| @音楽

12月27日、Kenny Dopeが熊本でDJやったので聞いてきました。写真とかは撮っちゃダメだって張り紙してあったので撮ってない。

Kenny Dopeは7inchのドーナツ盤(Mazel - Midnight ThemeのRemix)を一枚持ってるだけでMasters At Workの曲も全然聞いたことなかったんだけど、ただ外タレの大物だっていうことだけは知ってて、野次馬根性丸出しで出かけてきました。

クラブとかもう5年くらい行ってないしあんま知ってる曲かかんないだろうなーと思ってたけど、低音ズンドコなHip Hopの合間にTighten UpとかAin’t No Moutain High EnoughとかThat’s What Friends Are Forみたいな激烈盛り上がるソウルのクラシックを、オリジナル盤ではないマイナー盤でかけてくれて楽しかったです。時代が変わっても、場所が変わっても、やっぱり70年代とか80年代の音楽には良いものが多かったってことでしょう。ソウルとか聞かなそうなギャルもAin’t No Moutain High Enoughで大ハッスルしてました。

Kenny Dope御大はブース前の客が手を伸ばしてくるのでうざそうにしてて終始不機嫌ぽかったですが、ここぞという曲のときには巨体を揺らして踊ってました。あとDJは全員MacBook持ち込んでて、TraktorみたいなのでDJやってた。交代するときに大事そうにMacBook持って現れた御大はなかなかかわいかったです。

実家に帰ってきてからクラブ行ったの初めてだったのですが、車で来てるので酒は飲めないし爆音で難聴は悪化したっぽいし帰りの運転は死ぬほど眠くてふらふら運転だったし、しばらくクラブは良いかなって思いました。とはいえたまには良いもんですね。おしゃれな人のファッションを眺めたり踊ってる女の子を眺めたりと楽しかったです。

| @音楽

年末にギターパンダという人(バンド?)が阿蘇にやってきたのでたまたまライブを拝見。超かっこよくてファンになってしまいました。バルーンフェスティバルというイベントのステージだったのですが、一日目はひとりギターパンダで、一人でエレクトリックギターによる引き語り。

ギターパンダ

二日目はバンド編成で、熊本県民ならみんな知っている(けどいろいろあっていまはテレビで姿を見ることができない)うんばば中尾氏がドラムをたたいてました。

ギターパンダ

YouTubeに『うたをうたおう』という名曲のライブ演奏がアップされてるので、Twitterユーザーの方は「大好きなwyinoueさんが歌っている!」と思い込んでごらんになってください。

こちらこそイェーイ!

| @映画/ドラマ/テレビ

空気人形

評価 : ★★★★★

主人公の空気人形(ペ・ドゥナ)は、板尾創路が演じるしがない中年男秀雄に飼われている。ぼろアパートで人間の女の代替品として秀雄に抱かれるだけの日々。しかしある日心を持ってしまい、外の世界の美しさを知る。街を散歩していてたまたま入ったレンタルビデオ店の店員純一(ARATA)に恋をしてしまうが、そのせいで傷ついたり悩んだりするようになる。

いわゆるダッチワイフが感情を持ってしまうという話。こういうオシャレで荒唐無稽な映画はミシェル・ゴンドリーの『恋愛睡眠のすすめ』を見て以来敬遠してたのだけど、予想に反してすごく気に入ってしまった。久々に「もう一度見たい!」と思える映画だった。台湾のカメラマンを起用した東京の映像も美しい。錆びたぼろアパートの金属の描き方とか。

パリ、ジュテームっぽいオムニバス映画っぽさも

ところどころで摂食障害の女や年増の受付嬢、孤独な老人、変態浪人生(フィギュアのスカートの中をビデオカメラ越しに覗きながらマスターベーションする)、父子家庭の親子、認知症の気がある未亡人、おかしな警察官(寺島進が演じてる。警官のくせにレンタルビデオ店で「ものすごい悪い警察官が出てくる映画」を見たがる。笑った)などとペ・ドゥナがすれ違う。この辺はまるで『パリ、ジュテーム』を見てるみたいだった。東京に住む人々の孤独を人形越しに表現している感じ。しかし映画にストーリーらしいストーリーがあるわけではない。人形であるペ・ドゥナがふわふわと東京の街を散策するだけ。

