| @雑談

 吉村哲彦さんのブログのコメント欄で、興味深いやり取りがなされていた(ぷーくまのハチミツと海外旅行が大好き: 本のディスカウントセール)。吉村さんがアメリカは本のディスカウントセールがあるので本が安く買えて良い、日本の再販制度は愚かだ、と投稿している記事に対して、Takaさんという方が反論を述べている。以下、Taka氏の主張の要点を箇条書き。

  • 再販制度のおかげで日本の本は安い。新書や文庫は定価がバーゲンセール状態。
  • 再販制度のおかげで日本は本の種類が豊富。
  • 再販制度がなくなれば、弱肉強食現象がおこり大手出版社の寡占的状況が生まれ、本の多様性が失われて読者利益を損ねる可能性が高い。

 これに対して吉村さんがコメント欄で反論されているが、販売価格を維持せよという制度のおかげで本が安く売られているという主張は珍妙だ。

売れない本を普及価格で売る必要があるのか?

 しかしかくいう僕も、学生の頃、出版社に入りたいなぁと漠然と思っていた頃は再販制度は必要かも知れないと思っていた。というのは例えば岩波文庫を考えると分かりやすいのだが、ハッキリ言って岩波文庫は面白くない。あれを自由価格販売してしまうと、恐らく二束三文にもならず、出版社は販売意欲を失うだろう。きっと岩波文庫はなくなる。そうなると、世界の古典や名著を読むために、学生は順番待ちをして図書館で借りて読むか、多大なる書籍代を積まなければならなくなる。500円、600円でギリシャ・ローマの古典から近現代の名著にまで触れることの出来るいまの状況は、売れる本で得られた利益を売れない本の販売活動に補填する再販制度のおかげだ、と思ったのだ。

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| @雑談

 25日は関東学院 V.S. 法政戦がNHKで放送されていたのだが、不覚にも前もってチェックするのを忘れていた。試合終了間際の15:30頃に急いでテレビをつけたが、最後の両チームが得点を奪い合うクライマックスシーンを辛うじて目にすることができた。両チームの攻防はとても迫力があり、23日の早慶戦と比べ、コンタクトが特に激しいように思えた。早慶戦の慶応のタックルは、関東学院から勝利をもぎ取った法政のタックルに比べれば非常に甘かった。関東−法政戦の方が早慶戦よりも好ゲームであったといわざるを得ないだろう。そこである疑念が浮かんだ。対抗戦とリーグ戦でレベルに差が開きつつあるのではないだろうか?

 大学ラグビーには伝統校が所属する対抗戦と、新興校が所属するリーグ戦がある。日本ラグビーのルーツ校たる慶応はもちろん対抗戦のAグループ(1部)に所属している。早稲田や明治や東大といった戦前からの伝統校も当然対抗戦所属だ。一方でリーグ戦は、ここ数十年で急速に力を増してきた関東学院など、新興校によって構成されている。リーグ戦1部の主な構成校は法政や東海大、大東大、流通経済大などだ。

下克上のリーグ戦、ぬるま湯対抗戦

 あくまで個人的なイメージなのだが、リーグ戦と対抗戦ではリーグ戦の方がレベルが高いのではないかという気がする。というのはリーグ戦は新興校による集団なので、新しい勢力が次々と勃興するからだ。例えば今年リーグ戦1部7位の立正大は、去年入れ替え戦を戦い2部から昇格したチームだ。65年発足のチームで、早大OBの堀越監督が鍛え上げて1部昇格を実現した。関東学院だって、春口監督が弱小チームを30年かけて強豪校に育て上げたのだ。このように常連校でもなくても1部に昇格できるような、下克上的な雰囲気をリーグ戦からは感じる。

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| @映画/ドラマ/テレビ

 スマステ6を見ていたら、木村拓哉が『武士の一分』に出ている関係から、山田洋次の時代劇についてやっていた。山田洋次監督はこれまで藤沢周平原作の『たそがれ清兵衛』、『隠し剣 鬼の爪』を映画化している。山田監督はいままでの時代劇についてリアリティーが足りないと思っていたそうだ。一人が何十人も相手にする殺陣、相手の背後にいるのになかなか斬りかからない雑魚キャラ。殺陣だけでなく、衣装や食事、カツラにいたるまで時代考証を綿密に行い、リアリティーにこだわったのだそうだ。たとえば『たそがれ清兵衛』で真田広之演じる清兵衛は無精髭が生えているのだが、そんな人間が毎日髪の手入れをしているはずがないと、月代(頭を剃っている部分)を伸ばしたカツラを用意するなどしたそうだ。

 僕もテレビで見る時代劇などは嘘が多いと思っていたし、山田洋次監督のリアリティーを追求する姿勢には賛同するのだが、DVDを借りて見た『たそがれ清兵衛』は足りないところもあった。それは性の描写だ。以前もどっかで書いたけど、江戸時代というのは少し調べると遊郭や賤民の存在を避けられないような猥雑な時代だったということがすぐ分かるんだけど、それらをもろに描いた時代劇なんてのはなかなかないと思う。(もちろん存在するのだけど僕が知らないだけかも知れない。そうだとしたらゴメン)

 その点、性も、というか性を中心に江戸時代の人々の生き様を描いた奥田瑛二監督の『るにん』は圧巻だった(portal shit! : るにん ★★★★★)。ちょんまげにしたって、ほとんどの役者が髪を剃って月代をつくっていた。もちろん奥田瑛二本人も。住居から衣装まで、かなり徹底的に当時を再現しようとしたようで、時代考証は申し分なかった。

