| @雑談

 最近、『夢で会いましょう』を買って久々に村上春樹の文章に触れ、村上春樹熱が戻ってきてしまった。それでむかし書いた『村上春樹的就職活動』が懐かしくなって、ついついそのコーナーを設けてしまった。激しくて、物静かで、哀しい、100%の求職物語

 ところで村上春樹の冗談というのは、ある程度の高等教育を受けている人にしか理解できないものがあると思う。これほど売れていてメジャーな作家をして高等教育を受けている者しか理解できない部分があるというのは何だかナンセンスのようだが、でも例えば、『夢で会いましょう』と『夜のくもざる』に出てくる「アンチテーゼ」という小話など、弁証法を知らない人が読んでもちっとも面白くない。「昨今は新鮮なアンチテーゼが採れなくて云々」、「ボルネオにアンチテーゼを採りに行った伯父から絵葉書が届いて云々」といった表現は、アンチテーゼが哲学上の概念に過ぎないことを知っていなければ面白くも何ともない。むしろ「ほうほう、アンチテーゼという魚介類があって、最近は採れにくくなっているのだな」という誤った認識をしてしまうだけである。

 しかしこういった、受け手にもある程度の水準を求める冗談というのは僕はわりに好きだ。「この冗談が分かる俺ってさすがだな」なんて思いながらにたにたするのである。

| @ブログ

 久々にトラックバックが来てたportal shit! : Winny情報流出事件の報道に対する違和感。発信元を覗いてみると、前にも検索エンジン経由で訪れたことのある、大阪府にお住まいのご老体が綴る時事ニュース系のブログだった。ご老体のブログのコメント欄は、「トラックバックありがとうございました」というコメントであふれている。どうやら関連ある記事を発見するやいなや、トラックバックを四方八方に乱射しまくっているようである。そのくせコメントに対する返事はない。つまり飛ばしっぱなしである。

 ページの一番上に書いてあるように、リンク・言及の有無にかかわらずトラックバックは基本的にあらゆるものを受け取るつもりだったんだけど、いざこういう風に無差別乱射的なトラックバックを受け取ってみると良い気持ちはしない。きっとこのご老体は俺のブログなんてこれっぽっちも読んでなくて、"Winny情報流出"という言葉だけしか目にしていないに違いない。これはもうほぼスパムである。

 こういう限りになくスパムに近いグレーゾーンのトラックバックにはどういう風に対応すべきなのか。やはり削除かな。リンク・言及なしトラックバックでも、無差別乱射じゃなくて、的をねらい澄ました&読者のためになるトラックバックなら大歓迎なんだけど。

 いちおうトラックバック返しをしてみるけど、情報リテラシーのない人みたいだから(ホームページの作り方が分からないと嘆いておられる)、読まれやしないんだろうなぁ。

| @映画/ドラマ/テレビ

 ナチスに抵抗運動を行った学生たちの話。ナチスはひどいなぁ、全体主義は嫌だなぁ、という思いを新たにした。しかし如何せん、暗すぎる。物語に救いがない。暗黒の世界の出来事が最初から最後まで続く。疲れる。

 白バラという抵抗グループの学生たちがヒトラーを批判するビラをばらまく。メンバーのゾフィー・ショルとハンス・ショルの兄妹は、自分たちが所属する大学でビラをまき運悪く捕まってしまった。ゲシュタポに尋問を受け、協力者のことを白状すれば命は助けてやると交渉を持ちかけられるが、これを拒否する。結果、彼らはギロチンにかけられ処刑されてしまう。

 最初から最後まで、ほとんどの出来事が建物の中で完結することが映画に閉塞感が漂わせている。当時の雰囲気を残す街並みが少ないからこれは仕方ないだろう。とにかく息が詰まる。加えて裁判の場面で、一緒にとらえられたメンバーのひとりが「秘密を何でも喋る、だから自分だけでも助けてくれ」と仲間を裏切るようなことを口にする。まるで救いがない。

 ナチスがつけていた記録を元に史実に忠実に作られた映画らしいが、もう少し他に表現方法がなかったのかと思う。大事なことを扱った崇高な映画だとは思うが、映画や物語には喜びというか、救いのようなものが必要だろう。ドキュメンタリー向けのテーマだと思う。

| @雑談

 Winnyによる情報流出事件なんかを扱うテレビ番組を見ていると、情報を流出させた役所の情報管理の甘さが非難されることがほとんどだ。Winnyを使っていた個人の倫理観の欠如を問題視するような報道のされ方はしない。これには違和感を覚える。

