| @散財

USB DAC Topping D10s

⚠注意

この記事を書いている時点では設定不足でちゃんと高音質設定で音を聞けていません。詳しくは以下の記事をご覧ください。 Apple Silicon の Mac を使っている人はそもそも USB-DAC なしでもハイレゾ音源を再生できるというオチもあります。

ヒトデさんの日記で Sonos のアンプの話を読んで、急に自分の音楽環境に問題があるように感じられてきて、自分もアンプを買ってみたくなったが値段が高すぎる&パッシブスピーカーを持ってないので意味がないということに気がついた。

自分はいま、 Mac => Bose Computer Music Monitor という流れで音楽を聞いている。 Mac 本体のスピーカーより断然良い音だし、小さいスピーカーなのにめっちゃ良い音が鳴るとは思っているのだが、高校生の頃タワレコの試聴機にソニーのヘッドフォンの組み合わせで聞いていた音がめっちゃ良い記憶で、その後の人生で良いヘッドフォンやスピーカーを買ってもあの頃の音質には及ばない気がしていた。

その漠然とした不満を解消すべく USB DAC なるものに手を出してみることにした。 Amazon で絶賛されていた中国メーカ Topping の D10s という USB DAC がコストパフォーマンスが良くて最高らしい。みんな絶賛してる。

そもそも USB DAC を使うメリットは何か。一つには Apple Music などで配信されているハイレゾ音楽を聴けるようになることがある。普通の 3.5m プラグでスピーカーにつないでもハイレゾ音源は再生できない。もう一つには 3.5m ジャックから出てくる信号はあまり良いものではないらしいく、 USB ポートを介して出てくるデジタルデータを USB DAC でアナログに変換してやる方が音質が良くなるらしい。

自分は抗がん剤の治療のせいで高音難聴になっていて 4K Hz 以上の音が聞き取れないため、こういうのを使って音を聞き分けられるか自信がなかったのだが、上述の通り 20 年以上前にタワレコのナカミチのプレーヤーで聞いた音と近い感じで音を聞きたいという漠然とした願望があったのでリストカット感覚で買ってみることにした。

Windows だとドライバーのインストールなどが必要なようだが、 Mac の場合は USB ケーブルでつなぐだけで Mac がオーディオデバイスと認識してサクッと使い始めることができた。 Topping D10s からの出力は 3.5m ジャックがないので別途 RAC オーディオケーブル(ステレオとかで使う赤白のやつ)が必要。

満を持して Mac => Topping D10s => Bose Computer Music Monitor につないでハイレゾ音源を再生してみたが、正直違いがわからない…。 Amazon であれほど絶賛されているのだからさすがに少しは違いはわかるだろうと思っていたが、まるっきり違いがわからない…。 Amazon で高評価レビューをしていた人達はオーディオ沼の住人たちだったのだろうか…。

そもそも自分はスピーカーもヘッドフォンも Bose で、 Bose のコンシューマー向けの製品はそもそもアンプなどを介さずに利用されることを想定していると思われるので(面倒くさいことをしなくてもほどほどに良い音で聞けるのが Bose のウリなはず)、 USB DAC などを挟んでもメリットを感じにくいのかもしれない。

自宅の机で音楽を聞く環境はここ 15 年くらい変化がなくてマンネリ化していたので何か大きな変化を起こせるかなと思っていたけど、特にそういうことは起こらず無駄遣いになってしまった。悲しい。

追記

何時間か聞き込んでみた。音を大きめにして、ジャズなどのドラムの音を聞き取り安やすい曲を再生してみると違いがわかるような気がする。ドラムの音がなまめかしい。なまめかしいという表現が適切なのかわからないが、音に生音感があるといったらいいんだろうか。ギターなどでは違いを感じにくいけど(高音難聴だからかもしれない)、打楽器の聞こえ方で結構な違いがあるような気がする。最初は無駄銭失いかと思ったけどそうでもないかもしれいと思い直している。

| @旅行/散歩

テントとタープ

ゴールデンウィークの前半でキャンプをしに行った。福岡の人がキャンプをしに行く場所といえば阿蘇・久住方面が人気だが、自分が阿蘇出身ということもあって実家の方に行くのにテントで寝泊まりするのは違和感があって久住でキャンプしたことは一度しかない。どちらかというと佐賀方面に惹かれる。車で一時間ちょいで行けて、森や海や温泉があって、キャンプ場はそこまで混雑しておらずまぁ快適だ。高速料金が安く済むのもいい。久住阿蘇方面だと 3000 円近く高速代がかかるが、佐賀方面だとうちからの場合 200 円くらいしか高速代がかからない(西九州自動車は全線開通していないため無料で通行できる)。今回は佐賀ではないが、佐賀県伊万里市の沖合にある長崎県松浦市の福島という島の初崎キャンプ場に行った。

