| @読書

買った本は全部読まなければならない心構えでいたけどそれをやめた。気になった本が Kindle のセールで安くなっていたらとりあえず買っておくようになった。すべて買っただけで満足して読まずに終わるのではないかという不安はあったが、買ってから半年後に読み始めて読了し学びもあったというケースもあるので、「読んでみたい」というその時のモチベーションを信じることにした。人生は短く時間は有限で、読書はいかに有益な情報を書籍から学びとることが重要だと思う。本は一冊 1000 円から 2000 円くらいだし、書籍代は年間でせいぜい数万円くらいのものだ。それをけちるよりはガンガン積読して、読んだ本の中身をしっかり学んで、仕事などを通して払った書籍代以上のリターンを得た方が効率的だ。なので買っただけで読まない本が出てくることを受け入れた上で、本を積極的に積読していくことにした。「読みたい」という気持ちをキープし続けることが大事だと思う。

| @労働

雷山千如寺 五百羅漢

今年はよくユーザーアンケートをとった。アンケート、最初は手探りだったけど最近は知見が貯まっていい感じにできるようになってきたのでノウハウをまとめたいと思う。ポイントは以下。

  1. 問いの設定
  2. Google Form の機能を駆使して誰が回答しているのかをわかるようにする
  3. Big Query と Looker を使った集計・ビジュアライズ

正しくアンケートをやってユーザーの声を聞けば、イチロー並みかそれ以上の打率で機能をリリースすることができるという気がしている。

問いの設定

アンケートで聞くべきは何か。いつも課題を聞くようにしている。やってはいけないのは「欲しい機能は何ですか?」と聞くことだ。良く言われることだがユーザーは自分が欲しい機能をわかっていない。だから課題に感じていることを聞く。

「課題と言っても何を聞けばいいのかわからない」と思う人もいるだろう。自分はいまある程度規模が大きくなってきたプロダクトの PM をやっているので、ユーザーの課題は何となくわかる。問い合わせやユーザー要望、ユーザーの利用データなどから何となくこの辺が課題だろうなというのは見えてくる。課題はこれらを確認することでわかってくるので課題リストにストックしておく。

次にどんな機能を開発すか検討するときに課題リストの中から「これを解決すると良いのでは(ビジネスインパクトが大きいのでは)」というのを見繕って、「〇×にどのくらい課題を感じますか?」という形でアンケートを送るようにしている。回答選択肢は三択で「とてもそう思う」「そう思う」「そう思わない」くらいにする。いくつかの課題を並べて聞き、「とてもそう思う」という回答の割合が一番高いものがペインが大きいと認定し、その課題を解決する機能の開発に取り組むようにしている。

Google Form の機能を駆使して誰が回答しているのかをわかるようにする

アンケートのシステムには Google Form を使っている。一時期は自前でアンケートシステムを作ろうかと考えたが、 Google Form ほどの柔軟性を持ったアンケートシステムを作るのは工数がかかるし、マーケティングチームの人もアンケートを多用していて Google Form に慣れているので Google Form で行くことにした。

ただ、ちょっと使い方を工夫していて、ペライチのページを作って iframe で Google Form を自ドメイン内のページに埋め込むようにしている( Google Form は iframe での埋め込みをサポートしている)。こうすることで以下のメリットがある。

  • アンケートページの URL がサービスと同じドメインになり怪しさがない
  • ログイン後のページに配置することで自ドメインで作成されたクッキーにアクセスできるようになり、ユーザー ID を取得できるようになる

Google Form はクエリパラメーター付きで https://docs.google.com/forms/d/e/XXX/viewform?entry.0000=value とすることでフォームに値を埋め込むことができる。アンケート依頼はアプリへのプッシュ通知で送ることが多いので、その場合には value の部分にユーザー ID が入るようにしていた。しかし一括送信するメールやアプリ内のバナーへリンクを設置する際にこのやり方は使えなかった。サービスのドメイン内にログイン必須のペライチページを作ってフォームを埋め込むようにしたことで、どんな導線からアンケートページに辿りついてもほぼほぼ確実にユーザー ID を取得できるようになった。

ユーザーアンケートは誰が回答しているのかを知るのが超重要だ。プロダクトのヘビーユーザーの回答なのか、ライトユーザーの回答なのかわからないと、次に作るべき機能を検討するときに判断材料として使えない。ライトユーザーの課題を解決する機能を開発しようとしているときに、誰が回答したのかわからないアンケートデータをもとに意思決定をするのは困難だ。

アンケートでユーザー ID を取得する際のデメリットとして、匿名回答ができないことでアンケートの回答率が下がることが懸念されるが、上述の通りどんな属性の人が回答したのかわからないアンケートはデータとしてあまり価値がないのでその部分は割り切ることにしている。また匿名の回答はサービスへのネガティブ感情が強い人からの回答が集まりがちで、自由入力欄の罵詈雑言で集計時に精神的にダメージを受けることもあるのでそれらを避けるという意味でもユーザー ID 必須のアンケートにしてしまって良いと思う。

