| @雑談

Spotify のレコメンデーションは素晴らしいけど Apple Music のはダメだ、みたいな話を以前書いてた。

最近特に酷いなと感じていて、全然興味がないドメジャーな曲( BTS とか)が表示されてクソの極みみたいな状況になっていた。

そんな中、ふと Apple Music の設定を触っていると「視聴履歴の使用」という設定項目があり、チェックが外れていることに気がついた。どうもこのチェックが外れているとレコメンデーションが破滅するようだ。チェックを入れたあとはちゃんと興味関心がありそうな曲(最近聞いた曲に関連するおすすめ)が表示されるようになった。

このMacで再生されたミュージックは、最近再生した項目やReplayミックスに表示され、おすすめにも反映されます。また、Apple Musicのプロフィールを設定している場合は、あなたをフォローしている人にも表示されます。

説明文を読むと Apple Music 内でのプライバシーコントロールとリコメンデーションの設定が一つのフラグで管理されているようだが、フォロワーに再生した曲を見せたくないからといってレコメンデーションも使いたくないわけではないと思う。このフラグは分けても良いのではと思うが、プライバシー保護を徹底するとはこういうこと(おすすめすらしない・されたくない)なんだろうか。

| @ブログ

最初にブログを作ったときからウェブサイトのタイトル(やロゴ画像)が h1 で、記事タイトルが h2 という見出しレベルで HTML を書いていた。しかし最近では、記事パーマリンクのページではサイトのタイトルなどには見出しレベルを設定せず、記事タイトルに h1 を当てている場合が多いようだ。なのでこのサイトでも記事タイトルを h1 とするように変えた。本文中の見出しレベルも h3 スタートだったのを h2 スタートに変えた。

伝統的なブログはインデックスページと記事パーマリンクページで HTML テンプレートを共通化している。なのでインデックスページに記事一覧を表示して h1 タグが並ぶとまずいということで記事タイトルは h2 から、という作りになってるような気がする。このサイトはインデックスページとパーマリンクページでのテンプレート共有化をほぼほぼやめたので、インデックスページとパーマリンクページで記事タイトルの見出しレベルを柔軟に変更している。

サイトの作り手からするとウェブサイトのタイトルこそが最も重要な要素でタイトルロゴなどを h1 でマークアップしたくなるのだが、読み手は Twitter やはてブから飛んできて刹那的に記事を消費し、インデックスページなんかには見向きもせずに去って行くだけだ。個別記事のタイトルこそ重要なのだ。

追記

r7kamura さんからこういうコメントをもらってこういう風に返信した。

HTML5 が出てきたとき、個人的には何かめんどくさいなぁとしか思ってなかったし、世間は Flash を置き換える近未来技術みたいな評価をしていたと思う。しかし、 <header> タグや <article> タグによって、 HTML の構造化と文書の構造化を分離できるようになったのがセマンティックWeb的なメリットだということに気がついた。つまり <h1> などの見出しルールは <article> タグの中で守られていればよいのだ。

ということに HTML5 が死んでから気がついた。

| @Mac/iPhone

Reeder 5

フィードリーダーは Inoreader を 5 年くらい使ってる。年間 14 ドルくらいでめっちゃ安いしあまり不満はないが、 Reeder 5 に iCloud Feeds という機能があることに気がつき Reeder を試してみることにした。

以前の Reeder は昔ながらのフィードリーダーとしてローカルマシンからフィードを読み込むか、外部のフィードリーダーをバックエンドとして利用するスタイルの使い方しかできなかった。外部サービスを使わない使い方だと端末間で既読未読を同期できないので不便だし、職場では Windows を使わなければならない人はそもそもフィードを読むことができない。また外部リーダーをバックエンドに使うと、新着の数記事しか Reeder では表示出来ない。例えば Inoreader のウェブサイト inoreader.com でなら既読の過去記事も遡って読めるのに、API ごしに Reeder で確認するとフィードごとに最新の 5 ~ 6 件程度の記事しか読めない。なので Reeder のルック&フィールの良さは認めつつも同期や過去記事の閲覧に弱い点がネックで常用するには至らなかった。

その弱点を埋め合わせるのが iCloud Feeds で、 iCloud Drive 経由でフィードが同期されるので仕事用の Mac でも私物の Mac でも iPhone でも未読既読を同期しつつフィードを読むことができる。また、読んだあとの記事を消さずに残しておくこともできるので、読み終わった過去の記事をキーワード検索することもできる。実はこれが個人的にはめっちゃうれしくて、 Google Reader のこの機能をめっちゃヘビーユースしていた。どんなにデータベースや検索システムが素晴らしくても、手元に全部検索対象のファイルがあって grep した方が手軽で便利だと感じてしまうように、手元のにあるデータの中から通信をせずに全文検索できる方が安心感がある。