今回のキャンプでは新しい道具をいくつか使ってみた。

Evernew HD.ALU Pan 20

エバニューのアルミフライパン。ゴールデンウィーク前に突如販売が始まったやつで一瞬で売り切れていた。登山用のコーティングしてあるクッカーは直火にかけるのが心配で、直火にかけても問題ないフライパンが欲しかった。去年秋に買ったエバニューの Backcountry Almi Pot がなかなか良くて、直火で炊飯してもコーティングが剥がれるのを気にせずに済むところが気に入っている。同じ使い勝手を期待して買ってみたところよい感じだった。スパゲティーを作ったり、目玉焼き焼いたり、カレーを作ったりと大活躍だった。

スパゲティ

目玉焼き

カレーを調理中

カレーライス

今回は一番大きいサイズの 20cm を買ったが、テント泊登山(自分の場合はハンモック泊)用に 16cm あたりも買ってもよいなと思った。

Igloo Marine Breeze Ultra 28L

悪天候により一泊に変えたが、当初は二泊三日でキャンプする予定だったのでクーラーボックスを買った。

これまでコストコのショッピングバッグなどを簡易的にクーラーボックス代わりに使っていたが、食材の保温効果は限定的だった。クーラーボックスは 50L くらい必要、みたいな記事が多いが、 50L 以上のクーラーボックスは数万円もして高い。自分は Amazon で Igloo の 28L のやつを買ったがこれで十分だった。肉やビールなど、低温を維持したいものはクーラーボックスに入れ、少々温度が上がっても平気なものはショッピングバッグに入れることにしたところ作成成功だった。

Igloo のクーラーボックス Marine Breeze Ultra 28L

うちの子どもは牛乳が好きなのでキャンプのときにも牛乳を飲ませているが、キャンプ場に着いた日に飲むだけで翌朝の分がなく可哀想だった。ちゃんとしたクーラーボックスを買ったことで牛乳も大きなパックを買うことができるようになり、翌朝も牛乳を飲めて満足そうだった。

うちの車は小型の SUV で荷物がめっちゃ載せられるタイプではないのだが、それでも普通のセダンやコンパクトカーに比べたら荷物を載せられる方だと思う。それでもクーラーボックスのサイズはこれくらいが限界だと感じた。 50L 以上のクーラーボックスを載せられるような車はランクルなどの巨大なやつかピックアップトラック(軽トラ)ではないかと思う。

なお、保冷剤はロゴスの倍速凍結・氷点下パック L を買った。 Amazon のレビューで XL がちょうど良いとあるので買ったところ底の大きさが合わず返品してしまった。 L だとちょうど底に収まる。

DOD ローローバーチェア

キャンプ直前の Amazon タイムセールで DOD のローローバーチェアが安くなっていたので衝動買いした。

キャンプ椅子はこれまで DOD のスワルスエックスだった。小さくて持ち運びしやすいが、生地が伸びやすいのとナイロンなので火に弱く、焚き火がはぜて穴が開いている。座る前の組み立てや撤収時の折りたたみもわずかに面倒くさい。ローローバーチェアは生地が綿なので燃えにくいし、座るときはひょいと広げるだけで良いので楽だ。その分、持ち運び時にかさばる。うちの車にはギリギリ載せられた。 4 人家族だったら運べないだろう。ランドローバーとかチャレンジャーに乗ってる人でないと本当は買ってはいけないものだったのかも知れない。見た目がカッチョイイのでキャンプのほか、自宅バーベキューで活用しようと思う。


