| @読書

Web2.0的成功学

評価 : ★★☆☆☆

かなり昔に買って積ん読になっていたものを読了。「Web2.0」ってタイトルには付いてるけどWeb2.0についての記述は少なく、殆ど情報の経済学と日本社会論の本でした。大学で経済学を勉強した人だったら第一章と第六章だけ読めば良い感じです。第二章から第五章にかけては経済についての記述が殆ど。しかし逆に経済学をご存じない人にとってはこの辺りの記述は参考になるかも知れません。

全体的に可もなく不可もない内容だと思ったのですが、最終章のWeb2.0的流行学の内容が気になりました。例えばラーメン屋の親父がWebサイトで割引券で客をつって「何が美味かった、もっとこうすればいい」みたいなアンケート書かせて万々歳だ、これがWeb2.0だ! みたいな記述があるのですが、割引券でつって消費者にアンケート書かせるやり方はWeb2.0的では全然なくて、昔からあるアンケートのやり方だと思います。むしろこういう人力のアンケート収集じゃなくて、アクセス解析ログとか検索キーワードとか、ユーザーが意図して発信したわけではない情報をコンピューターを使って分析・加工したものから新しい何かを作るのがWeb2.0なんじゃないかって思いますけどね。ユーザーの感想を得るんにしても、割引券でつって書かせるんじゃなくて、むしろユーザーが自己の表現欲を満たしたいために運営してるブログに投稿した内容を収集してきてどういう味が求められているのかを探るとか、そういう手法の方がWeb2.0的だなって僕は感じます。何でもWeb2.0にしちゃ嫌よ、って感じでした。

| @雑談

VW GOLF Mk2 GTI16V E-19PL

すごい、気がついたら一年以上ゴルフのこと書いてない!

というわけで車の話です。短期間で東京から舞い戻ってきてしまったので我がゴルフ2に車検を受けさせました。

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ゴルフ2を買ったのは4年前で、この当時でもすでに良いタマは少なかったのですが(特にGTI)、15年落ちの車なのに結構な金額を積んで走行距離の少ないものを買いました。一応、メーターの走行距離は1万キロちょい。本当にこんなに低走行なわけではなくて、4万キロ走ったときにメーターがぶっ壊れて交換してあるので、実際は5万キロ走ってることになります。まぁメーターは巻き巻き(業者はメーターチューンというらしい)できちゃうらしいので中古車の走行距離はアテにならないのですが、初代オーナーはヤナセ、二代目のオーナーはデュオとそれぞれ正規ディーラーで整備してたっぽいので多分嘘はないでしょう。しかし三代目の僕のお手入れが良くなかったせいでボディは満身創痍です。中身は結構直しましたが。

今回の車検でやったことですが、

  • 点火プラグ交換
  • バッテリー交換
  • バッテリープラグ交換
  • マフラー釣りゴム交換
  • タイヤ交換!(Pirelliのドラゴン)

かな。他にもなんかやったかも知んないけど整備手帳引っ張り出すのがめんどいので割愛。今回はタイヤ交換がメインイベントでした。買ったときから付いてたヨコハマのエコタイヤをずーっと履いてたのですが、今度のは前のよりグリップがあってバランスの取れてる奴らしいです。阿蘇山走ってみたけど特に違いは分からなかったですけど。

あと前から気になってたのにMFAの燃費計算がおかしいってのがあって、他のゴルフ2乗りの方に「バキュームホースを交換すると良い」って教えてもらってたで、車検のついでにやってもらいました。でも結局燃費計算はおかしいまま。100kmを4.6Lで走ってるって表示されますもん。日本風に言うと1リッターあたり21km走ってることになる。それってなんてプリウス? 僕のゴルフ2は確かにマニュアル車なので燃費良いけどさすがにそこまではいきません。精々14km/L。そうそう、4年前にヤフオクで買ってあった純正の赤グリルもようやく取り付けました。

本当は足回り交換とかエンジンマウント交換とかやりたいんですけど、何せ先立つものがないので・・・。いまはショックアブソーバーが死んでるらしく、段差を乗り越えるときにがつんがつんと激しい衝撃が伝わってきます。ビルシュタインとか入れてみたいなー。それで「ビル足にしました」とかブログに書いてみたい。ていうか気になるところははよ部品交換せんとパーツ供給が怪しいです。今回、ドアシールっていうんかな? ルーフモールと一緒になってるゴムパーツが破けてきてるので交換しようと思ったんですけど、生産終了してて手に入りませんでした。手に入ったところで45,000円もするらしいんだけど…。