Reeder は ASP 型のフィードリーダーと違って、注目の記事とか新たなおすすめフィードなんかを表示してこない。 2007 年頃のフィードリーダーと同じ機能を提供してくれる。自分に必要な情報を自分に必要なタイミングで接種することができる。

| @WWW

登山道上のケルン

はてなブックマークがユーザーインタビューをするということで、はてブに対する思いをネットに発露している人達が散見された。

自分はコロナ禍になって気がつくとはてなブックマークばかり見ていてヘビーユーザーになっていた(ブックマークはあまりしてなくて見る専)。会社の人との雑談がなくなり、息抜きしたいときにははてブを見る暮らしをしている。

なのでインタビューに応募してみたのだが、どうも落選してしまったみたいなので、はてブについての考えを書いてみることにする。

はてブのバリュープロポジション

まずはじめに、はてブとは何なのか、どんなメリットがあって使っているのかを整理したい。はてブには以下の三つのバリュープロポジション(価値訴求)があると思う。

  • インターネットで何が話題になっているかがわかる
  • ほかの人がコンテンツにどのような評価をしているか確認できる
  • 見かけた情報をあとで参照するために保存しておける

インターネットで何が話題になっているかがわかる

そこを訪れればいま何がインターネットで話題になっているかがわかる。ニュースサイトに張り付いてくまなく記事を読まなくても、はてブを訪れれば話題になっている情報だけを効率的に摂取することができる。

ほかの人がコンテンツにどのような評価をしているか確認できる

SNS ・掲示板サービス的な側面であり、ほかのユーザーと交流することができる。また、ほかの人のコメントによって大まかなコンテンツの概要を把握することもでき、コンテンツの要約機能も提供している。

見かけた情報をあとで参照するために保存しておける

そのまんまブックマークサービス的側面のことだ。当初オンラインブックマークサービスはこの側面をウリにして始まったと思うが、今日、この部分よりも何が話題になっているかの確認や、他の人のコメントを読みたくて利用している人がほとんどだと思う。

はてブの中の人もその辺は認識済みのようで、はてブのウェブサイトを未ログインで訪れるとサインアップを促すダイアログが表示され、「同じページを読んだ人の感想が集まります」とメッセージが記されている。「ブックマークしておいてあとから確認できます」とか「異なるパソコン間でブックマークを共有できます」みたいなことは言ってない。正しいと思う。

はてブ未ログインダイアログ

プラットフォームとしてのはてブ

プラットフォームとしてはてブをとらえたとき、ユーザーはコンテンツ(ブックマークコメント)の生産者と消費者に二分される。コンテンツの最初のブックマーカーになること、面白いコメントを書いてスターを獲得することをモチベーションとし、公開でブックマークするのが生産者で、消費者は生産者がブックマークしたコンテンツや、生産者によるブックマークコメントを読むことを目的にはてブを訪れる。ブックマークコメントが面白ければはてなスターを送る。はてブのような CGM では生産者と消費者はスパッと二分できなくて、あるときには生産者でありあるときには消費者であるというのが特徴だ。書籍『プラットフォーム革命』ではこの生産者と消費者の価値交換のことを「コア取引」と定義している。

はてブ考(コア取引).svg

はてブというプラットフォームを成長させるためには、プラットフォーム内で価値交換の回数を増やすことが超重要だ。

なお、はてブの外にインターネットを置いてみると、はてブというのはコンテンツ消費プラットフォームという側面が見えてくる。はてブ内の生産者も消費者も、インターネット上に存在する様々なコンテンツを閲覧する立場には変わりがない。

はてブ考(プラットフォーム).svg

はてブに集まっている人は、コメントする人もしない人も、インターネット上の情報をみんなで消費しているのだ。

高い生産者率

少し前、インターネット利用者の行動がだんだん見えなくなってきているということについても記事を書いた。

あとの方になってからインターネットを使い始めた人々にとっては、インターネットとは自分から情報を差し出す場ではなく、情報を摂取する場なのだ。買い物をしたり、動画を見たり、音楽を聞いたりしているだけだ。自分でウェブサイトを持ってブログを作ったりしている我々は、今日のインターネットにおいて決してマジョリティではない。

受動的にインターネットを使うだけの人に、 1990 年代の終わりに我々インターネット老人が感じたのと同じような興奮や感動を与えられるのだろうか。多分、発想を転換しないと難しいだろう。我々が面白がったインターネットと彼らが欲しているインターネットは別のものなのだ。ただ受動的に使っているだけでより便利になり、快適になっていくインターネットをどうやって作っていくかが見えないインターネットの時代のテーマになると思う。

スマートフォン全盛時代になってインターネットを使い始めたユーザーは生産者側に回ることが少なく、ひたすらコンテンツを消費しているだけという話だ。

一方ではてブを見ると、ブックマークにコメントが付いている割合(生産者率)が高い。 2022年6月11日のホットエントリーの記事執筆時点でのコメント率を調べてみると以下のような感じだった。

