| @雑談

謹賀新年

2009年になりました。2年前はブログに新年の目標なんてのを書いてたけど、何ひとつ実現できてないのでそういうのはやりません。とりあえず今年こそ就職してTOEICで850点以上とって11月23日は秩父宮でラグビー見てラーメン二郎を年間20杯くらい食べられるようにしたいです。ピース。

| @映画/ドラマ/テレビ

 アメリカマサチューセッツの、じいちゃんばあちゃん達による合唱団、ヤング@ハートについてのドキュメンタリー。ヨーロッパ公演で存在を知ったイギリス人の監督が、7週間密着して取材したもの。ドキュメンタリーだけどあまりドキュメンタリーぽくなくて、とても鑑賞しやすかった。

 合唱団のメンバーはじいちゃんばあちゃんばかりだから、みんな個人的にはクラシックとかオペラが好きなんだけど、若い指揮者ボブ・シルマン(といっても53才)が選んでくる曲はパンクやロック。トーキング・ヘッズやソニック・ユースやザ・クラッシュやジミヘンやジェームス・ブラウンやコールドプレイの曲を歌う。

 メンバーの平均年齢は80才だからみんな健康上の不安を抱えている。それでもみんなで集まって元気に歌う。歌うと足腰の痛みを忘れられるから。

 一番印象に残ったのは、クライマックスのコンサートのシーンでフレッド・二トルっていうすごく太ったじいちゃんが、鼻に酸素吸入のチューブを付けてコールドプレイの "Fix You" を歌う場面。これは涙が出た。劇中のコンサート会場の観客も泣いてた。コールドプレイ自身の演奏よりも感動的だ。

 これも年の功っていうのかな、じいちゃんばあちゃん達が歌うと、リズムや歌詞を間違っていても、すごく訴えかけてくるものがある。死と隣り合わせであるがゆえの明るさというか。みんな何かを悟ってるんだよね。

 ところでこの映画は軽く脚本があるんじゃないかなー、という気がした。刑務所に慰問に行くシーンとか出来すぎな感じがする。途中で挟まれるミュージカル調の歌唱シーンとかは思いっきり演出されてるし。その分すごく見やすくなってるんだけど、“本当のドキュメンタリー”を求めてる人には向かないかも知れない。ドラマとドキュメンタリーの中間のような映画だった。

| @映画/ドラマ/テレビ

パーク アンド ラブホテルという映画を見た。PFFスカラシップ作品。

外観は寂れたラブホテルなのに、子どもたちが吸い込まれるように中に入っていく。前を通りかかった14歳の家出少女はその光景に唖然とする。一旦はホテルの前を通り過ぎるのだが、好奇心を抑えきれず、ホテルの中に足を踏み入れる。子ども達と乗ったエレベーターを降りると、屋上には公園があった…。

主人公は新宿の外れ(初台とかそのあたり)にあると思しきラブホテルの経営者で、初老の女性。入れ替わり立ち代わりに人生にトラブルを抱えたゲストがラブホテルにやってくるという設定。最初が14歳の家出少女、30代の主婦、売春をする女子高生、という順番。

ラブホテルを訪れるゲスト達は、 女一人でラブホテルを営む主人公の下でなにかしらのヒーリングを受けるという筋書なんだけど、実際は主人公自身も深い悲しみを抱えていて、人生の無常観を映画は観客に語りかける。仏教ぽいものを感じた。

全体的にかなり前衛的な映画だった。というか、14歳の少女は全然14歳に見えないし、売春をする女子高生も全然17歳には見えなかった。リアリティー徹底無視の映画で、個人的にはあまり感情移入できなかった。

主人公のラブホテル経営者を演じたのはりりぃという往年のミュージシャンだったらしい。30代の主婦を演じたのはちはる。17歳の売春する女子高生はどこかで顔を見たことがあるなと思ったら、京阪電鉄の“おけいはん”だったようだ。

| @Mac/iPhone

Twitterなどで度々耳にするAquaSKKというのを入れてみた。率直なところ、いままではATOKを使っていた身からするとかなり違和感があって使いにくい。ことえり⇔ATOK⇔egbridgeとは系統を全く別にする異次元のインプットメソッドだ。