まぁこんな感じで、車のことは何も分からないアホ助でも何とか左ハンドルMTの外車を維持できてます。車検は2回しましたがそれぞれ20万円で収まるように頼みました。もしあんまり車のこと詳しくないけどいまからゴルフ2買おうと思ってる人がいたら、良い整備ショップを見付けることが大事だとアドバイスしたい。文系で算数の出来ない元大学生である僕がゴルフに乗っていられるのはひとえにDEE SPORTというお店のおかげです。こちらは明朗会計、整備内容を写真で見せてくれて大変良心的なショップです。熊本のVW・アウディ乗りはディーラーでふっかけられたりよそで整備して直らなかったら是非DEE SPORTの門を叩いてみてください。僕も最初は買ったところで見てもらってたんですけど、なかなか直らなかったステアリングがセンターの位置からずれる問題とトランスミッションが5速に入りにくい問題を、DEE SPORTでは一発で直してもらえました。

良いショップに巡り会えるなら、部品などは手に入りにくくなってきてますが、まだまだゴルフ2乗れそうです。欲しいと思ってるあなた、買うなら今しかない!

| @旅行/散歩

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仕事を辞めてから実家に帰るまで一週間ほど東京をぶらぶらしてたのですが、そのときに上野の東京国立博物館と国立西洋美術館に行きました。正直なところ、国立のこれら文化芸術施設を観覧するよりも、Tumblr見てた方が楽しいし刺激的だと感じました。太宰府の九州国立博物館に行ったときも感じたのですが、日本の博物館は縄文や弥生時代の土器とか、中世の美術品や刀など歴史的に価値のある史料をただ展示してるだけで、その裏側にある背景の解説が弱いと感じました。英語の解説文も少なめで、外国人は鎧や刀の展示を見てひとしきりハッスルした後は退屈極まりないだろうと思います。シンガポール国立博物館は英語、中国語、マレー語、タミル語、日本語に対応したマルチリンガル音声ガイド端末(液晶ディスプレー付きでiPodみたい)を各入館者に貸し出してくれたのでとても楽しめました。独立法人国立文化財機構にはもっと頑張って欲しいです。

| @音楽

ジョン・フルシアンテのカバーがうますぎるイタリア人をYouTubeで発見しました。

裏声と地声を行ったり来たりする “Fallout” みたいな激ムズの曲も難なくコピー。ギターのリフは間違ってますけど、歌は完璧です。

ジョン・フルシアンテはイタリア系ですし、イタリア人にしかああいう歌い方はできないんじゃないでしょうか。実はジョンの曲はオルタナティブロックとかじゃなくて、カンツォーネなんじゃないですかね。

ジョン・フルシアンテ好きな人は是非いっぺん見てみてください。

| @音楽

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのリバイバル上映を見ました。良かった。

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブってのはキューバにあった伝説のダンスクラブで、昔は流行ってたんだけど潰れてしまった店のことです。そこに出入りしてたミュージシャンたちは長らくキューバ国内でも忘れられた存在で、ミュージシャンの中には音楽をやめて靴磨きをして糊口をしのいでいた人もいたんだけど、キューバ音楽の素晴らしさに魅せられたアメリカのロック歌手ライ・クーダーが、老いさらばえゆく伝説のミュージシャン達を集めて名曲の数々をスタジオで録音したのでした。この映画はライ・クーダーとブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの活動をヴィム・ヴェンダースが撮影したドキュメンタリー映画なわけです。僕はそもそもライ・クーダーのこともよく知らないんですけど、失われつつあるキューバ音楽の名曲郡をきちんと録音して残しておきたいという姿勢は素晴らしいなと思いました。

僕はブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの映画が公開されてた頃、雑誌とかで良くとり上げられてたのを見て、映画は鑑賞せずにCDだけ買いました。CDを買ったのは19才くらいの頃だったんですけど、正直全然良さが分からなかった。シャレオツ雑誌に騙されてまた無駄なもんかっちまったーなー、って当時は思いました。それが去年の夏、たまたまiTunesに入ってたブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブのアルバムを聴いたらなんだかしみじみと良さが分かってきた。僕ももう30手前のオッサンですから、それなりに人生いろいろあったわけでして、それで良さが分かるようになったのかなー、って思ってます。