実はこれ以外にも細々したものを買っている( Ledlenser の LED ランタン、 ZANE ARTS のシェラカップ、 UNIFLAME フィールドラック用のステンレス天板など)。以前書いた通り、キャンプは道具沼だ。毎回キャンプに行くたびに普通にビジネスホテルに泊まるのと同じくらいお金がかかる。

まだキャンプしたことない人にはおすすめしません。家でゲームしたり Netflix 見たりしてる方が楽しいと思います。

| @ブログ

今宿二宮神社の藤棚

このサイトは Amazon の Product Advertising API を利用して小銭を稼がせてもらっている(毎月 300 円くらいインターネットの恩沢がある)。去年も 5 月頃に記事を書いているのだが、 30 日間で一個もこのブログ経由で商品が売れなかったので Product Advertising API の利用が制限されてしまった。

Product Advertising API は 2020 年の春に Version 5 への移行が義務づけられ、 30 日間で一回も商品を売れなかったサイトは API の利用ができなくなってしまうのだった。

春は入学や就職、引越の準備で忙しくて誰もこのような泡沫ブログを読んだりしないのだろうか。春は買い物する機会自体は多いと思うので、買い物していないわけではなく、趣味性の高い商品のアフィリエイトが踏まれにくくなるのかもしれない。

| @WWW

一昔前までインターネットは常に見えるものだった。 Web 1.0 の個人テキストサイトや Web 2.0 のユーザー参加型ウェブサービスでも、ベーシック認証がかけてあったり非公開コンテンツというものもあったがこれらは例外的な存在で、インターネットでは目立つこと、オープンであること、また他者の注目を引くことが善だったしメインストリームの価値観だった(少なくとも自分はそう認識していた)。しかしその構図が崩れようとしている。インターネットがみんなのものになったからだ。

多くの人はインターネットで自分の情報をさらけ出したいなんて思っていない。これまでブログが下火になってきた理由を考察することが何度かあった。手軽に個人が情報発信できる Twitter や Instagram のような SNS が登場してきたからだと思っていた。かつてブログを書いていた人が書かなくなってきた理由としてはその通りだと思う。しかしスマートフォン時代になってからインターネット活動を始めたような人達(イノベーター理論のグラフで言うと Late Majority 以降の人達)はそもそもブログを書くということは選択肢に入らなかったはずで、こういう人達が増えてきたことで相対的にブログ執筆人口が減ってしまったと考えられる。

File:DiffusionOfInnovation.png CC BY 2.5

インターネットでは誰もが情報発信できると言われた。しかしできることと実際にやることの間には大きな壁がある。仕事で関わっているサービスでは、ユーザーが作成したコンテンツを公開するかどうかはユーザー自身が選べる仕様となっている。コンテンツを公開するユーザーが増えるほどネットワーク効果が働くし、 Google の評価が高くなり SEO 上のメリットもあるのでコンテンツ公開率を上げようと努めてきた。しかし頑張ってもコンテンツ公開率はある程度のところで頭打ちとなってしまった。この結果から二つの仮説が考えられる。公開を促す努力が足りないか、そもそも誰もコンテンツを公開しようとは思っていないか、ということだ。実は最近まで後者の観点が抜けていた。というのはインターネットでは誰しもコンテンツを公開すべきだ、という先入観があったからだ。

ここ数年での成長が著しい Netflix や Spotify でユーザーはコンテンツの公開を求められることはほとんどない。 Twitter や Facebook 、 Instagram などの CGM では基本的にはコンテンツを公開することが求められたのとは対照的だ。 Netflix や Spotify でユーザーはコンテンツを消費するだけでよいのだ。消費の仕方を Netflix や Spotify は観察し、この傾向のユーザーにはこういうコンテンツがおすすめだというアルゴリズムを洗練させていく。ハチャメチャに優れた推薦アルゴリズムにより、ユーザーは自分にマッチした未知のコンテンツに出会うことができ、益々サービスの利用を深めていく。ひたすら受動的にコンテンツを受容し続ければよいだけだ。

コンテンツの投稿・公開を求められる Twitter や Instagram でも、実は見る専( ROM )の割合が高まってきているのではないかと推測する。 以下の記事によると、 Twitter の投稿の 97% が 25% のユーザーによって行われたものだったそうだ。