ファンタジックだけど面白い

僕は映画を見るときにはかなりリアリティーにこだわるので、例えばドイツを舞台にした映画なのに登場人物が全員英語をしゃべる映画とかは興ざめで全く見る気にならない。ワルキューレとか縞模様のパジャマの少年とか。どんだけテーマが面白そうだったり感動的なストーリーでも、全然受け付けない。だからこの手のリアリティーを完全無視したファンタジックな映画は苦手だし、面白くつくるのはとても難しいと思うんだけど、僕のようなリアリティー重視派の人間でも納得させられる出来だと思った。ペ・ドゥナと人形の容姿はまったく似てないのに、空気人形と心を持った人間の女を行ったり来たりするシーンに違和感がない。ペ・ドゥナのお腹に空気を入れるための弁があるところとか、顔はペ・ドゥナのままなのに体だけ空気がしぼんでいく様とか、映画自体に圧倒的な雰囲気がなければ興ざめも興ざめ、非常に寒々しい映像になるに違いないのに、全然違和感がなかった。

唯一注文をつけるとしたら最後のCG。あれはさすがにないと思ったけど、それでも僕はこの映画は高く評価する。都会で孤独な生活を送る人間のエゴがよく表現されてる。人間のエゴで人形は傷つくのだけど、人形の無邪気さが今度は最愛の人を傷つけるのだった。いい映画でした。

追記

ポスターのペ・ドゥナは全然かわいく見えないし、好きなタイプの容姿でもないんだけど、映画のなかの動いてるペ・ドゥナはとてもかわいかったです。

あとARATAって僕が高校生の頃はSmartとかメンノンに激烈オシャレモデルとして登場してた気がするんだけど、風采の上がらないビデオ屋の店員を好演してました。というか映画見終わって家で映画の公式サイト開くまでARATAが出てたって気づかなかった。

| @Mac/iPhone

Cha-ChingはMacHeist Bundle 2で手に入れたソフトで、お小遣い管理アプリです。最初はなかなか良いかもと思ってたんだけど日本語の入力に難があって使うのが面倒になり、しばらく放置してました。しかし働きだして給料もらうようになったことだし、真剣に金銭の出納管理を行ってみようと、iPhoneアプリのCha-Ching for iPhoneもダウンロードして使い始めてみました。

現在の最新のバージョンCha-Ching 2 B104では、これまで金銭の出入りの度にアイテムの名前を入力する方式から、Payee(支払い先)の名前を記入する方式に変わってました。例えばCha-Ching 1の頃は缶コーヒーを買ったら「缶コーヒー」とアイテム名を記入してたんだけど、それが変わって代金の支払い先を記入するタイプに変わった。コンビニで缶コーヒー買ったんだったら「コンビニ」と記入する感じ。

Cha-Ching2

同時に日本語の入力の問題も解決されてて、常用できる程度には進歩しております。(ただし個人的にはタグを入力すると不具合が発生するのを確認してます)

705NKを使ってたときもお小遣い管理アプリは入れてたんですけど(Handy Expenseというやつ)、入力が面倒だったしMacと同期できなかったので携帯側に一方的に情報が蓄積されていく感じでした。Cha-Ching for iPhoneは入力のステップが簡略されていて、PayeeはあらかじめMac上のCha-Chingで入力してDBに存在するものをインクリメンタルサーチしてサジェストしてくれる感じなので、結構スピーディーに入力できます。コンビニで買い物して車に乗り込むまでの間にメモ完了みたいな。

二ヶ月くらい使ってみたんですけど、自分が何にどれだけお金を使っているのかを視覚的に把握できるし、クレジットカードの引き落とし額も正確に把握できるので(クレジットカードで買い物したらクレジットカードのアカウントに費目を計上する感じ)、カードの使いすぎを抑制できます。

このアカウントという概念が最初なかなか理解できなかったんだけど、多分簿記の勉強したことある人だったら馴染みやすいんじゃないかと思います。口座やクレジットカードごとにアカウントを作り、そこからお金を出し入れしたりするわけです。支出だけじゃなく、Cha-Ching上に財布と預金残高の変動履歴をそっくりそのままコピーする。例えば給与受け取りのA銀行の口座から引き落とし用のB銀行の口座にお金を移動したらそれをそのままCha-Chin上に反映させる感じです。