で、映画を見て初めてスペイン語の訳詞を読んだんですけど、正直歌ってる内容がどうで良いこと過ぎてビビりました。誰それの家が火事だとか、どこどこの牧場でパーティをやっているだとか、あの娘のケツがたまらんだとか云々。でも苦労が多かったミュージシャンそれぞれの人生が演奏ににじみ出てて良い。やっぱ人生はアニータみたいな中南米出身の悪い女の人に騙されてこそだな、と思いました。僕も悪い女の人に騙されて身も心もズタボロにされたいです。

| @労働

日蝕 / Solar eclipse

たった三日で仕事辞めちゃったわけですけど、人生観というか働くことについていろいろ考えさせられました。

学生の時とかは全然余暇のこととか考えてなくて、労働時間長くてもいいから好きな仕事やりたいとか思ってたけど、好きなことでも仕事にしちゃうと責任が発生するわけで、自分の好きなようにやることは出来ません。お客さんの設定する期限や要件を満たさなければならないですから。となると好きなことを仕事にしたからってスゲー楽しいとは限らないし(そもそもIE6, IE7対応とか全然楽しくなかったですけど)、しかも朝から終電近くまで働くみたいな感じだったら、どんなに僕がインターネット大好きっ子でも気が滅入ります。やっぱ一日のうちで洗濯したりとかゆっくり食事したりとか音楽聴いたりとか本読んだりとかしたい。土日は休みでも、平日4, 5時間しか寝られなかったら週末は多分寝て過ごしてしまってそれで終わりでしょう。

外資系の金融機関で働いてる友だちとかはこういう働き方してますけど、ギャラが違う。長時間労働でもギャラが多ければ納得できますよね。ギャラは少ないのに長時間働かなきゃいけないとかだったらいくら好きな仕事でも僕はそういうのはやってけません。ギャラ少ないんだったら洗濯したりスパゲティー茹でて食べたり音楽聴いたり本読んだりしたい。というか、ギャラ云々の前にこういう働き方してたらすぐ死にます、多分。

「余暇とかいらないからわしわし働いてデカい仕事に関われるようになりたい!」みたいな向上心の塊みたいな人はいいかも知んないけど、僕はそういうのは無理だったです。

あと僕はウェブ製作の会社に入ったわけなんですけど、自分がやりたいことが明確に定まってなかったような気がします。もうすぐ三十路のおっさんだというのに自己分析不足。お恥ずかしい限りです。すなわち、僕はどっちかつったらホームページ作る仕事よりもウェブサービスとかそういのがやりたかったんだって、仕事を辞めたあとに気がつきました。

お客さんに頼まれてサイト作る仕事もやりがいはあると思います。でも僕はマーケティングとかプロモーションとか、そういうお金にダイレクトに関わる系の仕事が向いてなくて学生の時は新聞記者になろうとしてたわけでして(新聞社以外の就職試験はさっぱりダメでした)、お客さんを儲けさせるみたいのにはからきし向いてないような気がします。金は使うのは好きだけどあんまり金のにおいがするものが好きじゃないんです。

「いい年したおっさんが何甘いこと言ってんだよ」と言われたらぐうの音も出ないです。おっしゃる通り、社会に出たことがないので世の中のことは分かってないでしょう。名刺交換や電話応対も満足にできない典型的な高齢ニートです。その上「金儲けが向いてない気がする」なんて言ってたら人生終わったも同然。もう仙人とか修験者か、あるいはヒモとか乞食にでもなるしかないでしょう。(仙人と乞食を同列に書くなって怒られそう)

でも金に直接は結びつかないけど楽しい何か、みたいのは確実にネットに存在するわけです。例えばTwitterとかTumblrとかがそうです。Twitterはいまだに収益を上げる方法が確立されてなくて、投資家から集めたお金で運営されてるわけですが、それでも日に日にTwitterの社会的な重要性は高まる一方で、一部のユーザーにとってはTwitterは欠くことのできないものになってますし、もうすぐキャズムを超えちゃうんでしょう。Tumblrは著作権というアキレス腱を抱えてるので今後どうなるかは分かりませんが、はまった人にとってはTwitterに勝るとも劣らない刺激をもたらすツールですね。Tumblrがあったら東京にいても田舎にいても変わらないんじゃね、って錯覚を与えてくれるほどにTumblrは刺激的です。

