2025年11月のできごと
- 福岡マラソンに出場し、グロスタイムでもサブフォーを達成した
- nagayama さん、 nmy さんとトレラン(雷山・井原山縦走)
- 雷山に二度登った
- 自宅で鍋を2回作った。豆乳鍋うまかった。
- みやま市の清水寺に紅葉を見に行った
- Happy Hikers の Hokkein Gathering に参加した
- マラソン後、ずっと右膝に痛みがあって 11 月の月間走行距離は 114km

前職 Kaizen Platform 時代に一緒に仕事をする機会があった nagayama さんが YAPC で福岡に来られるということで、同じはてな社 OB の nmy さんにも声をかけてもらって三人で雷山から井原山をトレランで縦走してきた。紅葉の時期の雷山〜井原山は初めてで、想像通り美しかった。
nagayama さんはカプ社時代は直接お話しする機会はほとんどなくて(お互いリモートだった)、カプ社を退職してから ossan.fm で声を聞き、 Strava や Twitter で交流するようになった。インターネット友達と山を走れるのは不思議な気分。
nmy さんはWebディレクターのスキルツリー - 二宮日記という記事がめっちゃ好きでよく読んでた。仕事論のほか、ランニングについての記事(Road to UTMF - 二宮日記、トレイルスイーツ - 二宮日記、強い気持ち - 二宮日記)も好きでよく読んでいた。アンノウンラジオゲスト出演回(#03 コミュニケーションが苦手でも、隠れた意図を汲むのが得意なこともある【ゲスト: 二宮鉄平さん】 - 近藤淳也のアンノウンラジオ - LISTEN)も超好き。
下山後は筑前前原の居酒屋に行って、 2000 年代のインターネットと比べて最近のインターネットが薄まっていることについてや、マネジメントにおけるエモテキストの重要性について話した。
インターネットセレブのお二人とインターネットやプロダクトマネジメントについて話すことができたのはめっちゃ楽しかった。しかも場所が家の近所。インターネットは自分から離れたどこか遠くで起こっていることで、長らくそこに僻地から参加させもらってるつもりでいたけど、インターネットの方からこっちに来てくれたような感覚。 nagayama さんと nmy さんがはてな社でブイブイ言わせてた頃自分は無職だったので、すごいことが起こってるなぁと思った。
Ossan.fm で nagayama さんが振り返ってるエピソードは以下。

今年も抽選に当たったのでありがたく福岡マラソンを走らせてもらった。
自己ベストは更新できたが、狙ってた 3 時間 45 分切りは出来なかった。妥協した目標として設定していた 3 時間 50 分切りもできなかった。
目標を達成できなかったことは不本意だが、初めてグロスタイムでもサブフォーできたし、トイレ休憩をしなかった初めてのマラソンレースなのでそれはよしとする。
6:34 の電車で天神に向かう。普段、今宿の海岸沿いを走っててもそんなにランナーが住んでるようには見えないのに福岡マラソンの日には今宿駅のホームがランナーであふれていてウケた。日曜の早朝なのに電車はとても混んでいた。

昨年に続いて D ブロックだったので、天神地下街で身支度をした。本当はダメなのかもだけどみんな地下街の床に座って着替えたり荷物の整理をしたりしてる。福岡は地下街があるのでめっちゃ助かる。熊本城マラソンは市役所の壁なし駐車場で着替えさせられるのが地獄の寒さだし、アオタイはスタート前の着替えスペースがなく屋外で着替えてめちゃ寒かったのを思い出す。パパッと着替えて自撮りして荷物を預けに行く。

天気予報が雨なことは知っていたが、スタート前、トイレに並んでたときに雨に降られてめっちゃ寒かった。走っている最中に雨が降っても体は温まっているのでなんとかなるが、スタート前に降られるのはとてもつらい。この調子で 30 分以上スタートブロックで待つのは地獄ではと思ったが、スタート前には小降りになって走り出したときにはほぼ降ってなかった。前々日の受付時にゼビオで買ったポンチョが役立ったが、袖なしフードなしタイプだったので腕と頭が濡れてとにかく寒かった。本降りのときを想定してフード付きのコンビニカッパを持ってくるのが良さげ。
スタートして走り出す。雨が上がるとなかなか暑かった。 Garmin 計測の温度は 21 ℃から 25 ℃。体感的にもおそらくそのくらいはあったと思う。アームスリーブなしで問題なし。手袋してる人もほぼいなかった。風もマイルドで愛宕や糸島の海沿い区間もそんなにしんどくなかった。ポンチョはスタートして 3km くらいで脱いだ。