Cha-Ching 2

Cha-Ching 2

僕はわりにものぐさな方で、こういう細かな金の管理は苦手なんですけど、Cha-Chingではわりと楽しくお金の管理できてます。

僕もまだすべての機能を理解してるわけじゃないんだけど、Cha-Ching 2とCha-Ching for iPhoneのコンビ、お手軽にお金の管理ができてオススメです。

| @映画/ドラマ/テレビ

扉をたたく人

評価 : ★★★☆☆

主人公はコネチカットに住んでるウォルター・ヴェイルという大学教授。学生のレポートの提出が少し遅れただけで受け取らないくせに、自分は講義要項を期日までに提出できないダメオヤジ。シラバスは去年のものを使い回し、20年も同じ授業を続ける。だが論文共著者の代理でどうしても学会に出席せねばならなくなり、ニューヨークへと赴く。ニューヨークのアパートに着くとそこには招かれざる客が。

白人の知識階級とアフリカからの移民の交流を描いた映画。保守的だった主人公がシリアからの移民タレクと交流するうちに心を開き、変化していく様子を描いたもの。どっかのレビューで『グラン・トリノ』に匹敵するいまのアメリカを描いた映画、みたいなのを読んだ覚えがあるんだけど、正直そこまでの映画ではないと思った。でも悪い映画ではなかった。 ウォルターはアメリカ人っつーよりもどっちかっつったら日本のダメ公務員みたいな感じで描かれてる。ろくに仕事はしないのに高い給料もらって豪邸に住み、ニューヨークにもアパートを持ってる。毎日夕方早くに帰ってきてワイン飲みながら一人で夕飯を作る。妻には先立たれており寂しい男やもめ生活。最初はなんか見ててイラリきた。 しかしタレクとその母親モーラと出会ったことでウォルターは代わり始める。二人のために必死に尽くそうとするウォルター。有り余る時間と金を二人のために使う。ここで僕は、「男はやっぱり金だなー」と思った。もちろん金がすべてじゃないことは分かってる。でも金で救える心や気持ちっていうのは確実に存在する。映画は必ずしもハッピーエンドを迎えるわけではないんだけど、ウォルターは自分にできることを必死にやり遂げ、モーラとタレクの力になる。もしウォルターが貧乏だったら不法移民の彼らにしてあげられることなんて何もなかっただろう。 若い頃の心を持ったまま金持ちになりたい、と思った。

| @映画/ドラマ/テレビ

アンヴィル!夢を諦めきれない男たち

評価 : ★★★★☆

ヘヴィーメタル隆盛前夜に多くのメタルバンドに影響を与えたカナダのヘビメタバンドアンヴィル。1984年には来日してボン・ジョヴィとツアーを行ったりしたのに、大ブレイクすることなく落ちぶれてしまった。30年を経てもロックスターへの夢を諦めずバンド活動にいそしむアンヴィルのメンバーに密着したドキュメンタリー。

これは良かった。メタル好きじゃなくても楽しめる映画。アンヴィルがどういうバンドなのかという予備知識はなかったんだけど、最後の方はこみ上げてくるものがあった。アンヴィルの中心メンバーはボーカル・ギターのリップスとドラムのロブ。この二人が結成時からのメンバーっぽい。リップスはケータリングの仕事を、ロブは建築現場の内装の仕事をしながらバンド活動を続けている。

片言の英語しか話せないマネージャーにだまされるというかそそのかされる形でメンバーはヨーロッパツアーに出るものの、プロモーションが不十分だったりマネジメントがダメダメなせいで全然ライブに人が集まらず、時間通りに移動できずライブに遅刻したためギャラがもらえなかったりとか、多くのメタルミュージシャンに影響を与えたバンドとは思えないような扱いを受ける。ヨーロッパツアーでレコードレーベルの目にとまり新しいアルバムのレコーディングに入ることを目標としていたアンヴィルだが、結局ツアーでは一文も稼げず途方に暮れる。この辺のみじめさの描き方がうまい。むかし競演したことのあるミュージシャンに駆け寄って挨拶するシーンとか、有名アーティストに「See you later」と適当にあしらわれるシーンとか。

ツアーやレコーディングの最中にリップスとロブが衝突するんだけど、これがまるで若いカップルの痴話げんかみたいだった。でもあつい。リップスは底抜けに人なつこいというか、わがままなんだけどほっとけないやんちゃ坊主みたいな性格で、それにロブが合わせてる感じ。この二人の人間関係がとても濃密で魅力あふれる。