さらに驚くことに、 Reply や Retweet を差し引くと投稿されるコンテンツの 18% のみがオリジナルの投稿ということらしい。やはりコンテンツを作る人の割合というのは非常に小さく、ほとんどの人はインターネット上のコンテンツを消費しているだけなのだ。

インターネットの初期時代からインターネットにどっぷり浸かってきたインターネット老人の我々のような世代がウェブサービスを設計すると、ついつい人々はインターネットで自己表現をしたいのだという前提で考えがちだ。しかしあとの方になってからインターネットを使い始めた人々にとっては、インターネットとは自分から情報を差し出す場ではなく、情報を摂取する場なのだ。買い物をしたり、動画を見たり、音楽を聞いたりしているだけだ。自分でウェブサイトを持ってブログを作ったりしている我々は、今日のインターネットにおいて決してマジョリティではない。

受動的にインターネットを使うだけの人に、 1990 年代の終わりに我々インターネット老人が感じたのと同じような興奮や感動を与えられるのだろうか。多分、発想を転換しないと難しいだろう。我々が面白がったインターネットと彼らが欲しているインターネットは別のものなのだ。ただ受動的に使っているだけでより便利になり、快適になっていくインターネットをどうやって作っていくかが見えないインターネットの時代のテーマになると思う。

| @WWW

はてブコメント、漫画は高いという意見に対して「貧乏すぎでは?」「買いすぎでは?」「考えを改めた方がよい」「どうせタダで読みたいだけだろ」というコメント付いているけど、漫画にいくら払えるかは人それぞれだし、そもそも無料で読みたいという意見は大勢ではない(広告入ってて良いので無料で読みたいというコメントは一つだった)。漫画は安い派の意見の方が一方的に見える。

単位時間あたりの費用で漫画が他の娯楽より高いのは事実だと思う。漫画はコミックが一冊 600 円くらいするが、一冊 15 分くらいで読み終わってしまう。 1 分あたりのコストは 600 ÷ 15 = 40 円だ。映画は 2000 円払って 120 分楽しめる。分単位のコストは 2000 ÷ 120 = 16 円だ。漫画と同じくらいの金額で買える文庫本の小説なら読むのに 3 、 4 時間くらいかかるし、 1 分あたりのコストは 3 円。一冊 1500 円の単行本でも 8 円。漫画の 40 円は高すぎる。今年はうっかり一巻無料キャンペーンに釣られて空母いぶきを読み始めて続きが気になってしまい、全巻買ってしまって 1 万円くらい使ってしまった。漫画は娯楽としての経済効率が悪過ぎる。

動画配信以前、セルビデオは一本一万円くらいしたし、セル DVD も 4000 円くらいが相場で高すぎた。なのでレンタルが主流だったし、光学ディスクのレンタル屋だった Netflix が配信会社に進化した。漫画は昔はレンタルあったし今も細々と存在してるけど多分最も利用されてるのは漫画喫茶だと思う。

漫画は速く沢山読めて沢山読まないと話が完結しない特性があるから漫喫にベストマッチだと思う。時間課金なので速く読める人ほどお得。漫画は嵩張るからレンタルして家に持ち帰りまた返しにくるのは面倒だけど、漫喫ならその場で手に取ってすぐ読める。買うと保管場所に困る問題も解決されている。

少し調べた限り、漫画喫茶は著作権者にお金を払っていない(少なくとも法的には払う義務がない)ようだった。

長らく著作物には貸与権が認められていて、音楽や映画はレンタルされる度に著作権者に収益が発生していたが、書籍は貸与権の対象外だったようだ。 2005 年に貸与権が書籍に対しても認められるようになり、貸本屋(レンタルコミック含む)は著作権料を支払わなければならなくなったようだ。

ただし漫画喫茶に関しては、文化庁が店舗内での閲覧は「貸与」に値しないとの見解を示したことから、貸与権の対象となっておらず、漫画喫茶には著作権料を払う義務がない状況のようだ。

こうやってみると漫画の著作権者たちの真の敵は漫画喫茶ではないかと思う。 2021 年 3 月期の決算で、業界一位の快活CLUBは漫画喫茶部門で 484 億 9900 万円の売上があるようだ。