スタート直後はまぁまぁ渋滞して 5'40" くらいのペースで入った。当仁中学校のあたりから渋滞が解消されて 5'20" くらいのペースで走る。設定していたペースより速いためしばしば Garmin から怒られた。このあたりでもう少し抑えておけばよかったのだろうか。無理をしている感じはしなかった。
小戸では例年元同僚の @linyows さんが家族で応援してくれていた。めっちゃうれしい。


生の松原を通る。夏に灼熱のなか生の松原の公園でインターバル走をしたことを思い出す。このあたりは少しペースが速かったかも。

今宿では息子が一人で応援しに来てくれておりとてもうれしかった。満遍の笑みで写真に写っていた。

九大の登りにさしかかる。ここはスライドがあって精神的にちょっときついが頑張った。去年はハーフ地点で 1 時間 58 分くらいだったのが、今年は 1 時間 53 分くらいだった。
今津運動公園のあたりまで結構頑張って 5'20" を少し切るくらいのペースで走る。ちょっとペースを上げるのが速すぎたかもしれない。 25km を過ぎたあたりで足に疲れを感じ始める。 MAURTEN のカフェイン入りジェルを早めに摂るが、爆発的に体が復活するような感覚はなく、この辺からペースが 5’40” くらいに落ちる。ネガティブスプリットは夢のまた夢。とはいえ昔だったら足が終わったらキロ 6 分台くらいになってたはずなので、疲れてもサブフォーイーブンペースを維持できるようになってるのは成長してるかも。
北崎のあたりから少し脇腹が痛くなり始める。足攣りを恐れて水を飲み過ぎたかもしれない。去年はのらん坂を登り切った直後の下りで足が攣り始めたので、のらん坂の手前から少しペースを落とす。とぼとぼ登っていたらラン友達の濱田さんがいて伴走して励ましてもらう。

のらん坂を登りきってから二見ヶ浦に出るが、元気が出ない。ペースは上がらず 5'40" を切るくらいのペースで進む。つまんでごらんの手前でまたランニング知り合いに声をかけてもらい頑張る。
桜井の交差点を過ぎて残り 4km になり、最後の農道区間に入る。ここがめっちゃきつかった。最後に魔が差して私設エイドでコーラやミカンをもらったり(もうゴールがすぐそこなので我慢すればいいのに)、ヒサミツのスプレーエイドでもらった試供品のエアーサロンパスを足に噴射した挙げ句、 40km 地点くらいで足攣りして少し歩いた。ゴールの瞬間のなさけない表情がやばい。


ゴール後、同じブロックの人たちはまだゴールしていないのか、手荷物番号 5 の返却コーナーはとても空いていた。一つ前のブロックの手荷物返却はめっちゃ混んでた。やはりマラソンはみんなさばを読んでゴールタイムを申告するようだ。来年は自分ももう少しさばを読んでタイムを申告してもいいのかもしれない。


今回はゴール地点まで家族は迎えに来ていなかったので、おもてなし会場をうろうろして、焼き牡蠣をもらい、ビールを飲んだ。雨の中座る場所がなくどうしたものかと途方に暮れていると、マッサージ会場が目に入った。これまで一回もマラソン後のマッサージは受けたことがなかったが、一人で暇なので柔道整復師のマッサージに並んでみる。空いていたためか、 15 分くらいゆっくり施術をしてもらえた。ちょっと施術してもらっただけでだいぶ体が楽になったのですごい。ちゃんとお金払ってやってもらおうかと調べてみたが 1 時間で 8,000 円くらいするみたい。高い!💸
マッサージしてもらってからシャトルバスで筑前前原まで移動し、会場で買ったものの座るところがなくて食べられなかった焼きそばメガ盛りを缶ビールで流し込んでから電車に乗って帰った。家まで 5 駅、 15 分くらいで帰れて便利。




去年に引き続きポジティブスプリット。後半かなりペースが落ちているが、それでも 5'40" くらいでは走れている。



2024 年と同じ平均心拍数。今年は COROS の心拍モニターを使っているので去年との単純比較はできないかもしれない。



去年の方がつらかった(心拍数が高い状態が続いた)感覚があるが、今年の方が ZONE 4 の時間帯が長い。去年は 77% だったのに今年は 85% も ZONE 4 。去年のデータでも ChatGPT に「無理しすぎ」と怒られたのに今年はもっと無理をしていたようだ。
心拍 ZONE 4 の割合が多いのは天気も影響していると思う。去年も暑かったが、今年はさらに暑かったようだ。 9 時頃から 20 ℃を超えている。もし 2023 年の天気(気温が 8 ℃くらい低い)だったらもっと速く走れていたかも。