 ただ、すべての時代劇があからさまに性を扱う必要はないとも思う。だから山田洋次が撮るような、道徳的で美しいかつての日本人を描いた時代劇もあって良いと思う。でもあまり語られることのない、江戸時代の猥雑な部分を表現する映画を奥田瑛二にいくつか作ってもらいたい。緒形直人主演で、老人が児童虐待されている少女を誘拐する映画がカナダだかどこか外国の映画祭で賞を取ったらしいが、次作はまた時代劇を撮って欲しい。時代劇の今後に期待しています。

| @映画/ドラマ/テレビ

 みなさん、最近家族そろって『金曜ロードショー』や『日曜洋画劇場』を見たりしてますか? 僕は結構子供の頃、家族そろってわくわくしながらテレビで映画を見ていた記憶がある。翌週の学校で『ロボコップ』や『ターミネーター』について語ったりなんてしてね。それが最近はめっきりない。そもそも僕は大人になってあまりテレビを見なくなったのだが、これら週末の映画番組の受け止められ方が世間的にも変わってきたのではないかと推察する。

映画を取り巻く時代情勢の変化

 むかしなぜあんなにテレビの映画番組をありがたがって見ていたかと言うに、レンタルビデオが普及していなかったことが考えられる。もちろん、一部の都会にはわんさかレンタルビデオ店があったかも知れない。しかし僕が子供時代を過ごした90年代前半の阿蘇地方はレンタルビデオ店が少なく、品揃えも決して良くなかった。全国的にも似たような状況だったのではないだろうか。また当時のレンタル料金は決して安くはなく、貸出期間も短かった。そもそも我が家がビデオデッキを購入したのが結構遅かった。映画館なんて熊本市の中心部に行かないとなかったし、親に映画を見に連れて行ってもらったのなんて一度くらいしかない。そんなんだから、テレビで放送される映画というのはとても貴重なエンターテインメントだったのだ。

 しかるに今日、TSUTAYAが恐ろしい勢いで各地に出店し、ビデオどころか情報量豊富で扱いやすいDVDが普及している。レンタル料金も非常に安い。映画館で1800円払って映画見るのが馬鹿らしくなるような料金で映画を貸し出している。映画館での鑑賞にしたって、雨後の竹の子のようにぼこぼこと建設される郊外のショッピングセンターにシネコンが併設されており、随分と敷居が低くなった。もう映画を見るために渋滞に巻き込まれながら繁華街まで到達し、空車の駐車場を血眼になって探し、挙げ句の果てに高い駐車料金を払う必要がなくなった。もちろん、ケーブルテレビやネット配信による映画鑑賞も盛んになりつつある。いまという時代はすごく映画にアクセスしやすくなっているのだ。

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| @技術/プログラミング

 とにかくこの画像をご覧下さい。

ページ生成時間

 このブログの一番下に表示されるページ生成時間をキャプチャしたものなんですが、下線部に注目。ひゃくさんじゅうびょうですよ、ひゃくさんじゅうびょう。誰がページが表示されるまで2分も待つかって。ニコラス・ケイジならその間にクルマ二台盗んじゃうよ :-(

原因として考えられること

  • 素人のくせにP_BLOGのソースをいじりすぎ、スマートでないコードのため処理に時間がかかっている。
  • レンタルサーバー(ステップサーバー)側の問題。

 別のサブドメインでWordPressをテスト的に動かしてるんですけど、こちらの表示は音速カイテキなので、どうも素人によるPHPいじりが問題の原因っぽいですね。かといってデフォルト状態に戻すかと言えば、それは物足りなく感じるんですよねぇ :-!

| @散財

 満を持してプラン変更したYahoo! BB 50Mですが(ぐらりと来たぜ、NTTのおばちゃん)、全然ダメ。ちっともダメ。電話番号を入力して変更後の速度を予測するYahoo! BBの判定サイトでは「変更後は驚異的なスピードを得られる可能性が高いです」みたいな表示が出たのに、実際の速度はというと・・・

Yahoo! BB の通信速度

 もうぶち切れですよ :-( 4.75Mbpsていったい。どうせ速度が出ないと文句を言っても「ベストエフォート型サービスですから云々」と交わされるんですよね。やっぱNTT西日本のおばちゃんの言うことを信じるべきだった。いまからでもフレッツADSLに乗り換えようか。統計サイトによると、こちらは阿蘇でも10Mbps以上は出るくさいんですよね。やっぱ官製サービスまんせーですな :-!

| @映画/ドラマ/テレビ

 俳優の今井雅之が舞台などで上演し続けている物語の映画版。コメディアンがタイムスリップするという設定は同じだけど、9·11後の世界情勢を加味して主人公がアメリカ人になり、全編英語。戦時中の日本兵も英語で喋る。これはめちゃくちゃ変。字幕嫌いのアメリカ人にも特攻の悲惨さを伝えるためなのだろうが、当事者たる日本人の共感を得られなくなるのではないだろうか。日本兵の描き方もステレオタイプでバカっぽく、非常に残念であった。

 今井さんの反戦や特攻に対する思いというのは崇高なものだと思うけど、物語が安っぽい。夕方やってる戦隊ものの特撮みたいなんである。世界で唯一現存する零戦を本当に飛ばして撮影してるとこなんかはすごいんだけど、地上に駐機してあるのはどうみても張りぼて。また撮影地の地形も一般的な日本の地形と異なるように感じた。一部のシーンは北海道か北米で撮影したんじゃないだろうか? この映画は現代のアメリカ人が第二次大戦時にタイムスリップするという設定からして超現実的で、物語全体を通して非常に寓話的。こういう映画にリアリティーを求めてはいけないのかも知れないけど、特攻という重いテーマに張りぼてはちょっと・・・、と思ってしまうのだ。

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