元外交官の春江一也が書いた『プラハの春』を読了。プラハを訪れて街の美しさに感銘を受け手に取った本である。
本書は二つの要素を兼ね備えている。一つは主人公の日本大使館書記官堀江良介と東ドイツ反体制活動家カテリーナ・グレーベとの恋、もう一つはタイトルのプラハの春事件の顛末である。
売れた本であり、読む前に目にした評判も良かったのだが、読後の感想はイマイチである。著者の体験した事実をもとにして書かれたということだが、俺にはかなり荒唐無稽に感じられた。日本大使館員の堀江はプラハの春のときに活躍した有名人たちといともたやすく顔見知りになるのだが、本当に著者はソ連軍の侵攻に抗議して焼身自殺したヤン・パラフ青年と親交があったのだろうか? ドゥプチェクとスメタナホールで握手を交わしたのか?
Continue reading...