第一に、変換の仕組みがものすごく独特だ。漢字変換するときは、変換したい単語の一文字目をshiftを押しながら入力しなければならない。

例えば「変換する」と入力したい場合、<pre>Hennkann Space suru</pre> みたいな感じ。変換候補を表示させる必要のないひらがなは、shiftを添えずに直接入力・確定させていく。助詞や動詞の活用、送りを考えながら入力しないと効率良く変換されないので、日本語の文法の復習というか、再確認になると思う。

第二に “?” や “!” といった記号類が半角で入力される1。ATOKやことえりでは全角で表示されてたので「あれれ?」という感じで困惑した。プログラマーみたいな職業の人にはこっちの方が都合が良いのかも知れない。

変換させる言葉を主体的に選択できるので、慣れれば変換のためにスペースキーを押す回数が激減し、確かにかなり速く入力できるようになると思う。しかし製品版の日本語入力ソフトとかなり使い勝手が異なるので、一般のユーザーにはスウィッチングコストが大きい。高速に入力できるようになるためにはかなり練習が必要だと感じた。

追記

一日使ってみて思ったけど、AquaSKKは自動車に例えるならMT車に近い。ことえりやらATOKやらegbridgeやらはAT車。AquaSKKは自分で変換の必要がある単語を選ばなれければいけない。製品版のインプットメソッドは何でもオートマチックでやってくれる。MT車の方が燃費が良いように、慣れればAquaSKKの方が効率的な変換が可能だけど、まず普通の人は車を買うときにAT車を選ぶように、普通の人はことえりやらATOKやらegbridgeを使う。そんな感じかな。

  1. かな変換の規則は kana-rule-list というファイルを ~/Library/AquaSkk/ に設置することでカスタマイズ可能らしい。 

| @散財

 Nokiaの携帯にいろいろアプリケーションをインストールしてて気がつくんですけど、Symbian OS向けのシェアウェアはどれも高いです。平気で$29とかします。iPhoneのApp Storeに慣れてるとぼったくりな感じがする。

お小遣い管理ソフト in App Store

 たとえばお小遣い管理ソフト。App Storeでは無料のものもあるし、中心価格帯も230円から450円ほど。一方で、Nokiaの携帯向けのアプリを紹介しているHandangoを見てみると、安いもので5ドルから。中心価格帯は10ドルから20ドルな感じです。PC/Mac用のシェアウェアの値段を考えてみても、2,000円から4,000円程度が主流でしょうから、App Storeのアプリケーションの値段はかなりお買い得だといえます。

 これは多分、Nokiaやコンピューター向けのシェアウェアは、ダウンロードして2週間くらいお試しできるからでしょう。App Storeではお試しが出来ないので、いきなり2,000円とか3,000円とか強気な価格設定にしてもなかなかダウンロードしてもらえない。それでソフトウェアの価格が安くなってるんじゃないかと思います。

 アプリの値段は安い方がユーザーとしてはうれしいのでiPhoneのApp Storeの方が利用しやすいとは感じますが、果たしてApp Storeの作者の皆さんは採算取れてるんでしょうか。

 TUAWにもこの手の話が載ってて、iPhoneアプリケーションを9.99ドルで売りたいんだったら、お試し用のフリーバージョンを用意した方がいい、って書いてありました。

 経済学で言うところのレモンの市場の原理が働いて、粗悪ソフトしかApp Storeに出回らなくなったら嫌ですね。

| @旅行/散歩

DSC_4909.JPG

 カンボジアでガイドを付けるときは、現地人のガイドを雇うのが暗黙の了解みたいになってるらしい。現地の人の雇用を確保するために現地人ガイドを雇うことは良いことだと思う。我々はガイドは頼まなかったけど、他の旅行者のガイドを見る限り、みんな公務員っぽい感じの制服を着てて、礼儀正しく、言葉もうまい。英語ガイドの他にフランス語、ドイツ語、中国語、そして日本語ガイドの姿を見かけた。僕が見かけたドイツ語ガイドや中国語ガイドの人はもうその国の人になりきっていて、まるでネイティブスピーカーのガイドみたいに流ちょうな言葉で案内していた。しかしそれでも恐らく留学経験はないはずだ、と一緒に旅行した親戚のお姉さんが言っていた。カンボジアで留学できるほどの金持ちなら旅行ガイドなんてやってないはずだからだ。

