| @映画/ドラマ/テレビ

ラースと、その彼女

評価 : ★★★★★

あらすじ

ラースは27歳の独身男性で、兄夫婦が暮らす実家のガレージで暮らしている。いつも一人でいるラースのことを心配して、兄の嫁カリンがしきりにラースを食事に誘うのだが、ラースは拒み続ける。職場で同僚の女の子に「相乗りで通勤しない?」と提案されても徹底スルー。そんなある日、ラースの元に大型宅急便が届く。中身は一体…。

ネタバレOpen

総評

見ていて『16歳の合衆国』に似ていると感じた。それもそのはず、ラースを演じたライアン・ゴズリングって『16歳の合衆国』のリーランドじゃん。雰囲気似てるはずだよ。これエヴァンゲリオンとか好きな人が見ても結構面白いと感じるんじゃないかな。

ただ、『16歳の合衆国』に比べたらラストが明るい。何かしらの明るい展開を予測させる終わり方だ。もっと陰鬱で悲劇的な結末が好きな人にはスッキリしないかも知れない。僕自身も、もうちょっと悲しい終わり方でも良かったかなと思う。本編で語られるラースの孤独、悲しみが薄まってしまう。でも良い映画だと思う。

| @映画/ドラマ/テレビ

天国はまだ遠く

評価 : ★★☆☆☆

あらすじ

主人公は日常生活に疲れた若い女性(加藤ローサ)。自殺しようと思って京都の日本海側まで行く。タクシーの運転手に連れてきてもらったうらぶれた民宿で睡眠薬を大量に服用するものの死にきれず、36時間眠っただけで目が覚めてしまった。民宿主人の人柄と山奥の生活で都会にはなかった人間らしい生活を取り戻すのだが…。

良かったところ

チュートリアルの徳井義実が民宿主人をやってるんだけど、良い演技をしていた。本当にああいう人いそうだった。あと徳井が作る料理がうまそうだった。加藤ローサが36時間眠った後に食べる朝食の食べっぷりも良かった。見ている方までお腹空いてくる感じ。天橋立っていうのかな。あの辺の景色もとてもきれいだった。

悪かったところ

民宿主人の過去の話が断片的にしか登場せず、分かりづらかった。なぜ婚約者は自殺したのか、なぜ主人公は都会でやっていた仕事を辞めたのか、その辺が分かりづらかった。

あと主人公の彼氏がキモかった。

総評

人が生きていくためには他の生き物のの命を奪わなきゃいけないとか、そういう描写は良かったが、終わり方が中途半端だし、いまひとつパンチに欠ける。

| @映画/ドラマ/テレビ

『おくりびと』、アカデミー賞取りましたねぇ。僕も見たいと思っていたんですけど、最初に当地で上映されていたときは見逃していて、昨年末にその存在に気付き、隣県まで上映を見に行くかなー、どうしようかなー、遠いよなー、映画見るために片道100km以上も運転するのつらいよなー、と思っておりましたところ、アカデミー賞ノミネートの余波か、一月下旬くらいから各地でリバイバル上映されているようで、熊本でも2月21日からDenkikan/松竹で上映されています。何とか機会を見つけて見に行きたいですね。

たそがれ清兵衛

さて、『おくりびと』の前にアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた日本映画は山田洋次監督の『たそがれ清兵衛』です。これはブログに個別の感想は書いていませんが、見ていることは見ています。結構時代考証にこだわっていて好きです。(時代劇のリアリティー

残念ながら『たそがれ清兵衛』は受賞ならず、この年の外国語映画賞はフランス語のカナダ映画『みなさん、さようなら』が受賞しました。『みなさん、さようなら』は余命幾ばくかの状態で見たんですけど(死にかけていたときに見た死についての映画)、実際死にかかってる状態のがん患者が見ても共感できる部分はなかったし、「こんなの作り物だよ」という感想しか持たなかったです。こんなんに賞あげるくらいだったら『たそがれ清兵衛』にあげてくれれば良かったのに。文化が違う人達には地味な時代劇の良さはなかなか分かってもらえないのかも知れない。

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| @料理/食事

めん屋大仙

唐突ですが今日はラーメン二郎への愛を語ってみたいと思います。

僕はラーメン二郎が好きです。ラーメン二郎はなぜ素晴らしいのか。いろいろ理由はあると思います。まず味、独特です。ボリューム、異常です。アブラ、マシマシです。でも僕がいちばんラーメン二郎で好きなのは、二郎の雰囲気なんじゃないかという仮説にたどり着きました。

僕は2000年から2005年まで東京に住んでいてしばしば二郎を訪れていましたが、ホームページで二郎巡り遍歴を公開している人達みたいにたくさんの店を食べ歩きしていたわけではありません。主に目黒二郎、ときどき三田本店、ごく希に高田馬場、あとは赤羽の○二郎と上野毛二郎に一度ずつ行ったことがあるだけです。

京都では上洛する度にラーメン荘夢を語れに行っていましたが、最後に訪れたのは去年の2月でそれ以来行っていません。先日、熊本でも二郎風のラーメンが食べられると知って大仙というラーメン店を訪れました。熊本で二郎っぽいラーメンが食べられてとてもうれしかったです。本場の味を再現しようという意気込みも感じられました。しかし何かが違う。