 もちろん、情報を流出させた人がまったく著作権フリーなファイルだけを取り扱っていた可能性も確かにある。でも全員がそうだとは到底信じられない。みんな著作権で守られている映画や音楽のファイルをタダで手に入れたくてWinnyを使っていたはずだ。業務用のパソコンが足らなくて私物パソコンを使わせていた役所よりも、Winnyを使っていた阿呆な個人の方が圧倒的に悪いと思う。

 結局、マスコミは役所などの公的機関を批判したいだけなんじゃないだろうか。ここらで大手新聞社かテレビ局の社員のパソコンから情報が流出すれば面白いんだけどなぁ。でも彼らは高給取りだからWinnyなんて使わないかも知れない。

| @映画/ドラマ/テレビ

 大杉漣主演の『ライフ・オン・ザ・ロングボード』を見た。端的に感想を述べるなら、まれに見る駄作である。よって★ゼロ。見る価値なしである。見ようかなと計画していた人は見ない方がよい。時間と金の無駄である。

 もともとあまり邦画は見ない方なのだが、去年『運命じゃない人』を見て以来、邦画にも面白いものがあるからうっかりしてると見逃しちゃうな、と心を入れ替えた。この映画は予告編も面白そうだったしね。さらにDenkikanのフィルターを通してある。Denkikanは社長がすべて試写を見て面白いと思ったものしか上映しないそうだから、駄作に当たることは希である。ところが、この『ライフ・オン・ザ・ロングボード』は見事に期待を裏切ってくれた。

 食品メーカーに勤める主人公は55歳で定年を迎え、若い頃にかじったことがあるサーフィンをやろうと思い立って種子島に向かう。そこで若者や現地の人々と触れ合いながら人生について、家族について見つめ直すという、マンガのような内容の映画である。ぶっちゃけ、この数行の文章を読んだだけでもう十分。あなたは映画館に足を運ぶ必要はない。

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| @雑談

Iced Grande Latte 氷少 さっきスターバックスで「アイスグランデラテを氷少なめで」と頼んだら、受け渡しカウンターで「縁のところまで牛乳を注ぎますか?」と聞かれた。氷少なめと言ったから、嵩が縁のところよりも少ないところまでしかなかったのだ。本当は縁のところぎりぎりまでミルクを注いでもらいたかったけど、ケチな人に思われるのが嫌で「そのままで良いです」と心にもないことを言ってしまった。

 初めてスターバックスに行ったときは緊張した。どうやって注文するか分からない。サイズもS, M, Lじゃない。一番大きいのが飲みたいけど、Grandeってなんて読むのか分からない。しょうがないので一番確信をもって読むことができたショート(Short)のアイスラテを頼んだ。おいしかったけど、すぐなくなってしまった。

 初めてスターバックスの紙コップを持って歩いている人を見かけたのは受験生のときで、試験の合間に代官山を訪れて買い物をしていたときだった。不規則な浪人生活のせいでとても太っていたため、持ってきていたズボンが東京滞在中に破けてしまったのだ。それで仕方なく代官山までズボンを買いに行った。代官山に行けばハリウッドランチマーケットがあると友人から伝え聞いていたからだ。

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| @Mac/iPhone

iPod Hi-Fi 128kbpsのビットレートで満足している僕なので、オーディオの音質にはうるさい方ではないのだが、Macに入っている音楽をPowerBookのスピーカーで再生すると低音が音割れしてげんなりである。東京でアパートを借りていた頃は、PCからAirMac Expressを使ってコンポのスピーカーから音を出しており(AirTunes)、当時の環境からすると現在の環境は何とも貧弱で不満である。

 そんななか、本日iPod Hi-Fiを試聴した。売り場に到着したときは小さな音量で鳴らされており、ファーストインプレッションは「ショボ」だった。42800円もするのに、9980円のラジカセみたいな音しか出していないのである。しかしせっかく目の前で試聴できるのだからと、Apple Remoteを使って音量を上げてみると、「お、イイかも」。ミーハーな僕は結局、見た目がしゃれててアップル純正だとすぐ欲しくなってしまうのである。

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