5 月に ASO VOLCANO TRAIL が終わり、 5 月、 6 月はゆるっとトレランしたりして過ごして、 6 月末からスピード練習をやり始めた。

7 月は週 1 〜 2 回の頻度でポイント練習をこなしている。今年は時計を Apple Watchから Garmin に変えたので Garmin のトレーニングプランに従っていた。ポイント練習 8 回実施。月間走行距離はちょうど 200km 。

8 月は出張、帰省などがあったし、雨が降っていて走れないことも多かった。ポイント練習は 2 回だけ。週末の長距離走もできていない。月間走行距離は 107km 。

9 月はジョグしかしてない。走る間隔が開くと、数日ぶりに走るタイミングでポイント練習をやる気分にならない。 5km くらいでもいいから走った方が翌日の練習に繋がりやすい。本当は 9 月に月間 300km 達成して 10 月にテーパリングして 11 月本番を迎えたかったが、月間走行距離は 123km にとどまる。

10 月は出張があったり、仕事が忙しかったりで走れていない。後半に焦って LT 走をしたり 30km 走をしたりしている。月間走行距離は 130km 。
今回は時計を Garmin に変えた。いまにして思うと Apple Watch はファンランナーの時計で、ちゃんと走る人は四角い時計ではなく丸い時計( Garmin 、 COROS 、 Sunnto など)を使っている。ランニングに特化した時計はよくできている。ボディバッテリーやトレーニングレディネス(トレーニング内容だけではなく睡眠時間も加味)はとても参考になった。
レース中は PacePro 戦略を使おうかと思ったが、 Garmin Connect に福岡マラソンのコースの GPX を上げると距離が 43.4km くらいになりつつ、なぜかゴール前に 100m くらいの上り坂が存在するようになってしまい、 3:45 を目標にするとペースが 5'10" くらいになってしまった。これでは参考にならないので手動でワークアウトを設定して走った。
去年は Teton Bros. の Elv1000 Non Sleeve で走ったが、 2023 年モデルは吸水しないのに 2024 年モデルは水を吸ってあまりよい印象がなかったのでメリノウールの Axio Lite に変えてみた。雨が降ったり暑かったりしたが去年より快適だったと思う。
初めてタイツに手を出してみた。去年はストライダー・プロ・ショーツで走って汗だくになり、短パンの裾が太ももに張り付いて若干気持ち悪かった。今年はタイツにしたおかげで張り付きはなかったし、擦れもなかった(テングバームは塗った)。太もも脇のポケットが大きいので雨が上がった後もポンチョを捨てずゴールまで持って行けたのは安心感があってよかった(また雨が降るかもしれなかったので)
トレランのレースでも使ってる。服に安全ピンで穴を開けたくないので。トレランのときは服の脱ぎ着が頻繁に発生するのでそういうときも便利。腰の上の方で止めればマラソンでも邪魔にはならない。
寒い時期は時計で心拍数を計測できなくなる(毛細血管が縮こまってデータを取れなくなる)問題に対処するために導入した。 Garmin や Apple Watch でも使える。おそらく心拍センサーの方で心拍数を取れていたと思うが、どっちの心拍データを使っているかが後からはわからないのでちゃんと取れていたのか不安。
初マラソンは ALTRA Escalante 3 、2 回目から 4 回目までは ASICS Magic Speed 2 、 5 回目はミスって XERO SHOES HFS で走った。今回も Magic Speed 2 でもよかったが、 Magic Speed 2 は少し幅が狭く靴擦れが起きるので Amazon のセールで安くなっていた Magic Speed 4 のワイドモデルを買って使ってみた。普段は 27cm を履くがワイドモデルなので 0.5cm 小さくして 26.5cm にした。全く問題がなくいい感じだった。
3 年連続ダックビル。今年かぶっていたやつは熊本城マラソン前に熊本の Stride Lab で買ったやつ。柄は気に入っているがつばのかたちがおかしくて(他のダックビルに比べてでかすぎる)汗をかくとつばがだらんと垂れてしまうのが難点だが、つばがでかいおかげで雨が顔にダイレクトに当たるのを防いでくれた。
トレランのときしか使わない Drymax の中厚手靴下をはいた。雨降りが予想されていたので足がふにゃふにゃにふやけることが懸念されたため。テングバームをすり込んでいたおかげもあるが、まめ・靴擦れは一切発生せずノートラブルだった。
乳首とかかとにはった。 Magic Speed 4 で 30km 走をしたときにアキレス腱のあたりがわずかに擦れたため。今年は V テープは使わなかった。
股、玉袋、脇の下に塗った。右側の脇の下は汗で流れたのかゴール後に痛みを感じた。もっと厚塗りすればよかった。
課題はあったが自己ベストを更新できた。家から近い福岡マラソンはやっぱり走りやすい。熊本城マラソンで 3 時間 45 分切り、来年サブ 3.5 に迫るところくらいまで行きたいなぁ。1