コメント率

中央値 平均 最大 最小
38.1% 38.4% 76.8% 2.5%

この日のホットエントリーの 1/4 以上が 50% 以上のコメント率となっている。この生産者率は CGM サービスとしては高い方だと思う。

生産者率が高い理由とその影響

生産者率が高いのは以下の背景があると考える。

  1. コメントをしやすい設計になっている
    コメントが 100 文字一回だけで投稿の敷居が低く、また他人のコメントを読むコストも小さい。
  2. 安全地帯からコメントできる
    ブックマークされるコンテンツの著者からは直接言い返されることのない安全地帯からコメントすることができる。
  3. 無名ユーザーでも承認欲求を満たしやすい
    フォロワーの多寡に関係なく内容本意で評価されてスターをもらえるため、承認欲求を満たしやすい。例えば Twitter であればたくさんいいねをもらうためにはフォロワーが沢山いるか、拡散力のある人からフォローされていないといけない。はてブではブックマークされるコンテンツが主なので、今日登録したアカウント(お気に入られがゼロ)でもコメントが面白ければ評価される。

コメントをしやすいことと、反論されにくいこと、承認欲求を満たしやすい特性から、ときにはネガティブなコメントが集まる力学が働いてしまっていると考えられる。

ブックマークされるコンテンツ

ブックマークされるコンテンツの変化

はてブにブックマークされるコンテンツにはここ数年変化があったのではないかと思っている。昔は Photoshop や CSS テクニック、 jQuery プラグインの話のほか、 PHP やセキュリティの話題、シリコンバレーのテック界隈事情、ポール・グレアムやアーロン・シュワルツの翻訳などを見かけることが多かったが、ウェブ開発系の話題は減り、増田とニュースサイトの記事、そして Togetter が目立つようになった。

実際のところどうだろうと思って、 5/13 ~ 6/11 の 30 日間の人気エントリーページに掲載されているコンテンツのドメイン別のブックマーク数を、 2022 年から 2007 年まで遡って調べてみた。

2010 年頃までは個人のブログやウェブサイトでもランキング上位に入れていたが、 2011 年頃からまとめサイト系が勢力を伸ばしてきている様子がうかがえる。ただしまとめサイト系も転載問題や2ちゃんねるの規制強化で情報転載元がなくなりすぐに失速している。

2012 年から 2010 年と 2011 年に勢いがあった Photoshop VIP のサイトが下落し始める。 CSS や Photoshop 、 jQuery プラグイン的なアレだ。 2010 年代前半までは本当によく目にしていた。 2014 年に Photoshop VIP はランク外となる。

2010 年代中盤以降は今日と同じような顔ぶれに変わる。 ITmedia や CNET など老舗のネットニュースメディアや Lifehacker 、 GIGAZINE などの翻訳転載系・暇つぶし系ネットメディアは上位に入りづらくなった。かわりに NHK や新聞社が目立つようになる。かつて新聞社はインターネットにちゃんと取り組んでなくて、サイトにニュースはほとんどなく、ニュースはポータルサイトで読むみたいな時代が続いていた。スマートフォン全盛時代を迎えて一般ユーザーがインターネットに増えてきたので、それにあわせてマスコミも考えを変えてきたのだと思う。

なお一位と二位はここ数年はてな匿名ダイアリーと Togetter が確保している。この点については後ほど詳しく述べる。

下がるブックマークされるコンテンツの多様性

総ブックマーク数と総コンテンツ数を見るとこうなっていた。

総ブックマーク数と総コンテンツ数

両者とも右肩上がりで好ましいように見える。 2022 年の総ブックマークが下がっているが、これはタイムラグが存在するためで、この集計後もブックマーク数はじわじわ伸びると思われる。

30 日間でブックマークされるホスト(ドメイン)の数を集計してみるとこうだった。

ホスト数

2014 年頃に 400 ホスト超あったのが 2018 年に 167 ホストまで大きく落ち込み、その後少し回復したが 2017 以前の水準には戻っていない。

なお、 2018 年に総コンテンツ数とホスト数が減っているが、この年の 5 ~ 6 月にはてブはシステムリニューアルをしていたようだ。総コンテンツ数とホスト数が減っているのはその影響だろう。

ブックマーク数が多い上位 10 ホストへのブックマーク数、ブックマークコンテンツ数の集中度合いを調べたものが以下だ。

ブックマークの集中度合い

ブックマーク数もコンテンツ数も年々集中度合いが高まってきている。 2018 年頃に 50% を超えて、いまでは 6 割近くが上位 10 ホストのコンテンツで埋め尽くされている。いつはてブを開いても同じようなサイトの記事ばかり並んでいるなぁと思っていたが、それが印象ではなくデータとして裏付けられた。

また昔の話に戻るが、ホームページを作る人のネタ帳というブログがある。 CSS ネタなどの合間に話題となるような世俗的な記事を挟み、かつては 1000 ブックマーク以上つくような記事を量産していた。最近、ホットエントリーに入っていないなと思ってる方も多いのじゃないかと思う。もうなくなったのかなと思ってサイトを見に行ってみたところまだ存在していて、かつてほどではないにせよいまも記事が投稿されていた。しかしこのサイトの最近のブックマーク数は 100 にも到達していない。一桁のものも目立つ。とはいえ 1000 ブックマーク付いていた頃と比べて内容が変わったようには思えない。