漫画のサブスクリプションサービスを始めることで、現状漫画喫茶に流れているお金の大部分を漫画家・出版社は回収できるだろう。コロナ禍なのだし、漫画喫茶に行かずにサブスクリプションで手軽に読めるようになれば利用したいという人はかなりいそうだ。

サブスクリプションを始めるにしても、新作はサブスクリプションでは読めないような設計にすることで買い切り型のモデルへの悪影響は軽減できると思われる。動画配信もコロナ禍前は上映と同時配信みたいのはなかったが、漫画でも同じようなことができるはずだ。サブスクリプションで読めるのは旧作中心で配信期間も限定すれば、はてブコメント欄でマウンティングしてるような漫画愛好家は新刊発売後に購入して読みそうだし、サブスクリプションで気に入っていつでも読めるようにしたいと思った人も買い切り版を購入するだろう。

いい具合に制度設計できれば今より漫画家・出版社側の利益が減ることはないだろうし、読者の裾野を広げるという意味でも、手頃な価格で漫画を読めるサブスクリプションサービスができて欲しい。未来の漫画業界のためにも漫画のサブスクリプションは必要なのではないかと思う。

| @労働

雷山千如寺 五百羅漢

今年はよくユーザーアンケートをとった。アンケート、最初は手探りだったけど最近は知見が貯まっていい感じにできるようになってきたのでノウハウをまとめたいと思う。ポイントは以下。

  1. 問いの設定
  2. Google Form の機能を駆使して誰が回答しているのかをわかるようにする
  3. Big Query と Looker を使った集計・ビジュアライズ

正しくアンケートをやってユーザーの声を聞けば、イチロー並みかそれ以上の打率で機能をリリースすることができるという気がしている。

問いの設定

アンケートで聞くべきは何か。いつも課題を聞くようにしている。やってはいけないのは「欲しい機能は何ですか?」と聞くことだ。良く言われることだがユーザーは自分が欲しい機能をわかっていない。だから課題に感じていることを聞く。

「課題と言っても何を聞けばいいのかわからない」と思う人もいるだろう。自分はいまある程度規模が大きくなってきたプロダクトの PM をやっているので、ユーザーの課題は何となくわかる。問い合わせやユーザー要望、ユーザーの利用データなどから何となくこの辺が課題だろうなというのは見えてくる。課題はこれらを確認することでわかってくるので課題リストにストックしておく。

次にどんな機能を開発すか検討するときに課題リストの中から「これを解決すると良いのでは(ビジネスインパクトが大きいのでは)」というのを見繕って、「〇×にどのくらい課題を感じますか?」という形でアンケートを送るようにしている。回答選択肢は三択で「とてもそう思う」「そう思う」「そう思わない」くらいにする。いくつかの課題を並べて聞き、「とてもそう思う」という回答の割合が一番高いものがペインが大きいと認定し、その課題を解決する機能の開発に取り組むようにしている。

Google Form の機能を駆使して誰が回答しているのかをわかるようにする

アンケートのシステムには Google Form を使っている。一時期は自前でアンケートシステムを作ろうかと考えたが、 Google Form ほどの柔軟性を持ったアンケートシステムを作るのは工数がかかるし、マーケティングチームの人もアンケートを多用していて Google Form に慣れているので Google Form で行くことにした。

ただ、ちょっと使い方を工夫していて、ペライチのページを作って iframe で Google Form を自ドメイン内のページに埋め込むようにしている( Google Form は iframe での埋め込みをサポートしている)。こうすることで以下のメリットがある。

  • アンケートページの URL がサービスと同じドメインになり怪しさがない
  • ログイン後のページに配置することで自ドメインで作成されたクッキーにアクセスできるようになり、ユーザー ID を取得できるようになる

Google Form はクエリパラメーター付きで https://docs.google.com/forms/d/e/XXX/viewform?entry.0000=value とすることでフォームに値を埋め込むことができる。アンケート依頼はアプリへのプッシュ通知で送ることが多いので、その場合には value の部分にユーザー ID が入るようにしていた。しかし一括送信するメールやアプリ内のバナーへリンクを設置する際にこのやり方は使えなかった。サービスのドメイン内にログイン必須のペライチページを作ってフォームを埋め込むようにしたことで、どんな導線からアンケートページに辿りついてもほぼほぼ確実にユーザー ID を取得できるようになった。