検証用に会社の予算で Garmin の Fenix 7 Pro を買ってもらって 3 ヶ月ほど使ってみた。かなり気に入ったので個人で Garmin の Epix Pro を買い、 Apple Watch から乗り換えることにした。
これまで自分は、走ってる時間よりも日常を過ごす時間の方が長いから、日常生活で便利な Apple Watch を使うのがいいと思ってきた。しかしハードウェア的な設計の良さとランニング支援機能で Garmin の便利さが身にしみてわかり、 Apple Watch から Garmin へとスイッチするに至ってしまった。
自分はランニングをはじめて以来、 Apple Watch をずっと使ってきて、 Ultra も買ったが、普段のランニングで使うには重すぎて定着しなかった(ノーマルの Apple Watch だとバッテリーが持たない長いトレランのレースでは重宝した)。
日常をともにする時計としては Apple Watch が便利なのだが( Apple Pay 、 Siri 、 Mac の認証・ロック解除、プッシュ通知の受け取り)、トレーニングについてのサポート機能が不足していると感じて COROS の Pace 3 も買ってみた。
COROS はトレーニングの指南をしてくれるのは便利だと思ったが、 Apple Watch を置き換えるほどでもないなと思った。なにより COROS Pace 3 は軽いのはいいのだがプラスチッキーで質感があまりよくなく、バックライトの点灯やバイブレーションといったハードウェア部分の作り込みが甘いと感じた。
バッテリーは Apple Watch よりかは断然持つが、ナビゲーションをオンにして使っていると 24 時間くらいしかバッテリーが持たず、 100 マイルのトレランレースで使うのは厳しい。自分は 112km の ASO VOLCANO TRAIL に COROS Pace 3 を着けて出走したが、 25 時間かかったのでバッテリーがギリギリになり、最後の 20km くらいはナビゲーションをオフにして走った。
Garmin Fenix 7 Pro を使ってみたところ、 Ultra を含む Apple Watch や COROS Pace 3 に対して感じていたソフトウェア・ハードウェア的な不満が解消されてとっても気に入ってしまった。
スマートフォン用アプリのビジュアルデザインは COROS の方が優れているのだが、健康管理とかトレーニング指南的な機能は Garmin Connect の方が優れていると感じる。 Apple Watch の場合、 Apple のヘルスケア・フィットネスアプリは iOS 26 になって以前よりかはマシになったとは言え、踏み込んだアドバイスをしない。
一方で Garmin Connect では Body Battery や Training Readiness なる指標があって、トレーニング状態と睡眠時間、 HRV (心拍変動)からその日の体調を推測し、最適なトレーニングメニューまで提案してくれる。
ハードウェアもよくて、 Fenix 7 Pro はチタンベゼルでガラスはサファイアガラスなのでめっちゃ頑丈。全然傷が入ったりしない。
バッテリー時間もメチャ長い。結構ランニングするタイプの人でも一週間に一回充電すれば十分。 3 ~ 4 日程度の出張なら充電のことを気にする必要がない( Apple Watch は充電器を忘れないように気をつけないといけない)。
COROS Pace 3 はバックライトの点灯やバイブレーションが野暮ったいとは先ほど書いた通りだ。これらは Apple Watch が最も洗練されているが、 Garmin は COROS と Apple Watch の中間といった感じ。 Apple Watch ほどよくはないが、うんざりするほどでもない。
重さは気になるかなと思ったが、シリコンベルトと本体の重量配分がちょうどいいのか、走っていて重たいと感じたことはない( Fenix 7 Pro は 73g )。
そして Garmin Fenix 7 Pro で最もよいと思っているのが LED フラッシュライトで、夜に帰宅して玄関周りの暗がりを照らすときや、夜中に目が覚めてトイレに行くときにも便利。山に行ったときに下山が遅くなってヘッドライト付けたらまさかの充電忘れで点灯せず、暗闇のなかを Fenix のフラッシュライトを頼りに下山したことが一回あった。
フラッシュライトが付いてるだけでも素晴らしいが、仮に Apple Watch にフラッシュライトが付いてたとしても、 10 時間近い山行で使った後であればおそらくバッテリー切れ寸前で、フラッシュライトに使える電力は残っていないだろう。 Garmin Fenix 7 Pro なら 10 時間使ってもバッテリー残量はまだ 50% 以上あって、余裕でフラッシュライトを使うことができた。
こういう経験があって、山に入るときは Garmin は非常に頼りになるというか、「もはや欠かせない存在」と思うようになった。
Apple Watch で便利なのが音楽や Podcast のコントロールだ。走りながら聞いてる Podcast を 10 秒戻したいことが多々あるが、そういうときに Apple Watch は 1 スワイプと 1 タップで操作ができて便利だった。 Garmin だとチャプタースキップしかできないし、音楽コントロールは DOWN ボタンの長押しが必要で面倒。
しかし音楽や Podcast を聞いている時間は走っているときよりも電車に乗っているときや歩いているときが圧倒的で、そのときは iPhone をポケットから出して操作すればいい。
自分は電子マネーは iD 派だが、 Garmin は Suica しか使えないので不便になると危惧していたが、 iD を使うのはコンビニくらいだし、iPhone の Apple Pay で iD は使えるので問題なかった。
唯一不満があるとすれば「 Hey Siri 」と時計に向かって言っても反応がないことだ。 Apple Watch は料理するときにキッチンタイマーとしてフル活用していた。手が塞がっている状態でタイマーをセットできるのはとても便利だ。 Garmin の場合は手で時計を操作するか、 iPhone 側の Siri を使うしかない。
iPhone 、 Mac との連携や Apple Pay が使える点などはやっぱり Apple Watch の方が便利だ。でも山やランニングで使う場合は Garmin の方が便利だ。ハードウェアとソフトウェアを同じメーカーが作ってる強みを感じる。 Apple Watch はサードパーティーがアプリを提供できるが、ランニング支援や健康管理は本体のハードウェアや OS の設計に依存する部分があるため、 Garmin ほどにはアウトドアアクティビティに特化したアプリが作りづらく、 Apple Watch は Garmin を置き換えられる存在にはならないだろう。皮肉にも Mac や iPhone 、 iPad の使い心地の良さと同じ構造がアウトドアウォッチでも働いている。
Garmin は Fenix 8 が出てめっちゃ値段が上がった。検証用に買った Fenix 7 Pro は在庫一掃の売り切りセールで 78000 円くらいで買えた。 Epix Pro も現行の Gen 2 は 2023 年に発売されたのでもうそろそろ新モデルが出るかもしれないが、おそらく価格がガッと上がると思われる。一方で Fenix 8 と同じ進化だとすると音声コントロール機能がつくくらいだろうと思われ、ぶっちゃ音声コントロールとかは Apple Watch の方がよくできてるはずなので大して期待できない。現行の Epix Pro を安く買うのがおすすめ。 Amazon アウトレットで 7 万円台で出てることもある(自分もそれで買った)。
写真で毎月ふりかえろうと思ってたのに全然できてなかった。