ホームページを作る人のネタ帳の人気エントリー ホームページを作る人のネタ帳の最近のエントリー
ホームページを作る人のネタ帳はかつては 1000 以上ブックマークされる記事を量産していた(画像一枚目)が、最近の記事は少ししかブックマークされていない(画像二枚目)

はてブのユーザー層が変わったから? それだけではないと思う。ブックマークされるコンテンツの集中度合いが高まることによる影響だと考える。

はてブではホットエントリーに入ることでブーストされてさらにブックマーク数が伸びるという現象がある。昔は個人サイト・ブログでもホットエントリー入りが容易だったが、今日ではマスコミのニュース記事がブックマークされるコンテンツとして大勢を占めるようなり、個人サイトがホットエントリー入りしづらくなってきている。ホットエントリー入りしなければ以前と同じようなコンテンツでもブックマーク数が伸びづらくなってくる。

伝統的な経済学は有限な資源をどう配分するかを問題としてきた。資源とは天然資源のことだけではなく、商品一般とかお金のことを指すこともある。しかしインターネットの世界では限界費用がゼロなので、コンテンツ自体は無限に複製できる。有限なのは人間の時間の方だ。なのでユーザーの時間をどのように効率的に配分していくかが重要になってくる。その貴重なユーザーの時間の争奪戦に個人サイトが参入しづらくなってきている。

ユーザー層の変化

ブックマークされるコンテンツが変わったということは、ユーザー層も変わってきているのではないかと考えられる。

上述の通りホットエントリーの総合でウェブデザインや HTML 系の話題を見かけることはなくなった。かつて目立っていたソフトウェアエンジニアやデザイナーの割合は減ってきていると思われる。かわりにオフィス勤務の事務職やフリーランスの非 IT 技術者が増えている印象がある。妄想ユーザー像は以下だ。

高学歴理系男性で IT リテラシーが高く、パソコンを使う仕事をしていて仕事中に自由にインターネットを使える人が多そうだ。

思想的な特徴はリベラル寄り(立憲民主党支持)だ。ただ、ロシアのウクライナ侵攻や立憲民主党の党首交代でちょっと雰囲気が変わった気もする。

資産運用やマンション購入などの記事が定期的に話題になるのでそこそこ経済的にゆとりがある人が多そうだ。ただしめちゃくちゃリッチな人は少ない印象。関東や東海、近畿の大都市で中の上くらいの暮らしをしていて実家は朝日新聞を購読してる、みたいな感じの人が多そうだ。

はてブに寄生するウェブサイト・サービス

Togetter の脅威

2021年どこのサイトが最もはてブのホットエントリに入ったかという記事があって、ここ 3 年のブックマークされたコンテンツ数をドメインごとに集計すると、一位がはてな匿名ダイアリー(増田)で二位が Togetter のようだ。段々増田と Togetter の差が縮まり、2021年は肉薄している。

増田 Togetter
2019 14.2% 13.3%
2020 13.3% 11.3%
2021 12.4% 12.1%

先ほどの表でもここ数年、一位と二位は増田と Togetter だったが、今年は Togetter に逆転されて匿名ダイアリーが二位になってしまった。

Togetter ははてなのエコシステムにとって脅威だ。折角はてブが集めたアテンションを奪っている。個人的に最も問題だと感じるのが Togetter に表示されるエログロマンガや豊胸、手のシミ除去、精力剤、毛生え薬、歯の黄ばみ除去、鼻の毛穴につまった脂除去などのグロテスクで低俗な広告で、はてブを見ていると必然的に Togetter も見ることになり、 Togetter の悪趣味な広告がはてブの UX も悪化させている。一時に比べれば減ったが、5ちゃんねる系のまとめサイトや Twitter まとめブログのようなものは今日も生き残っていて、はてブ経由で獲得したユーザーに対して低俗な広告を表示している。 Togetter とあわせてはてブに寄生する厄介な寄生虫のようなものだと思う。

はてブからまとめサイトなどを除外したホットエントリー一覧ページを作って公開しているサイトなんてのもある。自分のブログへのリファラーとして残っているだけでも以下だ。俗悪コンテンツを削除した上で独自の広告を入れているものもある。

Togetter やこれらのはてブのデータを加工したサイトは、はてブから獲得したアテンションやはてブのコンテンツを無料で利用し、お金(広告収益)に換えている。

はてブの競合

はてブの価値訴求が「インターネットで何が話題になっているかがわかる」と、「ほかの人がコンテンツにどのような評価をしているか確認できる」、「見かけた情報をあとで参照するために保存しておける」であることは最初に述べた。競合に関してはそれぞれの価値ごとにリストアップできる。