全般的に『レスラー』をドキュメンタリーにしたような内容だった。でも『レスラー』みたいに恋愛事情が絡んだりはしない。人を愛すること、よく生きること(どういう生き方が自分にとって一番ハッピーなのか)について考えさせられる映画だった。熊本のDenkikanは一週間しか上映しなかったけど、すごくもったいないというかやるせない。もっと多くの人に見て欲しかった。

蛇足だけどラストの日本でのライブシーンは、観客がエキストラっぽく見えてちょっと興ざめしてしまった。アメリカやヨーロッパでライブに来てた観客は結構アダルティーだったのに、日本のライブではティーンエイジャーっぽい連中がたくさん集まってて「そういうのってあり得るの?」という違和感を覚えずにはいられなかった。

| @映画/ドラマ/テレビ

評価 : ★★★★☆

第二次大戦中のナチスドイツ占領下のフランスが舞台。“イングロリアス・バスターズ”と名づけられたユダヤ系アメリカ人による連合国の特殊部隊がフランスに投入される。隊長はブラッド・ピット扮するアドレ・レイン中尉。ドイツ軍を無残にやっつけてヒトラーを悔しがらせる。ある晩、パリの映画館でナチのプロパガンダ映画がプレミア上映されることになり、ナチの高官もろとも劇場を吹っ飛ばす作戦が発令された。果たして作戦はうまくいくのか?

いやこれはすごかった。もうむちゃくちゃ。まずブラピがむちゃくちゃ。普通のナチスものの戦争映画ではアメリカ軍は正義の軍隊なんだけど、全然正義じゃない。「俺はアパッチ(インディアン)の血も引いてるから、殺したナチ野郎どもの頭の皮を剥げ」とか部下に命令する。降伏してるドイツ兵をバットで殴り殺したりとか完全なジュネーブ条約違反。なんつーのかな、単なる二枚目俳優じゃなくてハチャメチャに暴れててすげーいい感じ。喋り方とかバカっぽいんだけどそれが妙にルックスとマッチしてる。『セブン』とか『リバー・ランズ・スルー・イット』とか高校生の頃に見たブラピはカッコつけのいけ好かない野郎だったけど、この映画に出てるブラピは最高にかっこいい!

次に良いのがなんといってもハンス・ランダというSS(ヒトラー親衛隊)の大佐。フランス語、英語、イタリア語を流ちょうに操りユダヤ人狩りを行う。慇懃無礼な感じが最高だ。役を演じたクリストフ・ヴァルツはカンヌ映画祭で男優賞を受賞したそうで、それも納得。このむかつくおっさんが最後までネチネチとブラピや家族を殺された少女ショシャナを苦しめる。ユダヤ人狩りに農家を訪れて牛乳を飲んだり、ホテルのレストランでクリームパイを食べるところのいやらしさもスゲー印象に残った。このおっさんとブラピだけで映画が2000円分くらいの価値を発生させてる。

ドイツ語、英語、フランス語が飛び交うのがすげーかっこよかった。アルドとかはアホなアメリカ人だから英語しかしゃべらないんだけど、ナチスの将校や英軍が送り込んだ兵士、ドイツ人だけど寝返った女優なんかはマルチリンガルな感じでしゃべくりまくる。ワルキューレみたいに全編英語とか興ざめだよね。

そしてスリリングな展開。ドイツ軍に紛れ込んだバスターズをナチスの将校が「アクセントがおかしい」と素性を疑うシーンはハラハラドキドキさせられる。エンターテインメント作品としても完成度高い、高すぎる。素晴らしい!

残念なのは『グッバイ、レーニン!』のダニエル・ブリュールが歳を重ねるにつれてかっこわるくなってきてることかな。『グッバイ、レーニン!』に出てた頃のブリュールは20代前半で、かわいい男の子アレックスのイメージが染みついてるんだよな。というか声がかわいいし、その後いくつか出てる映画を見たけど、『グッバイ、レーニン!』のときが一番良かったな。

ぐだぐだ書いてしまったけど、あまり多くを語るよりこのレビューを読んでもらった方が話が早いかも。2chコピペ風。でもほんとこんな感じ。タランティーノすげーわ、やっぱ。