow Leopard前に発売された機種ということもあり、発売直後から買い控え対策のためすごく安い値段で売られてた。4年前に買ったPowerBook G4 17”もTigerの発売前の機種だったためかなり安く買うことができた。貧乏な人がMac買うんだったらOSの変わり目が狙い目ですな。

費用対便益で考えたら明らかにiMacの方がコストパフォーマンス良いんだけど、ついついノートを選んでしまった。iMacだと家でしか使えないですからね。確かに24inch液晶や圧倒的な低価格は魅力なんだけど、iMacは雷に弱いイメージがあるし、最近働き始めたので一日中家にいるわけでもなくなり、職場でも使えるようノートにしときました。はやいとこWindows XPのひたすらシャギーなフォントや変態的UIのExplorerにおさらばしたい!