「インターネットで何が話題になっているかがわかる」サービスとしての競合

  • Twitter

Twitter の Explorer ははてブにとって驚異だと思う。まだいまはローカライズやパーソナライズが甘い(話題が広すぎる)気がするが、もっとニッチな情報や属性に応じた情報の出し分けが進めばいまはてブを見る専で使っている層にも響くかもしれない。現実問題、一般のインターネットユーザーやテレビ局の人達は Twitter の Explorer 経由でインターネットの動きを把握してそうだ。

「ほかの人がコンテンツにどのような評価をしているか確認できる」サービスとしての競合

  • NewsPicks
    • ニュースに対する識者のコメントを読める
  • Yahoo! ニュース
    • 有象無象のコメントを読める
  • Twitter
    • いろんなユーザーのコメントを読めるがあまりまとまっていない
  • 5ちゃんねる?
    • まともな人はもう使ってなさげ

ニュース記事に他の人がどんな評価をしているか、ニュースの背景に何があるのかを知りたくてはてブを見ることが多い。はてなユーザーのなかにはその分野の識者のような人がいて、ニュースの背景にある事実を解説してくれてたりする。

その識者のコメントを読める部分を強化しているのが NewsPicks だと思う。ちょいと前に以下のような記事を書いた。

人間は見たものをどう評価・解釈するかを他の人と共有したい欲求がありそうだ。また、他の人がどう思っているかを知りたい、それを見てからコンテンツを消費するか決めたいというコンテンツ消費の二軍みたいな人たちもいる。コンテンツが無数に溢れているから、あまり面白くないコンテンツで時間を無駄にしたくないという心理が働くのだろう。

人々は情報を摂取するときに、みんなで情報を咀嚼したいという欲求があるように思う。ラピュタの放送があるときに Twitter で「バルス」と言ったり。みんなでコンテンツを消費する方が楽しいのだ。

また数多くあるコンテンツの中からどれを消費すれば良いかわからない、というのもある。自分が信頼するあの人(はてブのお気に入りユーザー、 NewsPicks の著名人)がコメントしているものを読みたい、という欲求もあるだろう。

はてブはこのような仕組みを作ったパイオニアだとは思うが、 NewsPicks はもっと洗練したやり方でこの手法をコピーしていると思う。

はてブと NewsPicks の比較.svg

はてブにはかつてははてなダイアリー、いまははてなブログや匿名ダイアリーなどがあってブックマークしたくなるコンテンツがあり、そこにブックマークコメントが集まってみんなでコンテンツを消費する循環ができていた。

NewsPicks がその仕組みを真似たのかどうかは知らないが、一般のニュースや識者によるコンテンツと企業経営者などを集めてきてコメントしてもらい、一般のユーザーを集めている。

「見かけた情報をあとで参照するために保存しておける」サービスとしての競合

  • Pocket
  • Instapaper
  • ブラウザーのネイティブブックマーク
    • Safari や Chrome にはリーディングリスト(あとで読む)機能がある

最近はブラウザーにリーディングリスト機能が実装され、クロスデバイスでブックマークを同期するようになってきているのでオンラインブックマークの役割は薄れつつある。またブラウザーのブックマークと違い、オンラインブックマークを繰り返し見ることはないはず。ショートカット的な利用はブラウザー内のブックマークの方が便利だ。

はてブはニュースサービス、コメントサービス(ほかの人の感想・要約確認サービス)としての側面を強化していくのが良いと思う。ブックマーク機能ではブラウザーのネイティブブックマークに勝てないと思う。

はてブのマネタイズ

はてブの課題は、折角集めたアテンションを Togetter などの寄生するサービスに奪われてマネタイズの機会を逃していることだ思う。ユーザーは俗悪・低劣な低俗広告を見せられ、儲かるのは寄生サービスだけだ。はてなもユーザーも損をしている。折角はてブで獲得したアテンションを外部の人達にマネタイズされないようにしないともったいない。

UA で外部サイトからブロックされてしまう危険も伴うが、有料プランを作って有料プラン加入者には AdBlock サービスを提供したり、 Reader モードでの閲覧を可能にすると良いだろう1。 Twitter Blue のようなサービスだ。 Togetter などに表示される手のシミ、インプラント、増毛、豊胸、エログロマンガなどの低俗広告を見なくて済むようになるのであれば自分は加入したい。

はてブの中でもっとも価値があると思われるホットエントリーの情報をぶっこ抜いて自サイトの広告に置き換えて流用するサイト、サービスも問題だ。 Twitter が外部クライアントの API 利用を制限してきたことは問題視されてきた。一インターネットユーザーとしては Tweetbot など好きな Twitter クライアントで Twitter を利用したいが、 Twitter 自体のマネタイズを考慮すると、(広告を入れるために)あのような API 利用制限は仕方がなかったと思う。はてブでも何らかの近しいことをして、ホットエントリーなどの貴重な情報を簡単に他者が利用できるような状況は是正しなければならないと思う。もし使いたい第三者がいるならば、登録制にしてきちんと対価を得るべきだ。