Big Query と Looker を使った集計・ビジュアライズ

集まったアンケートの回答は一旦 Google Spreadsheet 形式に変換する( Google Form の機能を使うだけで簡単にできる)。スプレッドシートの機能を駆使すればクロス集計したりグラフを作ったりできるが、折角取得したユーザー ID との掛け合わせができない。なので Google Spreadsheet のデータを Big Query に取り込んでいる(詳しいやり方は Google スプレッドシートを BigQuery のテーブルとして扱う - べにやまぶろぐ 参照)。勤務先では Big Query にデータウェアハウスが構築されているので、 Production DB のレプリカとアンケート回答を JOIN することで、どんな属性の人がアンケートにどんな風に回答しているかがわかるようになる。さらに幸運なことに勤務先では Looker を使えているのでこの辺の分析がとてもしやすい。こんな感じでアンケート結果をビジュアライズしている。

アンケートの集計

このやり方をとるようになって、リリース後に「大きく外した」ということがなくなった。少なくとも機能をリリースするときにユーザーに受け入れられるかどうか不安に思うことがなくなった。イチローになったような気分でプロダクト開発することができるのでおすすめです。


この記事は YAMAP エンジニアのカレンダー | Advent Calendar 2021 9 日目の記事でした。明日は @t-yng さんの「僕がフロントエンドのコードレビューをする時に意識していること」です。

| @登山/ランニング

ぼちぼち走ってることは以前書いた。

その後一日に走る距離が伸びて、今では毎回 5km 走るようになった。タイムも速くなってきてる。

走り方を少し変えていて、フォアフットという走り方をするようになった。走るときかかとから地面に設置するのではなく、つま先から着地する走り方だ。最近チラッと読んだランニングの本によると、長く疲れず怪我せず速く走りたいならフォアフットに変えるしかないと書いてあった。速く走りたいという願望はないが、疲れず怪我せず走れるならということでフォアフット走法を始めてみた。

フォアフットに切り替えてみて、最初はふくらはぎが筋肉痛になったり、そんなにハイペースじゃないのに息が上がったりして「これで本当に長く疲れず速く走れるのか?」と思ったが、やってるうちに段々良さがわかってきた。

かかとから着地してた頃はずしんと響く感じが足全体に伝わっていたが、それがいまはない。つま先から着地することでふくらはぎの筋肉と膝のバネで衝撃を緩和してる感じ。特にベアフットシューズの Xero Shoes Mesa Trail に変えてからはソールの薄さ故に足への衝撃が気になっていたのが気にならなくなった。これまで使っていなかったふくらはぎの筋肉を酷使することで一時的に筋肉痛になるかもしれないが、慣れれば足へのダメージが少なく、「確かにこれは長く怪我せず走れるわ」と実感が持てる。

Mesa Trail で近所の山を走ってみたときも問題がなかった。フォアフットは自分の足自体がバネのようになるから、石や木の根がある山道でも衝撃が体に伝わってこない。考えれば昔の人はわらじで山に登っていたわけで、足の使い方を工夫すれば厚底の登山靴は不要なのかもしれない。

ただしフォアフットで走るためにはある程度の基礎的な脚力や心肺能力が必要だと思う。フォアフットでゆっくり走るのは難しい。必然的に体が前屈気味になり、倒れそうになるのを足を前に出して支えるような感じの走り方になる。走り初めの頃の 8分/km のようなペースで走ることはできず、 6分/km くらいのペースになってしまう。 6分/km のペースは決して速いわけではないが、ランニング初心者には(少なくとも自分には)結構きついペースだ。なのでこれまで走ってなかった人がいきなりフォアフットで走るのはやめておいた方が良いだろう。

意図していなかったフォアフットの効能としては扁平足が改善された。自分は土踏まずがのペーっとしている典型的な扁平足で、冬の寒い時期に床に足をつくと土踏まずまで満遍なく接地して足裏全体に冷たい感覚が伝わってきてた。フォアフットで走り始めて土踏まずが高くなり、いまは足の裏全体が接地するわけではなくなった。土踏まずが宙に浮いている感じは新鮮だ。

扁平足は疲れやすいと言われるけど、扁平足だから疲れやすいのではなく、かかと着地で走っていて足のバネが使えていないから疲れやすいのではないかと思う。扁平足は原因ではなく結果なのではないだろうか。