結局、雰囲気なんです。僕は二郎の雰囲気が好きで二郎に通っていたんです。

二郎にはいろいろなルールがあります。客は客として偉そうにしていることが許される店ではありません。静かに整然と列に並ぶ、席に着く前に食券を買っておく、並んでいるときに店主から食券の色を聞かれたら素早く掲げて見せる、席が空いても勝手に座ってよいわけではない(一人客優先、女性客への配慮など)、水はセルフサービス、雑談しながら長々と食べることは許されない、食べたらどんぶりとコップをカウンターに上げ、テーブルを拭いてから出る等々。これらは多くのお客がやってくる二郎ならではのルールで、一人でも多くの人に二郎を食べてもらうためのものです。二郎で食事をするためには客もある程度の協力を求められるわけです。僕はその共同作業的な雰囲気が好きなんだと思います。

二郎にあってはポルシェで乗り付けるような金持ちも電車と徒歩でやってくる貧乏人も同列に扱われます。三田本店などでは体育会の学生が鍋二郎といって特別待遇を受けますが、金持ちがたくさん金を出したからといって並ばず食事が出来るということはありません。少なくとも目黒二郎ではそうでした。二郎の前にあっては人は平等なのです。

外食をしていると、ときどき飲食店で客だからとすごく偉そうに振る舞っている連中に出くわします。ああいうのは見ていて気分が悪くなります。もちろん二郎にもアホな客はいますが、アホな客は冷たい視線を浴びせられ、店主からもぞんざいな扱いしか受けません。

客は常に紳士であることが求められる。そこがラーメン二郎の素晴らしさなんだと思います。

| @WWW

Google Analyticsにログインしたら、急にアクセスが40%も増えててビックリ。何事かと思ったらYahoo!ニュースからリンクされてたようでした。

リンクされた記事はこちら。

最近、隣町にビジネスホテルが増えてるなー、という何の変哲もない記事なんですが、Yahoo!の中の人がニュース内容に関連する記事と判断してくださったようです。

で、ビックリしたのがGoogle Adsenseのクリック率の高さ。平均はだいだい0.3%くらいなんですが、6%くらいの人がクリックしてくれました。旅行関連の記事だったこともあって、旅行の情報を積極的に調べようとしていた人が訪れてくれたということも確かに関係していると思いますが、Yahoo!ユーザーはGoogle Adsenseへの警戒感が少なくてそれでじゃんじゃんクリックしてくれたんじゃないかなーと推測しました。

2年前に404 Blog Not Foundからリンクしてもらったときもすごくフィーバーしたんですけど、そのときはGoogle Adsenseを設置してなかったので比較ができません。しかしもしあのときAdsense広告を設置しててもこんなにクリックしてもらえなかったんじゃないかなーと思います。

少なくとも今回確実に言えることは、このブログにYahoo!ニュースのリンク経由でやって来た人は、だいたい6%の確率でAdsense広告をクリックしてくれた、ということです。これってかなりすごいことですよ。Yahoo! Japanは優良顧客をたくさん抱えてるってことですもんね。

ところで、アクセスが最も集中している時間帯にはたまたま普段の3コラムレイアウトから2コラムレイアウトにしていて、いつもならクリック率ナンバーワンのメニューバーに設置しているAdsense広告が、スクロールしないと表示されないほど下の方に移動してたんです。こんな感じ。

portal shit!

最近追加したばかりで、殆どクリックされることのなかった本文上の広告1がじゃんじゃんクリックされて、逆に広告3は殆どクリックされてませんでした。もしアクセスが集中した時間帯にいつも通りの3コラム表示で、広告3が本文右横くらいにあったら、もっとクリック率は高まってたんじゃないかと思いますね。これは興味深かったです。

| @散財

705NK

日本全国の705NKユーザーのみなさん、いかがお過ごしですか? 705NK、ボロボロになってきましたねぇ。え、買い替えたい? やっぱり時代はおサイフにワンセグですかねー。でもちょっとこの記事を読んでからにしてくださいよ。705NKは使い方次第じゃとんでもないスーパー端末に生まれ変わりますから。

AllFiles化がすべてを変えた

2008年春頃にAllFiles化というハックが外国のスーパーハッカーによって公開されました。Nokia携帯大好きな人はご存じでしょう。でもこの記事はそんなNokia携帯大好きな人に対して書かれたものではありません。何よりそんな方はN82なりE71なりを買って楽しいNokiaライフをエンジョイしていることでしょう。そうではなく、何となく外国産がいい、見た目が気に入った、そんな理由で705NKを買ったあなたにこそ、この記事を送りたいと思います。率直に言って、あなたはまだ705NKを使いこなせていません。

AllFiles化とは?