いまはもうなくなってしまったはてブの有料プラン、はてなブックマークプラスの機能を見ると、想定するターゲットユーザーがはてブのアクティブなユーザー(プラットフォームの生産者的な側面が強い人達)を対象にしていたように思う。例えばタグの一括編集とか。そんなのにお金を払いたい人は多くはないだろう。

Autify CEO の近澤さんのブログに書かれているみたいに、顧客の Burning needs をつかみに行くことが大切だ。

はてブの大多数の物静かなユーザーは何を求めているのだろうか。

はてブの未来

この記事を書いていてはてブを作った伊藤直也さんのブログ(元ははてなダイアリー)を読んだ。

直也さんは HBFav を作ったときの記事(「はてブよりソーシャルゲームじゃなかったのかセニョール」)で、今後人々は知っている人経由でニュースを読むようになるというマーク・ザッカーバーグの発言を引用している。

また以下の記事で、他人との関係性がコンテンツ価値に影響を与える( t_wada さんの食に関するツイートは無価値的な話)とも書いている。

これまでは確かにそうだったかもしれないが、今後は違うのではないかと思っている。上の方で述べたブックマークされるコンテンツの集中度合いが高まってきていることからも明らかだが、より普通の人がインターネットに増えてきていることが関係している。普通の人は SNS で気が合いそうな人を見つけてフォローしたりしない。 Instagram で誰かフォローするにしてもセレブや有名人ばかりという人は多いんじゃないだろうか。

ソーシャルなつながりによって閲覧するコンテンツを探したいと思っているのは我々インターネット老人だけなのではないかと思う。デジタルの世の中では時間が最も希少価値が高いものだと書いた。そういう時代にあって人々が求めるのは外さないコンテンツだろうと思う。ど定番の巨人・大鵬・卵焼き的なコンテンツか、その人の趣味嗜好を反映し高度にパーソナライズされたコンテンツだろう。

その上で、これからのはてブが提供できる価値は他者と共同でコンテンツを消費する部分にあるのではないかと思っている。

  • みんなと一緒に一つのコンテンツを消費することで理解を深める
  • より深くコンテンツを楽しめる
  • ソーシャルリーディング

跋文

最後に、今回のユーザーインタビューの募り方に関しては疑問がある。公式ブログでインタビュー候補者を募るとはてブ愛が強い層が応募してきてインタビュー結果に偏りが出ると思う。

日頃のはてなブックマーク開発ブログの文面からも、はてブ開発チームの皆さんが既存ユーザーを大切にしていることが伝わってくる。もちろん既存ユーザーを大切にすることは大事なのだが、はてブはインターネットが大好きなインターネットおじさんをターゲットにしているだけでは伸び代が限られると思う。

スマートフォンが普及してからインターネットを使うようになった層ははてブを通り越して NewsPicks やスマートニュースなんかを使っていそうだ。そういうライトユーザーをどう引き寄せるかがはてブの今後の成長の鍵になると思う。インターネット老人はいずれ死ぬし数も限られている。

難しいかもしれないが、はてブに登録してすぐ使わなくなった離脱ユーザーとか、そういうおとなしいユーザーを見つけてきてインタビューする方が有益なインサイトが得られると思う。少なくともインタビュー相手は応募してくるのを待つのではなく、利用状況を分析してはてブ側が話を聞きたい相手をリクルーティングしていくやり方の方がよいと思う(もし見えないところでそういうことをされてたらすみません 🙇🏻‍♂️ )。

インターネットはこのまま放っておくと我々インターネット老人がインターネットを始めた 1990 年代末期とは異なる世界になっていくと思う。自分には進化しているようで退化しているように感じられる。そのうち別に記事を書こうと思っているが、 RSS が使われなくなったかわりにメールマガジン(ニュースレター)が流行るとか、トラックバックがなくなって、誰かのブログに言及してブログを書いたときには SNS で知らせる必要があるとか、文章で読めば 1, 2 分で済む内容がわざわざ動画化されていて 10 分強じっと動画を見なければならないとか、昔のインターネットの方が進んでいた、というような状況はいくつかある。我々が失ったウェブ的な話だ。

はてブとはてなにはインターネットの先進性をキープしつつも、 2020 年代の人々のニーズにマッチする機能を提供していって欲しい


  1. ただしはてな自体が広告モデルのビジネスをやっているので蛸が自分の足を食べるみたいな状況になってしまう懸念はある 

| @雑談

GRiPS

福岡の宗像市に GRiPS というアウトドアショップがある。

このブログでも何度か触れているし、ウルトラライト( UL )な登山ギア愛好家の中ではかなり有名な店だ。仕事で何か新しい事業に取り組まなければならないとき、 GRiPS のやり方は参考になると思うので GRiPS の何がすごいのかを言語化してみた。