5月の10日から11日にかけて行われた ASO VOLCANO TRAIL 2025 に出場した。初めて出たトレランのレースが今は開催されていない阿蘇草原マラニックで、そのとき第一回大会のことが紹介されていて ASO VOLCANO TRAIL の存在を知った。初めてのレースでマラソンも走ったことがなかった当時の自分からすると、阿蘇の外輪山を夜通し走るなんですクレイジー過ぎるし、自分がそんな超人みたいなことにチャレンジする日がやってくるとは思わなかった。しかしそれから 2 年で出場して完走してしまった。
レースでは曇り、晴れ、暴風、霧といろんな風景の阿蘇を見られた。夜の外輪山を自分の足で移動したのは貴重な体験だった。何世代か前の先祖にもきっと牧草を刈り取りに来て草泊まり(草で作ったテント)に泊まり、同じ光景を見ていた人がいただろう。生まれ故郷の知らない姿を見た気がした。
ずっと一人で走ってたけど途中から以前一緒に今宿の山を走った方たちの仲間に入れてもらい A6まで一緒に走らせてもらった。ずっと一人だったら坂梨から実家に帰ってたかもしれない。おかげでレース中の写真も撮ってもらうことができた。
ゴール直後こそダメージがあったが、翌々日には大腿四頭筋は筋肉痛なし、ふくらはぎはちょっと痛い。足の裏はマメ三箇所。爪は一本も死んでなさげ。三日後からは普通にジョグしてる。112km走って5000m登ってもほぼダメージがないとは自分でもびっくりしてる。人間は鍛えれば強くなるということだ。
何年か前の平尾台ではトレランザックではなくショルダーバッグを持って走ってる人に抜かれて悔しかったが、今回はトレランザックが小さくて荷物が入りきらなかったのか、トレランザックの上から普通のバックパックを重ねて背負いつつ、手にはハンドライトではなく普通の懐中電灯(単一電池が 4 本いるやつ)を持って走ってる人に抜かれて悔しかった。次のレースでは変な装備で走ってる人に負けたくない。