 面白いのだけど中国語ガイドの人は、中国人観客がそうであるように、とても大きな声で話していた。日本語ガイドやドイツ語ガイドは、幾分トーンを落とした声で案内していた。とても不思議だったけど、言語ごとの声の大きさってのがあるのかもしれないと思った。

 カンボジアには日本人観光客も多いけど、韓国人観光客も沢山いる。シェムリアップの幹線道路沿いには沢山ハングル文字の看板が出てて、正直驚いた。でも韓国人観光客は韓国人宿に泊まり、韓国料理店で食事をし、韓国人経営のお土産屋で買い物をし、全然カンボジアにお金を落としていかないと、カンボジア人のドライバーが愚痴をこぼしていた。さらにはガイドまで韓国から連れて来るので、カンボジア人にはすこぶる評判が悪い。現地ではカンボジア人ガイドと韓国人ガイドの間で暴力沙汰に発展したというニュースが報じられていたほどだ。

 貧しいカンボジアにとって外資の受け入れは必要なことなんだろうけど、一国に偏ると後々問題に発展しそうな気がしないではない。

| @映画/ドラマ/テレビ

スイス映画。良かった。

マルタという80才くらいのスイスの山奥の村に住んでるおばあさんが主人公。夫と雑貨屋を営んでたんだけど、半年前に夫は死んでしまって、それ以後は寂しい毎日。天に召されることを待ちながらしょんぼり過ごしてる。これは良くないと思って、友だちのリージっていう50才くらいのおばさんが、マルタを励まそうと、夫の遺物を整理するためにマルタの部屋にやって来る。そこでマルタがむかし作った女性用の下着を見つける。マルタは若い頃、下着の縫製をやっていたのだ! そのあまりの美しさに圧倒されたリージは、マルタに村で下着屋を始めることを持ちかける。スイスの山奥の村ってのはやっぱ閉じた社会なんだろうか。ヨーロッパは個人主義ってよく言われるけど、マルタは当初、下着の縫製をしていたことをひた隠しにするし、下着屋を始めたらとリージに持ちかけられても首を縦に振らない。リージ以外の仲良しおばあちゃんたちも、下着屋を始めるなんてはしたないと言って反対する。マルタの息子は教会の牧師なんだけど、説教であてこすりに「村の調和を乱すものは許されない」とか言ったりする。この辺、まるで日本の村社会のようだった。

と同時に、世界史の授業で習った魔女狩りのことなんかを思い出した。中世、ヨーロッパでは魔女狩りが流行ったわけだけど、カトリック的価値観と閉塞的な共同体のルールにがんじがらめにされてたら、変な道に走ったりもするよなー、と思った。

特にこの映画の登場人物はスイスのドイツ系の人物だから、言葉がナチスみたいで怖い。政治活動に熱心な農場経営者のおっさんの演説や怒鳴り散らす様は、まるで癇癪を起こしたヒトラーのようだった。でもそんな怖い男たちにめげず、マルタおばあちゃんは着々とランジェリーショップ開業の準備を進めていく。店の開店にこぎ着けたあたりで息子が実力行使に出て邪魔をしたり、農場経営のおっさんに嫌がらせされたりといろいろトラブルがあるんだけど、友だちのおばあちゃんが店のホームページを作って、ドイツやオーストリアからも注文が入るようになる。全般的な映画のトーンは、村の閉鎖的な社会で男たちに窮屈な生活を強いられる女たちが、これまでの鬱憤を晴らすように反撃に出る、というような感じかな。結構元気づけられます。悲しいこともあるけど、最後はハッピーエンド。ところで、スイス映画なだけあって言葉が面白かった。ドイツ語が基本なんだけど、「ありがとう」や挨拶はフランス語だったり。メルシー、ボンジュール、みたいな。日本人が「サンキュー」と言ったりするのと同じ感覚かな。あと、 “Guten Tag” じゃなくて、 “Schoenen Tag” とか、Schoenen って言葉がたくさん出てくるような気がした。なおドイツ語の原題は “Die Herbstzeitlosen”。英文に直訳すると “The autumn timeles”。若干意味不明なんだけど、Googleで検索してみると、「遅咲きの乙女たち」という訳が適当みたい。素敵なタイトルだと思う。