というわけで扁平足でお困りの方はフォアフットで走ってみると面白い経験ができるのでおすすめです。

| @WWW

自民党総裁選前に政治のことが気になり始めてよくニュースを読むようになった。しかし最近はどこの新聞社も記事を有料化していて、ネットでニュースを読むためにはどこかでお金を払う必要があった。学生の頃は日経新聞の記者になりたくて日経新聞を好んで読んでいた(最終面接で落ちた)。数年前に一時期日経新聞を宅配で取っていたこともあるので日経電子版を検討したが、やはりちょっと高い。新聞に書いてあるニュースが仕事に直結するような職種であれば元が取れるのかもしれないが、一日に 20 分から 30 分程度、かるーく記事を流し読みする自分には 4000 円は払えない。もうちょっと手軽に始められないものか。調べてみたところ毎日新聞が出てきた。毎日新聞も好きな新聞で、入社試験を受けたことがある(二次面接で落ちた)。初月 99 円キャンペーンをやっている上に月の購読料もスタンダードプランであれば 1000 円程度で財布に優しい。

自分が新聞社の入社試験を受けていた 15 年以上前も新聞記事はネットで配信されていた。しかし数字や英文字は全角アルファベットだった。記事内の URL は http://www.example.com のような記載でコピペしても該当 URL にアクセスできないという厳しい状態だった。いまの新聞社のサイトも似たような感じだろうと思っていたが予想に反してだいぶモダンだった。記事の英数字は基本半角で、 URL はコピペ可能になっている。有料プランの LP はわかりやすく、支払いは PayPal で行えるし、興味がある記事のジャンルを選択する仕組みもある(ただしレコメンドの仕組みは弱そうだ)。

記事を全文検索したり、興味がある連載記事をフォローしたり、ブックマークしたり、閲覧履歴を確認できたりと、紙の新聞ではできなかったけどウェブサイトなら当然できるような機能が当たり前に提供されているのがうれしい。特に自分が便利だと思ったのが関連するニュースを時系列に閲覧できる機能だ。こんな感じ。

毎日新聞の「時系列で見る」機能

総裁選のときはめまぐるしく毎日情勢が変わっていて、総裁選出馬表面をした菅前首相が翌日には出馬を撤回するなど、単発でニュース記事を読んでいたのではわかりにくかった事実関係を、「時系列で見る」ことで理解しやすかった。

むかしは新聞は記事というコンテンツを作ることに特化していた。しかしウェブの時代はそれでは立ち行かなくなるだろう。スマートニュースや Google ニュースといった配信に特化したプラットフォームもある。新聞社のウェブサイト自体がユーザビリティーや UX を重視し始めるようになってきているのだと思う。とても良いことだと思う。

毎日新聞に話を戻すと、スタンダードプランは 1000 円で記事がすべて読めて、ウォールストリートジャーナルの記事も読める。朝日新聞だと 1000 円程度のプランでは読める記事の数が月 50 本までに制限されるのでめっちゃお得だ。自分の学生時代もそうだったが、毎日新聞は記事を書いている記者の名前が表示される記名記事の割合が多いのも好印象で、ウェブサイトだと記者名で検索して気に入った記者が書いた記事で絞り込んでニュースを読むこともできる。何か有料でニュースサービスに契約したいけどあまり高いのは嫌だなと思っている人には毎日新聞をオススメします。加入して良かった。

| @登山/ランニング

10 月のくじゅうを短パンで歩いている様子

何か新しいことを始めようとしたとき、道具を揃えれば揃えるほど快適になるのではないかと思うかも知れない。例えばキャンプでは道具が多ければ多いほど快適になる。テントに加えてタープがあれば日差しをしのげる。寝袋のほかにマットやコットがあれば快眠できる。調理器具が多ければ作れる料理の種類が増える。しかし登山の場合はそうとは言えなくて、道具が少ない方が楽になるケースの方が多い。なぜなら自分で道具を運ばないといけないからだ。服についても沢山着込めばよいということではない。登山は自分の足で歩かなければならないため、冬でもヒートアップしやすい。荷物を軽くすること、服装が適切で体温調節がしやすいことは、思っているいる以上に大切だ。

登山では暑い日でも長袖長ズボンの着用が常識とされている。短パンで山に行くなんて常識知らずにもほどがあると言われるかもしれない。しかし本当に短パンで山に入ってはダメなのだろうか? 長袖のシャツや長ズボンだと絶対安全なのか?