後方スタート。渡渉やドロドロポイントで渋滞の影響をもろに受ける。体力的には全然平気。
A1 ではソフトクリームとバウムクーヘンとランチパックとだご汁とミニトマトを食べた。
初めて出たトレランレースの阿蘇草原マラニックとほぼ同じコース。このコースめっちゃいい。阿蘇草原マラニック復活してほしい。阿蘇草原マラニックでは大観峰は通らなかったが今回は通れた。大観峰ではアグリーズの方がコーラを振る舞っていて、ありがたく一杯頂戴した。急登を登り切ったあとのコーラはとてもうまかった。
天気は曇りで山の全容は見えなかったが、右手に阿蘇、左手にくじゅうを見られて贅沢な景色だった(ガスってたけどそれでも絶景)。
A2 の国造神社では少し疲労を感じる。あとで合流させてもらう猫丸さんとアベタマさんと話す。

引き続き良い景色。飛ばしてるつもりはなかったが、振り返るとペースが速い。総じて前半はもう少し抑えて後半に体力をとっておくべきだった。
A3 までの途中で猫丸さんとアベタマさんに追いつき、ここから仲間に加えてもらう。このペースで行くと 20 時間でゴールとできるはずと教えてもらいビックリする。ただやはり実際はそんなに甘くなかった。
A3 は唐揚げが売り切れで食べられなかった。ポッドキャスト 7trails ラジオ練で聞いたエイドでの過ごし方の鉄則に倣い、何か食べたり飲んだりする前にゴミ捨て、水の補充、荷物の整理をやった。そうこうするうちに唐揚げはなくなっていた。代わりに高菜漬けと沢庵と切り干し大根を食べたが、阿蘇らしいあまからい味付けでとても美味しかった。味噌汁も出がけに飲んだが子どもの頃お寺の集まりで飲んだ味噌汁を思い出した。

坂梨から外輪山に登る。トレイル女学院と一部コースが被ってるらしい。根子岳がだんだん迫ってきて迫力満点だったが爆風で何度も体を持っていかれそうになった。根子岳と外輪山が接続してるところから森の中に入り上色見へ。トレイル区間の記憶があまりない。
A4 ではドロップバッグを受け取り着替えて靴を TIMP 5 から OLYMPUS 4 へ履き替えた。 OLYMPUS 4 はサイズがデカいのでレースでは履くまいと思っていたが、 50km 以上走って足がむくんでおりちょうど良かった。靴下を履き替えるとだいぶ気持ちよさが違う。ちなみに渡渉やドロドロゾーンで足の裏がふやけていて皮が剥けそうになっていた。本当なら靴下を履き替える前にテングバームを塗るべきなのだが忘れてしまっていた。
A4 はカレーがうまかった。一人一皿までらしいのに後ろの椅子に座ってる女性はお代わりして食べてた。ずるい。

