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2011年7月の阿蘇

IT企業は都会に多いけど、田舎にもあればいいのに、と思う。というのは帰省していて阿蘇が大変過ごしやすかったから。福岡では僕のようなおっさんが夜寝て朝起きただけで顔や頭がアブラべっちょりになるけど、阿蘇ではそのような悲劇は起こらない。涼しいから。日中も過ごしやすく、エアコンなしで快適に積ん読や2chまとめサイト巡回がはかどる。節電とかバカみたいだった。

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E-19PL was mine

6年前に買ったゴルフ2を手放した。

所有していたゴルフ2はE-19PLという型番で、GTIというラインだった。時の流れと重力と金のなさには抗えず、福岡に引っ越したことや経済面で維持が難しくなって、四度目の車検を前に手放した。査定はゼロ円だったので無料で買い取り業者に引き取ってもらった。

大学を出て実家に帰り、病気が治って一度目の退院をした後にばあちゃんに買ってもらったのがこのゴルフ2だった。その後病気が再発したため、G-CSF注射による骨痛や倦怠感に耐えながらゴルフを運転して通院したり、病気が治ってからは天気が良いとばあちゃんを連れて久住をドライブしたり、就職してからは毎日の通勤のほか九州各地の映画館に映画を見に行ったりと、20代の大半の時間はゴルフと一緒だった。

希少な3ドアのゴルフ2 GTIをあっけなく手放したことは後ろめたくもある。買い取り業者はスクラップにはしないと言っていたけど、こんな感じで手放すくらいなら誰か欲しい人を探して直接譲れば良かったと思う。

最後一年は洗車すら満足にしてあげられなかったが、本当に楽しかった。ありがとう。

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福岡のいいところ

  1. 住職近い
    庶民でも会社まで15分のとこに住める。
  2. 食べ物安い
    3500円飲み放題で吐きそうなくらい食べ物出てくる。九州各地から届く生鮮食品も安い。
  3. 街がせまい
    移動が楽。海沿いに繁華街があるため土地が平ら。自転車で移動できる。
  4. 電車が空いてる
    朝の通勤時間帯も金曜の夜の終電もがらがら。
  5. 自然がある
    離れ島みたいなとこまで船ですぐ遊びに行けるしわりと都会なのに自然が豊富。
  6. 空港が近い
  7. 勉強会たくさんやってる
    ウェブ系のコミュニティが活発。

福岡の悪いところ

  1. ラーメン二郎がない
    インスパイア系しかなくて高い。
  2. 街が狭い
    悪いことすると町中に知れ渡る。
  3. やくざの抗争
    手榴弾怖い。
  4. 飲酒運転
    あぶない。
  5. 恫喝大臣
    コンセンサス得ろよ。
  6. けむい。
    屋台でたばこ吸う客うざい。
  7. 給料安い
    物価が安いので。

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おっさんだけど夢を見てる。うんこしながら情熱プログラマーとか小さなチーム、大きな仕事とかを繰り返し読んでる。技術書も買ってるけど全然読めてない。積ん読してるだけ。なんとか状況を良くしたいと思ってるけど、なかなか状況は良くならない。時間だけが過ぎていく。

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昼に公園で弁当を食べた。弁当箱を広げるとすぐに一羽のカラスがやってきた。追い払おうかとも思ったが、動きがおかしいことに気がついた。よく見ると片方の足が不自由なようだった。右足を引きずるようにして歩いている。普通のカラスならちょっと弁当を分けてやろうなんて全然思わない。むしろ害鳥にえさを与えるなんて忌むべき行為だと思ってる。でもこのカラスは足が不自由で、痩せていて、おまけに今日はとてつもなく寒かった。だから弁当に入っていたフジッリを一つ投げてやった。するとその様子を見て、後から後からカラスがどんどんやってきた。みんながこの弁当を狙っている。もう一度足の不自由なカラスに与えようとパスタを投げたら、体躯の良い力強いカラスが横から飛び込んできて、足の不自由なカラスを突き飛ばすようにして奪って食べた。そこで今度は、エビフライの尻尾の部分をわざと遠い位置に投げて、ほかのカラスがそちらに群がっている隙にパスタを足の不自由なカラスに与えた。カラスがうまそうにパスタを食べているのを眺めながら弁当箱を包み直し、会社に戻った。今夜は冷える。あの足の不自由なカラスはこの冬を越せるのだろうか。

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23才のときに買ったカラマーゾフの兄弟(全4巻)はまだ1巻目の100ページまでしか読んでない。

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福岡に引っ越したので、熊本では参加することが難しいIT系のイベントに行ってみた。ANTENNAというイベントで、公式サイトには「Tech系サービスの発信とネットワーキングイベントです」とある。そのイベントのVol. 1に行ってみた。

Abbyのwagaco、もぐらのmaysee、FusicのZENPREのプレゼンが行われた後は名刺交換会が行われた。社交性皆無だし名刺も持ってないので同行者と駄弁ってひたすら飲み食いしてるだけだったけど(BacklogやCacooのヌーラボの社長さんとはちょっと喋った)、みんな自社のサービスについて楽しそうにプレゼンしててすごくうらやましかった。参加者からマネタイズどうすんのみたいな鋭い質問に対して、ZENPREをやってるFusicの中の人はマネタイズより福岡から面白いツールを作って世界に発信していきたい、ということを言っていた。

『情熱プログラマー』の中にGitHubの共同創設者のTom Preston-Wernerの書いたエッセーが載ってる。GitHubが始まったときのエピソードで、マイクロソフトからの30万ドルのオファーを蹴ってGitHubを始めたときの話だ。また37Signalsのブログ内のBootstrapped, Profitable, & Proudという企画で、GitHubのもう一人の創設者、Chris Wanstrathへのインタビューが掲載されている。

そこでもGitHubを始めたときのきっかけとか、理念が述べられている。ZENPREについて言ってたFusicの人と同じで、お金のことより、Git自体が素晴らしくて、それを広めるためのハブを作ろうとした、マネタイズは後から考えた、と語っている。確かにGitHubはGitのチュートリアルが充実してて、自分も何度もGitHubのチュートリアルを読んでGitの使い方はもちろん、SSH接続のやり方も学んだ。こういうのとてもかっこいい。

GitHubは成功した会社だからそんなきれい事が言えるんだよ、と言われたらそれまで。そんなことは分かっている。でも自分がやってる仕事を楽しんで、誇りを持って取り組めなければちっとも楽しくない。金を稼ぐために夢や達成感や誇りを捨てるのか。世の中の役に立ちながら金も稼げて達成感を得るのが一番かっこいいじゃないか。

37SignalsのJason Friedはことあるごとにベンチャーキャピタルの出資を受け入れるな(Bootstrapped)、利益を出せるようになれ(Profitable)、と言う。ここはアメリカじゃないし、37SignalsやGitHubみたいに何もかもがうまく行くとは思えない。でも夢や理念を実現しようとしない人生はつまらない。酒を飲みながら、自分たちが作ったものに対して誇らしげにプレゼンしてた人たちがとてもうらやましかったし、その熱にほだされた。

勉強しよう。