AllFiles化というのは、セキュリティーの都合上、アクセス不可能になっているSymbian S60携帯のシステムファイルへのアクセスを可能にするハックです。なんかヤバそうな響きですね。このことによってどんなことが可能になるのでしょうか。

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| @旅行/散歩

『悲しきアンコール・ワット』という本を読んだ。

アンコールワットは東南アジアを代表する遺跡だ。僕も去年10月にカンボジアを訪れて圧倒された。石で作られた遺跡の数々のクオリティはとんでもなく高い。是非とも一生に一度は訪れる価値のある場所だと思う。

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盗掘

カンボジア政府によると、カンボジアにはアンコールワットの他にも仏教やヒンズー教の遺跡が1000ヶ所以上あり、文化財がたくさん残っている。しかし植民地支配や内戦など不幸な歴史が折り重なり合い、盗掘が相次いできたらしい。

古くはタイのアユタヤ朝との戦いに敗れてアンコールワットの美術品が戦利品として持ち去られたし、フランスの植民地支配時代にはアンコールの仏像の美しさに魅せられた不心得なフランス人達が遺跡から仏像を切り取ってフランスに持ち帰るなどした。

第二次大戦後に独立を果たしたものの、貧しさのために盗掘はエスカレートし、内戦期やポル・ポト派が国を支配した時代には公然と文化財がタイへ持ち出され、世界中に密輸された。

1993年にポル・ポト派とフン・セン派で停戦合意し、その後はカンボジアに平和が訪れ、遺跡の盗掘も止むかと思われたが、事態はそう単純ではないようだ。というのも現政権の政府軍は、断続的にポル・ポト派を吸収するかたちで成立しており、軍の要職をポル・ポト派の元幹部が担っているらしい。従って地方によっては政権の力が及ばず、賄賂を握らされた軍人達が盗掘を黙認しているケースもあるそうだ。

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模造品

知らなかったのだけど、あんまりにも盗掘が多いものだから、カンボジアの遺跡仏像はこっそり模造品とすり替えられているものもあるそうだ。だから僕がアンコールワットなんかで見たもののうちの何割かは模造品だったのかも知れない。

また盗掘のみならず、模造品を本物として輸出する偽物ビジネスも横行しているのだそうだ。模造品製作の技術は遺跡の修復のためにも是非とも伝承していく必要のある技術であり、技術を得た職人達が偽物製作に手を染めたりせず、遺跡の修復だけで食べていけるようになるのが望ましい姿だと思う。

いまでも盗掘に手を染めるカンボジア人には、長期的に考えれば、先祖が残した遺跡を守ることが子や孫達の幸福に繋がることに気付いて欲しい。盗掘で荒らされた遺跡ばかりでは、外国人観光客もやってこなくなる。

そして密輸された遺跡を買ってるヨーロッパやアメリカや日本やシンガポールやタイの金持ち達に言いたい。アンコール遺跡の仏像はあの照りつける太陽の下、あるいは日が沈んだ静かなアンコールワットで見るから素晴らしいのであって、自宅に飾るもんじゃない。金にものを言わせてよその国の国宝級の美術品を自分の手元に置くなんて下品極まりない。

仮に遺跡に設置してある仏像が模造品であったとして、カンボジアの遺跡はカンボジアの太陽の下で、土埃の中で、においの中で見るのが一番だ。少なくとも自分は、夜の闇の中に照らし出されるアンコールワットの彫刻を見て、昔のクメール人達がどんなことを考えていたかが分かったような気がした。

蛇足

カンボジアの話とは直接関係ないのだが、ベトナムについての話が面白かった。カンボジア人はベトナムに対して複雑な感情を持っているらしい。歴史的に大国のベトナムに領土を圧迫されてきた経緯があるし、仏領インドシナだったときには、フランス人は自分たちの下にベトナム人を置き、ベトナム人にカンボジアを統治させたそうだ。

ベトナム戦争終了後に、ポル・ポト率いるカンボジアと統一したベトナムは戦火を交えることになるのだが、ベトナム統一後に取材でホーチミンを訪れた著者(著者の本職はカメラマン)は、ホーチミンと名前を変えられたはずの都市が旧称のサイゴンのまま呼ばれていることを知り驚いたらしい。統一したといっても南ベトナムは南ベトナムであり、住んでいた人達が入れ替わるわけではない。カンボジアに派兵されたベトナム軍は元南ベトナム出身者で構成されていたようで、歴戦のベテランではなく、5万人が亡くなった。ホーチミン市内では物乞いをする手足を失った傷病兵の姿を見かけることがあるが、旧北ベトナムのハノイではそのような姿を見かけることはないのだそうだ。北ベトナムが南ベトナムを支配していた、という構図がかいま見える。

さらに蛇足

この本は2004年の本だが、シェムリアップはかつてのネパールのカトマンズのようにバックパッカーの聖地になっており、アンコールワットの遺跡に登って朝日を眺めながらマリファナを吸うのが彼らにとって最高らしいみたいな記述があった。少なくとも半年前に自分が訪れたシェムリアップは割と安全な観光地で、朝からアンコールワットに登ってマリファナ吸ってたりしたら怒られるんじゃないかな? 欧米人のバックパッカーも多いけど、年寄りの欧米人旅行者の姿も結構目に付いた。そういうわけでちょっと情報が古いというか、現状とは認識が異なっていると思う。いまのカンボジア、少なくともシェムリアップは安全に観光が出来る良いところだと思う。