A4 に入るまでは薄明るかったが A4 を出たときは真っ暗。気温も下がっていて寒さを感じた。 A4 を出てから標高を上げるまでずっとロード。根子岳がパカーンと見える月廻り公園を通ったのに夜なので何も見えなかった。
A4 から A5 までは距離は最短で 10km しかないが、はちゃめちゃに長く感じた。標高を上げると風もやばかった。この区間は雨が降ってなくて本当によかった。土の滑りやすい斜面を何度か下ったが、雨降りだったら悲惨なことになっていた。
A5 の高森峠エイドは通常のトレランレースであるようなエイドでテントが貼ってある屋外エイドだった。東屋の側面にブルーシートが貼ってあり椅子に座って寝てる人たちもいて、野戦病院の様相を呈していた。ここではほとんど休まず補給を済ませるとさっと出た。
ロードと林道の道で標高を上げ、清水峠から激下り。一昨年の南阿蘇カルデラトレイルで登ったところを下った。トレランでは立ったまま下る人が多いけど、手をついて三点支持で降りたらこけなかった。三点支持以外でも、ロープのある場所は一人ずつ行く、ロープは股に挟むようにして持つ、というようの登山の基本的な知識をランニングしかやってない人は知らないことが多い。トレランマンや普段はロードしか走らない人も最低限の登山の知識は身につけておいた方が良いと思う。
A6 で一緒に走ってもらってた猫丸さんとアベタマさんと別れた。マメが痛かったのと膝の痛みが出てきており、下りのスピードについていくのが難しそうだったため。膝は横側が痛くてこれまで経験したことのない嫌な感じの痛さだった。
猫丸さんたちが出発したあと、靴を緩めてしばらくぼっーとしてた。マメは A4 でテングバームを塗り直しておかなかったのが悔やまれた。
猫丸さんたちから 20 分くらい遅れで A6 を出た。駒返峠の取り付きまでずーっとロード。傾斜が緩い区間はジョグ、きついところはパワーウォークで進んだ。南阿蘇カルデラトレイルではここは下りなので一瞬で終わったけど、登るとかなり長い。みんなも疲れてるようで、駒返峠を登り切るまでに何人か抜いた。
しかし峠を登り切って日が出てきたくらいから急に眠気が襲ってきて体が動かなくなった。脊振山系全山縦走のときに経験したやつだ。 5 時とか 6 時くらいが一番眠い。さっき抜いた人たちにあっという間に抜き返され、さらに後方の人にも抜かれた。
しばし停滞したので体が冷えて寒い。夜が明けたら霧が出てきて気温が急激に下がってきた。体を動かして心拍数を上げなければならないが眠くてどうにもならない。カフェインで目を覚ましたいのにメダリストのカフェインジェルは 21 時ごろと 3 時ごろに摂っており残弾がなく、カフェイン入りは普通のマグオンのジェルしかない。このフラフラ状態では滑落しかねないと思い、マグオンを食べると、信じられないくらいフラフラだったのが目が冴えてきて動けるようになった。登りで頑張りすぎて低血糖気味になっていたのかもしれない。 ANDO_ は適宜摂っていたが、これは比較的ゆっくり血糖値を上げるので、低血糖気味のときにはジェルやラムネのようなものの方が良さそうだ。いつ自分が低血糖なのか知りたい。血を取らずに血糖値がわかるテクノロジー開発されてほしい。
南外輪山の最も雰囲気の良い区間をフラフラで歩いたのはもったいなかったが、大矢岳のあたりで復活してからぐんぐん下って、ロードに出てからもキロ 8 分くらいで走り続けた。方々にダメージは来てたが走れないほどではなかった。南阿蘇カルデラトレイルのときは地蔵峠までの登りがとにかくしんどいが、下りで通ると楽ちんだった。
ゴール直前で知ってる人に追いついたので一緒にゴール。タイムは 25 時間 18 分 56 秒だった。大矢岳で復活したことを考えると、猫丸さんたちについていけてたかもしれない。

ゴール後には猫丸さんたちとも会話して、更衣室で着替えて(気がついたら更衣室で小一時間寝てた)、南阿蘇鉄道の中松駅から列車を乗り継いで実家まで帰った。自分はチートで親に車を出してもらってアスペクタから中松駅まで送ってもらったが、歩いて中松駅まで移動している人もいた。 110km 走ったあとに大荷物でお疲れ様です。乗合タクシーとかあればいいのに。
列車の乗り換え待ちで立野駅で食べたビーフピラフがシャバの味がしてうまかった。阿蘇駅に着いたらまだ食べ足りなくて、駅の近くのラーメン屋でラーメンを食べてから帰って昼寝して温泉に行き、夜は 11 時間くらい寝た。
3 月は月間 200km の 8165m アップ、 4 月は月間 231km の 10831m アップだった。自分は普段月間 150km くらいの走行距離なので直前 2 ヶ月は結構頑張った。それでも平日は仕事が忙しく、 1 、 2 回しか走れないことが多かったので週末に土日の片方はロードを長めに、もう片方は山に行くという練習をやってた(米の山通信のボルケーノ攻略回で聞いた内容、いわゆる Back to Back )。
山練は時間がないときは家の近所の今宿四座周回( 8.4km 、 700m アップ)、時間があるときは三瀬峠↔︎脊振山ピストンの練習をやった。 4 月頭には脊振山系全山縦走をやって夜通しトレイルを走る練習もやった。以下に 3 月、 4 月、 5 月の山練を列記。
| 日付 | 内容 | 距離 | 獲得標高 |
|---|---|---|---|
| 3/1 | 三瀬峠↔︎脊振山ピストン | 26km | 2100m |
| 3/9 | 今宿四座周回 | 8.8km | 713m |
| 3/21 | 今宿四座周回 | 9.2km | 689m |
| 3/22 | 三瀬峠↔︎脊振山ピストン | 25.8km | 2073m |
| 3/30 | 今宿四座周回+α(飯盛練) | 16.5km | 1649m |
| 4/4 | 脊振山系全山縦走 | 79.1km | 5819m |
| 4/20 | 糸島四座縦走 | 18.7km | 1572m |
| 4/27 | 三瀬峠↔︎脊振山ピストン | 26.5km | 1998m |
| 5/4 | 今宿四座周回 | 8.6km | 674m |
↑に加えてトレイルに入らずできる林道練や、家の近所の低山でのトレイルインターバルなんかもやった。
三瀬峠↔︎脊振山ピストンはだいぶ鍛えられた。その後やった糸島四座縦走が楽に感じられるくらい。 3 回目の三瀬峠↔︎脊振山ピストンのあとはまだ体力に余力を感じられた。きつい練習は一回一回自分が強くなっていくのがわかるので面白い。
今宿四座周回は 2 年前の自分にはチャレンジングな内容だったが、いまはお手軽なジョグという感じになってきた。時間がない日に手早く山に入りたいときに便利。ただし、飯盛神社と高祖神社に寄る飯盛練は斜度 10% でかなりきつい。
極めつけは脊振山系全山縦走。このコースは YAMAP では 72km と表示されるが COROS での計測ではほぼ 80km だった。自分のトレランの最長記録は昨夏のキリエビロング 65km だったので最長記録を更新した。
前半と後半で上半身とシューズを変えた。ノースリーブを忘れて、レース後の着換え用に持ってきていたティートンブロスのアクシオライト T シャツを着て走ったが、寒かったのでちょうど良かった。スリーブレスを着るには寒すぎた。

