| @雑談

 友人がワールドカップを見に行くって言ってたので、もうドイツにいるかなとメールを送ってみました。友人はVodafoneユーザーなので、ドイツにいたとしてもメールが届くはずなのです。そしたらドイツから返事が来ました。いやー、便利ですね。去年旅行したときは携帯がなくて少し不便な思いをしたのですが、頻繁に海外に行く人にとってはVodafoneは欠かせないでしょうね。SoftBankに変わってもVodafoneとは提携関係を維持するらしいので、海外でのサービスも維持されるのでしょう。

 これに関連して、毎日楽しく読んでいる 吉村哲彦さんのブログ によると、DoCoMoは困ったちゃんな会社みたいで、独自規格を押し通すがために3G携帯と鳴り物入りで登場したFOMAも海外では使えないみたいです。ナンバーポータビリティーが始まったら、キャリアを変えることも考えてしまいますね。海外に行く機会なんてそうそうないですけど。

| @雑談

 ちょっと遅れてしまったけど、先週号のNewsweek(2006-6・7)に学歴難民クライシスという記事がありました。これ結構面白かった。基本的には学歴が高くなればなるほど就職が難しくなるという話です。

 僕が面白く読んだ部分を要約すると、

  1. 先進国では大学進学率が高まったため、大卒労働者が増えている。
  2. その結果学歴は就職を難しくすることさえある。イギリスでは熟練配管工の方が大卒労働者よりも給料が高いのだとか。なおかつ大学を卒業するためには高い学費を払わなければならないから、借金をして大学を出て低い給料の仕事にありつくという状態。
  3. 日本では有名大学出身者は「望みばかり高くて打たれ弱いのが難点」という理由で採用を避けられるらしい。慶応SFCのある女の子の例が載っていて、彼女はゼミで中国について研究し中国語も堪能で、海外営業をしたいと企業の門を叩くが、「国内営業で実績を出すのが先とさとされる」。
Continue reading...

| @映画/ドラマ/テレビ

 DVDで鑑賞。冴えない暮らしをしている若者四人の話。主人公エディはこそ泥や盗品商、コックなどちんけな商売をしている友人らから金を募り、カードゲームに挑む。が、いかさまによって悪党ハリーに対し10万ポンドの借金を背負う。ハリーは一週間以内に返さなければ各々の指を一本ずつ切断し、エディの父親が営むバーまで貰うという。一週間で大金を作らなければならない。そんななかエディは偶然、隣の部屋に住む連中の会話を壁越しに耳にする・・・。

 全般的に痛そうな映画だった。「怖おかしい」がキーワードだと思う。殺し屋、ギャンブラー、麻薬の売人などなど、怖いアウトローが出てくるんだけど、破滅的な生活を送っている彼らは自爆してしまう、みたいな。監督のガイ・リッチーは「タランティーノに影響を受けている」なんてネットではよく批評されているけど、トレインスポッティングにとても近いと思った。また脚本が素晴らしいという声も聞かれるけど、僕はストーリー展開よりも雰囲気が気に入った。いまどきマフィアの役を黒人にやらせているのも、イギリス人風の皮肉なんだろう。

| @映画/ドラマ/テレビ

 ジョージ・クルーニーの監督作。冷戦時代のアメリカでのアカ狩りをテーマとした映画。マッカーシーという議員がアカ狩りを提唱し、真偽も定かでない人々が社会的に抹殺されていく。共産主義の粛正にも似た異様な状況に、キャスターのエド・マローらは疑問を呈し、番組で訴えかける。冷戦構造のまっただ中で、少しでも共産主義に利するようなことをすれば世間から批判される状況での勇気ある行動を描いた、実話を元にした作品。

 普通に面白かった。しかし違和感が残る。それはやはり僕が物心ついた頃には冷戦が終わっており、しかも冷戦の最前線ではなかった日本という国に住んでいるからであろう。これはもっぱらアメリカ国民とヨーロッパ人を対象とした映画であり、その他の地域の人が見ても面白くないのではないかと思う。

 映画としては良くできていると思う。白黒画面が役者とスクリーンにマッチしているし、登場人物たちがバカボコと煙草を吸い、50年代にタイムスリップしたような気分になれる。ほかの時代劇と同じように、室内でのシーンが主なのだが、不思議と閉鎖感のようなものを感じない。恐らくテレビがテーマだからだろう。テレビ番組はいつの時代でもスタジオの中で作られるから、室内だらけのシーンでも不自然さを感じないのだと思う。

 もちろんマスメディア論も語られている。スポンサー、政府、軍から圧力がかかるのだが、それに屈することなくマローらは番組を作っていく。メディアがきちんと機能しないと民主主義は守られないのだ。日本の大手マスコミの方々は是非この映画を見て勉強して欲しいものですねぇ。

映画公式サイト:Good Night, And Good Luck.

