白血球が下がっててとても体調が良いとはいえないのに、無理をして外泊許可をもらって映画を見に行った。ヴィム・ヴェンダースの『ランド・オブ・プレンティ』。率直に言って、つまらなかった。なぜつまらなかったのかというに、世界観が西洋中心であるからだ。
メインテーマは911である。主人公のラナはアメリカ生まれだが、イスラエルで育った。亡くなった母が残した手紙を叔父に渡すためにアメリカにやってくるが、叔父のポールは911以後テロにおびえ、街中を徘徊してアラブ人を見つけては尾行する。疑心暗鬼的になり、大きなテロ組織によってテロが計画されていると盲信している。そんな叔父とイスラエルで育ちイスラム教徒を恐れないラナとの心の交流がテーマ。
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