| @映画/ドラマ/テレビ

 白血球が下がっててとても体調が良いとはいえないのに、無理をして外泊許可をもらって映画を見に行った。ヴィム・ヴェンダースの『ランド・オブ・プレンティ』。率直に言って、つまらなかった。なぜつまらなかったのかというに、世界観が西洋中心であるからだ。

 メインテーマは911である。主人公のラナはアメリカ生まれだが、イスラエルで育った。亡くなった母が残した手紙を叔父に渡すためにアメリカにやってくるが、叔父のポールは911以後テロにおびえ、街中を徘徊してアラブ人を見つけては尾行する。疑心暗鬼的になり、大きなテロ組織によってテロが計画されていると盲信している。そんな叔父とイスラエルで育ちイスラム教徒を恐れないラナとの心の交流がテーマ。

Continue reading...

| @WWW

 再びSNSの話。

 今日買ったAERAで、SNSの特集をやっていた。韓国とアメリカの例が紹介されていたけど、世界的にSNSは無視できない存在となりつつあるようだ。

 特に韓国での過熱ぶりはすさまじい。人口4800万でありながら、最大手のSNSサイワールドの会員数は1600万人。ネットを扱える層の殆どすべてが利用しているんではないだろうか。

 韓国に特徴的なことは、ネットと実社会が結びついていることだろう。日本の場合、インターネットは基本的に匿名だし、暇つぶしに片手間でやるものというイメージが強いが、韓国ではネットでの動きとリアルスペースでの動きが連動している。前号のAERAでは、一般ユーザーによる投稿型のニュースサイトが活況であると紹介されていた。

Continue reading...

| @雑談

この記事は読まれる方は必ずコメント欄に目を通して下さい。

 新聞を読んでいたら、「水俣の産廃処理場計画 町の歴史考え阻止を 住民、環境省に要望書」という見出しに遭遇した。水俣市の山間部に産廃処理場を建設する計画があり、それに

「水俣の命と水を守る会」など三市民団体が「五十年を経ても水俣病に苦しむ人がいる町での大規模な産廃処分場建設を許さないでほしい」

と環境相に要望書を提出したそうだ。また別のメンバーは

「被爆者がいる長崎や広島に原発をつくるでしょうか。公害問題の原点ともいえる水俣の歴史を考えれば、とうてい受け入れられないはずなのに市や県は黙認している」

と述べていた。

Continue reading...

| @雑談

 「下流社会」=「育ち格差」の時代に追加的な記事を書いてみます。

 三浦展の『下流社会』は、階層分化を平易な文章で説明し、広く世間に問うた本だったと思います。この手のジャンルの本で僕が先に手にしたのは佐藤俊樹の『不平等社会日本』でした。こちらは内容がアカデミックであり、到底一般の人向けのものではありません。その他の類書も堅苦しいものが多く、その意味で、これまで下流化を心配していたのは下流とは呼べない高学歴の人たちであったといえるのではないでしょうか。下流化の恐ろしいところはここにあると思います。下流化しつつある人々が、危機意識を持ちにくい点です。

 下流化が進展すると何が問題か。第一に階層が固定化することで社会が閉塞的になり、活力が無くなるでしょう。第二に、治安の悪化が挙げられます。第三に、国の経済水準が低くなり、国富が失われてしまうでしょう。

 これらすべては、下流の人だけの問題ではないと思います。高学歴高収入の上流の人にとってもマイナスです。上流の人の効用関数に、これら下流化によってもたらされるデメリットを組み込むことができれば、累進的課税システムやセーフティーネットの仕組みなどが、倫理的にも経済学的にも正当化されます。

Continue reading...

| @読書

 元朝日新聞記者の烏賀陽弘道氏(UGAYA Journal.)が書いた『朝日ともあろうものが』を読んだ。タイトルからするとありがちな朝日新聞バッシング本のようだが、朝日だけがバッシングされているわけではない。日本のオールド・メジャーマスコミすべてが批判の対象となっている。しかし著者は朝日新聞でしか働いたことがなく朝日新聞の内情しか知らないために、日本のマスコミを代表して朝日新聞が抱える問題点を厳しく糾弾している。

 この本を読んで僕は絶望的な気分になった。捏造のメカニズムなどを知って新聞が信じられなくなったから、ということもあるが、日本を代表する朝日新聞でこれなら、それ以外の新聞の場合どうなるのだろう。とりわけ地方紙の記者は何を目標に働けばいいのだろう、と暗澹たる気分になった。

Continue reading...

| @散財

 iPodに最新のiPod Updater 2006-01-10を当てたら、MENU長押しでバックライトが点灯しなくなった。ソフトウェア1.1から仕様変更になったらしい。これはすごく不便だ。これまで4G iPodのときからMENUボタン長押しによるバックライト点灯の機能は重宝してきたから、この機能が失われたというだけでiPodを触るのにストレスを感じる。

 そもそもiPodのバッテリーがもっと長持ちするなら、バックライトのオン・オフをちまちま切り替えたりしなくて済むのだが、常時バックライトを使うと一瞬でバッテリー切れになってしまう。しかし車を運転するときや暗い場所ではバックライトを点けないとディスプレイを見ることができないので、MENUボタン長押しして必要なときだけバックライトを点ける、という使い方をしていたのである。

 こういう重大な変更が含まれているなら、アップルはアナウンスして欲しかった。Updaterの注意書きには「ラジオへの対応、バグフィックス」くらいいしか記されていなかったと記憶している。ユーザーの使い勝手を無視した一方的なアップデートはメイワクだ。もう一度古いソフトウェア(1.0)を入れ直すしかないなぁ。

| @雑談

 AERAが面白そうな特集をやっていたので買ってみた。その名も「カップル宿命の『育ち格差』」である。

 60年代までは「家柄の不一致」、国全体が豊かになり家柄にさほど差がなくなった70年代から90年代にかけては「性格の不一致が」主な破局の原因であったが、2000年代に入ってからはこれに「階層の不一致」が加わったというのだ。

 「階層の不一致」といきなり言われても読者の方は何のことだかお分かりにならないだろう。AERAに出ていた例の一つが如実にこれを表している。内容をかいつまんでみる。

Continue reading...