Continue reading...

| @映画/ドラマ/テレビ

 DVDで鑑賞。良かった。南米ロードムービーだけど意味不明なセックスシーンもないし、安心してみられる。もちろんガエル・ガルシア・ベルナルが超格好いい。

 この映画の主人公は若き日のチェ・ゲバラだ。医学生のエルネスト・ゲバラは、30歳になる前に南米をバイクで回る旅行に出かけたいという友人アルベルトとともに、大学を休学しての長い旅に出かける。旅先で生活に困窮する先住民やなかなか職にありつけない共産主義者の話を聞いたり、マチュ・ピチュ遺跡を訪れてインカの人々に対する敬意を抱いたり、旅のクライマックスのハンセン病療養所で患者に一人の人間として接するなかで、エルネストの中に何かが芽生える。

 『天国の口、終わりの楽園』、『アモーレス・ペロス』、『アマロ神父の罪』という順番でガエル・ガルシア・ベルナルの出演作を見たけど、『天国の口・・・』と『アモーレス・ペロス』ではハチャメチャな悪ガキを、『アマロ神父の罪』で性欲に溺れながらも正義を貫こうとする若者を演じ、本作では見事心優しく知性溢れ、なおかつ正直な好青年を演じている。すごい出世だ(笑) しかし役柄が変わったからといって違和感があるわけではなく、喘息持ちの真面目な好青年の役もきちんとこなしている。『天国の口・・・』で演じたフリオは、酒と煙草をガンガンやって、あとはセックスのことしか頭になかったのにな。

 ロードムービーはたいてだらだらしてるから嫌いなんだけど、これは退屈させない。南米の景色がとても美しいから、下手なNHKの地球自然番組を見ているよりも全然美しいものを目にすることが出来る。加えてガエル・ガルシア・ベルナルである。つまらないはずがない。過激な性描写はなく、意外にも平和な映画である。

 チェ・ゲバラが共産主義者として目覚めるきっかけを与えられるところで映画は終わるのだが、理念としての共産主義はとても爽やかで清らかだから、見終わった後は爽やかな気分になれる。こういう映画は良いと思う。金曜ロードショーとかでも上映してほしい。誰かから嫌な目にあわされたときに見ると良いかもしれない。

| @映画/ドラマ/テレビ

 ドイツ降伏前夜、ヒトラーが自殺するまでの日々と、ヒトラーに仕えていた人々が終戦を迎えるまでの話。ヒトラー研究家とヒトラーの秘書だったトラウデル・ユンゲの著作を元にして作られており、劇中でのヒトラーの台詞は記録に残っているものなのだそうだ。ラストの部分ではちょっと納得いかない部分があったが、これだけ迫力がありリアリティーのある戦争映画を撮れるドイツは、同じ敗戦国として凄いと思う。

 同じように戦時期のドイツを扱った『白バラの祈り − ゾフィー・ショル、最後の日々』では室内でのシーンが多く、それが息を詰まらせる。しかし今作は、ヒトラーらはずっと地下壕に隠れており、ともすれば地下室のシーンだけになりがちなのを、爆撃される市街地のシーンも頻繁に登場させ、時代考証、舞台設定も抜かりない。あの破壊され尽くしたベルリンの映像はCGではないように見えたが、どうやって撮影したんだろう? 建物を復刻して巨大なセットを作ったのだとしたら凄い。

 野戦病院の悲惨さを描くことも忘れていない。傷ついた兵士たちの手足を豚肉のように切り落とす医者。最期まで優雅な日々を送るヒトラーや将軍たちと、手足を切り落とされる兵士たちの対比が非常にグロテスクだった。

 この映画はとにかく戦争の悲惨さを伝えてくれる。空襲され包囲されることの恐怖、傷ついた兵士たち、理不尽な暴力、死を目前にしての狂気。スパイ狩りで無実の市民が自警団に殺されたりする。『はだしのゲン』に近いものをこの映画からは感じた。またベルリンがソ連軍によって攻撃される状況は、沖縄戦の状況に近かったのではないだろうか。逃げようにも米英軍とソ連軍に包囲されていて逃げ場がなかった。

Continue reading...

| @読書

AERA '06.6.5 病院で今週号のAERAを買って読んでいたら、バックナンバーのページに興味深い紹介文が。AERA '06.6.5 では、「昔の『春樹』に会いたい」という記事があったようだ。これは読まねばなるまい。バックナンバーを手に入れようと病院最寄りのASAに赴くも、「AERAのようなもんは置いてない」とあしらわれる。しょうがないので購入を諦め、漸く県立図書館にてバックナンバーにありつきました。

 うーん、やっぱり僕だけじゃないわけですね。皆さん「昔の方が良かった」と思っておられるようだ。村上春樹と同年代でリアルタイムに読んでいた人、40代の青春時代を春樹作品とともに過ごした人、30代のバブル世代、10代、20代の若者、各々の年代のハルキストたちはビールを飲み、ぴりりとからしのきいたハムとキュウリのサンドウィッチを囓る「僕」を求めているようです。

Continue reading...