GRiPS との出会い

最初 GRiPS に行ったのは登山を始めたばかりの頃で、山と道製品を取り扱ってるってことで通りがかりにちょろっと冷やかしで行ってみた。そしたら店の入口の張り紙に「冷やかしお断り」とか「子どもの入店お断り」と書いてあってビビった。店内にも「触って傷つけたら買い取り」と注意書きがあって怖いし、その頃は子どもが幼稚園に行っていてとにかく金がなく、高いギアとか買う余裕はなくて、「なんか高いのが多いし怖いなぁ」くらいにしか思ってなかった。

頻繁に買い物するようになったのはコロナ禍になって給付金出た頃くらいで、この頃くらいからハンモックが欲しくてたまらなくなったのと軽量な荷物で泊まりで山に行きたいと思うようになってきて、軽くて機能性の高い製品は GRiPS にある、ということでよく GRiPS のサイトを見るようになった。いまは多分 Twitter やはてブと同じ頻度で見てると思う。

GRiPS のサイトを頻繁に見る理由

ただの一地方のアウトドアショップのホームページをそんなに見る必要があるのか? ある。めっちゃ商品の入荷が早く、売れるのも早い。 GRiPS の店主がブログや Instagram で商品を紹介すると一瞬で売り切れる。自分は悩んでいるうちに売り切れてしまって結局他店舗で購入するということがたびたびあった。

GRiPS のすごさ

GRiPS のすごさをまとめるとこうだ。

  1. 実際に店主が使って良いと思ったものだけを販売している
  2. 入荷してから商品の掲載までが早い
  3. 発送が早い

UL ギアを扱ってるオンラインショップは沢山あり、 GRiPS でしか扱っていないものはそんなに多くない( AXESQUIN 別注製品とかハンモック関連の一部は AXESQUIN と GRiPS でしか買えないものがある)。なので商品力で他社を圧倒しているわけではない。総合力でとにかくすごい。

実際に店主が使って良いと思ったものだけを販売している(情報の信頼性、使い方の提案、発信力)

GRiPS はメーカーから来る商品画像や情報をそのまま載せるだけでなく(メーカー提供の画像や文章そのままのものもある)、写真を撮影して追加の画像を掲載したり、スペックがカタログ値と異なる場合は細かい注意書きが書いてあったりするし、アパレルの場合は店主永松さんの身長体重でどのサイズがちょうど良かったかが記載してあるのでとても助かる。 GRiPS のサイトの説明が Amazon や楽天のページ、もっと言うとメーカーの公式ページよりも信頼できるということがある。

さらにはお店のブログで実際に山で使っている様子や、使ったあとの感想が確認できる。無味乾燥な商品紹介という感じではなく、山で楽しんでる様子が伝わってくる。そういうのを見てると買いたくなってくるのだ。自分がハンモック欲しくなったのは完全に GRiPS のブログのせいだ。

入荷してから商品の掲載までが早い

家族だけで運営しているにもかかわらず(最近はアルバイトの人もいるみたい)、入荷した商品がウェブサイトに掲載されるまでがめっちゃ早い。ギア類は他社と同じ流通ルートを通って GRiPS に入るはずなので、ウェブサイトに掲載されるまでの速さは完全にお店の頑張りによると思われる。

GRiPS のウェブサイトには結構タイポがあるのだが、少々タイポがあったとしてもギア愛好家としては速く新商品の情報を確認できる方がうれしいはずだ。ガレージブランドのギアは買い逃すと来年まで入荷がなかったりする。なので入荷を知ったら一刻でも早く購入して安心したいのだ。

発送が早い

商品が発送されるまでのスピードが速い。リアル店舗と同時展開しているオンラインショップだと発送されるまでに 3 ~ 4 日かかることはざらにある。 GRiPS は発送までが極めて早く、午前中に買えば即日発送ということになってるが、経験上、 14 時くらいまでに買っても即日発送されて翌日には届く。ある新製品が発売されたとき GRiPS のウェブサイトに掲載されるのが一番早いのだが、発送も早いので GRiPS 以外で買うという選択肢はなくなる。

ちなみに送料は 11,000 円以上購入で無料になる(北海道除く)。ただし 11,000 円超えるために同時に買うものをどれにするかで悩んでいると買いたいものが売り切れたりするので注意が必要。

GRiPS の活況具合

年末のブログだと発送点数数万件とあった。

11,000 円で送料無料になることから購入単価は 11,000 円くらいではないかと想像する。となると発送一万件だったとして 1 億 1 千万の売上。経産省によると、小売業の従業員一人あたりの売上平均は、中小企業の場合は 1451 万円に過ぎないようだ(2.従業者1人当たりの売上高|商工業実態基本調査|経済産業省)。ファミリービジネスの小売りで、しかも週 3, 4 日くらいの営業で(山でギアのテストをしているので休みが多い) 1 億円超えはすごいのではないだろうか。