ユーザーアンケートは誰が回答しているのかを知るのが超重要だ。プロダクトのヘビーユーザーの回答なのか、ライトユーザーの回答なのかわからないと、次に作るべき機能を検討するときに判断材料として使えない。ライトユーザーの課題を解決する機能を開発しようとしているときに、誰が回答したのかわからないアンケートデータをもとに意思決定をするのは困難だ。

アンケートでユーザー ID を取得する際のデメリットとして、匿名回答ができないことでアンケートの回答率が下がることが懸念されるが、上述の通りどんな属性の人が回答したのかわからないアンケートはデータとしてあまり価値がないのでその部分は割り切ることにしている。また匿名の回答はサービスへのネガティブ感情が強い人からの回答が集まりがちで、自由入力欄の罵詈雑言で集計時に精神的にダメージを受けることもあるのでそれらを避けるという意味でもユーザー ID 必須のアンケートにしてしまって良いと思う。

BigQuery と Looker を使った集計・ビジュアライズ

集まったアンケートの回答は一旦 Google Spreadsheet 形式に変換する( Google Form の機能を使うだけで簡単にできる)。スプレッドシートの機能を駆使すればクロス集計したりグラフを作ったりできるが、折角取得したユーザー ID との掛け合わせができない。なので Google Spreadsheet のデータを BigQuery に取り込んでいる(詳しいやり方は Google スプレッドシートを BigQuery のテーブルとして扱う - べにやまぶろぐ 参照)。勤務先では BigQuery にデータウェアハウスが構築されているので、 Production DB のレプリカとアンケート回答を JOIN することで、どんな属性の人がアンケートにどんな風に回答しているかがわかるようになる。さらに幸運なことに勤務先では Looker を使えているのでこの辺の分析がとてもしやすい。こんな感じでアンケート結果をビジュアライズしている。

アンケートの集計

このやり方をとるようになって、リリース後に「大きく外した」ということがなくなった。少なくとも機能をリリースするときにユーザーに受け入れられるかどうか不安に思うことがなくなった。イチローになったような気分でプロダクト開発することができるのでおすすめです。


この記事は YAMAP エンジニアのカレンダー | Advent Calendar 2021 9 日目の記事でした。明日は @t-yng さんの「僕がフロントエンドのコードレビューをする時に意識していること」です。

| @散財

Logicool StreamCam C980GR

Yeticaster を買ってミーティングの音質を改善した後はカメラが欲しくなってしまった。音質に関しては情報を伝える際に重要になるので投資する意味があるが、カメラに関しては完全に自己満、イケメンならともかく、キモくて汚いおっさんの顔を高画質で写しても意味がないし害悪でしかない、的なことをはてブコメントで見かけた記憶はあるが、以下の理由でカメラを買うことにした。

MacBook Pro を外付けディスプレイにつないで利用していてメイン画面は外付けディスプレイ側だが、大きなディスプレイに Zoom で画面共有されている画面を持ってくると、 MacBook Pro のカメラ側からずっと横向いてる人となってしまって不自然極まりない。視線を合わせるために Zoom の共有画面を MacBook Pro 側に持ってくると、画面共有されている内容がちっちゃくしか見えなくてやりづらい。メインディスプレイ側に Zoom を起きつつ視線も不自然ではなくするためには外付けのカメラを購入して外付けディスプレイに設置する必要があった。

Before / After はこんな感じ。画質がアップしていることのほか、 Before ではただでさえ悪い人相がより一層悪くなっているが、 After ではカメラ目線ではないものの異常な視線ではなく人相もいくらか改善されている。

Before: MacBook Pro 内蔵ディスプレイ

After: Logicool StreamCam C980GR

ちなみに現在の机まわりはこんな感じ(汚い)。

My Desktop

醜男なので良いカメラを使っても意味ないしこういうのは投資する意味がないと思っていたのだが、醜男だからこそ高画質自撮りして、視線もなるべくカメラの方を見るようにして相手に悪い印象を持たれないように気をつけるべきなのかもしれないと思い直した。自己満足かもしれないけど満足度は高いし仕事やる気になる。