確かに長袖や長ズボンであれば枝で手や足を怪我することはないだろう。また短パン・半袖では道迷いして山で夜を明かすことになった場合は低体温症になる可能性が高い。しかし山に行くときはなにがしかレインウェア的なものは持っているだろうし、エマージェンシーブランケットを携行するようにすれば半袖短パンでも何とかなる(暖かい季節限定)。そもそも短パンや半袖は、暑さで体力を消耗するのを避け、歩くスピードを上げてきちんと日中に下山するための手段だ。長袖・長ズボンではちょっとした擦り傷や遭難時に低体温症になるリスクは避けられるかもしれないが、気温が高い日の登山では体温調節しにくくなる。体力を消耗して歩けなくなってしまったり、歩くスピードが遅くなって日中に下山できず、山中で夜を過ごさざるを得なくなってしまうリスクがある。遭難したときのことを考慮して長袖・長ズボンで山に行き、逆に体力を消耗して遭難してしまっては本末転倒だ。長袖や長ズボンにもリスクがあると思う。

初心者の人が登山用品店に行くと大して必要なのかもわからないのに重くてソールの固いブーツを勧められたりする。しかし重くてソールの固いブーツが必ず正解とは限らない。九州の低山にしか登らない人にはごついブーツは不要だ。北アルプスだって夏ならトレランシューズで十分歩ける。長袖長ズボンのケースと同様に、重くて固いブーツをはいていたせいで体力を消耗してしまい、遭難してしまうことも十分考えられる。

登山を始めようという人には靴は 1 万円程度のトレランシューズをおすすめしたい。ゆくゆくはアルプスにも行くかも知れないからと、最初から何万円もするアルパインブーツを買うのはおすすめしない。重くて歩きづらいからだ。そのようなブーツは岩だらけの岩稜帯で真価を発揮するし、履きこなすには体力が必要だ。まずは軽量なローカットのシューズで手頃な山を歩いてみて、本格的に登山を趣味にできそうだと思ったときにしっかりしたブーツを買えばよい

| @Mac/iPhone

Yeticaster

Yeticaster と Logicool StreamCam (カメラだけどマイクが内蔵されている)を買ったことは書いた。

MacBook Pro 13" ( 2020 年モデル)本体に内蔵されているマイクや iPhone に付属品として付いてくる Apple EarPods (税込み 2200 円)と比べてどれだけ音が違うかを試してみた。

MacBook Pro 13" ( 2020 年モデル)
Apple EarPods
Yeticaster
Logicool StreamCam C980GR

MacBook Pro のマイクは正直酷い。ファンが回っている状態で録ったというのはあるが、 Zoom などでのミーティング中は当然のようにファンが回るので( Intel CPU Mac の場合)、これは当たり前に存在するものとして受け入れるしかない。外付けのほかのマイクも同じ条件で録音したがこんなに雑音は入らなかった。正直 MacBook Pro のマイクは使い物にならないと思う。

iPhone に付いてくる Apple EarPods の音が良いというのは一年半前の記事でも書いているが、やはり音が良かった。 2200 円でこの音質は素晴らしい。

Yeticaster が一番音質が良く、話している内容がクリアで聞き取りやすい。音量も大きい。専用のマイクをアームを使って顔の近くに配置しているので当たり前だ。

少し音量が小さいが、 Logicool StreamCam の音も意外と良かった。一台でカメラとマイクの両方をカバーできてコストパフォーマンスが良さそうだ。

リモートワーク用にマイクを買おうかと思っている人は参考にしてみて下さい。

| @散財

Logicool StreamCam C980GR

Yeticaster を買ってミーティングの音質を改善した後はカメラが欲しくなってしまった。音質に関しては情報を伝える際に重要になるので投資する意味があるが、カメラに関しては完全に自己満、イケメンならともかく、キモくて汚いおっさんの顔を高画質で写しても意味がないし害悪でしかない、的なことをはてブコメントで見かけた記憶はあるが、以下の理由でカメラを買うことにした。

MacBook Pro を外付けディスプレイにつないで利用していてメイン画面は外付けディスプレイ側だが、大きなディスプレイに Zoom で画面共有されている画面を持ってくると、 MacBook Pro のカメラ側からずっと横向いてる人となってしまって不自然極まりない。視線を合わせるために Zoom の共有画面を MacBook Pro 側に持ってくると、画面共有されている内容がちっちゃくしか見えなくてやりづらい。メインディスプレイ側に Zoom を起きつつ視線も不自然ではなくするためには外付けのカメラを購入して外付けディスプレイに設置する必要があった。

Before / After はこんな感じ。画質がアップしていることのほか、 Before ではただでさえ悪い人相がより一層悪くなっているが、 After ではカメラ目線ではないものの異常な視線ではなく人相もいくらか改善されている。

Before: MacBook Pro 内蔵ディスプレイ

After: Logicool StreamCam C980GR

ちなみに現在の机まわりはこんな感じ(汚い)。

My Desktop

醜男なので良いカメラを使っても意味ないしこういうのは投資する意味がないと思っていたのだが、醜男だからこそ高画質自撮りして、視線もなるべくカメラの方を見るようにして相手に悪い印象を持たれないように気をつけるべきなのかもしれないと思い直した。自己満足かもしれないけど満足度は高いし仕事やる気になる。