たくさん持って行ったがかなり余った。ジェルを少なめにして ANDO_ とカロリーメイトを多めに持った。走りながらは食べづらいけど自分はカロリーメイトの味が好きだ。あとはアミノバイタルの青をエイドに寄る度に摂るようにしていた。キリエビに出たとき、いかに後半の筋疲労を抑えるかが長いレースでは大事だと思っていたので。加えて A3 と A6 ではアミノバイタルゴールドも飲んだ。
あと昨年のキリエビ同様、 Pow Bar で復活したのが一回あった。中身に薬剤でも入っているのかなと確認したがオールオーガニックで変なものは入ってなさげ。自分は咀嚼する系の補給食が向いているみたいだ。今回、謎の右顎痛があって顎を動かして食べるのがきつかったのが悔やまれる(レースが終わったら嘘のように顎の痛みはなくなった)。眠気で死んでた区間も Pow Bar 食べればよかったかも。
今回、初めてカツサプを使ってみた。よく言われる無限の持久力のような感覚はなかったが、確かに登りで足がパンパンにはならないような? 一袋 1300 円で一回のレースでどのくらい使えばよいのか分からない。今回はスタート前に一袋 8 錠飲んで、 A3 からエイドに寄る度に 2 錠ずつ飲んでみた。錠剤が結構でかいのでソフトフラスクの水で飲むのはきつかった。
実はレース直前の 5/4 に最後の刺激入れ兼夜のランニングの練習で近所の周回コースを走りに行ったときに、斜面で派手に転倒してしまった。首から地面に落ちて首を痛めてしまい、ムチウチのようになっていた。病院で診てもらって異常はなさそうなので出場したが、下や横を向くと首が痛んだので走っている最中に痛みが出ないか心配だった。首を痛めてからレースまでは痛みがありジョグもできなかったので、ギリギリレース当日に回復して無事走ることができた。
5/4に転倒したときに右足首を岩にぶつけて怪我をしていた。単なる擦り傷かと思っていたがなかなか良くならず、レース当日もまだ傷口から膿が出ていた。あとになってよくよく傷口を見てみると肉が削られていたようだ。いまだに少し腫れている。この状態で渡渉したり、ドロドロの水たまりゾーンに足首上まで浸かって走ったと思うとゾッとする。化膿したり破傷風になったりしなかったのは幸運だった。
米の山通信のボルケーノ攻略回を聞いて、靴下は耐久性が高そうなものが良いだろうと思った。五本指ソックスであればマメを予防できるが、五本指ソックスは薄手のものが多いから破れるだろうと想像した。 Danish Endurance というメーカーのメリノウールソックスを最近気に入って履いていて、普通の靴下としては高いが、登山やトレラン用の靴下としては安い(一足 1200 円くらい)し、これで全山縦走してノートラブルだったのでこいつを使うことにした。
しかしテングバームの塗り込みが甘かったのか、靴下がよれていたのか、 A4 で靴と靴下を変えたときに見てみると右足小指に巨大な血豆が出来ていたし、テングバームを塗っていなかった中足部あたりはふやけてしまっていた。このふやけが原因で強烈な靴擦れから皮むけにつながるので危なかった。靴下と靴を履き替えたことで靴擦れは免れたが、マメは最後まで痛んだ。雨上がりや渡渉が見込まれるレースでは思考停止でドライマックスの靴下を選ぶべきかもしれない。
100km 越えのウルトラトレイルレース、なんとかなるもんだった。それでも順位は後ろの方なので全然自慢できるようなものではないが、自分は長い時間をダラダラ走り続けることはできるみたいだった。
またすぐやりたいかと言われると微妙だし、100マイルのレースにすぐチャレンジできるとも思わないが、年に一回くらいはこういう過酷なレースに出てみるのもいいなぁと思う。