まとめ

ブルーオーシャン戦略というマーケティングの本に、市場の境界を引き直すことが大切だと書かれている。 GRiPS は情報発信に努めていること、早く品出しすること、発送をスピーディーに行うことで、商品自体は他社と同じものを扱っていながら、独自の市場を創造しブルーオーシャンを謳歌していると思われる。どれも当たり前で基礎的なことだが、組み合わせることでとても強力になるし独自の強みとなる。飛び道具がないビジネスの参考になるんじゃないかと思う。

| @雑談

銀玉

USB DAC を導入したので 20 年以上前に買った曲を聞いたりしてる。大学近くの新星堂で試聴して買った Brittle Stars というバンドが好きだということは 10 年以上前から何度もブログに書いている。今にして思うと、アメリカのインディーズレーベルのバンドの曲を郊外の住宅街の CD 屋で試聴できてたってのはめっちゃすごいことだった。

最近は天神のタワレコですら棚がスカスカで、いま自分が大学生だったらこういう音楽との出会いはなくて、アルゴリズムにおすすめされるひたすらメジャーな曲を聞くだけの人生になってしまいそう。

アルゴリズムが推薦してくるものには偶然の出会いがないと思う。「このアーティストが好きな人はこのアーティストも好きな傾向があります」ということで、必然の出会いしか起こらなくなる。統計学の前提からはみ出るような偶然の引き合わせみたいなのがないと人生つまらなくなるんじゃないだろうか。

ちなみに自分が学生の頃よく行ってた新星堂は 2014 年に閉店していた。

| @散財

Topping D10s

一つ前の記事で USB DAC を買ってハイレゾ音源を再生できるようになったが違いがわからなかったと書いている。

しかし↑の記事では全然ハイレゾ再生できていなかった。「 Mac 側の設定は不要」などと書いているが、 Mac 側でも設定は必要だった。一つは Music アプリのオーディオ品質設定でハイレゾロスレスを選ぶことだ。

Music アプリのオーディオ品質設定

なお、ドルビーアトモスを「常に」にしていると、ハイレゾに対応した楽曲でも Dolby Atmos を優先してしまってハイレゾで曲を聴くことができない。 Dolby Atmos でハイレゾというのは両立できないようなので、ドルビーアトモスの設定値は「自動」にしておくと良い。

次に、 Audio MIDI 設定アプリのフォーマットのセレクトボックスからハイレゾに対応した周波数を選ぶ必要がある。 D10s だと 2 ch 32 ビット整数 384.0 kHz まで選ぶことができるのでこれにしておく。

Audio MIDI 設定アプリ

ここまでしてようやくハイレゾ再生できるようになる。

Topping D10s

Hotel California をハイレゾ再生中

なので一つ前の記事の追記で

何時間か聞き込んでみた。音を大きめにして、ジャズなどのドラムの音を聞き取りやすい曲を再生してみると違いがわかるような気がする。ドラムの音がなまめかしい。なまめかしいという表現が適切なのかわからないが、音に生音感があるといったらいいんだろうか。ギターなどでは違いを感じにくいけど(高音難聴だからかもしれない)、打楽器の聞こえ方で結構な違いがあるような気がする。最初は無駄銭失いかと思ったけどそうでもないかもしれいと思い直している。

などとのたまわっているが、このときは 44.1 kHz でしか楽曲を再生できておらず何の変化もなかったはずだ。設定が必要とわかったあとに設定を変更して聞き比べてもみたが、やっぱり違いがわからなかった。なので自分はハイレゾを聞き分けられる耳を持っていないのだろう。 

なおいろいろ調べていて衝撃の事実がわかった。新しめの Mac ( 2021 年以降の M1 Mac )なら USB DAC 不要でハイレゾ音質で音楽を再生できるようだ1

MacBook Pro (14-inch, 2021) および MacBook Pro (16-inch, 2021) は、高品質のハードウェア DAC (デジタル/アナログコンバータ) を搭載していて、最大 96 kHz のデジタルオーディオをアナログオーディオに変換できます。ヘッドフォンやスピーカーなどのアナログデバイスを Mac のヘッドフォンジャックに直接接続すれば、外付けの DAC がなくてもハイレゾ音源を楽しめます。

新しい MacBook Pro モデルのハイレゾ DAC について - Apple サポート (日本)

自分の Mac は私物も仕事用のものもまだ Intel Mac なので USB DAC 経由でないとハイレゾ再生できないが、 2021 年以降の M1 Mac を持っている人なら USB DAC なしでハイレゾで音楽を聞くことができるということだ。 M1 チップは本当に何でもできてすごい。

USB DAC を買ってみてわかったことをまとめると以下だ。

  1. そもそも自分はハイレゾの音を聞き分けられない
  2. 2021 年以降の M1 Mac は 3.5m ジャックからハイレゾに対応したオーディオ出力が可能

ハイレゾロスレスを聞き分けられる自信があるおっさんは M1 チップを搭載した 2021 年以降の Mac を買いましょう。


  1. ただしサポートしている周波数は 96 kHz までで、 Apple Music のハイレゾロスレスの最高値は 24 ビット 192 kHz のようなのでそれには及ばない。