まぁとにかく僕はこうして阿蘇に帰って来ちゃったわけなんですけど、これからどうするかは悩んでます。ただでさえ年齢的に厳しいのに、三日で仕事辞めちゃうような奴を雇ってくれるような会社はないでしょう。いまはこれまで以上に真剣にプログラミングに取り組んで、なんか面白いもん作れないかなって思ってます。とりあえず『たのしいCocoaプログラミング』買いました。iPhoneアプリでなんか出来ないかって考えてます。あとはポータルサイトというか、ウェブサービスみたいのを作ろうかと。かなり時間がかかるかも知んないですけどね。アイデアはいくつか頭のなかにあるんです。臆病者なので書きませんけれども。

いやー、やっぱ学生時代に勉強して士の付く職業に就いた人とか公務員になった人とか電力・ガスに就職した人達は賢いわ。ほんと世の中の見通しが甘かったって考えさせられますね。

このまま坂道をゴロゴロ転がっていくだけの人生にならないよう、頑張りたいと思います。それにしてもメキシコの漁師のコピペが脳内をぐるぐる駆けめぐっちゃうなー。いろんな誘惑に負けそう。いや、頑張ります。

追記

読み直してみたら超矛盾してる。ポータルサイトっぽいのがやりたかったらマーケティングとか必須なのに。無職の戯れ言だと思って読み流してください。

| @Mac/iPhone

The Hit List | Potion Factory

GTDとかToDo管理とかまじめんどくさいのでもう全部TaskPaperでいいや、みたいな記事を半年くらい前に書きました。(いい感じだぞ! TaskPaper

しかしTaskPaperよりも良いソフトにめぐり逢いました。The Hit Listというソフトです。これEspresso目当てで買ったMacHeist Bundle 3でゲットしたんですけど、期待してなかった割にとても良い!

予定には2種類ある

予定の管理系のソフトは大まかに二つに分けられるんじゃないかって気がしてます。一つはiCalのような、イベントとかプロジェクトとかを記述して行くもの。デカい予定とかはこっちの方が向いてそうです。一方でTaskPaperみたいなソフトはそういうのよりも、工程の管理とか、細々したタスクの管理に向いてそうです。

例えば今日は部屋の掃除をしようと決めたとする。そしたらおもむろに “部屋の掃除.taskpaper” というファイルを作成するわけです。そんで部屋の掃除のなかでやらなければならい細々した出来事をリストアップしていく。たとえばこんな感じ。

うーん、すごく掃除がはかどりそうですね。

このように掃除という大きなToDoの中の細かなタスクを書き出していくのにはTaskPaperが向いてるわけです。逆に「この日は掃除をしよう!」と決心して予定を書き込むような用途にはiCalが向いているということですね。そもそも週単位や月単位の予定をTaskPaperで管理するのは不可能でしょう。

The Hit Listは両刀遣い

しかしThe Hit Listはなんとこのどちらの用途もこなせてしまうわけです。こんな感じ。

Start DateとDue Dateが設定できるので、締め切りを意識しながらタスクをこなしていくのに最適な感じです。他にもTagやプロジェクトごとにToDoを管理したり、フォルダで分類したりもできます。さらには、タスクを階層管理することもできるんです。例えば掃除というタスクのなかに、コーヒーを入れて飲む、床を拭く、といった入れ子状に小さなタスクを所属させることも可能なのです。

とはいえ締め切りの入力とか面倒くさい。コーヒーを入れて飲むのにDue Dateもクソもあるかって感じです。だからこれらを端折ることも可能なんです(StartにTodayと自動入力される)。やるべきことを何も考えずにガスガス書き出していくという、TaskPaper的な使い方も可能なわけですね。

これら三つのソフトの概念を図示すると以下のような感じです。

The Hit Listはプロジェクトのようなでかい単位のタスクも扱うことができるし、息をするとか鼻毛を抜くみたいな細かなタスクも扱うことが可能なわけです。まさに両刀遣いですね。

The Hit Listと似たようなアプリにThingsがあります。こちらはiPhone版もあって人気ですが、The Hit Listの方はiPhoneアプリはまだ開発中だそうです。しかしタスクを入れ子にできるのはThe Hit Listだけ(Thingsでもできたらごめんちゃい)だし、タスクに予定所要時間を入力できたり、ショートカットキーが充実してたり、僕はThingsよりThe Hit Listの方が好きですね。

MacHeist Budle 3買ったけどろくにアプリを試してないって人は、是非The Hit Listを使ってみてください。まだパブリックプレビュー版だけど完成度高いです。